最終更新日:2015年01月01日
友寄 英昌(ともよせ えいしょう)さん
脊椎小脳変性症
私の病名は脊髄小脳変性症です。
今の症状は足のふらつき(後ろにころびやすい)、字が書きにくい、風呂場で目が見えにくい、右手が震える、言語障害があります。言語障害は、少しずつひどくなってきています。
A.発病したのは平成14年頃です。歩き方がおかしいことに気付き、病院を受診しました。ふらつきがあったのでメニエール病を疑い受診しましたが、県内・県外の病院を4~5か所まわっても診断はつかず、原因はわからずじまいでした。
そんな中、家内とある居酒屋で食事をしていた時、総合病院の副院長と会い、私の症状をみて神経内科の病院を紹介してくれました。あの当時は神経内科の病院は2か所しかありませんでしたので、沖縄病院に決め、受診しました。そこで、国から難病指定をされている「脊髄小脳変性症」だとわかりました。それが5年ほど前です。それまでずっと病名がわからなかったので、診断をしてくれた主治医に感謝しています。
病院の入院患者からの情報で、身体障害者手帳を持つと特典(利用できる制度)があることを知り、現在身体障害者手帳2級を貰っています。
私は、病気になってショックはありましたが、「健康な人をうらやましい」と思ったことは一度もありません。病気で寝たきりの人がいることを考えると、自分が今できることを前向きに頑張りたいと思っています。
A.病院に入院している時に教えて貰ったリハビリメニューを継続していますので、今回皆さんに紹介したいと思います。
私は毎朝4時~5時前に起き、1時間ほど新聞を読むことから1日が始まります。その後、バランス体操、腹筋、ゴムを横に引っ張る腕の運動、スクワット、ラジオ体操第1・第2、室内階段の上り下り、バランスボール等を回数を決めて一通り行います。また、それが終わると自己流でルームランナー、室内自転車、自宅の玄関内でキャッチボール(壁当て)をしています。ボールが自分の後ろに転がってしまった場合は、妻がボールを拾います。
最後に、お風呂で健口体操(舌や口の周りの体操)を約1時間と、バランス体操を行います。毎日のリハビリの時間は約4時間です。そして行ったリハビリ内容は毎日パソコンに記録して、日誌をつけています。
A.妻のことを考えて、迷惑がかからないように、という気持ちで頑張っています。
介護がしやすくなるように体重を減らしましたし、入浴・排泄など自分のことはしっかり自分で出来るように心がけています。
最近はデイサービスに週2回通っていて、自宅では訪問リハビリも利用しています。自分の力の、現状維持が目標です。
一番の楽しみは、3月に控えている娘の結婚式です。元気に参加できるよう、毎日のリハビリを頑張ります。日々の生活の中での楽しみは、新聞を読んで切り抜きをすることや、パソコン、落語のCDを聞くことです。
病気になっても、前向きに、希望を持って生活してほしい。悪いことは考えない方が良い。これからのiPS細胞の研究にも期待したいです。
発病して12年あまりたちます。(平成14年ごろ)
医師から病名を告げられても初めて聞く病名で、ネットで色々検索し勉強しました。晩発性で進行は徐々にということでしたが、杖から歩行器、歩行器から車椅子にと昨日出来たことが今日は出来ないと、徐々にというよりはスト-ンと病状が悪化していくという感じです。介護では、あまり手を掛けても本人の為にはならないし、どこまでサポ-トしたらいいか、サジ加減が解らず、現在模索中です。(介護初心者です。)現役バリバリで仕事をこなしていた頃の主人を知っているだけに、現在の様子をみていると、言葉には表せない位、悲しいです。
主治医の先生はじめ那覇市保健所の保健師さん、ディサ-ビスのスタッフさん、包括支援センタ-のケア・マネ-ジャ-さん、訪問リハビリのスタッフさん、たくさんの方々の支援のおかげで、肉体的にも精神的にも支えられて感謝の気持ちで一杯です。
現在、沖縄ではまだ無い脊髄小脳変性症、多系統萎縮症の患者・家族会の設立準備会に参加しています。同じ様な病気の方々と情報交換しながら「現状維持」を目標に、2人3脚で頑張っていきたいと思っています。
友寄 英昌(ともよせ えいしょう)さん
【生年月日】昭和28年那覇市生まれ(61歳)
【趣味】
(発症前)沖縄料理、沖縄三味線
(発症後)落語のCDを聞くこと、カラオケ
【現在取り組んでいる事】
患者数が少なく、情報交換の場を作る為
脊髄小脳変性症、多系統萎縮症の患者・家族会の設立準備会に妻と共に参加
