最終更新日:2014年05月01日
大濱 航士郎(おおはま こうしろう)さん
網膜色素変性症
私は今、ある病気と戦っています。
この病気は厚生省から指定を受けている難病の一つで、三千人から四千人に一人の割合で発症するそうです。
私のどこにそんな病があるように見えますか。
「網膜色素変性症」それが私の持つ、目の病です。
この病気は暗い場所、特に夜になると見えなくなる、いわゆる「鳥目」になることが一番の特徴です。私からすると、夜に見えなくなるのはずっと当たり前のことでした。私が見ている夜というのは、一言で言うと「闇」です。
闇なんて大げさだと思われるかもしれませんが、私にとって夜や暗い場所は、本当にただの闇でした。自分では何もないと思っている所で人にぶつかったり、道路の電柱や止まっている車にもぶつかったりしてしまうのです。
ずっと、周りの人たちも自分と同じ闇を見ているものだと思っていました。
「この病気はまだ治療法がなくてどうしようもない。歳を重ねるにつれ進行していって、そのうち見えなくなるんだよ。」そう言って母が泣いたのをよく覚えています。
幼かった私は病気のことなど気にもせず、中学生になると硬式テニス部に入部しました。夜に見えづらくなる以外は至って普通の中学生です。
しかし、こちらが病気を忘れても、病気は私を忘れてはくれませんでした。中学二年生の診察の時です。「前より進行していますね。この歳でこれだけ進行しているのは大変早いです。もっと目を大切にしてください。」そう宣告されました。
この病気は紫外線に弱く、日光が当たると悪化してしまう病気だったのです。私はとても後悔し、硬式テニス部も辞め、体育の授業も見学するようにしました。見学するようになって、あることに気付きました。右目の真ん中から左側にかけて、白いもやがかかって見えるのです。普段の生活では分からなかったのですが、左目を隠して右目だけで見ると、かなり進行していることが分かりました。今は右目だけで本を読んだり、黒板の文字を見たりすることはできません。体育の授業で行う球技のボールも見えません。
辛いのはそれだけではありませんでした。それは、一人の友人の一言です。
「あーあ、航士郎はいいねぇ。持久走も球技もしないで。インチキだよ、病気とかいってほんとはサボってるだけだろ。」
冗談半分でしたが、ショックは十分にありました。確かに私には手も足もあるし、喋ったり笑ったりもするので一見健康に見えるかもしれません。目の病気は傍から見て、分かるものではありません。
しかし私はずる休みをしているわけでも、怠けているわけでもありません。やりたくてもできないのです。自宅に戻り、部屋に入ると涙がこぼれてきました。何も分からない人に言われたくないという怒りと、こんな病気さえなければという悲しみと、様々な感情が胸の中でグルグルと渦巻いていました。私はとても情けなくなり、自分の運命を責めました。
そんな時、あるテレビ番組で障害を抱えた子供達の特集をしていました。その子達は、私よりも重度の障害を持っていましたが、前向きで明るく、そして何より、笑顔がとても素敵でした。
それを見ているうちに、「あぁ、俺はこんなんじゃダメだ。俺よりも重い障害を持っている人がこんなにも明るく、希望を持って生きているのに、俺は何をしているんだ。」そう思い、自分自身を変えるようにしました。
高校二年生になった今、学校生活はとても充実しています。この病気のことを理解し、心配してくれる友人もたくさんできました。しかし、こうして喋っている間にも、この病気は進行しているでしょう。私にはいつか、今見えている景色が見えなくなってしまうかもしれません。だからこうして見えている間に、いろいろなことに挑戦したいのです。生徒会役員として、もっと高校生活を充実させたい。放課後は軽音楽同好会で、好きなバンドも続けたい。外国にも行ってみたい。世界中の美味しいものを沢山食べて、料理人になりたい。美しい景色をたくさん見たい。そして大好きな人たちの笑顔をこの目に焼き付けておきたい。
皆さんはどうですか。毎日を何となく過ごしていませんか。今ある能力や環境が当たり前だと思っていませんか。私はこの病気になって「闇」に出会い、その闇の中でいろいろな経験をしました。
しかしそのおかげで、光の明るさを知りました。
暗いからこそ、私には光がよく見えるのです。
闇の向こうにある未来という光に向かって、これからも一歩一歩進んでいきたいと思います。
上記文章は今年(2014年)1月に浦添市のてだこホールで行われた、第19回沖縄県高等学校生徒意見・体験発表会で最優秀賞を頂いた時の発表内容です。この発表がアンビシャスさんの目に止まり、今回の会報誌掲載となりました。このような場(意見発表)で、私自身の病のことを知ってもらう機会に恵まれたことをとてもうれしく思います。最優秀賞までいただけるなんて、正直驚いています。これを通していろいろな人に勇気をもってもらえたらうれしいです。
大濱 航士郎(おおはま こうしろう)さん
【生年月日】1998年 3月 京都生まれ
【趣味】ギターを弾くこと
【挑戦したいこと】ダイビング
