最終更新日:2009年07月31日
知念 寛さん/琉球大学医学部附属病院 第一内科
クローン病
アンビシャス会報誌をお読みの皆様、こんにちは。クローン病歴26年目の知念寛と申します。私は現在、琉球大学医学部附属病院の第一内科という所で炎症性腸疾患(クローン病・潰瘍性大腸炎など)の診療と研究に携わっております。ですから、琉大病院の患者様やクローン病友の会の方などには、私を御存知の方もいらっしゃるかと思います。
私がクローン病と出会ったのは14歳の時です。その頃、琉大病院は与儀にあり、そこに入院した私は当時34歳だった金城福則先生(現在、琉大病院の診療教授・光学診療部長を務められている私の上司で、今年還暦を迎えられます)に診て頂き・・・それから26年が経過しました。26年前、当時の日本全国でのクローン病の登録者数は2,000人程度でありました(現在は約30,000人と言われています)。病因・病態や治療法についての研究もまだ進んでおらず、病勢の増悪のため入院すると、その期間は3ヶ月から半年、場合によっては年単位に及ぶことも稀ではありませんでした。実際、私もこれまでの間に5年間の留年・休学と5度の開腹手術を余儀なくされました。そんな状況ではありましたが、高校3年生の時、とある雑誌の健康欄でクローン病の記事を目にする機会がありました。その内容は“クローン病の原因にヘルパーT細胞という免疫細胞が関わっているのではないか”という大雑把なものだったのですが、それまで“原因不明”だと一言で片付けられていたのに比べると大変興味深い話に思われました。当時、私は文系のクラスにおりましたが、その記事を読んで“医者になってクローン病の研究をしよう!”と決意し、それから勉強をはじめ琉大医学部へ進みました。大学卒業後は琉大病院、ハートライフ病院、沖縄赤十字病院などで一般消化器内科医として勤務し、その後、東京の慶応義塾大学病院(潰瘍性大腸炎の安倍晋三元総理大臣の入院した病院)で炎症性腸疾患についての専門的な研修を積んで、3年前に再び琉大病院へ戻ってきました。その間も入院や手術を繰り返し、専門にしているという割には決して経過の良い患者とは言えないのですが、何とか現在まで仕事を継続しております。
これまでの研究の成果ですが、残念ながら“炎症性腸疾患を完治させる治療法を見つけました!”という所にはほど遠いというのが現状です。しかしながら、腸管の中では末梢血中とは異なる独自のNK(ナチュラルキラー)細胞や貪食細胞(マクロファージ)が分化し、クローン病ではこれらの細胞が炎症を起こす性質へと変化している、といった事や、クローン病ではTh1細胞、潰瘍性大腸炎ではTh17細胞が慢性炎症に関わっている、といったことを明らかにし、世界的な雑誌へと発表してきました。こういった研究を通して炎症性腸疾患の原因を突き止め、治療へと繋げて行きたいと考えています。
臨床的には、琉大病院は県内の炎症性腸疾患の患者様が最も多く通われている病院であり、他院での治療が難しい患者様が紹介されてくる病院でもあります。ですから、診断・治療の水準は内地や世界と比べても遜色のない、最先端のものを目指しています。新薬の治験も患者様にデメリットがないと判断されるものについては積極的に行っています(現在、潰瘍性大腸炎に対する抗体製剤とクローン病に対する経口製剤の治験が進行中です)。
ということで、それなりに頑張っていることはわかって頂けたかと思いますが、正直なところ炎症性腸疾患というのは非常に難しい病気だと思います。私自身、患者の一員として、患者の皆様に100%満足して頂ける治療が行えているとは思っていません。常にもっと良い治療はないかと模索し、試行錯誤の中、研究を続けています。毎日、最新の論文に目を通し、毎月のように東京に行き、学会、研究会、厚生労働省の調査研究班の会議などに出席し、最先端の情報の収集に努めてはいますが、本当に難しい病態だとつくづく思います。でも、だからこそ、自分が人生をかけるべきライフワークだと思いますし、少しづつでも患者の皆様の為に貢献していきたいと思っています。
今回、縁あってこの拙文を書かせて頂いたのですが、思いもかけず、自分のこれまでの26年間を振り返ってみることが出来ました。私は自分がクローン病になったことには何らかの意味があるのだと信じています。クローン病になっていなかったら、多分、医者にはなっていなかったと思いますし、炎症性腸疾患についての最先端の研究を行うこともなかったと思います。当然、妻(小児科医をしております)とも結婚することもなかったでしょうし、尊敬する師である、琉大病院の金城福則先生(学生のときは指導教官、妻と結婚するときには仲人を務めて頂きました)と慶應病院の日比紀文先生(日本を代表する炎症性腸疾患の専門家ですので御存知の方も多いと思います)と出会うこともなかったと思います。クローン病になって良かった、とまでは悟りきれませんが、これからもクローン病と付き合いながら、自分のライフワークを追究していきたいと思っています。
