最終更新日:2013年08月01日
奥田 良子(おくだ りょうこ)さん
クローン病
12年前の夏、「愛と言う名の奇跡」と題して、私のクローン病との闘病とフルーティストとしての再起を、テレビ番組で取り上げてもらいました。その頃から夫とともに「エスペランサ」という名前でコンサート活動を始め、今では年に100回を超える機会をいただいています。
発病した頃、この会報誌のような冊子を何冊ももらいました。そこには病を克服して素晴らしい活動をしている方のお話しがたくさん載っています。しかし、当時の私は、それを読む度に悲しくなり、それどころか「この人はいいよね」と、ひねくれて受け止めていました。
大学3年生のときにクローン病と診断されました。「フルートの演奏家になる」という夢があり、卒業後には留学を控えていた私は病気になっている場合ではありませんでした。ですから、主治医の先生の「今、がんばってはいけない」という言葉は、まったく理解できないものでした。
「病気になんて負けるものか」
激しい腹痛があっても、高熱が続いても、フルートを吹き続けました。ですが、ひどい痔瘻で留学を断念。国内で頑張ろうと必死になるも、病状は悪化、腸閉そくを破裂させ、緊急手術となりました。
おかげさまで手術は無事成功。ですが、手術から目覚めたとき、私には「がんばる力」が残っていませんでした。「もう頑張れない。フルートも、夢も、何もかもやめてしまおう」と、それまで頑張ってきた全てをあきらめてしまいました。
今から思えば、それからが辛く苦しい時間でした。というのは、夢をあきらめても、頑張らなくなっても、病は再発し、手術は繰り返されたからです。
「これからどうしよう」。将来のことを考えると、息が苦しくなり、頭が割れるように痛みました。安定剤と睡眠薬で「考えない時間」を作り出し、自分の殻に閉じこもっていきました。
そんな私が、今年の4月に沖縄でライブをして、全都道府県コンサートを達成しました。自分が夢に描くことさえできなかったことが実現したのです。ここまでやってくるのには、本当にいろいろありました。
最初の手術から4年ほど経ったころ、おへその横に針で刺したような孔があきました。中から膿が少しずつ流れ出ています。その小さな孔を塞ぐのに、私の通う病院では「症例がないから難しい」と言うばかり。「どうしてこんなことになるんだろう」と嘆く私に、同病の患者さんや看護師さんが「自分の体なんだから後悔しない治療を受けなさい」と転院をすすめたのです。この転院が社会復帰への第一歩でした。
東京の病院で「この症例はいくつも手術した」と聞いたときには、希望の光が見えたような気がしました。37キロしかなかった体重を増やす(手術に耐えられるよう)ために、ハイカロリー輸液、エレンタール、低残渣食と、一日4千キロカロリーを摂取し、「生きるためには不要である」と安定剤と睡眠薬を取り上げられました。苦しくて夜も眠れない入院生活でしたが、確実に私の体と精神は回復していました。
しかし、もともとネガティブ思考の私は、どんどん不安を作り出し、手術の説明時に「また悪くなったらどうするんですか?」というどうしようもない質問をしていました。その時の執刀医の先生の回答は、私の生き方を変える素晴らしいものでした。
「また悪くなったら、また僕が切ってあげる」
それまでの自分がいかにクヨクヨしていたかに気づく瞬間です。再発することばかり考えていては何も始まらないのですね。とても心が軽くなったことをよく覚えています。
手術を終え、神戸に帰る新幹線の中で私は「生きる決意」をしました。これからは何でもやろう、できないって言わないでがんばろうと、心に決めました。
そして、電話番のアルバイトから始めて数年。仕事で出会った人が「本当はフルートが吹きたいんじゃないの?」と演奏の機会を創ってくれ、その再出発のステージが新聞や週刊誌の記事、テレビ番組にまでなりました。思えば、このことも自分では思い描くことができなかった出来事ですね。
腸閉そくを繰り返すタイプのクローン病の私は、その後も入退院を繰り返し、6年前に3度目の手術を受けました。その術後に「予防のためのレミケード」という当時は斬新な治療を受け、6年経った今でも8週に一度の投与で元気を維持でき、腹痛のない夢のような日々を送っています。
