最終更新日:2013年12月01日
砂川 泰彦(すながわ やすひこ)さん
多系統萎縮症
A1.7年前(2006年11月)49歳の時に右手、右足に違和感を感じ、その頃打ち込んでいたマラソンの練習で20キロ走をしてみたが、足が重く感じ走れなくなりその日はそれで終わり、1週間空けて試しに走ってみたがやはり走れず、丁度その頃健康診断があったので相談すると首に原因があるかもしれないということで、整形外科に行くがどこも異常は見つからず、それでも納得いかないので脳外科への紹介状を書いてもらい受診しました。
そこでパーキンソン症候群と告げられました。
その頃まで那覇マラソンに13回も参加し、100番以内・3時間以内を切ることを目標にトレーニングに励んでいました。それまでの自己ベストが126位、3時間2分と目標までもう一歩というところまで来ている頃でした。それだけに諦めきれずトレーニング疲れから来ているのだろうと淡い期待を持ちながらついつい時間だけが経過してしまいました。
その間も症状は進行し、それまで服用していた薬の影響もあったのか、仕事中に眠気を覚えたり、印刷の仕事をしていたのですが紙がさばけなくなるなどしたため、迷惑をかけてはと発症して5年後(2011年8月)に仕事をやめました。その年の11月に沖縄本島の国立沖縄病院で50日間の検査入院となり、その時『多系統萎縮症』と診断が下されました。
診断が下された時は本当にショックで「人生終わりかな」と死も考えました。住み慣れた宮古を離れ慣れない土地で入院生活に塞ぎ込む毎日でした。
A2.沖縄病院で入院中リハビリの先生との会話から私が絵を好きだと知り「それならリハビリも兼ね絵を描いてみないか」と勧められたのがきっかけでした。
元々趣味はあったが今までは時間も無く熱中とまでは行かなかったのですが、入院中で時間も充分に有りそこで本格的に絵に打ち込むようになりました。絵を描く事で気持ちが落ち着き、また完成した絵を他の人に観てもらったりプレゼントすると喜ばれ、そのことがまた励みとなる、いろんな点で相乗効果が出てとても充実した日々が送れるようになりました。そして思いもかけない宮古島市役所での作品展!
絵を始めた頃は漠然とした目標で「作品展を開いてみたい」と考えてはいましたが本当に実現するとは夢にも思いませんでした。
今年10月28日より宮古島市役所で開かれた「とぅんがらの会習作展」の中で私の作品も展示され、多くの方が訪れ100人近くの方々から感想を頂きそれを読むと涙が出るほど嬉しくなりました。中でも「私は燃え尽き症候群で何を見ても感動できなかったが、あなたの絵を観て久しぶりに感動した、癒された」と言われたときはとても嬉しかったし「これからも頑張るぞ」と希望が湧いてきました。
A3.今年8月に初めて『パーキンソン友の会』の交流会に参加、その中に入って気持ちがとても楽になりました。みんな和気あいあいとリラックスでき、参加して心から良かったと思えました。事務局長の又吉さんもいつでも相談に乗ってくれ、仲間がいると感じられとても心強く、前向きになれ、他の人のお役にも立てると思えるようになりました。
又、絵を通して友人たちが「おまえ頑張っているな」と声をかけてくれたり、障害施設の方から「入所者のリハビリのため絵を教えてくれないか」とか「小学校の子供たちに絵の指導をしてくれないか」とか色々な声をいただくようになりました。本当に絵に助けられた思いです。変な言い方かもしれませんが、病気になり絵と出会えたことにある意味感謝しています。
現在、絵画サークルの他、吹き矢サークルにも入会して更に楽しみを作っています。
A4.絵を通してみんなに喜んでもらえること、今後の夢として個展を宮古だけでなく石垣、本島、特に絵に取り組むきっかけを作ってくれた沖縄病院へ恩返しも込め、同病院で個展を開催できたらと思います。
又、パーキンソン病友の会での活動や地元宮古の患者会活動に積極的に関わり、なかなか外へ出てこれない難病者のお手伝いができたらと思います。現在、パーキンソン病友の会では宮古ブロックの立上げを推進中でその世話人として事務局長の又吉さんと連絡を取り合いながら、地元の方々と協力して設立に向け頑張っています。同じ患者同士の交流は安心感も得られ、前向きになれると思います。
