最終更新日:2014年04月01日
金城 太亮(きんじょう たいすけ)さん
脊髄性筋萎縮症
私の病名は脊髄性筋萎縮症。
筋肉が次第に弱くなり、最後には必ず寝っきりになる。今出来たことがもしかすると明日は出来ないかもしれない。わかりやすく病気の説明をするとそんな感じです。
発症当時のことははっきり覚えていない。なんせ生後6ヶ月くらいと聞いている。ただとある光景は覚えている。それはいつもと変わらない外来受診のはずがエレベーターで二階に上がり病棟の部屋へ案内された。
手元には三輪車とゲーム機。ベットの上でゲームをやっている後ろでは親が看護師に頭を下げていた。戻ってくるなり「ジュース買ってくるね。」っていうから「うん」って答えてしまっていた。
ゲームオーバーになって始めて気がついた。
「いない!親がいない!」その時は泣きながら看護師に抱っこしてもらい駐車場へ行きましたよ。
大声で泣きながらね。
それがその当時の思い出かな。
それから始まった入院生活。たくさんの仲間とともに遊んだりして過ごすことが楽しくて仕方がなかった。
「つい最近、バットが持ちにくくなったんだよね~」って話をするときまって、「順調だね~」っていわれる。そう進行してるねってこと(笑)。自分たちのことをよく知ってる仲間だからこそよく言う冗談だとおもう。徐々に筋力が落ち17歳の時に気管切開をした。はじめは頑なに拒否をした。怖い。遊びに行けない。声が出ない。など妄想が膨らみ、気管切開が人生の終わりを意味してしまうように感じたからだ。
しかし身体は素直だった。呼吸器をつけると違和感はあるものの楽になった。
さて、様々なことがあり転機を迎えたのはちょうど二十歳くらいかな。家族が僕を元気つけようと計画したシアトル旅行。何もかも諦めていた僕にとってまさに、夢物語だと思っていたこと。
実際にシアトルに一ヶ月滞在して感じた事は、まだまだやれることはたくさんあるって!
呼吸器をつけながら街中を歩いている人が沢山いて、けっしてできないことではないってことを学んだ。それをきっかけにいろんなことに挑戦をすることになった。
わたしの今の日常の動きは、仕事、仕事、仕事、寝る、です(笑)。
今の仕事につく前は自立生活センタ-イルカのスタッフをしてました。イルカとの出会いによっていろんなことに気がつきました。自分自身のことだけではなく仲間一人一人の事を考えて行動したり、生き方を考えたりと。
一年半前に石垣に引っ越してきて自立生活センター南十字星の代表をやってます。はじめは私自身に務まることなのか?凄く悩みました。
本島では街中を当たり前のように車椅子で歩いているのに、石垣にはなかなか見かけられなかった。
私に今できること。
障害を持っていても普通に生きていいんだってことを見て欲しい。
呼吸器をつけても地域生活できるんだよってことを伝えて行きたい。いろんな問題があり家族が離れ離れになってしまい、戻りたくても戻れない。
辛い事実を目の辺りにしました。なんとかしてこの状況を変えて行きたい。だから私は思いました。私自身が楽しんでる姿を見てもらおうと。
自分の中でいつも大切にしていることは“夢”
ばかばかしいかもしれんけど、夢見てなんぼ!語ってなんぼー!やねん
以前よくやっていた夢マップ、石垣にきて、仲間と久しぶりにまたやった、たくさんの夢がでてきた。そして書いた夢はパラグライダー。
思いは正直たくさんありました。
ハンディーがあってもそれを理由に夢を「夢物語」で終えて欲しくない。
「夢って見てもいいもんなんや」
「かなえたらいいんよ!」って事と
その夢を一緒に追えるスタッフを育てたかった!
