最終更新日:2014年01月01日
花城 いずみ(はなしろ いずみ)さん
クローン病を患う娘の母として
2012年10月19日、小学4年生の運動会の2日前腹痛と下痢の為かかりつけの小児科を受診しました。
それから1ヶ月、下痢を繰り返しながら毎週のように通院しては薬をもらい、点滴をしていました。
あまりに長期の下痢の為、市立病院を紹介してもらうと即入院・・・その後の検査でクローン病と診断されました。
口から肛門までの消化管に潰瘍や狭窄(腸がつまる)がおき、下痢や腹痛をおこします。
娘は小腸にも病変がある為、低栄養になりやすいので栄養製剤であるエレンタールと低残さ食といわれる細かく刻んだり、柔らかくゆでた食べ物を食べています。
脂質制限があるので油の多い食事や、お菓子が食べられません。昨日まで食べていた物が食べられない事は大人でも辛いことなのに娘はまだ育ち盛りの11才、周りの子が甘いケーキやハンバーガーなど好きな物を食べているのに食べられないのはとても苦痛だと思います。学校にはお弁当を持参し、外食もほとんど出来ません。
クローン病とわかった時はとてもショックで、娘への告知はもう少し大人になってからしようと、「お腹の病気を繰り返すので、お菓子や油の多い食事はダメだよ!」とだけ伝えました。しかし自分でインターネットで調べている内に知ってしまったようで「もう一生治らないんでしょう?」言われた時、覚悟を決めちゃんと病気の事、お薬の事、これからの事を話しました。本人もその時は何とか理解しようと話を聞いてくれましたが、消灯後の病室で声を殺して泣いている娘に気づいた時が親として一番辛かったです。
夏に症状を落ち着けるため3ヶ月ほど入院した時、アンビシャスの会報誌で同じ病気の方のお話を読ませ、病気でも楽しく毎日を過ごす方、体が動かなくても前向きに生きている方の存在を知り、「一人じゃない、病気があってもいろんな事が出来る。命に関わる病気ではない分、食生活に気をつける事でみんなより健康的な食生活になるのでかえって長生きするのかな?」と思ったりした事が前向きになれるきっかけになったようです。
会報誌との出会いは特定疾患の手帳申請の頃、アンビャスでクローン病専門医の金城先生のセカンドオピニオンを聞く機会に参加した時、このような難病情報誌があることを知りました。今までは自分たちの事だけで精一杯でしたが、難病を抱えながらもしっかりと前を向いて生きている方がたくさんいることを知り勇気づけられました。
会報誌では、やはり同じクローン病の特に奥田良子さんのお話に共感しました。
病気になった時の気持ちや、主治医の「今頑張ってはいけない。」という言葉が理解出来なかった事、いろいろ経験し自らの病気に向き合っている姿を娘にも話し、自分だけ苦しいんじゃないよ。
苦しみをわかってくれる人が居るから、大丈夫だよ!と、元気づけたりしました。又、疾患は違いますが、年齢の近い新里玲香さんの生き方や康本園実さんの息子さんの記事に共感し勇気づけられたようです。
現在のクラスのお友達には病気を告知し、自分の出来る事、出来ない事を知ってもらったり、毎日食べなければいけないぜんぜん美味しくない栄養製剤を友達にも食べてもらった事で理解してもらい気が楽になったようです。給食も急いで食べてはいけないので、配膳の時から時間をもらい、一人で食事をしたい本人の希望も学校側に理解してもらい協力をしていただいているので、学校生活でのストレスが少しなくなり喜んでいます。
学校では、3年生の頃より金管バンド部でアルトホルンを担当しています、マーチングバンドの大会などでは練習中人一倍頑張るので、体調面で見ているこちらがヒヤヒヤする事もあります。でも良き仲間に囲まれ、たくさんの人達の前で演奏し、音楽の楽しさ、仲間と同じ目標に向かって頑張る事の大切さを実感し充実した毎日を送っています。
将来はクローン病や食事制限のある方が美味しく楽しく食事が出来るレストランをやりたいとの夢を語ってくれるようになりました。その夢を実現させるため為、しっかりサポート出来るようにパパとママは頑張るつもりです。
娘と同じように子供が病気のパパやママさん、落ち込んで悩んでいる暇はありませんよ。
あっという間に大人になってしまう我が子が、たまたま病気になってしまっただけで、他は健康な子と何も変わりません。
病気になったことで辛い事、苦しい事はたくさんありますが、一緒にいる時間が多くなる分一緒に悩み、喜べるので一緒に成長して行けます。
