最終更新日:2013年10月01日
兼次 律子(かねし りつこ)さん
HTLV-1関連脊髄症
「HTLV-1関連脊髄症」初めて聞く病名に戸惑いと不安で脈拍は乱れ、頭が真っ白になり、しばらくの間茫然としていました。
それは平成23年の年末、国立病院機構・沖縄病院神経内科診察室での事です。一通りの問診、触診、採血などの検査の結果、上記の病名がわかったとの医師の説明がありました。その病名にたどり着くまで長い時間がかかり様々なことがありました。
その年の残暑が続く9月の頃です。50代頃より趣味にしていたウーキングですが、歩いていて急に鉛を付けている様な異変が起こりました。足だけなので単なる筋肉痛ぐらいに思って湿布薬を貼ったり、マッサージをしてもらったりしても足の重みは取れる気配もありませんでした。不思議と痛みは全く無くタタミとか床の上に座ったり立ったり、屈伸なども楽に出来、家事もゆっくりですがやっていました。
しかし日を追う毎に足の重さはひどくなる一方でしたので近くの総合病院の整形外科で受診し、そこで一通りの精密検査をしました。検査結果は異常なしで「単なる筋肉痛か疲れのせいでしょう」との事でした。
そう言われても足は悲鳴をあげていたので、脳神経外科でも精密検査を受け異常なし。もしかして婦人科疾患との関連か?と県立病院の産婦人科で診てもらいました。
そこでは「更年期障害だ」とあっさり言われました。
各医療機関で検査結果に異常はないと告げられても、私の体調はとても言葉に表現できない程でした。両足が重くて歩く事、ましてや運動などしてもいないのに疲労による筋肉痛。更年期障害の症状は心得ているつもりですが、足だけの症状は一度も聞いたことが無いので友人に聞いてみました。その友人も初耳との事で爆笑後、「もしかしてウガンブスク(御拝不足)じゃない!」と言われました。
体はどこも痛くも痒くもないのに処方された鎮痛剤、安定剤、漢方薬を服用していると胃の調子がおかしくなり、自己判断で止めました。
眠れぬ日が続いたので再度、総合病院整形外科を受診しました。他の医療機関で検査を受けた事を一通り説明すると神経内科を受診する様に紹介状を書いて下さいました。
その様な経緯で冒頭の沖縄病院に予約をし、紹介状を携えて受診したのが年末の慌ただしい日だったのです。
入院治療が必要との事で年明けの平成24年の年始初めの日に入院しました。
主治医からHTLV-1関連脊髄症とは何ぞやの説明があり、それはHTLV-1ウイルスによって脊髄が侵される病気で医学語でHAMという珍らしい病名である事が分かりました。
治療には17日間連続の点滴、服薬、リハビリが行われました。それでも足の重さや違和感はありましたが、リハビリの効果で筋肉が付き身の回りの事は自分でやれました。
辛い点滴、リハビリを頑張れば少しは楽になるかも知れないと、一縷の望みが持てました。
1ヶ月半で治療を終え、まだ少しおぼつかない足取りではありましたが、軽くなった足で退院しました。
退院の事を聞きつけた人達に病気の事を聞かれ、医師から教わった通りウイルスにより脊髄に炎症が起きる病気だと説明すると、ウイルス=感染と受け取られ、みんな引いてしまい寂しい思いをしました。けして空気感染や接触感染はしない病気なのですが理解されず残念です。
完治の望みのない難病でもリハビリを頑張れば筋力が付き、日常生活は送れるとの主治医の話に励まされ退院しました。しかし総合病院リハビリ科では週一回しか予約が取れず、又そこまで出向いていくのも大変でした。せっかく筋力が付き始めた頃でしたのでその状態に悩み悶々としている頃、NPO法人障害者支援センターの豊里さんとの出会いが有りました。
彼女に訪問リハビリのある病院を紹介され、若い理学療法士のリハビリと心のケア受けられる様になりました。
8月末、歩行中に前のめりに転んだり、尻モチをついたり骨折ギリギリの出来事もあって車椅子での生活が多くなってきました。10月の外来受診日に再入院での治療が必要と言われた時は長期戦になると覚悟していました。それから5ヶ月に及ぶ手から溢れる程たくさんの服薬、数時間にも及ぶ点滴、リハビリ、それでも良くなる兆しのない日々、悔し涙で泣いてばかりいました。