【将来の夢】英語教師…現在ALT(外国語補助教員)との英会話を楽しんでいます。
3月4日 明治安田生命沖縄支社より大河原支社長と原部長がお見えになり、段ボールいっぱいの折り鶴を寄贈されました。同社では今年に入ってから難病支援キャンペーンとして、社員の皆様がお客様に呼びかけ折り鶴つくりをお願いしたところ、このように多くの折り鶴が集まり今回の寄贈になったとの事でした。明治安田生命沖縄支社のみな様、そしてご協力頂いたお客のみな様、本当にありがとうございます。
みな様のお志を難病患者の方々へ届けさせていただきます。
3月28日、3組6名の相談者が首里城下町クリニックの比嘉啓先生の意見(オピニオン)をお聞きしました。今回の特徴は全身性エリテマトーデス(SLE)など多い疾患ではなく、膠原病の中でも少ない疾患でした。強直性脊椎炎、若年性リウマチなどです。本当にこの疾患なのか、もしかしたら違うのでは、治療方法はこのままで良いのか、医療費助成が使えないので高額負担になるがもっと他の治療法は無いのか、又その治療の費用対効果でも悩みます。患者や家族にとっては厳しい選択になりますが、国は難病対策についてもっと力を入れて欲しいと考えさせられる相談会でした。
3月1日、障がい者IT支援機器体験・展示会と活用シンポジウムがありました。沖縄脊髄損傷の会との共催で実施、機器等の展示説明もありました。
シンポジウムではICT(情報コミュニケーション技術)を活かして、障がい者をどのようにサポートするか各立場からの発表がありました。当事者からはICTを活用して仕事をしている様子、学校現場ではICTを活用して学習支援に活かしている等の事例発表があり、有意義な内容でした。
ICTの特徴として最先端情報や導入制度活用方法など、専門的知識が求められます。今後広げていくためには、ヒューマンサポート(人的支援)が必要との結論となりました。
アンビシャスの活動は相談と支援ですが、現在は特にALSを持つ患者家族への支援が8割ぐらいを占めるようになってきています。停電時の電源確保、コミュニケーション支援、医療介護の連携支援と特化されてきています。正しい情報の提供、患者さんを多くの方が支える仕組みをどう作るかを模索しながら、医療、介護、保健機関と連携しながら進めています。
県などの社会保障制度を活用できる場合は良いのですが、どうしても狭間が出来るので、その支援にはお金も時間もかかります。解決出来るスイッチは何か、新たな仕組みが必要でNPOとしての能力が試されています。
臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)
一昔前、難病を抱えている方の結婚・妊娠出産は難しいと言われていた時代がありました。
しかし、現在では主治医と自分の体調を相談して妊娠出産も可能になっています。
それでも、難病を発病すると未婚女性患者は「自分が結婚できないのではないか」「たとえ結婚してくれる方がいても、その家族に反対されるのではないか」という悩みが始まります。
病気のことを十分に理解してもらって結婚しても、「どうせ自分なんか」とか「(体調不良の時に)家事ができなくて申し訳ない」という気分の落ち込みや、妊娠出産できるのかという悩みがついてまわります。不妊治療を行っている方の抱えている苦しみと似ているかもしれません。
妊娠の悩みと病気のつらさが複合されるので、本来ならば妊娠したらのんびりとすごす必要のある母体にはより多くのストレスがかかってしまいます。
しかし、育児の方がさらに大変であることに想いを馳せると乗り越えられると思います。
望みを捨てずに、自暴自棄にならずに、普段の生活でできる限り心身をいたわっていけるとよいですね。
ただし、結婚をすることや子どもを授かることが人生の全てではありません。
自分の尊厳が保たれるような生活を送り、希望をもって生き生きと生活できることが一番です。
過剰なストレスを避けるためにも皆さんご存知のように、妊娠については主治医とよく相談をされることが望ましいので、想いを伝えながら、また主治医からのご意見をいただきながらゆっくり考えていけるとよいですね。日々の医療の進歩が私たちの抱える悩みを軽減し、より自分らしく生きることのできるような社会になっていくので、希望を捨てずに生きていけるとよいでしょう。
著:照喜名通
仕事から帰ってきてほっと一息つくときにテレビを観ています。録画したお気に入り番組やバラエティー番組も息抜きになります。しかし、ドキュメント物も面白いのですが、凶悪犯罪系など見るに堪えない番組が多くなっています。犯人の手口は信じられないほど残虐です。朝のワイドショーも同じです。視聴率が上がるから取り上げているのでしょう。毎日朝からあらゆる殺人や事件の手口を見て10年もしたら、かなりの知識者になるのでしょうね。しかしいったいその知識を何に使うのでしょう。そういう被害に合わないように学んでいるとの声もありますが、逆なような気がします。
最近では一人テレビ一台くらいに普及していますし、観る時間にも個人差はありますが、10年間殺人事件番組観ている人と教育番組を観ている人の知識はどうなるでしょうか?