一人で出来なくてもたくさんの人を巻き込めばいい。
訪問看護の方が「怪我しないかねー」って心配しつつ応援してくれた。その時私はこう言いました。
「骨、折れても生活は何も変わらない」
「まんまやまんま」
「はっ!?」っておもわれるはずね
病気は進行性なんでいつかは動けんくなる
でもこわくないんよね
生き方を知ってるから、すべをね
だから今骨折してもなんもかわらない
ちょっと無茶なところもあったけど、自立という言葉が持つ意味を少しでも壊していけたらと思ってます。そして仲間をたくさん作り、障害を持っていても楽しく暮らしやすい石垣を作って行くのが私の目標であり、夢なんです。
金城 太亮(きんじょう たいすけ)さん
1980年名護市生まれ。
平成24年7月石垣市に障がい当事者が介護事業所運営をすることで、当事者が本当に望む介助サービスを実現させる事を目的とした自立生活センター「南十字星」設立、初代代表者。
【趣味】ライブ鑑賞、釣り
【好きな音楽】レゲエ
【好きな食べ物】そば
【好きな言葉】気楽
アンビシャスは2月14日をもって設立12年を迎え、今日までのご支援に感謝の意を込め2月22日(土)設立12周年「感謝交流会」を開催しました。
アンビシャスとしては初めての事ですが、丁度干支が一回りした今年、支援者のみな様や関連機関のみな様をお招きし、これまでの活動の報告をさせて頂きました。
当日は「セカンドオピニオン」で長年医療相談をご担当頂いている、金城福則先生、比嘉啓先生(当日はご予定があり欠席)へ感謝状を贈呈させていただきました。今日のアンビシャスがあるは、県のご指導をはじめ、各保健所担当者・各患者会のご協力、多数のご支援者のみな様など多くの人に支えられてのことと深く感謝申し上げます。
2月25日(火)、大浜第一病院のホールを会場に「コミュニケーション支援勉強会」を開催しました。
これは人工呼吸器等装着により声を失った方とのコミュニケーションの取り方についての勉強会です。
患者家族、医療支援関係者等40名近くの方が参加しました。おもと会の宇田 薫先生より「訪問リハビリでのコミュニケーション支援の現状と課題について」の事例発表、照喜名より無料ダウンロードソフト「ハーティーダラー」の操作法の説明があり参加者からも有意義な勉強会だったとの評価を頂きました。アンビシャスとしてはこの勉強会を定期的に継続・実施していく予定です。次回参加ご希望の方、詳しくはアンビシャス事務局までお問合せください。
毎年2月末日は世界希少・難治性疾患の日(Rare Disease Day 略してRDD)です。
これはより良い診断や治療による難病患者さんの生活の質(QOL)の向上を目指して、2008年スウェーデンで始まった活動で、日本でもRare Disease Dayの趣旨に賛同し、2月最終日にイベントを開催していて今年で5回目を迎えました。ここ沖縄に於いても県民のみな様に難病に関する情報を広く提供する場を設け、難病者のQOL向上に向け理解と協力を得る為、県庁1階ロビーを会場にパネル展を実施しました。県庁職員、県庁訪問者等で関心の高い方が熱心に見学、主に当事者家族、友人等からアンビシャスの場所、活動内容等についての質問が多くありました。
臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)
2011年3月11日の東日本大震災から3年がすぎました。被災された方々と関係者の皆様方に心よりお見舞い申し上げます。
3年が経っていますが、今になって心理的なストレス反応が出たりフラッシュバックで苦しんだりしている方もおります。
改めて大震災を思い起こすと、私は身内が被災したのでその時の光景がありありと思い出されます。安否確認に奔走し、食糧や生活用品を買いに走り宅急便で送り…神経の研ぎ澄まされた日々を送っていたことが思い起こされます。臨床心理士なので身内の話をいろいろ聴いてできる限りのことをしました。震災を経験していないと、経験した方のことを本当の意味で理解できないとしばしば言われます。病気でもそうで、患者でないと本当の意味で理解できないとも言われます。
