最終更新日:2015年03月01日
宮城 義正(みやぎ よしまさ)さん
特発性拡張型(うっ血型)心筋症
A.発症は1年くらい前の平成25年12月、飼っている馬やヤギの餌用の草刈りをしている時、急にだるく気分が悪くなり今帰仁村の診療所を受診しました。そこでは風邪と言われ風邪薬を処方されましたが、それから1週間くらい過ぎてもだるい感じはなくなりませんでした。
そんなある日、突然胸がドキドキと動悸が激しくなり、とても息苦しく気を失いそうになったので、姉に助けを求め北部地区医師会附属病院へ駆け込みました。その時に「特発性拡張型(うっ血型)心筋症」と診断され1ヶ月近く入院しました。
私にはとても可愛がっている大事な馬が2頭いるのですが、県内には馬に詳しい人が殆んどいないため、入院中は同じく馬の大好きな信頼のおける友人に世話をお願いしていました。
しかし人見知りの強い馬なので心配で心配で医師には「もう少し経過を見ながら療養する必要があるので、退院はまだまだ先だ」と言われていましたが、病室でオチオチ寝てもいられず急いで退院しました。
A.原因は不明ですが心臓の内部の空間が大きくなり、そのため血液を送る力が弱まるらしく、疲れると首筋のリンパが腫れ心臓がドキドキして息切れもするので、あまり無理な運動は出来ません。
発症する前は漁業をしながら暮らそうと思っていましたが、この病気では海に潜る事も出来ないのであきらめました。現在は岸壁から釣りをするくらいです。
担当の先生には勝手に退院したのでとても怒られましたが、退院してから約1年の間、先生の指示通り薬や生活の注意点を守り、疲れない程度に馬やヤギの面倒を見ながら過ごしてきました。これからの人生まだまだやりたい事がいっぱいあるので、先生のいう事を聞き、処方された薬はちゃんと飲むようにしています。
好きな酒も病気の後はぴたりと止め、無茶な事はしないように健康維持に努めています。その効果も出たのか最近になりだいぶ体調も戻ってきて、やっと以前のように動けるようになり、これから先の事も考えられるようになってきました。
でも心臓の病気なので、万が一の時に備えて常に病院の診察券、自分の病状等の書類は持ち歩き、いざという時にはどの病院に送ればいいか分るようにしています。
私は根が楽天家なのか時計も持っていません。朝日が昇れば起きて、お腹が空いたらご飯を食べ、気が向いたら釣りをすると、あまり物事に縛られない自由な暮らしをしています。車もなければ携帯もない、電話もほとんど自分からはかけず、テレビもほとんど見たことがありません。そのような性格なのであんまりイライラもしません。そんな性格が病気の回復には役立っているのかもしれません。
またアンビシャスの会報誌を見ていろんな病気がある事を知り、自分よりも重症な病気にも関らず、元気に頑張っている人がいっぱいいて、私はまだまだ体もちゃんと動くし、もっと頑張っていろんな夢をかなえようと思っています。
A.目標は自給自足の生活ですが、まだ道半ばというところです。最近まで在来のヤギを10数頭飼っていましたが、メスヤギを1頭だけ残し少しずつ売り払いました。これからの計画ですが、ヤギの方は肉が多く取れる外来の大型ヤギ「ボア種」に切り替ようと思って準備をしています。
畑で野菜を作り、ヤギを飼いながら海で釣った魚を売る、こんな生活ができればいいなと思います。
A.馬は本土で出稼ぎをしていた頃、競走馬のサラブレッドに出会い、その走りや美しい馬身に惚れ込んでしまいました。それで地元に戻ったらサラブレッドを飼おうと決意、しかし県内では馬を飼っている人が少なく、馬に興味のある人も少ないため当初はどこで馬を手に入れようか迷っていました。
幸い東村で牧場を持っている人と出会い1頭のサラブレッドに出合う事が出来ました。その後、国頭村の方から若い馬を手に入れ、現在2頭の馬を育てています。「パール」は老馬ですが、とても人懐くおとなしい、子どもでも乗れる優しい馬です。もう1頭の「ベン」は若い雄で、初めての人には慣れるまで少し時間がかかり神経質ですが、とても賢く毛並もツヤツヤとした美しい馬です。
A.私の夢はこの2頭の愛馬たちとボランティアでアニマルセラピーをする事です。引きこもりの子や障害のある子どもたちを馬に乗せ、楽しい時間を過ごし、ゆったりした気持ちになってくれたらいいなと思っています。