殺人事件でインターネットが利用されたとか放送されますが、テレビを観て真似したとかは放送されないですね。
とはいっても、私はテレビがないと生きていけないくらいテレビが好きです。
チャンネルを選ぶのは自分、小さなことかもしれませんが、人生は選択の連続なので小さな選択を大切にどう生きるかを考えています。
今月より本ページにて加藤 眞三先生の最新著書『患者の力:患者学で見つけた医療の新しい姿』をご紹介いたします。
加藤先生と私の出会いは、ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会(VHO-net)の集いであります。
全国の患者団体や障害者団体のリーダーが集いディスカッションする場に参加くださるお医者様の一人です。
患者は病んでいる人であり、とても強い存在とは思えないのかもしれませんが、加藤先生は「患者の力」を信じているのです。
難病を抱え療養している患者、医療現場の方々に是非知ってもらいたく、加藤先生に依頼し快く承諾を賜り今回の特集となりましたので、紙面に限りがありますが、そのエッセンスをご紹介していきます。
(照喜名通)
慶応義塾大学看護医療学部 教授 加藤 眞三著
「患者の力:患者学が見つけ出した医療の新しい姿」(春秋社)を2014年3月に上梓した。
それは医療崩壊とさけばれる日本の医療を救うのが「患者の力」であると信じ、今まで弱められてきた「患者の力」をエンパワーしたいと考えたからである。このシリーズでは、その内容を簡単に紹介する。
「患者は弱者であり、周りが支えてあげなくてはならない」「患者には安静が何よりも大事であり、無理に仕事をさせてはならない」。そのような思いが患者や医療者だけでなく一般市民に社会全体に浸透している。そして、「病気は薬で治すもの」「薬は医師から与えられるもの」「患者はだまって医師に従っていればよい」「患者は病気について詳しく知る必要などない」。こんな態度で診察に臨む医療者も多いし、患者もそれを当たり前のこととして受け入れてきた。
このような医療の物語に支配されると、患者は援助される、与えられるだけの存在になり、医療者に頼り、社会に助けてもらうだけの弱者になってしまう。医療者は権威を振りかざし、威嚇し、患者を支配してしまう。
だが、その物語は、はたして正しいのだろうかと、疑問を持ったのは、患者会を世話する人たちの集会(VHOネット)に参加した時であった。そこに集う人は、病気をもちながら元気であった。「病気の反対が元気ではない」。病気を抱えながらも活発に活動する患者を目の当たりにし、患者の力を医療に活かさなければと考えた。
風邪をひくと、風邪薬をのまなくては治らない。だからできるだけ早くのまなければ。インフルエンザになったら、タミフルを飲まなければ。インフルエンザの予防には、ワクチンをうたないと。このように考えてしまう程、「病気は薬やワクチンで治療・予防しなければならない」との物語が浸透している。しかし、その物語は、テレビのCMで流された言葉による刷り込みであり、美談に仕立て上げられた「科学としての医療の勝利」の物語の教育の結果に過ぎない。
実際には、風邪薬は症状を抑えるだけであり、病気を治す力はなく、インフルエンザ薬は発熱を一日短くするだけで、ワクチンもインフルエンザの感染をせいぜい30~40%減少させるだけである。これらの病気を治すのは、他ならぬ患者のもつ免疫力だ。
慢性病ではなおさら薬に頼ってばかりではいられない。病気を有効に治す薬がないからこそ慢性病なのであり、病気を抱えながらどのような生活をするかの視点が重要となる。特に、生活習慣病では、薬に頼らず生活を是正することが何よりも大切だ。
患者に医療不信を植え付けたり、患者と医療者の対立関係をあおる本がベストセラーになっているが、わたしは全ての医療を否定し、薬や治療が無効だとは思わない。急性感染症では適切な抗菌薬の投与により命が救われる場合も多いし、抗がん剤でこんなに効いてしまうこともあるのかと驚く例もある。
だからこそ、患者は医療者と協働する関係を築き、より賢く病気に対処して欲しいのだ。
次号では、医療者と協働する患者について述べたい。
患者の力: 患者学で見つけた医療の新しい姿
出版社: 春秋社
「患者には力がある!」 毎日を健康に生きるために、そのためにも、真の患者中心の医療を実現するために、いま必要なこととは。
マイトビーがストライキを起こして動かなくなった。
マイトビーには便利な機能がたくさん組み込まれている分、普通のパソコンより複雑である。
機能の一つにブザーがあるが、既存のブザーでは私の部屋から台所までは音は届かない。
それであらたに台所や居間で鳴るように、新しいブザー機能を取り付けた。
アンビシャスの照喜名さんに協力してもらいセット完了!良かったと思ったのも束の間、それを拒否するかのように翌日動かなくなった。マイトビーがこれ以上働くのはイヤだと言わんばかりに、文章作成機能以外は使えなくなったのだ。
沖縄には支社はない。
困った娘が東京の会社に電話をした。
すると担当者が東京から遠隔操作で状況を確認し、ものの30分ばかりで直してくれた。
コンピューターの世界ってすごい!