アンビシャスでは、難病により人工呼吸器装着、自身の声で意思を伝えられない方々がコミュニケーションをスムーズに行うための機器の紹介、体験貸し出しに力を注いでいます。
意思伝達装置を動かすスイッチは症状の進行に伴って形状を変えていく必要があり、その状況に応じたスイッチも指で押すものから息を吹きかけて機器を動かすもの、まぶたの僅かな動きを感知して動くものと、多種多様にあります。またそれぞれの価格も平均3万円以上と高額になり購入後、本人の使える部位に合わないからと簡単に買い替える訳にもいきません。
そこでアンビシャスでは意思伝達装置の購入を検討中の方が、患者自身の状況に合った機器なのか判断する材料として本体の貸し出しだけでなく、その機器を動かすスイッチの選択肢を増やす必要性を痛感していました。
幸い今年に入り各福祉団体様や個人のみな様から高額な意思伝達装置やスイッチ類の寄贈を受け貸出機器が充実、11月より貸し出しの体制が整って参りました。
下記に貸出機の一部を紹介します。ご購入を検討のみなさま、機器選択の参考にどうぞご利用ください。
フルに活用し、ご贈呈を頂いたみな様のご厚志に応えたいと思います。
※機器贈呈の団体:米国婦人福祉協会(AWWA)様、沖縄国際婦人クラブ(OIWC)様、那覇西ロータリークラブ様、他匿名(3名)様
※スイッチ類は多岐にわたりますので、なかなか体験できない特殊なスイッチの案内に絞りました。
その他貸出機については、ホームページの貸出物品よりご参照頂くか、アンビシャス事務局へお問い合わせください。
意思伝達装置
伝の心……2台
レッツチャット……4台
トーキングエイドFor ipad……1台
トーキングエイド……1台
各種スイッチ
(呼気式入力装置)ブレスマイクスイッチ ……1セット
操作部位: 呼気、発声
(帯電式入力装置)ポイントタッチスイッチ……1セット
操作部位: 頬、指
(光電式入力装置)ファイバースイッチ……1セット
操作部位: 額、眉、頬、唇・舌、指
(筋電式入力装置)オデコン……1セット
操作部位: 額、眉
※貸出期間は1ヶ月以内(利用者様の状況に合うかのお試し期間)とさせて頂きます。
※貸出は無料ですが、宅配等が発生する場合は送料はご負担願います。
【お問合せ】認定NPO法人アンビシャス 事務局まで 電話:098-951-0567
※スイッチの詳しい説明は改めて会報誌上でスイッチ特集として企画します。
臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)
新年明けましておめでとうございます。新たな年を迎えられたことを嬉しく思います。
本年が皆様にとって幸多き年でありますよう祈念しております。 新年なので気持ちも新たに、原稿を書かせていただいております。
あなたは今回のタイトルを読んで、どのようなことを考えたでしょうか。
あなたが最初に思い浮かんだことも、あなたにとっては大切なことですし、頭の片隅において自分らしく生きるときのちょっとした手がかりになるものでもありますので、ふと思い出していただけるとよいかと思います。
わたしは、今回のタイトルで「人との絆」を思い浮かべていました。
どのような方同士も、最初は見ず知らずの他人です。人は生まれ、生きているうちに、人とのつながりが出来てきます。最初は知らない者同士でも、例えば病院の待合室で出会う方や医療関係者と少し世間話をして、最初は身体のことや病気のことが話題の中心だったものが、次第にその他の話をしたりするようになって仲良くなるとか、出先でお店の方と話をするとか。
人とつながりを持つことは時に面倒なこともありますが、自分とは異なった価値観や趣味をもっている方とお話をすることによって、自分自身の凝り固まった思考がほぐされ、人間としての幅が広がります。 体調がよくないと、どうしても自分の殻に閉じこもりがちになってしまいますが、そうすると心も病んでしまいます。
難病を抱えて生きていても、優しかったり、明るい方は、周りの方々の協力や理解を得やすいので、かえって自分が生きやすかったりします。
今年は少しチャレンジして、今まで以上に絆を深め合ったり、新たな絆を築いていってはいかがでしょうか。
著:照喜名通
いよいよ、今月から難病対策法が施行されます。(原稿は12月に書いていますが)とにかく嬉しいです。
これまで医療費助成を受けていた人は患者自己負担額が増加するので、これまでの治療を制御することも予想されます。
年間を通して負担増にもなり、確定申告の高額医療費控除などを活用した自己負担軽減策も念頭に置き、病院、薬局の領収書は絶対に整理して保管しておかないといけないです。