災害をなくすことはできませんが、備えをすることはできます。難病を抱えているあなた自身がいかに災害を乗り越え、被災してもいかに自分の生命を維持することができるかという備えを改めて考えることが必要なのではないでしょうか。
それぞれの生活に必要なものがあると思いますし、それはすでにご存知だと思いますので、ここでは災害や病気の告知のときに、心の安定を図るひと工夫として「10秒呼吸法」を紹介します。両手をお腹に軽く乗せ、目を軽く閉じ、1,2,3で鼻からゆっくり息を吸って、4で止め、5,6,7,8,9,10で口からゆっくり吐く。数えるスピードはそれぞれ無理のないような速さで構いませんし、呼吸器をつけている場合には、息は自然のままで、頭で呼吸を数えるだけでも構いません。安全な状態で呼吸を整えることによって、落ち着き冷静な判断と行動ができるはずです。
著:照喜名通
患者同士で互いに相談することをピアカウンセリング、ピアサポートといいます。
“ピア”は仲間という意味です。始まりはアメリカの学校教育現場からだときいています。
学生同士でのピアサポートは、先生という立場の違う者との相談ではなく、同じ学生同士で課題を解決する仕組みなのです。国家資格をもたない者でも相談、カウンセリングをするということです。
もちろん、ピアカウンセリングの鉄則を把握していないと失敗します。
昨年亡くなった精神科医・作家の「なだ いなだ」(本名:堀内秀)の提唱している「心医者」があります。
著書:『心医者入門』では心医者と医者の職種を名乗っていますが、本物の医師ではありません。あくまで、人の心の悩みを聞く人のことをいいます。心医者の一番必要な能力は我慢することだといっています。
詳しくは表現できませんが、誰にでも心医者にはなれる。となだいなだ氏は唱えています。
患者が患者の話を聞く、という身近な存在があるだけで、助かる人がいるのです。
医者と名乗ることに抵抗はありますし、相手に医師免許を持っているかのように勘違いされても困りますが、より広く課題解決を可能に出来る仕組みなので、私も広げていきたいのです。あなたも心の「お医者さんゴッコ」をやってみませんか?
新年度(平成27年1月)から、難病の法制化が始まる予定です。
平成25年度第1回(1月30日)疾病対策部会資料「参考資料」から抜粋した内容をご案内致します。
新法成立は未だなので、最終版ではありません。(平成26年3月18日現在)
患者数等による限定は行わず、他の施策体系が樹立されていない疾病を幅広く対象とし、調査研究・患者支援を推進
●発病の機構が明らかでなく治療方法が確立していない
●希少な疾病であり長期の療養を必要とする
難病のうち、以下の要件の全てを満たすものを、患者の置かれている状況からみて良質かつ適切な医療の確保を図る必要性が高いものとして、厚生科学審議会(第三者的な委員会)の意見を聴いて厚生労働大臣が指定
●患者数が本邦において一定の人数(注)に達しないこと
●客観的な診断基準(又はそれに準ずるもの)が確立していること
(注)人口の0.1%程度以下であることを厚生労働省令において規定する予定。
対象疾患数:56疾患→約300疾患(対象となる候補の疾患数)
平成27年1月~:既存疾患と新規疾患(先行分)について、新たな医療費助成を実施
新規疾患の指定には十分な準備期間が必要であり、平成27年夏から新たな制度の実施が想定されるが、できるだけ早い時期からの実施が望まれることから、既存疾患と新規疾患の一部については、平成27年1月から前倒しで医療費助成を実施。
平成27年夏~:新規疾患すべてについて、新たな医療費助成を実施
新規疾患すべてについて、平成27年度の夏から医療費助成を実施。
「マイトビーを特例補装具(重度身体障害者意思伝達装置)と認め、その価格を補助します」
役場から通知が届いた。
マイトビーとは、視線で文字をひろい文章をつづったり、会話ができるパソコンだ。
まだ、沖縄ではあまり知られていない機器だ。
病気が進行し、今では動くのは目だけである。