いまでは故障する事も恐れずメールを楽しんでいる。
講演会のご案内「私の人生の主役は私、パーキンソン病は居候」(勇崎 美枝子さん体験談)
パーキンソン病を30歳で発症し現在73歳、病歴43年「私の人生の主役は私 パーキンソン病は居候」とおっしゃる勇崎美枝子さん。
二人の子育て、仕事、両親の介護から看取りまでやり通し、60歳で歩けなくなりベッドと車椅子の生活を余儀なくされ「泣いても 笑っても一生」「絶対自分の足で歩いて見せる」と奮起し補助具の世話になりながら、雨の日も鞄を背負い、ツエをつき傘をさし歩き、車椅子、押し車と体調に合わせながら歩かれる。今回は彼女を支える夫の外喜男さんとご夫妻で大阪からお招きしての講演会です。
日時:5月25日(日)
場所:那覇市保健所三階
一般者向け:午前9時30分より
会員向け:午前10時30分より
お問合せ:全国パーキンソン病友の会沖縄県支部 090-8294-1974(又吉)
「難病患者のためのコミュニケーションについて」は、とても勉強になりましたし、希望が持てるようになったことが何より嬉しいです。
後半の、スイッチの特集には、種類も豊富でまたプラスチックの容器などアイデア次第でオリジナルで使い勝手の良いものも出来るという新たな広がりを感じました。また、普段から自分の伝えたいことと、相手の伝えたい想いや言葉は何だろう?と考える癖をつけることが大事なのだと思いました。
143号では、難病対策についての法律が自分にどのように今後関わってくるのかまだ分からない部分が多く不安でしたので、参考になりました。今後もよろしくお願い致します。
〈ジュウミー〉
俗に言う「構ってちゃん」って、周りにいませんか?
寂しい、ヒマ~、どこそこ痛い、体調悪い、愚痴等ばかり言う人。
自分に自信がない人に多いそうですが、逆に言えば、相手に興味が無い、相手を思いやれないないという事にもなります。
構ってちゃんは、周囲が離れて行かないためには、「相手の身になり、思いやる」という思考に切り替える必要があります。
人から「面倒くさい」と思われないよう、気をつけたいものです。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
「真っ直ぐ」
涙の分だけ強くなれ
傷ついた分だけ優しくなれ
打たれた分だけ大きくなれ
転んだ分だけ立ち上がれ
負けたくないなら突き進め
そして 「今に見てろ!!」と言ってやれ
竹村 安津季
「大恐竜時代 タルボサウルス vs ティラノサウルス」/2012年 韓国作
8000万年前の現在の朝鮮半島を舞台に、大型肉食恐竜タルボサウルスの子供から大人への成長を軸に、17種80頭の恐竜が登場します。
89分と短めの映画で、物足りなさもありますが、面白い映画です。
ジュラシック・パークとは異なり、恐竜だけの映画ですが、好きです。
子供も大人も楽しめるのでは無いでしょうか?
韓国のCG技術もすごいなぁと思いました。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。
若夏の季節となり新緑がまぶしく感じるこの頃ですが、外出時は紫外線対策にもご留意ください。
さて、今月よりアンビシャス会報誌では新たなシリーズ「患者の力」がスタートしました。
本シリーズでは慶應義塾大学の加藤 眞三先生にご協力いただき、最新著書『患者の力:患者学で見つけた医療の新しい姿』より「患者の力」を信じている加藤先生から医療と向き合う私達へたくさんのメッセージがこめられた読み応えのあるシリーズとなりますのでご期待ください。
Copyright©2002 NPO Corporation Ambitious. All Rights Reserved.