しかし、やっとクローン病が落ち着いてきたと思った矢先に大腿骨頭壊死を発病。思ってもみない足の難病に罹り、今ある幸せが消え去っていく不安に襲われました。「歩けなくなったらどうしよう」と、不安は膨れ上がります。そんな私を救ってくれたのが、夫の言葉でした。
「手が動かなくなる病気じゃなくてよかったね」
「もしも手が動かなくなれば、フルートはもう吹けないだろう?でも、もしも歩けなくなっても、車いすにのって、僕が車いすを押せば、全国どこにだって行けるじゃないか。今までと何も変わらないよ」
不安は一瞬にして消え去りました。「そうだなあ」って思えたのです。それに、今、まだ歩けているのに、歩けなくなる「かもしれない」ことを考えてクヨクヨしている自分がおかしく思えました。もしも、私の人生に「歩けなくなる日」というのがやってくるのであれば、その時から考えればいいことだと、はっきりわかりました。
明日の自分が、未来の自分が後悔しないように「今、この瞬間」を生きなくてはいけないという大切なことに、発病して四半世紀経った今、ようやく気付くことができました。
今ある幸せを大切に。支えてくれている全ての人に感謝をして、これからも頑張って生きたいと思います。
奥田 良子(おくだ りょうこ)さん
大阪音楽大学卒業後、全国で演奏活動を展開。将来を期待されるが、在学中発病した「クローン病」の悪化により、演奏活動を断念。7年間の閉じこもりを経て、社会復帰とともに音楽活動を再開。現在は夫である奥田勝彦と「エスペランサ」を結成。全国各地でトークコンサートを始める。
今年も看護学生の在宅実習が始まった。那覇市医師会看護専門学校とぐしかわ看護専門学校が対象です。
在宅看護論のなかの難病施設ということでの実習で、アンビシャスの事業内容であったり難病制度の話であったり相談内容の統計などの説明をする
また傾聴するためのロールプレーをして傾聴の難しさを知ってもらう。
「患者と作る医学の教科書」日総研出版の演題を使ってロールプレーを行う。医療職は正論を言いたがる傾向がある。傾聴しているつもりでも最後には、「でもね、これが正しいよ」と言ってしまいたいのである。
患者や家族も正しい答えにたどり着けないから、相談するのであってそれを一緒に考えていく姿勢やプロセスが大切である事をともに学ぶ。
台風4号が発生し、今年もいよいよ台風シーズンに入りました。在宅で人工呼吸器を装着して療養されている難病の方は、停電が命取りになりますので、その対策が望まれています。沖縄県は平成24年度から、人工呼吸器の純正外部バッテリーの無償貸与事業を、アンビシャスに委託しました。(基金の予算なので、平成25年度で終了)ほぼ対象者には無償貸与が終わったので、次の手として、家庭用発電機の貸与も実施することになりました。
発電機があれば、長時間の停電においても電気を発生することができるので、非常に助かります。しかし、事故にならないよう、取り扱いについての注意事項が多くて断念する場合もありました。まず、火力発電なので、屋内での稼働は一切禁止になります。一酸化炭素ガスが大量に発生しますので、ガス中毒になります。また、燃料がガソリンの場合、揮発性が高く取り扱いが難しいです。さらに、屋外で稼働しないといけないのですが、発電機本体が雨に濡れるのも禁止です。色々と注意点も多いのですが、今後どんな災害があるか判らない中、自助でも災害を乗り切れる道具のひとつが発電機です。準備を万全にし、手順を順守し、練習も重ねて災害を乗り切っていきましょう。
最新型(ホンダEU9iGP、矢崎販売供給ボックス)セットの設置状況。プロパンガス(LPガス)が50Kg分あれば100時間(4日以上)運転が可能。ガソリンと比べて安全で長時間運転が可能なのが特徴。若干高いのが弱点ではあるが、少し安く紹介出来そうなので、難病以外でご興味がある方はお問合せください。(クリニックでの冷蔵庫、公民館などでも活用出来ます)
臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)
自閉症スペクトラム障害、注意欠如・多動性障害(AD/HD)、レット障害、小児期崩壊性障害、特定不能、の5種類が発達障碍に分類されます。中でも、自閉症スペクトラム障害で、難病を抱えて生きることになった方は、ピアカウンセリングで話しを聴くときにも「伝わらなさ」をピアサポーターが感じることが多々あります。今回は、その一工夫とさらに具体的な関わり方についてです。