意気消沈している私に豊里さんから朗報が有りました。市福祉課の恩恵が受けられたと聞かされ私の心境に少し変化が出始めたのです。骨折を理由に全ての動作を看護師任せにしていては、これから寝たきりの生活を送るかもしれないと思い、今年の3月に思い切って退院したのです。退院後はいきなり全て自分でやる訳ですから不安だらけの毎日でした。そういう日々を経て今では身の回りの事、車椅子からベッド、トイレへの移乗、入浴、片付け程度の家事をこなせるまでになりました。
又病名は違えど同じくリハビリに励む、他の難病患者の仲間たちの励まし、語らいにも勇気付けられ前向きに取り組めるようになりました。感謝です。
今の私は未だ病気を100%受け入れることは出来ません!いつも思うことですが、「この病気が夢であってほしい!健康な体で 可愛い孫達と思いっきり遊びたい!」
私のこれからの人生全くの未知です。
現実は現実として素直に受け止め、私に手を差し延べて下さっている方々、何よりも家族に笑顔を絶やさない様にしたいと思うこの頃です。さらに可愛い孫の成長を楽しみに生きたいです。
兼次 律子(かねし りつこ)さん
【生年月日】昭和25年1月15日生まれ
【出身地】名護市
【趣味】歌碑めぐり、唄・三線、ウォーキング
8月も多くの方々より多大なご寄付を頂戴しました。
8月12日メガネ一番様より創業26周年チャリティーゴルフコンペの収益より、33万余りの高額な寄付を頂きました。同社では沖縄県内の企業として常に地元に密着し、地元へ貢献するという企業理念のもと、創業日に合わせ毎年このようなチャリティーイベントを組み寄付を継続されています。
さらにロワジールホテル様より8月10日のロワジールホテル沖縄の設立20周年を記念して開かれた三重城祭りでのチャリティー収益より42万あまりもの多額の寄付を頂きました。ロワジールホテル様も地元へ還元したいということで、各方面の意見を参考にアンビシャスの活動に評価を選定されたとのことです。更に那覇北ロータリークラブ様、名護のサウンドメール様、大勢の個人のご寄付のみな様、本当にありがとうございます。
口頭での会話ができず、手書きで文字がかけない場合などに、意思を伝える手段の一つとして意思伝達装置があります。
その中でも視線を活用して文字などを選択する機器があります。画面に表示された文字や図形を見つめると、赤外線センサーで眼球の動く位置を視線ととらえ、パソコン画面上のデータとの位置情報を整合する仕組です。目の動き以外で意識的に動かなくても、目で見つめるだけの文字選択の連続で文書を作成し相手と対話することや、メール文書を送付することもできます。
日本ALS協会沖縄県支部の呼びかけで8家族の参加と支援者が集まりました。体験した方が楽に操作ができると大好評でした。
反面、他の機器と比べると高価なのが悩ましい点だと思いました。特別補装具での実績もあるようなので要注目。
臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)
みなさんは、診断は何のためにあるのだと思いますか?
まさか「あなたは病気です」というレッテルを貼るためではありませんし、診断は人生の問題の核心から逃げるための安心材料でもありません。
私の周りには何らかの病名を受け取って生きている方々が沢山います。難病や慢性疾患だったり、こころの病だったり、一時的な感染症だったり…いろいろな病があります。
物心ついている人や、ある程度自分の身体のことを考えられる人であれば、病気になると医学的診断を告知されます。体調不良の原因が何であるか長い間わからずに病院をたらいまわしにされて難病の診断がついた方も、アンビシャスの会報誌の読者にはいらっしゃるでしょう。
そのときはみなさんどうだったのでしょうか?