しかし、これまで医療費助成の対象に入っていなかった方にとっては、喜ばしいことであり良い事なのです。夏頃には対象疾患が更に増加する見込みなので楽しみです。
では、どの疾患が対象になるのか、それでも対象外の疾患もあるわけで、疾患で区切らない方法は無いものか悩ましい問題です。
相談センターへの問合せでも、この病気は対象ですかという質問が多くなっています。
我が身を振り返って、日々の生活を快適にする為には、無駄使いを止め節約し、ニーズのある役立つ仕事をしっかり働き、納税をし、自分と家族の成長の為に貯蓄と投資をし、余ったお金は寄付をする。
そうやって子孫や地域や国家を築いていくのだろう。という思いで新年を迎えます。
慶応義塾大学看護医療学部 教授 加藤 眞三著
4月初め、わたしが診療する慶應義塾大学病院の外来診察室に一冊の本が届けられた。それは、山口仲美著「大学教授がガンになってわかったこと」であった。著者山口仲美さんは、最近大腸がんと膵臓がんを患った。その闘病の際、拙著「患者の生き方」が参考になったとの感謝の手紙が添えられ、新刊書が届けられた。
その本には、山口さんが病気になった時に、人脈やインターネットを利用して病院や医師を選択することから始まり、様々な医療者とのやりとりなどが描かれ、「患者力」を発揮してこられた様子が詳細に述べられていた。同書のプロローグには次のように書かれている。
「こういう患者発信の本が現代ほど必要な時代はありません。現代医療は、以前の「先生にお任せ」といった医者中心の医療ではなく、患者が自分で治療法などを選択しなくてはならない変革期だからです。でも、わたしたち日本人は、長い間「お任せ」医療の中にいましたから、「自分で決めなさい」と言われても、おたおたするばかり。」
女性が学者として活躍するのが難しかった時代を切り拓いてきた山口さんの自律と反骨の精神を感じとることができる。まさにわたしが「患者の生き方」で伝えたかった患者のあり方であった。
山口さんがどのように医療者と関わってきたのかについて、同著に詳しく書かれているので読んでいただきたいが、本稿では、特に驚かされたエピソードを紹介したい。
それは、膵臓ガンの手術を終えた後の外科医コウベエ先生との外来でのやりとりである。T大学教授の外科医コウベエ先生は膵臓ガンの診療ガイドラインを改定する委員でもあり、手術が上手な腕の良い外科医である。手術は無事に終了し、術後の経過も順調であったが、その後の外来でのフォローアップは、現在でもまだこのような医師がいるのかと思うほど典型的なパターナリズムの医師の発言をする。一言で言えば、患者に病気の知識など必要ない、全て医師にまかせて、従っていれば良いという姿勢である。さらに、患者に不安を与えるネガティブな言葉を平気で浴びせかける。
「手術をできた人でも、再発を防止する手段はありません。」
「膵臓ガンの5年生存率はきわめて低いのはご存じだと思います。」
「自分だけは何としても生き延びようと思って様々なことを試みる人に限って、不思議なことに死ぬんですな。」
現実に、こんな発言をする医師がいるのだろうかと驚かされ、はたして本当のことだろうかと疑問に思ってしまうが、少なくとも、患者が主治医からこのような言葉を投げかけられたとの印象をもったことに間違いはない。まして、山口さんは日本語学者である。発言者のもつニュアンスを敏感に感じ取り、それを表現していると考えられる。実際、この外科医の言葉は、医療者が患者に投げかける呪文である。
なぜ、外科医はこのような呪文を投げかけてしまうのだろうか。
(次号に続く)
【参考図書】
加藤眞三「患者の生き方」春秋社 2004年
加藤眞三「患者の力」春秋社 2014年
山口仲美「大学教授がガンになってわかったこと」幻冬舎新書 2014年
患者の力: 患者学で見つけた医療の新しい姿
出版社: 春秋社
「患者には力がある!」 毎日を健康に生きるために、そのためにも、真の患者中心の医療を実現するために、いま必要なこととは。
私の家に実習に来た看護学生が私の部屋を見渡して言った。
「愛が詰まった部屋だね」なんと感性が豊かな学生さんだろう。
私の部屋にはたくさんの写真が貼られている。ベッドの正面にはアメリカに住む孫達の写真が、左側には友人が送ってくれた花の写真と、5月の誕生日に保健師の後輩達から送られたたくさんのメッセージが書きこまれたボードが飾られている。
もうすぐクリスマスだ。
娘が今年もクリスマスの飾り付けをしてくれた。
孫達の写真の横にサンタさんからのプレゼントを入れる大きな靴下が掛けてある。
おばあちゃんは何をサンタさんにお願いしようかな~
えっ?
