最終更新日:2012年09月01日
我如古 盛健(がねこ せいけん)さん
脊髄性筋萎縮症
今思えば34~35歳頃、ゴルフをしている時、坂が上りづらくゴルフクラブを杖代わりにして歩いていました。その時の違和感が症状のひとつだったのだと思います。
発症してからも暫くは家族が経営する建設会社で営業担当をしていましたが、家庭内の事情も重なり荒れた生活でした。その後症状が悪化、病院に行くと医師から「身内に似た症状の方がいますか」と聞かれ、「母親がそうです」と答えました。「この病気は治りますか」と聞くと、「原因不明で、回復困難」と診断されました。治らないのであれば医者はいらないと思い、その後7・8年は病院に行きませんでした。
そのうち次第に歩くのも話すのも難しくなり、1年間休職を決意、その間、民間療法を試したりして療養していました。少し体調も戻り元の仕事に復帰しましたが、やはり徐々に進行している事は自覚できました。
平成12年頃、足の指のけがで知り合いの整形外科を訪ねた際に、「あなたが来る所はここじゃない」と沖縄病院を紹介されました。そこで初めてハッキリした病名を告げられ、進行性の筋萎縮症である事がわかりました。
子供の頃から三線が好きで、小学6年の時貯めていたお年玉を全部使い、三線を買いトンテン・トンテンと遊んでいました。中学・高校はずっと柔道をやっていて、県大会・インターハイにも出場するくらい重量級の体でとても頑丈でした。その後沖縄国際大学に入学し、ある方に出会い、本格的に唄・三線を習うようになり、一時はテレビ・ラジオにも師匠と一緒に出るくらい唄・三線は生活の一部でした。
病気が発症した頃は三線も弾けない状態で、「先生、この先、私の楽しみは三線を弾きながら唄う事しかないけど、三線は弾けるようになりますか?」と聞いたのですが、良い返事は聞けず絶望的な気分でした。「歩けなくてもせめて三線は弾きたい」と強く願っていました。
その後しばらく呂律が回らないので上手く話せず、三線も弾けない状態が続きましたが、1年後に仕事に復帰し、リハビリを兼ね三線を弾く内に少しづつ三線がまた弾けるようになってきました。
仕事に復帰し数年後、友人と会社を起しました。再び三線の練習を始めた当初は2・3分しか弾けず、1曲唄うのもやっとの状態だったのですが、その内10分くらいは弾けるようになっていました。
仕事上介護保険関係の事業所とかかわることも多く、各地のデイサービス等で「ケンちゃんのミニライブ」という形で唄・三線のボランティアを行うようになりました。まだ本来の調子に戻っていたわけではありませんが、予想以上に爺ちゃん婆ちゃん達が喜んでくれるものですから、それが自分の励みとなり、リハビリにつながりました。ボランティアとして演奏していたのですが逆に爺ちゃん婆ちゃんからパワーを貰っていました。
そういう活動をしている頃に、トミさんから「娘に三線を教えてほしい」との相談を受けたのが最初の出会いです。
そうしている内に本部町の福祉まつりに出演の話が飛び込み、10分以上弾いた事も無いのに30分の持ち時間を貰い、どうしようかと不安に思いながらも出演、これも会場の皆さんからパワーを頂き、何とか30分唄い・弾き続ける事ができました。これが大きな自信になりました。
この会場へはトミさんたちも一緒に来ており、家族で観客席から応援してくれました。この演奏直後の会場で、次に名護市の福祉まつりへの出演も決まっていたことから、トミさんをメンバーとして誘ったのが「ケントミ」の誕生のきっかけでした。
その時点でトミさんは全くのド素人、太鼓も敲いた事が無かったのですが、「何で手拍子だけでいいさー」と強引に誘い、次の名護市福祉まつりでは三板(さんば)を手にステージへ立っていました。
トミさんも無我夢中で演じる内、私と同じように観客席から大きなパワーを貰って無事演奏することができました。