告知はそもそも人を奈落の底に落とそうと画策されたものではありません。患者が自分の身体の状態をよく知り、自分の身体と病とこころの状態に素直に向き合って、制限された状態でも、よりよい状態を維持し、いかに自分らしく生きるかを考えるきっかけになるものです。例えば、今まで人に甘えられずに頑張りすぎていた人が、告知後は人に頼らざるを得なくなり、結果的には上手に甘えられるようになり、病気をする前よりも生きやすくなるということもあります。それはもちろん周囲の協力が前提ですが。
患者の心理状態・想い・知的能力・パーソナリティを熟慮して、医療的なサポートと心理的なサポートを始めるために告知がされます。確かに、告知はその人の人生にとって危機ですが、今が過去になり、未来が今になるのですから、サポートを上手に活用しつつ、一病息災もとい二病息災・三病息災でも自分らしく笑顔で生きていきたいものですね。
著:照喜名通
本当の自分とはなんだろう。自分探しは哲学でもあります。家にいるときの自分、仕事をしているときの自分、恋人といるときの自分、趣味をしているときの自分、人前で話しているときの自分。自分を「個人」としてとらえるのではなく、いくつかの「分人」と捉えてみようと芥川賞作家の平野 啓一郎著「私とは何か―「個人」から「分人」へ」を提唱しています。
自分である個人が一つだけと限ってしまうと、行き詰まるが、分人であれば一つが厳しくなっても、別の自分が厳しくなければ良いのです。
逃げ口上かもしれないが、自らを守る考え方でもあります。学校でいじめにあって、もう消えてしまいたい気持ちがあったとしても、家での環境は学校とは異なるのだから、一人で抱え込まず自殺までしなくて、しばらくは不登校でも良いとの考えもうまれるでしょう。
個人でも時間や場所、相手も異なると全く違ったものになるので、時間薬、場所変え薬、話相手薬として捉えるのも良いかもしれませんね。
著:NPO法人ICT救助隊 今井啓二・仁科恵美子
ハイテクコミュニケーション技法 ~パソコン編 (その3)~
http://opnv.ttools.co.jp/ 製造元 テクノツール株式会社
パソコンでWordを使って文章作成をしたり、Outlookでメールをする時の、キーボードやマウスの操作を、スイッチ(5個まで利用可)で操作するためのソフトウェアです。伝の心のような会話や日常使用文などの専用のツールがあるわけではなく、あくまでもパソコンにインストールされているソフトウェアを操作するための支援ソフトウェアです。自分のパソコンにインストールして使います。
オペレートナビが起動すると、
「AP起動(アプリケーション起動)」というソフトウェア(アプリケーション)の一覧が並んだキーボードが表示されます。
スイッチを押すと、スクリーンキーボード(デスクトップ画面に表示されたキーボード)上でスキャンが始まりますので、使いたいソフトウェアを、スイッチを押して選択します。 選択したソフトウェアが起動すると、対応したスクリーンキーボードに自動的に切り替わります。
EX:アプリケーション起動でワードパッドを選択すると「かな」というスクリーンキーボードが起動します。
「私は」と入力したければ、「わたしは」と文字を 選択→「Spc」を選択して漢字変換→「Ent」を選択して確定します。
・利用するソフトウェアに合ったスクリーンキーボードに自動的に切り替わります。
・スクリーンキーボードをカスタマイズできます。
例えば、キーやコマンドを追加したり、キーの位置を変えたりできます。
・色々なスクリーンボードがあります。
Webサイトには他の方が作成したスクリーンキーボードが公開されていて使うことができます。
・スキャン速度を変えるなど設定のすべては、利用者がスイッチを使って変更することができます。
・学習リモコンを接続してテレビや照明など複数の家電のリモコン操作を制御できます。
・スイッチをパソコンに接続するための専用のインターフェイス
(スイッチコネクタUSB 19,740円(税込))が必要です。
・Windows7のパソコンが対象になります。
Windows8への対応についてはテクノツール株式会社のホームページで確認してください。
価格:[通常版] 73,290円(税込)
[優待版] 29,400円(税込)
(※「オペレートナビEX」からのアップグレード用。2013年10月末にて販売終了予定)
送られてきたアンビシャス136号の私が書いたエッセイ「学生のひとこと」を読んで、?となった。
私が一番訴えたかった文章の一部が変わっていたからだ。
それは、今後も患者の立場に立った“声かけ”を忘れないでねという文だ。
自分の思いをわかってもらえるという事は、患者にとって嬉しいことだからだ。
唯一動いていた右手の親指は、スイッチも押せなくなり思いを伝えるのは、文字板のみとなった。
エッセイも文字板を使って、娘や妹に一字ずつメモしてもらっている。
それを娘が構成してメールで送ってもらっている。
いつもは送る前に確認するが、その日は確認しなかった。やはり自分の手で文章を書きたい。
今は色々なスイッチを試しているところだ。
訪問リハビリのPTさんと体のどの筋肉を使えばスイッチが動かせるか試しているところだ。
そんななか患者会の仲間からマイトビーという機械の紹介があり、業者の方に家に来てもらった。
視線で文字が選べ文章が作れる機械だ。とても便利だ。しかし価格がなんと1**万円!!!