おばあちゃんにもプレゼントがあるかって?
あるさ~!
おばあちゃんは歩けないから赤ちゃんと同じ、お肌もモチモチだねって言われてるからね、プレゼントが楽しみよ(^^)♪
今年も多くの人に支えられてきました。
皆さんありがとう。
来年もよろしくお願いします。
当会は、当事者、家族、専門職や事業者の方々が交流できる集まりを定期的に開催しています。6月には総会、春と秋の定例会、2カ月に1回程度当事者宅での交流会を行なっています。
在宅で医療行為の必要な方が穏やかに安心して療養生活が送れることを目的に、保健所や各専門機関、看護学生のボランティアの皆さんと連携、協働し運営しています。
国の在宅医療推進策もありますが、住みなれた自宅で過ごしたいという当事者の希望でもあります。
交流会では療養生活の工夫や課題について話し合いながら「当事者も家族も穏やかに療養生活を継続するには」を目的に活動しています。
次年度は、平成24年度より行なわれてきた介護職員によるたんの吸引等(特定の者対象)第3号研修(平成26年度で終了予定)の要望がある在宅療養宅での実施状況についてヒヤリングを行い、当会として課題解決に向けた取り組みを目標にしています。
連絡先Tel:090-5028-4599(新里)Tel:090-1369-7376(田港)
こんにちは! 毎回、会報誌楽しみにしてます!
今回の表紙の我那覇さん宗君は天使ですよ!
私も肌の色で差別を受けた我が子の事で色々あって死にたいと思った事がありました!
でも、今、その子の笑顔で毎日が幸せです!沢山助けられてます!この子を抱きしめるだけで、温もりを感じる事で、私の心が満たされます!
宗君の温もりいっぱいいっぱい受け止めてください!
〈クッキーフェイス〉
「類は友を呼ぶ」という言葉がありますが、
友達が集まっては、文句や愚痴の言い合うだけの人もいるようですが、それよりも、楽しく笑って、時間が、あっと言う間に過ぎてしまう、そんなプラスのエネルギー同志の方が、良いと思う。
そんな友達・仲間だけになれたら、楽しい人生を送れそうですね。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
「景色」
虹を見たいなら
ちょっとやそっとの雨は
我慢しなくちゃね
辛いこと
嫌なことを乗り越えた人だけが
見える景色がある
原田 安津季
人々が、それぞれ知らずに絡み合っていく群像劇を紹介。
好きな作品で、心あったまります。
俳優陣も多く出演し、豪華なのも見所のひとつ。
1)「バレンタインデー」/2010年 米作
ロスに住む10組の恋人たちのバレンタインデーを描く群像劇。
2)「ニューイヤーズ・イブ」/2011年 米作
[バレンタインデー]のスタッフ陣による作品
大晦日のN.Y、タイムズスクエアでのカウントダウンを中心にした作品。
3)「ラブ・アクチュアリー」/2003年 米英合作
クリスマスのロンドンを舞台にした、19人の男女のラブストーリー。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。
新しい年を迎え、みなさまどうお過ごしでしょうか。
先月に続き今月も10ページにて1月1日より施行された難病対策法に関連する案内を掲載しています。新聞やテレビなどメディアからの情報も少なく、まだまだ周知に時間がかかりそうな実情ですが、アンビシャス会報誌では今後も定期的に難病対策法に関する特集を企画いたしております。
そして読者のみなさまからの感想やご意見もお待ちしておりますのでメールやFaxにてお寄せください。さまざまな情報が溢れる日常の中で、一方的に情報を受け取るだけでなく、感じたこと・考えさせられことについて自分の中でゆっくり考えてみる、誰かと意見を共有するよい機会になればと思います。
今年も、どうぞよろしくお願いいたします。
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