最終更新日:2017年04月07日
アンビシャスは平成14年2月にNPO法人として発足し、今年2月で法人設立15周年の節目を迎えることが出来ました。
これもひとえに関係のみな様の多大なるご支援、ご指導のおかげと心より感謝申し上げます。
アンビシャスでは発足以来、難病の方やそのご家族及び関係者を対象として難病情報誌「アンビシャス」を毎月発行してまいりました。誌面では「難病の方自身の体験談」を中心に幅広く難病情報や患者会情報等を取り上げ、沖縄県内の難病者のみならず、広く県外の方にもご愛読いただいている情報誌となっています。
平成17年に沖縄県からの沖縄県難病相談・支援センター受託、平成21年、県内初の認定NPOとして認可。そして平成27年1月より待望の「難病法」施行と、その節目、節目で、有用な情報を提供できたと自負しています。
この度、法人設立15周年を記念して、『会報誌別冊15周年記念号』を発行する運びとなりました。設立から15年に渡り、難病情報誌「アンビシャス」の毎月発行が継続できたのも、沖縄県をはじめ数多くの企業や情熱のある個人の皆様からのご支援があってのことと、改めて深く感謝申し上げます。
私どもはこの「難病情報誌」をはじめ、難病の方に関係する全ての支援事業の推進に当たり、これまで以上にスタッフ一丸となり取り組んでまいります。
今後ともなお層のご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
沖縄県難病相談支援センター アンビシャス
理事長 迫 幸治
平素は、難病事業に関する関心とご高配を賜り、深く感謝申し上げます。副理事長として、皆さまに御挨拶申し上げます。
クローン病という難病を抱えた自分でも何か人の役立つことがしたいと、難病センター構想を練り、ライオンズクラブで現理事長の迫さんと出会い、平成14年にアンピシャスは生まれました。あれから15年。
人間でいえば未だ中学生なのです。多くの方々を支えるには規模も能力も不足しています。反抗期なのか個人的に意欲も低下している場面もあり、皆さまにお叱りを受けている状態であります。
初心に返り、単なる企業法人では無く、NPO法人としての使命を貫き、常に真撃にあきらめることなく、難病を持つ方々のお役に立てるように一歩一歩前進してまいります。
また、私自ら難病患者であるのですが、長く支援者として活動していると患者の立場にたった視点を忘れてしまいます。
その方の立場や境遇を深く感じ取れるよう心掛けていきます。
ここまで来られたのも一重に応援してくれた方、ご寄付を浄財してくれた方、ボランティアをしてくれた方、見放さないで叱陀激励してくれた方、県の方、保健所の方、医療関係の方、ったない上司についてきてくれているスタッフ、そして家で支えてくれている家族に感謝申し上げます。
これからも、理事の協力とスタッフの力を合わせ、難病を持つ方、支える方の役立つ組織として頑張りますので、ご指導とご鞭捷を賜りますようお願い申し上げます。
沖縄県難病相談支援センター アンビシャス
副理事長 照喜名 通
このたびは、認定NPO法人アンビシャスが設立されて15周年を迎えられましたことを心よりお慶び申し上げます。
難病に閑しましては、昭和47年に難病対策要綱の策定により医感脅助成事業が開始され、その後平成27年1月に「難病の患者に対する医楳等に関する法律」の施行により大きな転換期を迎えました。対象疾患は306疾患が指定され、疾患の拡大に伴い禄々なニーズへの対応や楳養生活を支える総合的対策を進めることが求められております。
貴センターにおかれましては、難病の患者及びその家族はもとより、離島を含めた県内各地の関係機関に対し、きめ細かな相談対応を行っておられます。また、広報誌により県内外の難病に関する各種取組の紹介の他、難病患者さんの声を読者に届けるなど難病に対する関心を高め、地域で尊厳を持って生きることのできる社会構築に向けて重要な役割を果たしておられます。
今後とも、難病に閲する様々な丈技活動を提供し、難病患者の生活の質の向上に貢献して頂きますよう期待申し上げます。
結びに、認定NPO法人アンビシャスの今後ますますの御発展と、職員及び関係者の皆様方のなお一層の御活躍を祈念申し上げ、お祝いのあいさつと致します。
沖縄県保健医療部薬務疾病対策課
課長 玉城 宏幸
設立15周年、試におめでとうございます。