以前から感じていた事ですが、観客席からのパワーは非常に大きく、そのパワーが自分を元気にしているんだと強く感じました。
その後、トミさんは本格的に太鼓の練習を積み、みなさんご存知のパワフルな太鼓奏者になったのです。残念ながら相方のトミさんは今年3月に末期がんで亡くなりましたが、その娘婿やドラム、ギター、ベース等の新メンバーが加わり、現在は「ケントミファミリー」として演奏活動を続けています。
トミさんからは、今後もケントミの演奏活動を続けるようにと託されました。「みんなが仲良くする世界。ゆいまーるの精神、人和して天定まる、ささえ愛、たすけ愛、仕合せ(自分の事ではなく相手の事を思う愛)、苦痛苦難は幸福の門」等のトミさんの思いを受け継ぎ、これからもケントミファミリーとして、沖縄県内どこでも呼ばれたら演奏活動を続ける事と、ケントミを中心に集まってきた有志の皆さん(個人・企業家)の協力で福祉ボランティアの組織を作り、自立を目指す障害者をサポートする活動団体を作ることが現在の夢です。そして障害者と健常者が一緒に暮らせるみんなの夢であるシェアハウスも作りたいと思っています。
我如古 盛健(がねこ せいけん)さん
S.31年 名護市字天仁屋生まれ、コザ育ち
中学・高校は柔道で鳴らし県代表としてインターハイにも出場するくらい頑強だったが30代に進行性の筋委縮症を発症。
その後末期がん患者でもあった「トミさん」こと比嘉富子さんと民謡デュオ「ケントミ」としてさまざまな障害を抱える人々の希望の星として活躍。
残念ながら今年3月トミさんが亡くなったが、その遺志を受け継ぎ「ケントミファミリー」として再出発、現在に至る。
7月も多くの方より多大なご寄附を頂きました。その中から主なものをご報告します。
那覇守礼ライオンズクラブ様・掛屋剛志チャリティー収益より20万円、ホテルロイヤルオリオン様・40周年記念チャリティーコンペ収益より8万円、上地流空手 琉志会・安謝修武館様から同道場で稽古を積む、那覇市安岡中学校の空手部の全国大会出場旅費作り演武会収益金より5万円、その他多数の方から大きなご支援を頂きました。ご紹介の3団体様をはじめ、ご寄附を下さったみな様、時節柄何かと出費の厳しい折、少しでも地域に貢献したい、難病の方の支えになりたいとの志しをしっかり受け止め、大事に使わせて頂きます。本当に有り難うございました。
この紙面を借り改めて御礼申し上げます。
ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会沖縄学習会が開催され12名の患者会リーダーで共通の課題解決を学ぼうと集まった。沖縄国際大学 上田幸彦教授のご指導で「ピアサポートの成功事例と失敗事例PART2」を開催した。3団体の事例発表のあと相談者との関わり方や相談の目的などを教えて頂いた。カウンセリングでは、悪い所を取り除くのではなく、良い所を伸ばす。その人が持っている力を引き出し、困難を乗り越える力をつけるエンパワーメントであると説明があった。参加した感想では、難しさを実感した。気付きが多く元気になった。今後も学んでいきたいと意欲をみせた。
先月の続報について、具体的に困っている患者さんの所に出向いて、実際にスイッチを検討することは、大きな学びになるとのことで、取り急ぎ講演会が終わった後に名護まで訪問しました。 スイッチが上手く出来ていないと、疲れやすく意思を伝えようとする意欲まで失ってしまう。今回で気付いたことが多かったので、今後も継続して勉強したいなどの意見もあり、リハビリの先生方とも連携しながら各地域での勉強会を開催します。年間4回程度を目安に予定しています。
前回のアルツハイマー型認知症に引き続き、今回はレビー小体型認知症について紹介していきたいと思います。
レビー小体型認知症って何??
