最終更新日:2017年04月01日
岩山佑一郎(いわやま ゆういちろう)さん
神経ベーチェット病
私は今回この紙面で自身の事を語る機会を頂き、現在の状況を全て包み隠さず伝えられる事を大変嬉しく思います。この紙面を通して自らの現状を伝えることに喜びを感じると共に、私が抱える神経ベーチェット病という病気を少しでも理解して頂く事は、私自身の使命だと確信しています。
とはいえ自分の弱い部分や情けない部分が多くなって(笑い)いますが、興味がありましたら是非ご一読頂けますと幸いです。
私の発症している病名が確定する前、明らかにおかしいと思ったことは、仕事が終わった後の日課としてジョギングをしていたのですが、そのジョギングにおける普通の走り、足の動きがおかしかったのです。「あれ、何かおかしい」と思ううちに歩き方もぎこちなくなっていました。つま先が引っ掛かって、足の運びが明らかにおかしくなっていました。
今考えると、そうなる前の症状としては、頭にピリッ、ピリッと神経痛の症状がありました。
また喉の奥の炎症や口内炎が治っては、また出来ての繰り返しという症状で、当時はしょっちゅう病院通いでした。
しかし何が一番ショックだったかというと、歩行困難になったのが一番のショックで、それでもいつか良くなるであろうと思いながらも葛藤の連続でした。病院でも原因がはっきりしないまま、時間だけが過ぎていったのです。
私は、航空整備士として20数年働いています。資格を習得して晴れて地元奄美に戻り奄美空港で働いていました。当時、私の周りの状況は、あまり良いとはいえず、会社自体が非常に厳しい経営状態に陥り、めまぐるしく変わる職場環境の中で航空整備の仕事をしていました。
その様な職場環境もあってか、地元奄美でどっしりと腰を据えた生活をしたいとの希望が強くなり自分で起業する事を考えるようになりました。その後、会社を辞め、退職後に計画していた中古車販売業を立ち上げたのですが、あまりに準備不足と勉強不足もあり、中々軌道に乗りませんでした。
自分の甘さを後悔しても始まらないと早急な方向転換を迫られ、結局転職し、元のさやの航空整備士の仕事に戻る事になりました。
しかしその間、症状は確実に悪くなっていき、生活も厳しくなっていくという、悪の連鎖が生じ、苦しい状況が続きました。
そんな折、転職先の大阪の航空会社において、東京羽田での訓練講習を受けている最中、激しい神経痛の様な頭痛がしたため、急いで病院へ行きました。そこで「神経ベーチェット病です。すぐ入院するように」と勧められました。
大阪に転職してまもなくの頃、講習を受けた羽田で入院しなさいと言われ、私の心の中は「もういいや」と投げやりな気持ちが強くなっていました。しかしお陰様で家族や周り方にずいぶんと助けられました。特に嫁の実家の徳之島のご両親や兄弟、姉妹の方達には本当に迷惑を掛けてしまっています。
入院先は鹿児島の病院と決まりました。入院して初めて「大変な病気にかかった」と気づかされてきました。
入院してから一年間は働けない日が続いた為、大阪の会社はクビとなり、直ぐにでも仕事を見つけなければならない状況でしたが、私の場合、不思議と転職に関してはすんなりと決まるのです。
沖縄は昔から住んでみたかった場所で、地元奄美と似通った文化や風土のうえ食文化も殆んど同じなので住みやすく、沖縄の第一航空で今も働かせて頂いています。
最近は記憶力、注意不足、学習能力が低下してきており、整備環境部門からは外れましたが、何とか仕事は継続しています。
判断の甘さ、気の弱さ等は全て因果応報か、自ら招いた結果が今の自分の姿なのかなと思います。
でも足を止めてしまったら何も始まりません。「自分に出来る事を精一杯やろう」これにつきます。
つまづきの連続の人生ですが、沖縄に来たのは必ず意味があると思います。沖縄の皆さんと出会える喜びが私の一番の楽しみです。もっと、もっと出会いを増やし、友達をたくさん作っていけたらと思います。
失敗の繰り返しの人生で周りからは注意を受けてばかりですが、あきらめず健康な体を取戻し、病に負けない人生を、この沖縄の地で生きていきたいと思います。