疾患は違えど難病に苦しむ方々へ、私は絵によりこのように充実した日々を送っていますが、絵に限らず何か自分の得意なもの、打ち込める事を見つけ人生を楽しんでほしい。最初の一歩は難しいけれどプラス思考に転ずれば病にも良薬となります。自分の殻に閉じこもることなく、仲間を見つけ一度しかない人生、前向きに生きて行こうと思います。
砂川 泰彦(すながわ やすひこ)さん
【出身地】宮古島市
【日課】絵を描くこと・ウオーキング
【好きな食べ物】カレー・焼肉
【好きな音楽】フォークソング
【好きな言葉】努力
10月11日、高知市議10名の皆さまがアンビシャスに視察のため来所されました。
副理事長の照喜名よりアンビシャスの活動状況、就労に関する事、難病に関する問題等の説明のあと、幅広い質疑応答が行われ私共の活動にご理解をいただきました。
高知市議員の皆さま、高知での難病患者の支援活動をよろしくお願いします。 又ぜひお越しください。
10月31日中部保健所主催で講演と相談会が開催されました。講師は中部病院の金城正高先生で脊髄小脳変性症と多系統委縮症の区別などや、脊髄小脳変性症でもタイプが異なると症状も異なることをタイプ別に説明されました。スライドを使わない講演も珍しいが非常に判りやすく丁寧な講演会でした。その後の質疑応答でも、患者さんや家族は納得出来たようでした。更に交流会では自主的な患者会を作ろうとの意見も出て、沖縄の脊髄小脳変性症にとって記念すべき日になりました。今後、素敵な集まりになれるよう応援しますので、参加・協力可能な方はアンビシャスか保健所へご連絡ください。
10月26、27日にVHO-net(ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会)主催のワークショップがファイザー株式会社の助成で開催されました。その目的は全国の患者会や障がい者団体のリーダーが集い共に抱える共通の課題解決です。
参加者には医師や看護師などの医療者も加わり、基調講演、ワークショップ、全体討論の流れで進められました。
第13回目となる今年のテーマは「社会資源としてのピアサポート」で、その具体的な意見が交わされました。初めは個人としての活動からやがて会としての活動へと組織化していき、さらに社会から必要とされる活動へと変化し成長をすることもピアサポートであり、医師や行政から推薦されたり、最終的には患者や家族から支持されていく活動が大切だと思うが、志高く患者会のリーダーとして活動をする中で、自らも病を抱え時間もお金も費やすのに、クレームやトラブルがあると燃え尽きてしまう。そんな時でも仲間と課題を共有し解決していきながら、やはり最終的には自らの成長へとつながってくるから面白いですね。
10月19日に雇用・就労支援フォーラム2013が、沖縄県中小企業家同友会主催で開催され約500名が参加しました。
「障がいのある方が地域で働き、地域で暮らすために」をサブテーマに、今回は沖縄県と連携して開催。企業・経営者をはじめ、より多くの障がいのある方々の「働きたい」に応えられる企業づくり、地域における障がいのある方の雇用・就労支援の在り方について一緒に考えていきました。分科会では「難病」について特に時間を割いて頂き難病についても理解が広がることでしょう。
臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)
あなたにはコンプレックスがありますか。
人は誰でもコンプレックスがあると思います。例えば、何歳になっても自分の母親にどう思われるか・どう評価されるかばかりを考えて生活し自分自身の価値観を見出せなかったり、きょうだいと比較された経験からきょうだいを愛せなかったりすることは心理的なコンプレックスです。
病気のために関節の変形が生じていると人前で手を見せることがとても嫌に感じる、薬の副作用でムーンフェイスになっていることで人と会うことを避けてしまう、といった自分の身体に関するコンプレックスもあります。「私は何も問題がありません」と思う人もいるかもしれませんが、コンプレックスが何もないと感じることは問題から目をそむけているだけなので建設的ではありません。