この病気の症状として、初期に幻覚(特に幻視)や妄想が出る。やがて、アルツハイマーのような認知症状と、パーキンソン病のような運動障害(パーキンソニズム)の両方が表れる。薬に過敏に反応しやすく、症状の悪化・副作用が出やすいため注意が必要。早期に正確に診断し、適切な治療を行うと症状が改善することもあるため、専門医に相談することが必要。
原因:
「レビー小体」という異常な構造物が大脳皮質全体にみられる。
(パーキンソン病の場合は「レビー小体」が中脳にみとめられる)
症状:
○幻覚(幻視、幻聴等)、日内変動、無反応、錯乱、睡眠障害、せん妄 等
○アルツハイマーに似た症状、パーキンソン症状
参考:http://navi.life.coocan.jp/disease/type/dementia-with-lewy-bodies.html
http://www.ninchisho.jp/kind/06.html
情報提供:大浜第一病院 訪問リハビリセンターあめくの杜 作業療法士 山川 明日香
著:照喜名通
難病情報誌アンビシャス通信も早124号となりました。ここまでこれたのも皆様のご支援があったからです。改めて御礼申し上げます。会報誌は目に見えて成長している事業の一つで、患者さんへは有料から無料化へ、インターネットでも閲覧可能に、視覚障害の方の音声版(CD無料配布)や各保健所の情報、患者会の情報などと少しづつ充実成長してきています。
10年前の患者会は2つしか無かったのですが、現在ではサークル的な団体も含めると13団体あります。団体数が多くなるのは当然喜ばしいことなのですが、紙面が限られているので、各団体の紹介文字の大きさが少しづつ小さくなってきているのに皆さんも気付いていたと思います。今月号から4ページ増量してみましたがいかがでしょうか? 医師のエッセイが欲しい等のご要望もあります。見やすい文字、役立つ情報が欲しいなど、皆様のご意見で更に成長するので、今後とも意見を言ってアンビシャスを育ててみませんか?
毎年県民の頭を悩ます夏の台風、地域によっては台風の度すぐ停電する場所も多くあります。昨年よりアンビシャスでは在宅で人工呼吸器装着の重度難病当事者を対象に、停電等緊急時電源確保についての勉強会を行ってきました。
人工呼吸器装着者に限らず、台風時の停電でエアコンも止まり、体温調整が上手く出来ない方、常に電気を必要とする疾患等を持った方が多数いると思います。
そのような方の参考になればと、今月より数回に分け停電時の緊急電源確保策をシリーズにしてお送りします。
■定期的にメンテナンスが必要
■屋内での使用は禁止(一酸化中毒)
■燃料の補充時に注意(特にガソリン注入時)
■騒音(マンション・アパート)
■高額、安いのは電圧が不安定
■台風時、室外に設置可能か?
■近年、注目されているのは「プリウス」
■普通の自動車も電源を発電して蓄える装置がついている
(問題点)
■災害時には、自動車の使用が制限される
■自動車の使用は大変(駐車場が遠い、屋外)
■自動車のバッテリーは、ひとつで13.2V(直流)
■多くの機器は移動のため、13.2V(直流)に対応している場合が多い(問題点:直接接続)
■ご近所の車を借りられれば、電源は無尽蔵
■ガソリンがあれば、安心
でもエンジンは充電に使用しているだけ
→ バッテリーとシガーソケットだけでいい
⇒ そこでカーバッテリーを単独で有効に使える方法は無いか!