-追記-
梅雨もあけ、暑い日が続いていますが、皆様、体調は大丈夫ですか? 私はと言えば、最近は特定疾患の更新の書類書きに忙殺される毎日です(人数が多いので結構大変です)。ベストの体調で診療に臨むことのできない時(おなかが痛かったり、熱を出していたり、など)もありますが、そんな日の外来にあたってしまった方は、多少待ち時間が長くても“今日は体調が良くないんだな”と、大目にみて下されば有り難いです。
これからも、沖縄の炎症性腸疾患の患者様のために、自分でお役に立てることであれば、可能な限り協力していくつもりです。どうぞ遠慮なくお気軽に声をかけて下さい。目標を決めて、気持ちに向上心でヤル気を。
【沖縄】原因不明の病気「もやもや病の患者や家族同士の情報交換を目的として発足した「もやの会」(田島良子代表世話人)の第4回県ブロック総会が7日、沖縄市美里の中部福祉保健所で開かれた。8月には中央保健所で、児童も含めた交流会の開催も決めた。
もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)は、就学前の子どもに発症しやすく、脳の血管が細くなって脳障害を引き起こす。家族や支援者ら約30人が出席し、連携を確認した。
総会終了後には、うるま市社会福祉協議会でカウンセリングを担当する大城加津美さんによるミニコンサートが開かれ、一人一人に語りかけるように歌声を披露した。
レッツ・リモコン(入力支援型テレビリモコン)の貸し出しを行っています。☆レッツ・リモコンは従来のテレビリモコンが難しい使いにくいと言う方を対象に、「電源・チャンネル・音量」に限定して判りやすくすると同時に、様々な入力方法や設定を備えたテレビリモコンです。
身体の不自由な方でも、テレビが自由に楽しめます!
必見!難病患者を雇用すると最大135万円支給
~難病のある人の雇用促進モデル事業~
ハローワークでの地域障害者雇用連携会議にて、労働局から発表があった。
いわゆる難病のある人は、その疾病の特性により、就職・職場定着の面で様々な制限・困難に直面しているが、事業主においては、難病のある人の雇用経験が少ないことや、難病のある人について職務遂行上障害となる症状等が明確になっていないことなどから、適切な雇用管理を行うことが困難な状況にある。
このため、難病のある人を新たに雇用し、雇用管理に関する事項を把握・報告する事業主に対する助成を試行的に行い、難病のある人の雇用を促進し職業生活上の課題を把握する。詳しくは最寄の安定所へ。
難治性疾患患者の雇用を促進し職業生活上の課題を把握するため、難治性疾患患者について、ハローワークの職業紹介により常用労働者として雇い入れる事業主に対して賃金の一部に相当する額を助成します。事業主の方からは、雇い入れた難治性疾患患者に対する配慮事項等についてご報告いただきます。また、雇入れから約6か月後にハローワーク職員が職場訪問を行います。
以下のいずれかの難治性疾患の患者の方が対象になります。
(日)厚生労働省が実施する難治性疾患克服研究事業の対象疾患(平成21年4月1日現在130疾患)
(月)進行性筋萎縮症(筋ジストロフィー)対象事業所への紹介前にハローワークに「特定疾患医療受給者証」「特定疾患登録者証」又は「医師の診断書」を提示した方が対象になります。
※障害者手帳を所持している方は特定求職者雇用開発助成金の対象になりますので、本助成金の対象にはなりません。
以下のすべてに該当する事業主です。
(日)雇用保険の適用事業主であること。
(月)対象労働者(雇入れられた日現在における満年齢が65歳未満の者に限る。)をハローワークの紹介により、雇用保険の一般被保険者として雇い入れる事業主であること。
(火)管轄労働局長に対し対象労働者に係る雇用管理に関する事項を報告する事業主であること。
(水)対象労働者を助成金の受給終了後も雇用保険の一般被保険者として引き続き相当期間雇用することが確実であると認められる事業主であること。
(木)資本、資金、人事、取引等の状況からみて対象労働者を雇用していた事業主と密接な関係にある事業主でないこと。
(金)対象労働者の雇入れ日の前後6か月間に事業主の都合による従業員の解雇(勧奨退職を含む。)をしていないこと。
(土)対象労働者の雇入れ日の前後6か月間に倒産や解雇など特定受給資格者となる離職理由の被保険者数が対象労働者の雇入れ日における被保険者数の6%を超えていない(特定受給資格者となる離職理由の被保険者が3人以下の場合を除く。)こと。
(祭)対象労働者の出勤状況及び賃金の支払い状況等を明らかにする書類(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿等)を整備・保管し、速やかに提出する事業主であること。