会話や文章を書いたりするのはすべて文字板だけとなった。文字板は、相手が目の動きをうまく捉えなかったり、早とちりをしたりで思いが伝わらないことが多い。
その点、マイトビーは、自分の思いを直接つづることができるのでストレスが少ない。エッセイや日記を書くのも楽になった。
又、メールができるのもいい。 特に、アメリカにいる娘とのメールは、一番楽しみだ。
特例補装具の申請は、各市町村役場で行う。
そのとき、窓口の担当者が、申請者の生活の不便さをいかに受け止めてもらえるかが重要だ。何せ、マイトビーは、高額の機器だ。申請を認めたとしても、果たしてうまく使えるかも気になるのも当然だ。
ALSの年間の発症率は、10万人に1~2.5人といわれている。
現在、私の住む村の患者は私1人である。
重度の障害があっても、住民1人1人を大切にする行政運営がなされているわが村を誇りに思う。
窓口の担当者および関係者、そして村長さん、ありがとうございます。
更に、マイトビーの情報を寄せてくれた患者会のUさん、役場の担当者にアドバイスをしてくれた県の担当者、保健師、ケアマネージャーにも感謝します。
感動、感動の連続のバスツアー
那覇から出発、中部の会員さんを乗せ、北部の会員さんを乗せ古宇利オーシャンタワーまで足を伸ばし絶景コバルトブルーの海!そこから伊豆味の茶屋で美味しい料理を頂きながら、さすが、有名なバスガイドさん、運転手さんの民謡に酔いしれて手拍子、カチャーシーもとびだし楽しい一日。
ご両親がパーキンソン病、一緒に参加してくれた娘さんに感動しました。
5月にはとてもとても素晴らしい講演会を計画しています。是非ご参加ください。
全国パーキンソン病友の会 沖縄県支部 事務局長 又吉 朝子
元気発信の会報誌「アンビシャス」を楽しみにしている一人です。
内容構成が充実しているし、読み進めさせる紙面作りが嬉しいです。毎回、表紙は語るで感動しアンビシャスメモで学んでいます。アンビシャス広場で得るゆとり情報も良いですね。
知っ得情報満載の会報誌、大いに活用させていただきます。
〈タマチ(網膜色素変性症)〉
同じ話、愚痴や自慢話を、何度も繰り返す人がいますよね。
単に「認めて欲しい、理解して欲しい」表れです。
聴いてる方は「耳にタコだよ」と思いますが、優しく聞き流しましょう。
中には、話題がない場合に…という事もあるようで、ボキャブラリーが希薄なだけかもしれません。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
「今より先の…」
先の見えない人生は
怖くて嫌だって思ってた…
だけど
先が見えてる人生の方が
怖くてたまらない。
竹村 安津季
”リンカーン”の映画
「リンカーン」/2012年 アメリカ作
S.スピルバーグ監督の2012年作「リンカーン」
史上最も愛された大統領と言われるリンカーンの、南北戦争と奴隷解放を主にした作品。
「声をかくす人」/2010年 アメリカ作
R.レッドフォード監督の2010年作の「声をかくす人」
こちらは、リンカーン暗殺に関与した、アメリカ史上初めて死刑となった女性の話が主。
二作品を併せて見て欲しい。私は、「声をかくす人」の方が良かったです。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。
アンビシャスがNPO法人として設立から今年2月で丁度12年が過ぎました。 2002年の午年にうぶ声をあげ早12年、この間多くの方々のご支援を受け、お知恵をお借りし今日に至りました。
会報誌も法人設立1ヶ月前の1月18日に第1号を発行、以来回を重ね今月で143号となります。
発行当初は毎月発行とまではいきませんでしたが、徐々に内容を充実させ今では難病当事者のみならず医療関係者にも注目されるまでになりました。これも読者の皆様のご助言やご協力によるものと、心より感謝申し上げます。
私たちは初心を忘れず、難病情報誌としてみな様のお役に立つ誌面作りをこれからも心がけて参ります。
今後ともご支援のほどよろしくお願いします。
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