最終更新日:2014年02月01日
井藤 善夫(いとう よしお)さん
クローン病
私は平成7年2月にクローン病と診断され間もなく19年が経過します。昭和62年に初めて入院し、これまでに何回と検査入院をしましたが平成6年8月、腹痛により入院、その半年後に再び腹痛になり、入院となりました。短期間に2度入院したことから上司から徹底的に調べてもらうように指示を受け、大腸バリウム、小腸CTスキャン、胃カメラ等を実施しましたが原因は解明できませんでした。小腸の腸閉塞症状だったため琉大医学部附属病院で更に詳しい検査ができることを確認し、紹介状を持参し再び検査することとなりました。検査結果から、ようやく病名(クローン病)は解明したものの、その病気は特定疾患いわゆる難病に指定されていることがわかりました。2週間の教育入院で病気のことが解るにつれ仕事のことと病気のことで二重のショックが私を襲いました。
私は航空学生という海上自衛隊の航空機搭乗員を養成する制度で入隊しましたが、この病気ではもう航空機に搭乗する配置はないと悟り、家内に「もうフライトできないと思う。」と言うと私の気持ちを察してか家内が泣き始めました。私はその姿を見て、「私が落ち込んでいてはいけない、しっかりしなければ」と思い発想を変え、なってしまったものは仕方がない、治らないのなら今より悪くしないようにしようと考えることにしました。
教育入院中に読ませていただいた資料にクローン病でも競艇選手やトライアスロンといった過酷なスポーツをする方もいることを知りました。しかし、身近な存在ではないことから「体調管理ができていれば自分の好きなことができる、健常者と変わらない生活ができる」ことを実証し、同じ病気の方の少しでも励みになればと挑戦することとしました。
私はスポーツすることが好きで水泳やテニスをして余暇を楽しんでいます。平成9年の第13回那覇マラソンへの参加を職場の同僚に誘われ、初めてフルマラソンに挑戦し何とか完走することができました。それから第16回大会(腰痛のため参加断念)を除く第18回大会まで5回出場し毎回タイムを縮め完走しました。最終的には4時間15分で完走することができました。
また、クローン病と診断される前の平成元年から体調管理のためにスイミングスクールに通っていました。今では毎回マスターズ水泳大会や社会人水泳大会に参加しています。現在は、海上自衛隊沖縄チームの水泳部部長として多くの隊員を指導する立場にもあり各大会で団体上位の成績を納めています。また、海上自衛隊の中でも「海上自衛隊水泳大会」が行われており、この大会にクローン病と診断されてから8回参加し、今年の大会において海上幕僚長から直接「水泳功労隊員」として顕彰される機会を得ました。これは海上自衛隊水泳大会に多数回にわたり出場するとともに後進の育成及び水泳の普及に貢献した隊員に対し顕彰されるものです。このほか、県や市のテニス大会にもシングルス及びダブルスに参加しています。平成23年には沖縄県代表として辰口丘陵公園テニスコート(石川県能美市)で行われた「スポーツマスターズ2011石川大会」にダブルスで出場し、45歳以上男子の部で沖縄県勢初の1回戦突破を果たすことができました。
食事に関しては小腸3カ所と大腸1カ所に狭窄があったため、低残渣食に努めていましたが、平成24年10月に小腸狭窄部分から大腸にかけ瘻孔が2カ所できてしまい、初めて手術をすることとなりました。当初は一番ひどい狭窄部分の切除と他の小腸狭窄部分の拡張手術をする計画でしたが、開腹すると他の小腸狭窄部分のむくみがあることから小腸狭窄3カ所を含む25cmと大腸瘻孔部分5cmを切除することとなりました。
退院後は、これまでエレンタールによる栄養療法でしたが、医師から薬物療法を勧められ、ペンタサ錠の服用とヒュミラ自己注射をすることとなりました。先日、術後1年経過時の大腸カメラを実施し、小腸と大腸の吻合部にびらん数カ所と小腸側に潰瘍3カ所が新たにできていました。この病気は手術しても高い確率で再燃・再発を繰り返すことは理解していましたが少しショックでした。しかし大腸にあった狭窄はほとんど解らない程度に回復しており、ヒュミラの効果が出ていると医師から検診結果を伝えられました。