私は独立行政法人国立病院機構沖縄病院脳・神経・筋疾患研究センターのセンター長を勤めさせていただいております、諏訪園秀吾と申します。当院は、沖縄県で唯一の難病医療拠点病院に指定されております。県主催の「難病医療連絡協議会」という組織で、アンビシャスと連携しつつ、難病患者さんの相談事業や、重症難病患者さんの入院施設確保事業などを行っております。
副理事長の照喜名通さんはその協議会のメンバーでもあり、会議でいつも難病患者さんがどのようにしたらよりよい療養ができるかについて議論させていただいています。さらに、「えんぽーと」というインターネット上に難病患者さんがよりよく療養できるための情報共有のサイトを構築し運営する過程をご一緒にやらせていただいています。難病療養の災害対策については沖縄で彼の右に出る実績と知識のある人はおらず、名実ともにアンビシャスなしでは沖縄県の難病医療は成り立たないと思います。
これからも、当院とアンビシャスとは連携を強化しながら、沖縄県の難病患者さんたちのために活動を継続していくものと思います。アンビシャスのますますのご発展と難病患者さんたちの医療の質向上が図られますことをお祈り申し上げまして、お祝いの言葉に代えさせていただきます。
独立行政法人国立病院機構沖縄病院脳・神経・筋疾患研究センター
センター長 諏訪園 秀吾
15周年を迎えこれから16年、20周年へと活動を進めてまいります。
指定難病の疾患数も更に24疾患が追加され、330疾患となります。今後も増えていくでしょう。相談員は、疾患の知識においても、相談スキルにおいても向上を怠らず、支援については、全てをアンビシャスで解決しようとするのではなく、例えば、就労であればハローワークなどの専門機関と上手く連携を取りつつ、利用者である難病患者さんの視点にたった支援を心がけてまいります。
災害対策としては、難病の中でも特に重篤な人工呼吸器を装着し在宅で過ごされている方への支援における課題が山積みです。災害の規模別の対応マニュアルや、発電機等に関わる機器の種類や特徴、実際の運用における注意点などを写真やイラストや動画などで、判り易くしたのをホームページ等で公開していきたいと思います。患者の災害時個別対応手順書などは、紙ベースで保管するように周知されているのですが、更にクラウドにも保管し、すぐに利用出来るような仕組みが「えんぽーと」で実現しているので、その活動を広げることで、災害に強い体制を整えていきたいです。
メンタルヘルス対策としては、難病と診断され動揺や不安で混乱する患者とその家族の精神的な負担を軽減することを目的に、難病を発症したという過度なストレスの初期対応について、気軽に読めるパンフレットや、DVDを製作し、広くの患者、ご家族の方々に浸透させていきたいです。もちろん、面談での相談が中心になりますし、精神的な症状が重い方は専門の医療機関などへ通われるようにお勧め致します。
就労支援では、就労支援員の増員と各関係機関との連携の強化が必須です。難病を患いこれまでやってきた仕事を辞めてしまったり、自信を無くしているケースも少なくないので、その自信をつけてもらうべく、難病患者に特化した「福祉的就労事業所」の解説を計画しています。自宅からの通勤、他者との関わり方、そして自分の難病とのつきあい方を習得することで、仕事への自信がつき一般の就労へと結びつくと考えています。
いっぽう、患者さんから困っているとの声は、「難病ではあるが、身体障害者では無いとの理由で障害者の最低雇用率にカウントされていない」との要望が強いです。難病であっても雇用率にカウントしてもらえるよう、行政への要望を患者団体とも連携して訴えていくこともアンピシャスの役割だと考えています。
行政への要望に加え、企業への難病患者雇用に関する周知と理解を深めるために、会報誌で成功事例を紹介するなど、企画や活動が必要とも考え事業開設に向け準備を進めているところです。
NPOとしての運営面では、行政の委託費だけに頼るのではなく、定期的な賛助会員(個人・法人) の拡大、募金や寄付金のご協力を皆さまにお願いしていきたいです。講演会を例にすると、講師の謝金、交通費、配布資料やDVDなどの消耗品費などに使われます。
皆さまからのご支援に心から御礼を申し上げるとともに、これからも変わらぬご支援を賜りますよう謹んでお願い申し上げます。
2002年(平成14年) |