近くにある海岸の砂浜で愛馬に子供たちを乗せ、童謡の『月の砂漠』を歌いながらゆっくり散歩している、そんな光景が目に浮かびます。
それから失敗続きでまだ完成していませんが、現在製作中のピザ釜でピザや他の料理を作り、友人知人と一緒に食事をするのもすぐ出来そうな夢の一つです。ピザ釜は近くのレストランで窯を見せてもらい、見よう見まねで作っていますが結構難しいですね、でもコツが掴めてきたので完成はもう間近です。
これ以外にもやりたい事はいっぱいありますが、第一は馬を使ってのアニマルセラピーですね。
そのためにも先生の指示をちゃんと守り体調管理に気を付けて、病気を自分でコントロールしながら夢を実現したいと思います。
宮城 義正(みやぎ よしまさ)さん
【生年月日】昭和32年 名護市済井出(すむいで)生まれ
【好きな俳優】鶴田 浩二
【好きな歌】鶴田浩二の「名もない男のブルース」
【挑戦したいこと】自給自足の生活を目指す
【座右の銘】「駑馬十駕」(どばじゅうが)……足の遅い馬でも、10日間走り続ければ一日に千里も走る足の速い名馬に追いつくことから才能が余りない者でも、努力をすれば才能のある者に並ぶことができるということのたとえ。
このコーナーは通常、毎月の行事や出来事をご報告するコーナーですが、1月は日々の相談や支援のみで、特に行事等はございませんでしたので、今月は難病法施行に伴い、みな様に把握して頂きたい内容等を掲載いたします。
平成25年4月から、身体、知的、精神の3障がいに加え、「難病」も追加になりました。それに伴い、身体障害者手帳を持っていない難病の方でも、障害のサービスが利用可能となりました。
利用できるサービスは障害の状況によっても異なるのですが、就労支援のサービスとして就労移行支援、就労継続支援(A型:雇用型)(B型:非雇用型)のサービスが利用できます。
また、生活介護サービスは、常に介護を必要とする人に、昼間、入浴、排せつ、食事の介護等を行うとともに、創作的活動又は生活活動の機会の提供を受けることができます。お住まいの市町村役場の障がい福祉課へお問合せください。
対象疾患は、今年の1月からの難病法の施行に伴い、130疾患から151疾患になっています。
指定難病の手続きを申請し、確定された方へは、新しい特定医療費(指定難病)受給者証が自宅に送られてきます。
送付書類の中には、受給者証と同封されて新たに追加となった自己負担上限額管理票があります。
これは、毎月の自己負担額の上限を確認するものです。受診している病院で毎回提出し、病院側が会計の際に負担する金額と累計額を記載します。当該月において、自己負担上限額に達していた場合には、その後は自己負担額は無いことになります。
院外薬局で処方されたお薬代金の会計の際にも病院と同じように管理票を提出します。
この管理票が無いと上限額に達しているのか判らないので、必ず毎回提出しなければなりません。
※自己負担上限額管理票には受給者の氏名や住所の記載がありませんので万一の紛失には充分ご注意ください。(紛失に備えて、住所や氏名の手書き表記などの工夫も必要かもしれません。)
臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)
入院生活や寝たきりの生活になると、面会時間の制限もあるために、一人で誰とも話をせずにすごす時間が多くなることがあります。また話をすること自体が体力を消耗し体調悪化につながるために話すこともしんどい場合があります。
同様に、一人暮らしをしていると、次第に外との接触が限られたものになる傾向があります。また難病に特有の身体のこわばりや骨の損傷等が強くなると自然と外出が億劫になってしまうこともあります。
このように人と話す機会が減り、ましてや外出できないまま長期間いると、季節感も感じることがなくなり次第に時間感覚もなくなってきます。最悪の場合昼夜逆転、自分の世界に浸り切りの生活になり、本当に人との情緒的交流が失われてしまうのです。
外に出られない場合、リアルタイムで情報を上手に収集するためにはテレビも役立つものです。四季折々の映像を見たり、時事ニュースを見たりすると、自分のこころの時間が止まることを防ぎ、病気の身体の状態が回復してから社会に復帰しやすくなります。