術後は手術前と比べお腹にガスが溜まるようになりましたが、以前と変わりなく運動をすることができています。
私はクローン病になって何故自分だけというように悲観的にはなりたくありません。クローン病になったおかげで、食生活に注意するようになり、適度に運動するようにもなり健常者と見た目は変わりなく健康診断結果も正常値で、かえって健康的な生活を送っています。それには家族の支えが必要であり、医師や看護師のアドバイスのおかげであることは言うまでもありません。また手術を経験したことで闘病生活の大変さが理解できました。
これからの人生を「私だけ」というように悲観的に生活していくか、それとも楽しく生活していくか考えてみてください。
私は考え方ひとつで楽しい生活ができることを実感し、毎日充実した日々を送ることをお勧めします。
井藤 善夫(いとう よしお)さん
【生年月日】昭和39年生まれ
【出身地】山口県岩国市
【 趣 味 】スポーツすること、ガーデニング
【最近の楽しみ】バラ、ハイビスカス、ブーゲンビリア、蘭の世話
12月も多くの個人の方や法人から合わせて19件229,684円もの温かいご寄付を頂戴しました。
この紙面を借り改めて御礼申し上げます。
すべての難病者のQOL(生活の質)向上に向け、〜夢をあきらめない〜アンビシャスはすべての難病を持つ方々のQOL(生活の質)を高めていける社会を目指し「夢をあきらめず、志を高く、あせらず、一歩一歩着実に前進、自立していく」このような決意のもと、難病患者を支援する団体として活動を続けていますが、これらの活動が維持・継続できるのも多くのみな様の善意に支えられたおかげです。アンビシャススタッフ一同みな様のご厚志を深く受け止めこれからも難病支援の活動に邁進して参ります。 今後ともご支援の程よろしくお願い致します。
毎年、「地域の育成」の観点から看護学校への講座や実習を行っています。他の実習では患者さん宅や障害者施設などでの在宅看護をどう実施するかなど学ぶ場であるようですが、アンビシャスでは相談業務が中心のため、傾聴をテーマに共に学ぼうとしています。
2日間の実習では、ロールプレイも実施しています。傾聴は大切だと基礎とてして学んではいますが、いざとなると難しいことです。VHO-netで製作した「患者と作る医学の教科書」(日総研出版)の中で演習「医療者の正論」があり、それを実践しています。医療者は「傾聴」をしても最後には、「でもね」と「正論」を話す傾向があるようです。患者とトラブルが絶えない施設などは、この「正論」が患者の力を減少させ、最終的に医療者も困ったことになるのではないかと考えさせられます。難しいテーマではありますが、共に療養する共療(造語)が求められる時代です。
「患者と作る医学の教科書」(日総研出版)
今や病院での診察待ち時間は長いものと定着していますね。待つ患者も大変ですが、専門医もなるべく待ち時間を少なくさせてあげたいとの気持ちでしょう。現状は厳しいです。そんな中、他にも待っている患者さんの事も考えると聞きたい事を要点をまとめて聞かないと時間がいくらあっても足りないのです。正しい難病情報を把握することが、患者の力の向上には必須であります。もちろん、セカンドオピニオンは今の主治医の診断や治療に納得いかない場合に第二、第三の医師の意見を聞く事が大切です。
今回はクローン病・潰瘍性大腸炎の相談会で、琉球大学付属病院 金城福則先生の相談会でした。お一人30分と長いようで短い時間のため、相談者のお聞きしたい事を事前にまとめた上でご相談に臨みました。
臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)
皆さんはジョハリの窓はご存じでしょうか。
図のような4つの自分があり、自己開示によって盲点領域を小さくし開放領域を広げることによって対人関係の進展や自己理解につながるという心理学のテーマです。