娘が楽しく毎日イキイキと過ごしていける事、私たち夫婦の共通の願いです。
大きくなったらクローン病を治した患者第1号として、ギネスブックに載りたいです。
そして、クローン病の人が食べられるレストランを開きたいです。
11月9日(土)、「難病・慢性疾患全国フォーラム2013」がJA共済ビル(東京都千代田区)で開催されました。
450名を超える患者・家族をはじめマスコミ関係者などが詰めかけ、中に入りきれないほど満員でした。
医療費助成をめぐり、対象が56疾患から300以上と喜ばしいことではあるのですが、これまでより負担額がかなり大きくこれでは受け入れられないとして再検討を要請しています。
「患者・家族の訴え」では、全国膠原病友の会 副会長になられた、阿波連のり子さんも堂々と発表され沖縄出身として誇らしく思いました。当日の様子をアンビシャスのホームページから動画で閲覧できます。
今後、難病がどうなっていくのか是非ご覧ください。
11月18日(月)中部福祉保健所にて、後縦靭帯骨化症(OPLL)の患者・家族が集まりました。主催は保健所ではなく、呼掛け人が主催となりました。前年の医療講演会開催後の交流会ではあまり話も出来なかったので、是非自分たちで集まって交流を深めたいとのことで、約20名が集まりました。その後の体調などを話し合ったあとに、今後の交流会をどうするか話合われて、毎月は大変だから半年に一回集まろうとのことでした。とりあえずは、中部地区だけでしたが、今後、多くの方が交流を望んでいるので、交流会の輪が広がることを期待したいです。別件ですが、那覇近郊の同じ疾患の方との交流を開催しました。
11月24日(日)沖縄病院デイケア室にて、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者家族が集まりました。全国の情報や意思伝達装置の説明などがあり、ミニライブもありました。緊張もほぐれた後に、普段の介護などで困っていることについて体験談を交えて話し合われて有意義な集まりになったと思います。当事者の参加は2名と少なかったのですが、日本ALS協会沖縄県支部では、普段から家庭訪問もしており、困った時のタイミングで、きめ細やかなケアをしているようです。どんどん外出することもリハビリや災害訓練にもなるので、外出支援が充実することが課題かもしれません。
11月28日(木)南部保健所にて、「大動脈炎症候群」~基礎知識と療養のポイント~として、豊見城中央病院 腎臓・リウマチ膠原病内科医師小禄雅人先生の講演がありました。血管のサイズと血管炎が出た場合の診断される病名も異なることなど、診断から治療方法など詳しく丁寧にご講話くださいました。この疾患での医療講演会は非常にまれで患者さんの期待は高まっていました。その後の交流会では小禄先生も加わり、多くが参加され、自己紹介だけでも時間オーバーでした。
臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
本年が皆様にとって幸多き年であるよう祈念しております。
新年なので、私のとても大事な方の話をします。【注:個人が特定できないように配慮あり】
その方は、社会でも責任のある立場で仕事に長年従事してきました。ある時、目に違和感が生じましたが、今まで健康だったので大丈夫と思い込み、病院受診をしませんでした。数か月たったある日、視界が濃いサングラスをかけたようになり、物は歪み距離感もつかめなくなりました。黄斑変性症の発症です。今は医療でできる限りの治療をし、一応は病の進行を緩めています。いつ失明するかという恐怖を抱えながらも、目が見える間に子どもとたくさん旅行をしたいという願いと楽しみをもち、生活では危険のないように工夫をしつつ、ふと死んでしまおうかという気持ちももちながら、今を精一杯生きています。
この方は、恐怖と向き合いつつ今と未来を見据え、自分の気持ちと上手に付き合おうとしています。
2つの恐怖の要因と付き合い方…
例えば無理な活動をして体調を悪化させることや無理に寒さを耐えるようなこと等、身の危険を引き起こすような外的な恐怖の要因に関しては、避ける・逃げる、といった対処法を採ってもよいでしょう。しかし病気が悪化するのではという恐怖や人生のテーマとなるような心の問題に関する内的な恐怖の要因に関しては、なかったことのように解離をさせても成長はありません。進行性の病を抱えているとどうしても不安は尽きません。それぞれの病の特徴をよくつかみ、今できることを後悔しないようにすること、制限のある生活の中でも自分らしく人生を謳歌することが大切だとひしひしと感じています。