心理的なコンプレックスの克服法としては、(苦手なことも逃げたいことも関わりたくないこともあるでしょうが)「なぜ自分はそれが嫌なのか」を深く振り返り、恐れずに直面し、新たな自分を発見することです。
身体のコンプレックスについては、そればかりに目を向けず、あなたのもっている性格の良さ・優しさ楽しさ・特技、人格と呼ばれる心の面で補うとよいでしょう。
あなたがコンプレックスを抱いていることによって、相手が悪意を持っていなくても、相手の何気ない言葉にあなたが傷つけられたと感じてしまうことがあります。それによって相手との関係が崩れてしまうのは悲しいことです。周りとの円滑な人間関係やコミュニケーションを図るためにも「私の周りには私を陥れようとする人はいない」と考えて対応すること、楽しみ、喜び、嬉しさで心を満たしつつ、バランス感覚をもって生きることが大切です。
著:照喜名通
エリザベス・キューブラー・ロスが『死ぬ瞬間』の中で「否認」自分が死ぬということは嘘ではないのかと疑う段階である。「怒り」なぜ自分が死ななければならないのかという怒りを周囲に向ける段階である。「取引」なんとか死なずにすむように取引をしようと試みる段階である。何かにすがろうという心理状態である。「抑うつ」なにもできなくなる段階である。「受容」最終的に自分が死に行くことを受け入れる段階である。とあり、人生の途中で難病を患い、障害を持つと、上記の様な心の状態になるケースもある。なるべく、早く受容した方が楽になるので、周りの支援や私の仕事もあるのであるが、本人以外から「受容しよう」と言われると困ってしまう。人が子供に対し「早く大人になろう」とか、助けた人が「感謝しよう」などと言っているようなものです。強制されるものではないし、無理して受容しようとしても、かえって「もがく」ので苦しくなるのでしょう。
今の状態を表す段階や目安として考えた方が良いですね。
著:NPO法人ICT救助隊 今井啓二・仁科恵美子
ハイテクコミュニケーション技法 ~パソコン編 (その5)~
フリーソフト「ハーティー ラダー 編2」http://takaki.la.coocan.jp/hearty/ 制作者 吉村隆樹氏
ハーティーラダーをダウンロードしてパソコンにインストールすると、デスクトップにハーティーラダーの本体と環境設定という2種類のアイコンが自動的に表示されます。環境設定から、ハーティーラダーを操作するための細かい動作や、メールなどを設定していくことができます。
12種類の入力モードを選択することができます。1つのスイッチだけでなく、複数スイッチやジョイスティックでの操作ができます。
例えば、9分割モードの文字入力ではローマ字入力と同じように2個のボタン操作で一文字が入力されます。写真は、携帯電話が使える脳性マヒの人が親指で9ボタンを操作している様子です。
スキャンが苦手、タイミングが取りずらいといった場合に対応できるモードがあり、スキャン速度やスイッチの無効時間などを設定することによって、よりその人に合った使いやすい操作環境ができます。
早く楽に入力できるよう、単語の変換にも工夫がされています。「私の名前は」と入力する場合「わ た」と入力してセレクトボタンを選択すると、一覧表がでてきますので、私を変換します。
すると次につながる助詞などが一覧表に表示されます。
入力中の文章を隠すことができます。ボタンを長押しするとラブレターボタンとセレクトを選択することができますので、一瞬のうちに隠すことができます。使う人のプライバシーに配慮した機能ですが、いきなり隠されると支援者もあまり気持ちの良いものではないので、お互いに気をつけましょう。
ALSなど病気の進行で声を失う方のために、自分の声で読み上げさせるための機能があります。まさに自分の声と思える市販の音声再現ソフト(100万円)もありますが、それの安価なものというよりも、家族やまわりの支援者が患者さんの声を撮り貯めるという作業そのものが、患者さんを支えることに繋がるものと思います。