確かに、テレビは一方的な情報発信源なので、一面的な見方や偏った情報が入ってくることもあります。また、強い光源が目に入ることにより疲労したり視力低下という悪影響もあります。しかしそれを差し引いても、そして気をつける(見る時間や番組数を少なく制限する等)ことで、心理的な時間を少しでも動き続けられるような効果があると考えます(だから病院にはテレビカードがあるのですよね)。
ただし現実逃避で一日中テレビばかり見ていては、これは心理的な時間を止めているので(テレビ依存症)、逆効果です。一番いいのは様々な立場の人と接することですが、できない場合にはテレビがいい代用かもしれません。
著:照喜名通
アンビシャスの支援活動の一つに就労支援があり、難病のある方が就労について相談に来られます。
相談者の中には重度障害となって就労どころでは無い場合もありました。もちろん、難病を患っても既存の職場で配慮してもらい継続している方も少なくありません。
たしかに、「貴方の病気は難病に指定され原因が判らない病気です」と宣告され体調も悪かったら、どう生きるのか、死をも意識して働くどころでは無く、職場に迷惑をかけるからと退職した方も多くいらっしゃいます。
しかし、その後体調も安定してきて「生活が苦しいので求職活動をしている」との相談も少なくありません。実にもったいないと思います。今の会社を辞めると考える前に、冷静に考えて欲しいのです。
「一」度、立ち「止」まった考えは「正」しいとあります。
難病それは、難しい病ではありますが、それを契機に人生を振り返るプロセスは必要だと思います。焦って決断しないで、一緒に考えてみませんか!
慶応義塾大学看護医療学部 教授 加藤 眞三著
山口さんと医療者のやりとりを読まれると、多くの方が恐らくびっくりされることだろう。
しかし、コウベエ先生のような医師を反省させられるのは、このような患者がどんどん出現することによってであろう。あるいは、コウベエ先生は手術だけをやって、その後の外来はそれに向いた人にやってもらうようなチームを作れば良いのだと思う。そのようなチーム作りのきっかけを作るのも、山口さんのような患者の存在だろう。
患者中心の医療は、患者が発言をでき対話が成立してこそ実現する。
わたしは、そのような自律する患者が増えてきていることを感じる。それは社会構造の変化に基づく、時代の流れである。わたしは、そのような時代の流れを加速させたいと、「患者のための患者学」として「患者の力」を最近出版した。その出版と同じ月に、患者側からの発信として、山口さんが「大学教授がガンになってわかったこと」を出版してくれた。医療者と患者側からの「患者のための患者学」がほぼ同時に出版されたことになる。
今後、ますます、自律する患者が増えてくるとわたしは信じ、そして願っている。
それが、真の患者中心の医療を実現する道だから。医療者はそのような患者に適切に対処できなければ、過去の時代の医療者として葬り去られることになるだろう。医療者がそうならないためにも、わたしは「医療者のための患者学」を伝えていきたい。
【参考図書】
山口 仲美「大学教授がガンになってわかったこと」
出版社:幻冬舎新書 2014年
価格:800 円+税
一度目の大腸ガンは早期発見し手術もうまくいったのだが、四年後に膵臓ガンを発症。
現在抗ガン剤治療中の大学教授が、2度のガン患者経験を踏まえて、どう考えどう振る舞うべきかをレクチャー。
「先生にお任せ」ではなく、自分で決断する「賢いガン患者」になるための手引き書。
加藤 眞三「患者の生き方」―よりよい医療と人生の「患者学」のすすめ―
出版社:春秋社 2004年
価格:1,700 円+税
「あなたにとっての名医は、あなたの身近にいる」という主張から、医療と人生を結ぶもっとも大切な指針を示す。
すべての患者と患者予備軍の人々に贈る「患者学」のすすめ。
患者の力: 患者学で見つけた医療の新しい姿
出版社: 春秋社
「患者には力がある!」 毎日を健康に生きるために、そのためにも、真の患者中心の医療を実現するために、いま必要なこととは。
エッセイを書く私は週一回訪問リハビリを受けている。担当のAさんは私の体調にあわせてリハビリをしてくれる。彼女のソフトタッチの手の動きはとても心地よく、辛くても頑張ろうという気持ちにさせてくれる。