著:照喜名通
病気を患う者を患者といいますが、この「患」の字をよく見ると、心に串を刺している状態を表しているのです。心に刺さった串を抜く状態との見方もあります。一方、英語ではペイシェントpatientといいます。このpatientを辞書で引いてみると、患者以外には、忍耐強い、辛抱[我慢]強いとう意味でも使われているようです。ドイツ語では患者をクランケKranke(n)といい、日本でも昔はクランケと呼んでいたそうです。
Kranke(n)はその他に、不条理な、無茶なという意味でも使われているようです。カウンセリングの世界では、来談者として、クライアントとして使っています。クライアントとは顧客との意味もあります。なんか調べているだけでも気が滅入ってきますが、なんとなく、「おしん」を連想してしまいました。
私達は本人も家族も病気を持ち、不条理だけど我慢強く、頑張っているんだから、絶対に強くなるし幸せになれるんだろうな。おら負げねっ。
著:NPO法人ICT救助隊 今井啓二・仁科恵美子
接点式スイッチは機械的(メカニカル)なオン・オフで操作時にカチ、カチというような感触があります。
よく使われている押すタイプのもの(市販品)に1.ビッグスイッチ、2.ジェリビーンスイッチ、3.スペックスイッチ、4.マイクロライトスイッチ、5.フットスイッチ。スイッチは押すばかりでなく、ひもを引くタイプの6.ストリングスイッチがあります。大きさや形にバリエーションがあり、体の動きや部位、設置の方法に合わせて押しやすいものを選びます。
接点式のスイッチは構造がシンプルで故障も少なく、市販品に限らず身近なもので手作りしたスイッチを工夫して利用する患者さんもよく見かけます。
センサー式スイッチは、人体の接触やわずかな身体の動きを電気的に感知してオン・オフを操作するもので、構造的に複雑なものになります。
●帯電式(人体の静電を感知する)
7.ピンタッチスイッチ、8.ポインチタッチスイッチで先端の接触部に人体が触れることで作動します。
●光電式(光信号の反射で動きを感知する)
9.光ファイバースイッチで、センサーの出す光信号を動く部分に当て動きを読み取り作動します。このスイッチは光の反射を利用するのでスイッチ自体には触れずに使う非接触スイッチです。
●圧電素子式(空気圧やひずみを感知する)
10.ニューマティックスイッチで人体の動きを動いた時に生じた空気の変化やひずみを読み取り作動します。
上記の他にも息や音で反応する吸気スイッチ、眼電を感知する眼電センサースイッチや筋電などの生体信号を利用するマクトスなどがあります。
センサースイッチは動きを感知して作動する仕組みのため、動かすには電力が必要になります。
指先の非常に小さな動きやまばたきで、あるいは触れるだけで作動しますので、スイッチを押すという感覚ではなく、動きそのものがスイッチになります。
また、最新の技術では、筋肉の動きが全く失われても脳から筋肉を動かすという本来筋肉に送られる信号(たとえば、指先を曲げるという信号)を読みとり、スイッチ信号に変えてパソコンなどの機器を動かすことが出来る機器の開発が進んでいます。(最新のスイッチ事情については最終回にお伝えします)
チッチッチ、ある朝裏庭から小鳥の鳴き声が聞こえた。
「あっ、あの鳥かもしれない」娘は急いで台所からパンを持ってきて裏庭の草むらにちぎってまいた。
すると一羽の小鳥がさーっと飛んできて、パンをくわえて飛び去っていった。あの鳥ではなかった。あの鳥とは去年の冬のあいだ裏庭に飛んできていた渡り鳥シロハラのことだ。ヒヨドリより少し小さく、色は灰褐色で名前の通りお腹が白い。ぷくっと膨れたお腹が愛らしい。
中国やロシアで繁殖し、冬に越冬の為に日本にやってくる。同じ鳥が同じ場所に戻ってくるとは限らないが、私は帰ってくると信じたい。
シロハラよ、早く帰ってきて。チョンチョンと草むらを移動し、パンをつっつくシロハラの動きを見ていると体の辛さも忘れてしまう。
そんなことを考えながらふと窓の外に目をやると、なんとネコがパンをたべているではないか!