さて、会話をするときに、ある言葉を言ってもそれが相談者の問題によって、異なった意図を持たれてしまうことがあります。
ピアカウンセリングでは「同じ病を抱えて生きる人」同士という共通項があるために、他の方よりもさらに親密な関わりができることはご存じのことと思いますが、それでもやはり、誤解や齟齬(そご)が残念ながら生じてしまうことがあります。例えば、基本的に自己肯定感や自己信頼感が低かったり、生育歴や環境によって人を信じたりすることが難しい方には、聴いた感想やアドバイスを誠心誠意込めて一生懸命に伝えたとしてもうまく思いが伝わらないことがあります。
ピアカウンセリングをするときには、相談者が話してくださることに「うん、そうだね」と共感するだけではなく、最初は相談者が知っていること(開放領域)を伝え、時間をかけてお話を聴き、関係が十分について、相談者が少し問題解決の核心に迫ってきたときに、(相談を受ける)ピアカウンセラーが感じたこと(隠匿領域)を伝えると受け入れられやすいでしょう。
それに加えて、相談者がどのような言葉であれば受け入れられるか、できるだけ理論的に伝えた方がよいのか、簡単な言葉で手短に伝えた方がよいのか、視覚的な情報を交えたほうがよいのか、どのようなタイミングで伝えたらよいのか、等を相談者の特徴に応じて工夫するとよいです。
そうすると盲点領域が狭まり、未知領域で新たな成長ができる、より質の良いピアカウンセリングができるでしょう。
著:照喜名通
クローン病を発症し、クローン病友の会の二代目会長に就任し、膠原病友の会と出会い、沖縄の難病患者会は全国と比べても圧倒的に少ない事を知り、病気の種類は異なれど、同じような悩みを多くの方々がもっていることも知り、障害者サービスが受けられず、希少疾患であることから、自分も良く判らないし、家族も判ってくれない。仕事も出来るのに、難病ということで、就職にもたどり着けない。そんな状況から、「沖縄県難病センター」を作ろうとの呼びかけに、現理事長の迫幸治氏や理事と出会い資金面や経営面での助言をもらい、多忙の中、設立時から毎月理事会を開催し今年2月14日で12周年になります。
まだまだ知名度も低いのですが、国も県も市町村も医療や介護、企業においても難病支援について理解が広がってきました。患者さんとの多くの出会いもお別れもありましたが、良くなりたい、強くなりたい、働きたい、生きたい。 と夢、希望、野望をあきらめずに、成長していく姿から今の私が出来上がっています。
「全ての出会い、運が良かった、そして今生きている事」に感謝です。
著:NPO法人ICT救助隊 今井啓二・仁科恵美子
前回は操作スイッチの種類と特徴を紹介しました。スイッチの適合とは、患者さんがスイッチを上手に 満足いく形で操作できるように設置することです。それを実現するために大切なことは、次の3点です。
1. スイッチの種類とその特性の理解
2. 操作のための運動機能評価
3. 設置技術
前回、紹介したスイッチが市販されている代表的なものです。
手足、指先どこでも随意で動かせる部位に、その動きでスイッチが入れられるように設置しますが、動きに対して無理なく継続して操作できる部位であることが重要です。その見極めが運動評価ですが、OT(作業療法士)、PT(理学療法士)等の専門職のアドバイスを求めることも大切です。
的確に押せるようなスイッチの設置は職人技のような難しいものではなく短時間で出来ること。設置に長い時間かかるようでは不適切です。無理な姿勢や力を強いるような設置もよくありません。スイッチに体を合わせるのではなく、体にスイッチを合わせるように設置することが重要です。
設置方法の説明は、一番長く関わるご家族やヘルパーが正確に理解して設置できるようにする必要があります。
「誰にでも、簡単に、確実に」スイッチの設置が出来ることが大切です。
一つの例として、手の親指が随意で動くとします。関節が伸びたまま上に動く、下に動く、外側に動く、内側に動く、関節が内側に曲がるという具合にさまざまな動き方がありますが、共通して重要なことは、動きに対してスイッチは真直ぐ直行する位置にあることです。