実際の病気の症状から生じる痛み以上の痛みを感じ、そのひどさを訴え、いくら医学的な処置をしても、その痛みが軽減されることなく訴えられ続けることがあります。 そのときにピアサポーターは、相手の痛みのひどさに共感しつつも一歩引いた距離で話しを聴くことが必要です。
ピアサポーターの話しの中に出てくる、ある一つの単語にとらわれて会話の脈絡と一見何も関係ないような話題をいきなり提供してくることがあります。聴く側としては、それは今の話しと何も関係ないなと感じるようなことでも、相手にとっては今話しをしていることにわずかに付随することなので、脇道にそれた話しを聴く方が相手は聴いてもらえたという実感をもてる場合があります。
何回お会いしても同じような話し。例えば、話題が常に鉄道に関することだったり、物事の見方が一面的かつ細かかったり、予測できないことへの不安を回避するためにブツブツと何かをつぶやいていたり…。相手がいろいろとこだわりがあるので、一生懸命に聴いてもわからない場合には、博士級の知識を教えてもらうようなスタンスで聴いても良いし、素直に「わからないけどわかる努力をしている」と伝えることも大切です。
著:照喜名通
ワールドカップ予選日本代表の本田圭佑が、「大きな夢を笑う者は、大きな夢をつかむことができない」、本田の目標はワールドカップ優勝である。
彼は小さい時からその夢を抱いて抱いていたのだが皆から笑われ続けてきた。
人間は思考する動物である。夢を大きく語れば必ずそれに向けて実現することができるのである。
人の夢を阻害するものが周りの声である。それは無理でしょう。バカじゃないの。周りにそんなふうに言われ、やがて自分も諦めてしまったり、想像しなくなってくるから遠ざかるのです。
できなかった理由、犯人探し、後悔などを考えるマイナスの時間と、できた時こんなことが幸せとプラスのイメージを頭の中、時間を使うのは、どうせ考えるならどちらが良いでしょうか?
難病患者よ 夢を諦めらめるな 大志をいだけ!
著:NPO法人ICT救助隊 今井啓二・仁科恵美子
パソコンを1つのスイッチで操作できるようにするソフトウェアがあります。
代表的なものとしては、「伝の心」「オペレートナビ」「HeartyLadder」があります。
パソコンを知らない人でも意思伝達ができるように作られている「伝の心」、パソコンの知識があってパソコンを操作したい人のために作られている「オペレートナビ」、フリーで公開されている「HeartyLadder」と、それぞれ特徴がありますので、数回に分けて説明していきます。
「伝の心」http://www.hke.jp/products/dennosin/denindex.htm
製造元 株式会社日立ケーイーシステムズ
文字を入力する(ワープロ機能)
平仮名だけの「会話」文字盤、漢字混じりの文章を作れる「文書」文字盤のほか、よく使う文章が登録されている「日常使用文」文字盤が用意されています。作成した文章を音声で読み上げさせることができます。
メールの送受信
「伝の心」用でメールの送受信ができます。また、インターネットを通してウェブメールを使うこともできます。
リモコンの操作
学習リモコンに赤外線リモコン信号を登録すると、テレビやエアコンなどのリモコン操作が「伝の心」からできるようになります。
ホームページの閲覧
ウィンドウズ操作
キーボードやマウス操作をスイッチで行えます。
DVDやCDの再生
「伝の心」本体(パソコンに伝の心があらかじめインストールされた状態のもので、パソコンの機種は選べない)は45万円(非課税)です。
重度障害者用意思伝達装置として厚生労働省の補装具費の支給対象品です。
「伝の心」本体、プリンター、スイッチ接続BOX、学習リモコン、スイッチを含めた一式が1割程度の自己負担(詳しくは市町村に問い合わせてください)で支給されます。
スイッチ接続BOX
スイッチとパソコンを繋げるためのインターフェイスで、「伝の心」専用のスイッチ接続BOXが必要になります。
操作スイッチ
様々なメカニカルスイッチやセンサースイッチを利用することができます。
進行性の疾患の場合、身体状況の変化によって支給されたスイッチでは操作が難しくなることがあります。補装具として支給された場合は、スイッチの交換が必要になった時に、別のスイッチを申請することができます。