「コラァー!!」
【日時】平成25年1月12日(日)12:00~
【場所】沖縄県視覚障害者福祉センター(沖視協3階)
【参加費】1,500円(弁当・飲み物代)
【内容】懇親会(カラオケ他)
【申込み締切】1月8日(水)17:00
【お問合せ】本誌7頁難病患者団体一覧よりお願いします。
【日時】1月24日(金)11:00~
【場所】宮古島市合同庁舎
【お問合せ】沖縄県支部長(長嶺:090-5083-6811)
【日時】1月25日(土)13:30~
【場所】大浜信泉記念館(石垣市)
【お問合せ】八重山部会連絡員(平良:090-5081-5622)
アンビシャス会報誌届きました~ありがとさ~ん。139号『表紙は語る』の砂川さんの絵ステキ!
病も良薬と言えるまでいろいろあったよね。私は薬が増え、ムーンフェイスになりアガイーと顔を見て嘆く。
でもメッセージだよねと自分に言い聞かせる。
今年賀状書きを楽しんでます。手書き100枚ファイト!!
〈サタパンビン〉
「最初の一歩は難しいけれど」砂川さんの絵はとても優しいのに何故か力強くも感じます。
前へ一歩踏み出すことへの勇気を後押ししてくれるような気がするんです。
「一度しかない人生、前向きに」強さと優しさは本来はとても近いところにあるかもしれないな。
月末に会報誌が届くと気持ちが「生きていこう!」とリセットするし、表紙の方の写真、手記に励まされ更に前を向こうという意志が強くなります。そして、病気になったことは確かに苦しいし面倒なことが増えたけど、それだけのことだ、と思えるようになるのです。
見方を、視点を変えたらこんなに豊かな人生を歩んでいるのは面白いぞ!と。
〈ジュウミー〉
除夜の鐘を108回鳴らす事は、108つある「煩悩」を消す事を願う事だそうですが、7つの大罪のように、人には「欲」で占められます。
来年の抱負と共に、今年の反省をしつつ、除夜の鐘を聞く事や、新年と共に、7つの大罪。傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、暴食、色欲について、考えてみるのも良いかもしれませんね。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
「決めたら進め」
もしかしたら
今は、良いタイミングじゃ
ないかもしれない。
でも
もしかしたら
他の日じゃ
ダメかもしれない。
竹村 安津季
竹村さんのコメント
2013年も無事に過ごせたことを幸せに思います。
毎月、読んでくださった方、ありがとうございました。
今年も宜しくお願いします。
「ミート・ザ・ペアレンツ&ミート・ザ・ペアレンツ2」/2000年&2004年 アメリカ作
NHKBSで、1月14日、1月13日,21時00分からの放送予定となっている作品。
ロバート・デ・ニーロとベン・スティラー共演のコメディです。2では、ダスティン・ホフマン、バーブラ・ストライサンドも出演。
彼女にプロポーズをすると、結婚には父ジャックの親の了解が必要。そこから、ドタバタが始まります。
敢えて、内容は書きませんが、必ず笑えます☆
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。
年末・年始の慌ただしさもひといきついてこの1年が幕を開けスタートしましたね。
昨年も誌面を通じてたくさんの方々との出逢いがあり、今年もたくさんのご縁があることを楽しみにしている編集スタッフ一同です。
そして会報誌「アンビシャス」にご協力くださる投稿者のみな様、ご愛読くださる読者の皆さまにとっても良い一年でありますように。ぜひそうありますように。心を込めてアンビシャスからの新年のごあいさつとさせていただきます。
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