設置についても、実例1の場合、スイッチ自体を掌で押さえているため、ずれていきませんし、設置が簡易なものになっています。実例2では、詳しい設置の方法が書かれたものがベッドサイドに貼ってありました。また、呼び出しブザーのスイッチを使っている場合は、出来る限りそれ以外の部位を見つけます。
操作する機器本体の設置も重要な条件になります。車いすでもベッド上でも、安定した姿勢で視線が操作する機器を正面から見ることが出来るようにします。また、特に進行性の疾患の場合は、継続的な適合の再評価も重要です。
昨年末、沖縄IBDの忘年会を行いました。
IBD患者・ご家族の他に、栄養士さん、膠原病友の会、パーキンソン友の会、アンビシャススタッフの方の28名が参加してカラオケ、ゲーム、余興等で3時間楽しいひと時を過ごしました。
4大イベント(総会、ボウリング大会、調理実習、忘年会)の最後は1年間元気に過ごせたことと患者会活動のお疲れ様を兼ねての忘年会ですのでみなさん大いにハッスルして、大笑い、食べての忘年会でした。
また、今年も体調管理には気をつけて友の会活動を盛り上げていきます。イベント以外には毎月第2水曜日に那覇市保健所、第3火曜日に沖縄市福祉文化プラザで定例会を行っています。
時間はいずれも午後7時から9時までですが、途中からの参加、退室もOKです。
無料ですのでお気軽にご参加ください。
【連絡先】070-5401-2620(宮本)
毎月「表紙は語る」にとても勇気づけられます。
人一倍頑張り屋さんないずみさん、きっと将来大きな人生の花を咲かせることができるでしょう!
“何も咲かない寒い日は、下へ下へと根をのばせ。やがて大きな花が咲く”
外は寒いし人生の途中でも心が冷えてしょうがない時もあるけれど、沖縄ではもうすぐ桜も咲くよ!
みんなの心の中にも沢山の花が咲きますように。
〈ジュウミー〉
「鬼は外、福は内」と、節分には豆まきをします。
人の心にも鬼が居たり、福をもたらす様な心の綺麗で優しい人もいます。
日々、自らの行いで反省する事は無いか、人に優しくしたか、思い起こしてみるのも、良いかもしれませんね。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
「人生の跳び箱」
一段目を簡単に越える人
三段目を越えるのに苦戦してる人
五段目を越えて喜んでる人
全く跳べない人も
踏み切りまででもいいから
勇気を出してみよう
その一歩で
喜んでる人に近づいてるよ♪
竹村 安津季
竹村さんのコメント
あけましておめでとうございます。 2014年みんなが色んな事に馬く(うまく)いきますように
「プレミアム・ラッシュ」/2012年 アメリカ作
メッセンジャー(自転車で書類などを運ぶ仕事)をしているワイリーのポリシーは「早く、ちゃんと届ける事」。
彼が中国人から頼まれた「封筒」を手にしたあと、色んな事に巻き込まれる。91分の短い映画が、物足りなさを思わせるほど、テンポも内容も、面白い!
主役はジョゼフ・ゴードン=レヴィット、デビューは子役の頃に、R,レッドフォード監督作の、リバー・ランズ・スルー・イット。「インセプション」では渡辺謙やディカプリオと共演している。
彼は、「メタルヘッド」や「50/50 フィフティ・フィフティ 」などの良作品で主演をしている。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。
今月の14日でアンビシャスは設立12周年を迎えます。 2002年会報誌『アンビシャス』創刊以来、今月まで投稿者の方々や読者のみなさまと出逢い、その輪が少しずつ広がっていることをあらためて実感するスタッフ一同です。
全ての出会いを大切に感謝の気持ちで2月/141号もスタートしました。
まだまだ寒い日が続きますが、寒さに負けず明るく・楽しく今月もどうぞよろしくお願いします。
(読者のみなさまからの声もお待ちしております。)
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