ハーティーラダーの様々な機能は、こういう機能がほしいという利用者の声を1つ1つ汲み取っていったもので、製作者の吉村さんは今もこうしてほしいという私たちの要望にすぐに応えて新しい機能をつけたプログラムを送ってくれます。
私の介護にかかわる人は、家族を含め全てマスクをしている。
ある日、二人の新しいヘルパーが派遣されてきた。二人とも若く見えた。私は20代かと思った。
しかし何日かつきあっているうちに、どうも20代ではないらしい事がわかった。
ある日二人のうちAさんがマスクをしないで私の前に現れた。やはり20代には見えなかった。
そのことを彼女に話し、二人で大笑い、そのあとから吸引などで彼女の顔が近づくたびに二人で吹き出してしまう。
私にとってマスクは感染防止だけでなく、笑うことにより顔の筋肉がほぐれ、くいしばりが良くなることがわかった。
マスクの力ってすごい(笑)
【日時】平成25年12月14日(土) 14:00~17:30(受付13:30開始)
【場所】沖縄県立南部医療センター・こども医療センター2階大講堂1・2
沖縄県島尻郡南風原町字新川118 -1 Tel:098-888-0123
講演者:神里 尚美先生(沖縄県立南部医療センター・こども医療センター神経内科部長)
【問い合わせ】沖縄支部事務局
支部長 竹田 利恵子 Tel:070-5482-8541
副支部長 松田 智恵美 Tel:070-5492-1084
「表紙は語る」沖縄での生活を活き活きと過ごしていらっしゃる康本さん次男くんのご様子を楽しく拝読しました。沖縄独特の文化を気に入っていただけて、嬉しいなぁ。私も勇気と元気を貰いました。ありがとうございました。お母様、きっと長男くんのハンドボールのフォローもお忙しいかと察します。お母様もどうかご無理をなさいませんように。
特集の「ハーティーラダー」無料という言葉にひかれて、ネットで少し見てみました。気軽にチャレンジできそうですね! 試してみたいと思います。次回の特集も楽しみにしています。
〈ジュウミー〉
いつも楽しみに情報誌を読んでいます。色々な情報を得ることが出来支えになっています。
これからもよろしくお願いします。
〈M.A〉
誰もが、無意識に「ため息」をしてしまいます。
人が見ると、不快に思ったりしますが、実は、呼吸が浅い等の理由から、肺の空気の入れ替え、深呼吸と同じ用途の人もいます。
誰もが、ストレッチの為に深呼吸を心がけるのも良いでしょう。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
「今、生きる」
明日こそは!!
って思い続けて
今日までやってきて
今日からも思い続けていく
こんなにも退屈な毎日だって
こんなにも理想と違う毎日だって
二度と戻らない貴重な一日だから
竹村 安津季
「アメイジング・グレイス」/2006年 イギリス作
賛美歌として有名な「アメイジング・グレイス」が出来る経緯の映画。一人の牧師が、奴隷貿易に心を痛め作詞をしたものである。
誰もが一度は聞いた事のある歌の、意味・理由が、衝撃的に描かれている。
出演者に派手さは無いものの、逆にそれが味になっている。とても、意味のある作品だと思います。
また、NHKBSでは、12月13日、13時00分からの放送予定となっています。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。
1年というのは本当に早いもので気がつくと今年もあと1ヶ月を切りました。
この1年も会報誌「アンビシャス」を通してたくさんの方々に出逢うチャンスを頂いたことに心から感謝いたします。本当にありがとうございます。
そして読者の皆さまにも時には笑い、時には考えさせられる情報を少しでも多くわかりやすくお届けできますよう編集スタッフ一同努めてまいります。
今年もご愛読頂きありがとうございました。
そして来る年もどうぞよろしくお願いします!
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