患者会数2団体 |
---|---|
2003年(平成15年) |
患者会数3団体 |
2004年(平成16年) |
患者会数3団体 |
2005年(平成17年) |
患者会数3団体 |
2006年(平成18年) |
患者会数5団体 |
2007年(平成19年) |
患者会数5団体 |
2008年(平成20年) |
患者会数6団体 |
2009年(平成21年) |
患者会数6団体 |
2010年(平成22年) |
患者会数8団体 |
2011年(平成23年) |
患者会数11団体 |
2012年(平成24年) |
患者会数13団体 |
2013年(平成25年) |
患者会数12団体 |
平成26年度は、難病にとって歴史的な1年でした。昭和47年に難病の医療費助成に関わる制度がスモンという疾患から始まり、その後、医療費助成の対象疾患が拡大されていき、最終的に56疾患でした。公平で安定的な難病対策を確立する目的で「難病の患者に対する医療等に関する法律」が平成26年4月22日に衆議院本会議で可決成立されました。
制度から法律となり、国の医療費助成の予算不足を都道府県で補っていた負担分も国で財源を確保できるようになりました。対象疾患は110疾患からスタートすることになり、制定から僅か9か月後には施行されるという過密スケジュールで、国も詳細を明らかにしない事もあり、不安ばかりがつのる時期でした。法律施行に伴う対象疾患数の拡大で相談件数の増加が予測されたことから、アンピシャスの相談支援活動を評価して頂き、委託金額の増額が認められました。11月に新たな難病相談員を採用、相談員2名体制でこれまで以上に細やかな相談体制が整いました。
平成27年1月1日施行に向けて、事前に12月には県薬務疾病対策課から、「難病の新たな医療費助成制度の概要」と「実施に当たっての必要な手続き」の細やかな注意点などを説明してもらいました。約300名余りの方が参加した講演会ではまた、北海道在住の日本難病・疾病団体協議会代表理事(当時)の伊藤たてお氏による「難病法と社会の役割」と題し、法律制定に当たり患者団体が当事者として積極的に関わってきた経緯や意義について等の貴重なお話をご講義頂きました。
『難病情報誌アンピシャス』の表紙は、難病を持つ患者が顔を公表して表紙を飾っていただいている貴重な体験談なのですが、これまではモノクロ印刷だったので、執筆者のご様子が伝わりにくいのが現状でした。米国婦人福祉協会(AWWA)様の多額なご寄付を頂き表紙のカラー印刷が実現でき笑顔や表情が鮮やかお伝えできるようになりました。ありがとうございます。
特定疾患受給者数 8,722人 |
患者会数12団体 |
---|
平成27年1月1日に110疾患で法律が施行され、同年7月1日には疾患数が306疾患まで拡大されました。以前より、小児慢性特定疾患など、児童福祉法における医療費助成では、成人になると助成制度が利用できなくなるという問題が小児の患者会などから挙がっており、その問題を解決するように新たに追加になった疾患は小児からの疾患が多いと感じました。
対象疾患がこれまで56疾患から比べると約5倍となり、追加された疾患を持つ患者さんからの相談も増えつつあります。
重症難病患者へのコミュニケーション支援として、コミュニケーション機器のお試しレンタル事業をアンビシャスでは実施していますが、身体の部位で動かせる場所が無くなった方からの要望もあり、視線入力が可能なコミュニケーション機器「マイトビー」など導入しました。
この機器はクラウド・ファンディングで支援者を募り町人の方から約240万円の援助を賜り導入することが出来ました。改めて御礼申し上げます。導入以来、貸出し希望者が途切れません。
保健所と連携し、患者とその家族の集いの設立をお手伝いし、新たに2団体がスタートしました。これで県内での患者団体・交流会は14団体となりました。アンピシャス設立当初の患者会は2団体だったので、ある程度の成果はあげているのですが、患者会の質的な向上を目指して、「患者団体、顔の見える関係ぞつくり」を開催しました。
各団体の特徴を知り、課題を持ち寄り、解決に向けて向上できる環境を整えることを目的としています。
難病情報誌アンビシャスの特集記事で「患者の力」を寄稿いただいている慶応義塾大学看護医療学部教授の加藤眞三先生を沖縄にお招きし「患者には力がある」をテーマにご講演頂きました。