ゴシゴシゴシ、シュシュシュ、訪問入浴で頭を洗ってもらっている私。ほどよい力加減がとても気持ちがいい。
全身の筋肉が萎縮して体が重く、特に体位を交換する時は歯を食いしばって全身の力を振り絞り、きつさに耐える毎日だ。そんななかでの訪問入浴の洗髪の時間は、まさに至福の時である。
「痒いところはないですか?」大粒の汗をかきながら笑顔で声をかけてくれる。入浴スタッフの声かけ、心遣いも気持ちがいい。
今は週二回の入浴だ。せめてあと一回至福の時が増えたらいいなぁ。
会の目的
同じような悩みを持つ患者・家族に対し交流の場を提供し、病気が自分だけでないという共通意識と、悩みを分かち合って助け合い、助け合う仲間意識を持つよう働きかけて参加メンバーのお互いの存在力壌養の支えと成り得る会を目指します。
さらに病気や医症.保健、福祉制度等に関する情報を取り入れながら、知識の普及、啓発と、療養生活上の不安の軽減・問題解決に努め、患者・家族のQOL(生活の質)の拡大を目指しています。
8月以降の活動計画
☆医療講演会
9月1日 14:00~16:00 沖縄県総合福祉センター
☆X’mas会・医療相談会
12月 サンアビリティーズ浦添(詳細はお問合せ下さい)
☆全国ブロック代表者会議・報告&勉強会
H.26年3月 サンアビリティーズ浦添
代表世話人:金城 忠英
お問合せ:098-879-5591(金城)
先月の「表紙は語る」山内さんから琉歌が送られました。
「病負ゆる人ぬ 薬ゆか勝る(ヤミウゆるヒトゥぬ クスゆかマサる)
アンビシャスからぬ 会報誌や」
歌意:病を負う人には、病院の薬に勝る アンビシャスからの会報誌は!
〈作:山内寿美子さん〉
今回、山内さんの手記を読んで、病気の苦しみ悲しみもそのうち自分の力になる!と以前より強く信じられるようになった気がします。
「何もできない苦しい悩みは少し側に置いて」、気がつくと苦しみが心の中心に居座っているときがあります。
そんなとき、自分の弱さに負けそうになるから、先ずは苦しみをやっつけてしまわねば!と思ったりするのです。
でも、苦しみは消えるわけではないんですよね。
少し脇にずらして置いておくことが大事。
心の真ん中は楽しみ、喜び、感謝の気持ちで満たせるようにしたいです。
〈ジュウミー(特発性拡張型心筋症)〉
表情だけでは無く「目」は「口」ほどにものを言う。と言われている。
過去の記憶を思い出そうとしている時の目線は、左上を見ると言う。
逆に、聞かれた時などに、「嘘」を話すときは、右上を見ると言う。
嘘発見器を使わなくても、原始的に分かる事もあるんですねぇ。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
「音色」
声は、人が最初に触れる楽器
「オギャー」の音色から始まって
24時間、世界中で
泣き声、笑い声、怒りの声
そして、人生によって
絶対に誰一人として同じ曲にはならない
言葉という、音色を奏でる
竹村 安津季
「ぱいかじ南海作戦」/2012年 日本作
椎名誠、原作・脚本による南の果ての小さな島(ロケ地・ 西表島)を舞台にした作品。
離婚とリストラを機に、南の島へ行くと決める。
そこで、キャンプをしてる4人組と出会い、サバイバルのように楽しく過ごすのだが、、。
主演は阿部サダヲ、他の出演者は、永山絢斗(瑛太の弟)や、ピエール瀧、斉木しげる、他。
綺麗な海が、疲れた心を癒すかのようであり、コメディ。
ラストまで、飽きさせない内容になっています。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。
梅雨明け後、雨も無く好天続きで暑い日が続いています。
台風7号は先島地方に多大な被害をもたらした様で、関係者の皆さまにはお見舞い申し上げます。台風通過後は涼しい風が吹き、暑さが少しだけ和らいだ気もします。しかし、まだ々猛暑は続くようですので、皆さまご自愛下さい。
私事ですが、諸事情により
今月号をもって、編集作業担当を卒業する事になりました。2004年より約10年間、お世話になりました。毎回、完成度は高くなかった私の編集作業でしたが、お付合い頂いた皆さま、心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
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