(次回はカーバッテリーの具体的使用法について)
資料提供:国立長寿医療研究センター 根本哲也博士
ドンヒューパッ
夜空に大輪の花が咲いた。
近くの祭り会場で打ち上げられた花火だ。
私はそれを病院の屋上で人口呼吸器をつけ車椅子に横たわったまま見学した。
かたわらでは主治医のM先生が、時々私の酸素を確認しながら花火を楽しんでいた。
入院して4カ月あまり、初めて外の空気に触れた。
体を吹き抜ける風が心地よかった。
その日の昼過ぎ担当看護師から
『花火を見に行こう! 車椅子も確保したよ!』
と声掛けがあった。少し不安ではあったが行くことにした。
この先の退院に向けてベット上で座位訓練を始めていた。車椅子に乗るいいチャンスだと思った。
夜、主治医のゴーサインで車椅子への移動が始まった。まさかこんなかたちで花火が見られるなんて思ってもみなかった。
よくQOLの向上という言葉を耳にするが、今回の花火見学がまさにそれにあたり、今後外出する時の大きな自信につながった。
背中を押してくれた主治医や看護師のみなさんどうもありがとう。
9月以降・年間行事のご案内
パーキンソン病と診断された方の多くがうつ病も同時に併発するといわれています。病気の事を隠そうと家に引き籠るようになり他人との接触を避けるようになります。この様な状況を打開し前向きな生活が出来るよう全国パーキンソン病友の会・沖縄県支部では次のような行事を予定しています。
☆交流会(同じ仲間同士の触れ合いの場、意見交換の場)
・9月23日(日)・10月28日(日)中央保健所、
・11月25日(日曜日)北部福祉保健所。
・12月・翌1月は年末・年始繁忙期の為、交流会はありません。
・3月24日(日) 中央保健所。
☆主行事
・2月12日(火曜日)北部観観光ツアー名物ガイドさんが案内)。
・2月16日(土曜日)医療講演会
支部長 仲村 實雄
事務局長 又吉 朝子
お問合せ 090-8294-1974(又吉)
◆アンビシャス会報誌を楽しみに待つこと早5回目となりました。感謝?
「表紙は語る」を読み、ほんとうにいろんな人ががんばっている事に励まされ「自分にだけは負けない!」と誓う日々。
今年もやってきました“更新手続き”必要書類が準備できたので近いうちに宮古保健所へGo!
1年ってほんとに早いですね。私は4回目の更新となりました。
「すぎないこと」をライフスタイルに上手に取り入れ、今日も夜のウォーキング後のトマトジュースに梅酒を入れ飲む!!しあわせ!!
〈宮古島市 上里栄子〉
ゆいレール赤嶺駅 徒歩1分にある「琉旬彩食 土煌(どこう)」
朝食は和洋バイキングとなっています。
夜は、なんと「泡盛飲み比べ」や飲み放題も。
車椅子での入店可&トイレ利用可。
朝は6時30分から9時30分までで、夜は18:00~
電話:050-5798-6299
★渡久地 優子さん(進行性骨化性線維異形症(FOP)
「弱いは強い」
自分ができるとこまで
精一杯頑張れたなら
その日はそれでええねん
焦らんとこ…
足らないと感じた分は
また出来そうな時に
精一杯になったらええんよ
ゆっくり、ゆっくり…
自分の弱いところを
認める強さも大事なんやで!!
竹村 安津季
「恋とニュースのつくり方」/2010年 アメリカ作
低迷のニュース番組を作る側と、キャスター側の話を中心に、プロデューサー役のレイチェル・マクアダムス、そしてハリソン・フォードとダイアン・キートンの共演作。
制作スタッフには様々な作品をヒットさせているJ・J・エイブラムス。
H・フォードとD・キートンの掛け合いも、流石という感じで面白い。
ラブコメでは無く、人間関係や仕事を中心にした作品でしょうか。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。
今年も7月から「特定疾患受給者証の更新」が始まっていますね。皆さま、忙しくても忘れず手続きして下さいね!
また、こんな暑い季節ですが、インフルエンザが流行しているようです。自宅は暑いし、大型スーパー等で涼を兼ねての外出もあるはず!そんな時もマスクをし、帰宅時には手洗い・うがいを習慣付けて、色んな感染症から予防しましょう~(^_^)/~~
今号より、ページ数も増え、当コーナーも復活しました(^_^; また宜しくお願いします。
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