この公演から患者自身が本来持っている力を阻害しているのは、患者自身の思い込みや医療者の無神経な接し方によることが多く、「患者は弱い存在である」という固定観念にあると学びました。加藤先生の講演会の後からは相談をうける際にも、「患者は本来、力を持っている、今は力が無いと思い込んでいるだけ」と呪文が解けることを信じて接しています。
特定疾患受給者数 9,814人 |
患者会数14団体 |
---|
難病法が施行され2年が経ちました。制度から法律になって助成対象者が広がる一方で、患者さんの自己負担額が増加することに対して「経過措置」という移行に伴う急激な変化のないようにと3年間の優遇があります。
これが来年で終了するため、今から準備しないといけない「自己負担上限額管理票」の記載漏れが無いように患者さんや病院などへの周知が課題となっています。
ハローワークに「難病患者就職サポーター」が配置され、毎月1回はアンビシャスでの出張相談会を実施しています。各専門施設と連携することで、より質の高い相談と支援が整うのですが、就職した後に上手く定着しているのか等の継続的支援までは人員が不足しているので、充分な対応ができていない現状があります。今後就労支援員の増員をすることで、就労支援の数と質の向上に努めます。
各保健所は難病に関する法律で「連絡協議会」の開催が義務となりました。各地域での課題を当事者や関係者と共有し解決へと目指して行くものです。優先度が高いのが災害対策です。日常で準備しておくこと、災害時に予測されること、行政の公助の把握と限界、患者家族の自助の力の向上に向けての課題など、すぐには解決出来ない課題が山積しています。アンビシャスの役割としては、非常時電源の確保についての知見の提供と各家庭での予行演習などの援助を実施しています。災害対策として、災害時の援助に必要な情報を紙ベースで保管するようにしているのですが、クラウド上でも保管するようにと指針が出されているので、沖縄ではアンビシヤスの運営する「えんぽーと」に登録し、運用を開始しています。人工呼吸器業者や保健所の協力を得て「えんぽーと」の利用者を広げています。
難病を抱え、精神的にかなりのダメージを負って相談に来られる場合も少なくなく、私達では手におえないケースもあります。なるべく、重症化しない軽症の段階でこころの応急処置が出来ないだろうかと、「難病とのつきあい方~こころとからだのセルフ・コントロール~」を沖縄国際大学教授臨床心理士 上田幸彦先生のご協力を賜り実施しました。今後、時聞が合わずに参加出来なかった方など向けとして、冊子や映像で多くの方々に役立つツール作りを目指しています。
特定疾患受給者数 平成29年夏頃公表予定 |
患者会数17団体 |
---|
難病は希少疾患であるがゆえ、正しい病気の知識を得ることが難しく、外来で説明告知されても、時間的制限もあり、よく判らないものです。
また、難病を受け入れることが出来ず、主治医の説明に納得がいかない場合もあります。そんな課題を解決しようと、第二の意見(セカンドオピニオン)医療相談会を開催しています。各先生方に病状と聞きたい事を事前にヒアリングした内容をお伝えし、一組30分間ゆっくり落ち着いた環境で、疑問点などを聞いていただいています。参加した方からは「今服用している薬で良かった。』「はっきりしなかったことが納得出来た。』との感想を得ている重要な事業です。
難病の中でも神経難病は重症化することが多く、その支援も医療や介護などの多職種が連携して取り組まなければならず、課題は山積みです。そんな状況打破を目指し、研修会や協働などで支援の質の向上を強化しています。
製薬会社株式会社ファイザーの支援する、患者会リーダーの集いVHO-netではピアサポートカウンセリング技法などの助言や患者自らのこころのセルフ・コントロールにより、心の病にならないように協力してもらっています。
15年間で多大なご寄付支援をいただきました。
みなさまのご支援が実りとなり、ここまで成長することができました。
改めて深く感謝申し上げます。
みなさまのおかげで15周年、多くの笑顔と希望を支えることができました。
これからもより多くの笑顔と希望を発展させてまいります。
ご寄付ご支援者 計2,072件
Copyright©2002 NPO Corporation Ambitious. All Rights Reserved.