早速機械を使って値引きは出来るかと聞いて、周りは大笑い。
あ~あ、早く自分で文章を打ちたい。
神経難病友の会ではピクニック、勉強会、カラオケなどいろんな行事を計画してきましたが
「そう言えばみんなで食事したこと無いね」
ということで今回の食事会となりました。
ホテルのランチバイキング!
いろんな料理があり皆さん少し食べ過ぎたと言いながらもデザートは別腹だったみたいで、楽しい食事会となり予定時間をかなりオ-バ-してしまいました。
記事提供:松藤 さん
今年は暑さが厳しくて、疲れが今頃やってきてげんなりしていましたが、先月末もいつものように会報誌が届き、
「さあ来月も始まるぞ!」と気合を入れ直しました。
(その割には毎度の、のんびりとスタートをきった9月です)
今年の夏は意見交換会や講座などが活発でアツかったんですね。私もせっかくこの会報誌で難病のことをいろいろ知ることができたので、更に理解を深めていきたいナ、と思いました。
「表紙は語る」の丸元さん、通院ついでの東京観光ってイイナァ!
これからオリンピックに向けて始動する東京の変化を教えていただけたら嬉しいです(^o^)(^o^)
アンビシャスさん、編集作業お疲れさまでした。
ついつい随所にある可愛らしいイラストに目が行き、楽しく読ませていただきました。これからも親しみやすい会報誌、期待していまーす。
〈ジュウミー(特発性拡張型心筋症)〉
人は誰でもミスをする。 そんなミスを指摘されたとき、どう対応するか、様々です。
素直に謝れる人や、言い訳をしつつ謝る人、反発する人。
分かってても「素直に認める」事が出来ないのは、変なプライドですよね。
そのプライドを、少しずつ直せると、良い事が起こるかもしれませんね。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
「過去からの今」
「過去からの今」
あの時の後悔が
今の私を弱くして
あの時の想いが
今の私を強くしてる
竹村 安津季
「バンテージ・ポイント」/2008年 アメリカ作
テロ撲滅運動を訴え、演説をする大統領。
そんな時に銃声が鳴り響き、パニックとなる中、爆弾まで爆発する。タイトルの「バンテージ・ポイント」とは「有利な見地」という意味で、登場人物それぞれの視点から、事件の背景・犯人を探り出す。90分という時間が、物足りなさがあるものの、テンポの速さが良く、また観ようと思える作品。出演は、デニス・クエイド、フォレスト・ウィテカー、シガニー・ウィーバーら。
また、NHKBSにて、10月21日に放送予定となっている。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。
全国で記録的な猛暑ならぬ「激暑」となった夏が過ぎ、朝夕の涼しい季節の始まりを感じる今日この頃。パタパタと過ぎてゆく日々ですが夏から冬に移りゆくまでのつかの間の秋の夕暮れや月の夜、虫の声など楽しんでみませんか?
とは言え、日に日に空気が冷え込んでいきますので手洗い・うがい、体調管理を忘れずにいましょう。
季節の移り変わりを肌で感じ、やがてくる冬にそなえて日常の中で小さな計画を立ててワクワクするのもいいかもしれませんね。
Copyright©2002 NPO Corporation Ambitious. All Rights Reserved.