上記に該当する事業主であっても、対象労働者がハローワークの紹介以前に雇用(研修、アルバイト、ボランティアを含む。)されていた場合や雇用の予約があった場合、助成金の支給対象期間中に対象労働者を事業主都合により解雇(勧奨退職を含む。)した場合等は、助成金の支給は行われません。詳しくは、最寄りのハローワークにご相談ください。
対象労働者に支払われた賃金相当額の一部として次のとおり助成金が支給されます。(6か月ごとの支給対象期に分けて支給されます。)
対象労働者 | 企業規模 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 |
短時間労働者以外の者 | 大企業 | 1年間 | 第1期25万円 第2期25万円 |
中小企業 | 1年6か月間 | 第1期45万円 第2期45万円 第3期45万円 | |
短時間労働者 | 大企業 | 1年間 | 第1期15万円 第2期15万円 |
中小企業 | 1年6か月間 | 第1期30万円 第2期30万円 第3期30万円 |
(日)ハローワークからの紹介
(月)難治性疾患患者の雇入れ
(火)助成金の第1期支給申請
(水)支給・不支給決定
(木)助成金の支給
雇い入れた難病の方に対する配慮事項等の雇用管理に関する事項を報告いただきます。ハローワーク職員が職場訪問を行います。※第2期、第3期の支給申請は、(火)、(水)、(木)の流れになります。
★クレイアートコーナー:砂川哲也さん(クローン病)
すべらない話『病気なもんで』
今から二十年くらい前の出来事、イボ痔と切れ痔と痔ロウの三つの痔になって手術も終わったが、治療した後にガーゼが貼れないので、始めは紙オムツをしていましたが、傷口が小さくなってきたので、ナプキンを使うことになりました。
トランクスではシールの着け方も難しいのでブリーフに変えたり工夫もして慣れてきました。
退院も決まってナプキンは必需品で一日に数枚使うので足りなくなったら嫁さんに安い商品を買ってもらうことが出来たので、独身じゃなくて良かったと感じていました。
そんなある日
親戚の結婚式に参列することになり、沖縄に帰ることになりました。
空港の手荷物検査で手持ちのポーチが引っ掛かりました。
キャンプ用Colemanの折畳みナイフが入っているのを思い出しました。その頃は手荷物検査もあまり厳しくなかったのですが、さすがにナイフはダメでした。
X線検査のあと、二人の女性に、カバンの中を見せてくださいと言われて、ナイフはあきらめようと覚悟しました。
カバンを開けて見せると、中にはナプキンも2枚入っていました。
想定外の出来事でおれの顔は真っ赤になってパニック状態でした。
ナイフの事よりも、ナプキンを持っていることが変態でした。
思わず出た言葉が「おれ、病気なんです!」
そのあとに、気付きました。
病気には色んな意味があることを、、、。
検査員は「ハイハイ」としか言いませんでした。
★terucky
「200本のたばこ」/1998年作 アメリカ映画
1981年大晦日、賑わうニューヨーク。
新しい出会いを求め、年越しパーティーに集う若い男女たち。
年越しホーム・パーティを計画中のモニカの家には、9時を過ぎても、誰も訪れる気配がない。
タクシー運転手、バーのボーイ、女の子の友達同士など、それぞれに「物語」があるコミカル・タッチの楽しい映画。
皆は、どう「年越し」するのか。
ベン・アフレック、クリスティーナ・リッチ、ケイト・ハドソン、コートニー・ラヴ、その他多くの、(当時)若手の共演。
一度見て、また見たくなる作品です。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。
本日のおやつ
「ラベンダーカルピス」
ティースプーン一杯分のラベンダーに、熱湯2/3カップを注いだら、3分間蒸らして下さい。
耐熱性のグラスに氷を入れて、お好みの量のカルピスを入れます。
その上からラベンダーティーを注ぎます。
出来上がり。 さぁ、どうぞ!
サンドイッチ等の後にでも、お夜食のお供にでも☆
暑い夏は冷たい飲み物も…
レシピ紹介:S.Mさん{全身エリマトーデス(SLE)女性}
梅雨が明けたと思ったら、連日の夏日で、私は夏バテ気味です。
でも、今一番気になるのは。沖縄でも徐々に感染学科宇内している新型インフルエンザ!5月発行の85号でもお知らせしたように、気になる事があるようでしたら、まずは保健所へお電話で相談してみて下さいね。今後の感染拡大を防ぐ為にも、すぐに病院を受診するのではなく、必ず電話で医師や保健師等の専門の方々から、指示を受けるようにしましょうね!
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