その彼女がある日、満開の桜の枝を持ってきた。勤務先の中庭から切ってきたとの事。
もちろん許可を得てきたそうだが、自由に外に出れない私のために持ってきてくれた。
桜の花のおかげで部屋の中がぱっと明るくなった。
そこで一句。
“リハビリで身も心も桜色”
夫がその桜をインスタントカメラで写真を撮っていた。(久しぶりにインスタントカメラ見たなぁ~)
昨年夏、保健所主催で行われた患者交流会で「今後の交流会について」の話題をきっかけに、正式に患者会を立ち上げることになりました。
現在“今夏までに交流会開催”を目指し、着々と患者会発足の準備を進めています。
また、今までの患者交流会は、那覇市は那覇市保健所が、南部地区は南部保健所が主催する関係で別々の開催でしたが、患者会発足後は那覇・南部地区合同で行うことになりました。
これまであまり交流の機会がなかった地域の方々とも知り合うことができますので、患者交流会開催のご案内状が届くのを楽しみにしていてくださいね。
また近い将来、中部地区の患者会とも交流を広げていきたいと思います。
問合せ:世話人代表 井上 栄治(090-5937-5292)
いつも表紙の人達に励まされています。毎月会報誌が来るのが待ち遠しく、楽しみにしています。
〈匿名〉
毎月届く度に、頑張ってる方達の言葉や笑顔に励まされています。同じ悩み、違う思いも、 分かち合う事で今より気持ちも楽になるんですね〜。
〈かなママ〉
153号を読んで
早いもので、拡張型心筋症と診断されてから9年目を迎えました。すっごーい!あの頃は症状も重く、これから先はもう外出もひとりではできないんだと、しょぼくれていました。153号を読んでいると、アンビシャスさんと出会ったばかりの自分を思い出しました。最初の頃は無理をしたり、また悔しくてよく泣いたりもしましたナ。
私も照喜名さんに相談して俄然前向きになれました《(T_T)→相談→(^-^)》おかげさまで、今は元気です。
ところで、表紙の方々は揃って美男美女ですよねー!私も表紙の方々と肩を並べられるよう、今年は「あいうえお」の「い=色気」をかもし出せるよう、オシャレに行きたいと思いまーす。ウフフ(#^.^#)
〈ジュウミー〉
人生、自分らしく“ラクに”生きてみませんか?
誰かを、何かを気にして、自分を抑えて、ストレスをためるより、少しでも、背負ってる何か、捨てられない何かを、捨ててみる。そういう執着や呪縛から解放され、意外にも、心も体もスッキリ。
追い込んでるのは、自分自身だったりしますよ♪
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
形の見えないモノに名前をつけて
「夢」や「愛」と呼ぶことで
誇らしげ…
本当はそんなんじゃないのに…
原田 安津季
「ブロンコ・ビリー」/1980年アメリカ作
クリント・イーストウッド監督・主演の本作、BSプレミアムにて、3月13日、13時より放送予定の、現代版西部劇コメディ。
旅回りをする西部ショーが舞台で、様々な事件?が起こる。
コメディありロマンスありアクションありで、西部劇や刑事ものが苦手でも、この監督作品は見やすく出来ていて、また面白く、ぜひとも観て欲しい作品です。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。
今年は年明けから「難病関連法」が施行され、新規45疾患の医療費助成追加、既存56疾患の経過的措置申請の2月末まで延長と慌ただしく過ぎていきました。難病のある方の受診時いまだに医療現場では混乱しているようですが、新制度のスタート時点で、多少の混乱はあっても難病全体としてはより良き方向に進んでいると思います。
また医療費助成以外にも4頁(報告あれこれ)で触れていますが、総合支援法の対象疾患が130疾患から151疾患へ拡大され各種サービスが受けられる様になりました。
ただこれら情報を知らなかった為に不利益が無いよう、アンビシャスとしても情報発信にはこれまで以上に努めて参りますが、当事者のみな様も常にアンテナを高くし情報をキャッチして欲しいと思います。
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