岩山佑一郎(いわやま ゆういちろう)
1968年 奄美大島奄美市生まれ
趣味:サイクリング、一人カラオケ、温泉入浴
挑戦したいこと:英検2級、手話3級 取得 電験3級
2月25日(土)に県内の難病患者団体に呼びかけ、第2回目の「患者会~顔の見える関係づくり~」を開催しました。
昨年度から各患者団体が横の連携を築くことを目的に開催し、今回は全ての患者団体の参加とはいきませんでしたが、6団体13名に加え、10名の保健師さんも参加され、それぞれの団体の現状や運営の工夫、提案の他、保健師の対場からのご意見も頂き活発な意見交換がなされました。
参加された患者団体から「この会で得た情報を傘下の会員にも広く提供し、団体の活性化を図っていきたい」「患者団体同志が横につながる事で他の団体の良さを吸収し、さらに前進することができると思う」という感想がありました。また保健師さんからは「患者団体の幹部の皆さんと直接お話しのできる機会となり良かった。今後患者さんと関わる際に情報提供していきたい」と、患者団体からも保健師さんからもこの会合の継続実施の希望を頂きました。
2016年度に新たに設立した団体を加え、現在沖縄県内の難病患者団体は大小合わせ17団体になりました。アンビシャスではこれから新規に患者団体を立ち上げようとするグループや、今回参加出来なかった団体にも積極的に声を掛け「顔の見える関係作り」を継続し、今後も各団体の円滑な運営のお手伝いを行っていきたいと思います。
2月27日(月)膠原病セカンド・オピニオンを首里城下町第二クリニックの比嘉啓先生をお迎えして実施しました。
今回は3組の方が相談に訪れ、普段の診察では充分時間が取れず、聞きたくても中々聞けない事をお一人30分の時間とゆったりした雰囲気の中でご相談されていました。
今回は、診断はされたが自覚症状が無く服薬治療を躊躇されておられる方、はっきりした診断名はついていないもののとても激しい症状で苦しんでおられる方の相談がありました。前者には、現在考えられる病状の説明と治療が必要な理由を丁寧に説明していただきました。また後者は、主治医とも治療について話し合っていただけることとなり、ご相談のみな様はそれぞれお帰りの頃には晴々としたお顔になっておられました。
来年度より新たに腎臓系疾患および肝臓系疾患の医療相談会も予定しております。今後も協力できそうな医師への要請を重ね、対象疾患の拡大に努めて参ります。医療相談会の案内は本会報誌や保健所等でご案内してまいります。人数に限りがありますので、該当疾患の方でご希望の方はお早めにアンビシャス迄お申し込みをお願いします。
臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)
ピアサポートで同病者の話を聴いている時に、生じやすい相槌で「それは大変でしたね」という言葉があります。相槌を打つ方の心情としては「自分自身も病気にまつわる出来事でとっても大変だったから、きっと相手も大変な出来事を体験しているだろう(もしくは、既に体験しただろう)。だからその大変さを乗り越えたあなた自身を労おう」というつもりで発せられた言葉でしょうが、この「大変でしたね」もしくは「大変ですね」という言葉は実はくせ者なのです。
「大変」という言葉には、ある何かを基準とした評価が含まれているからです。勿論、評価が入った言葉を言われて喜ぶ方もいます。しかし、評価は同等の立場でなく上下関係がある中で生じる言葉なので、同等の立場で支えあうというピアサポートの理念とは異なってしまうこともあるのです。実際のところ、同じ難病の診断名がついていても症状も多様ですし、程度も軽重あります。
その中でしばしば生じることがある「あの人よりもわたしは症状が軽いからよかったわ」という想い・こころの深い部分での闇、その人間であるがゆえの闇を生じさせないためにも、ピアサポートでは、評価が入る言葉を使わない方がいいのです。
相手の心身の苦労を労うのであれば「これまでよくやってきたね」という言葉が適切だと思います。
それに、心底傾聴できていれば、相槌の言葉なしでも表情や流れ出てくる涙で、話をしている相手が自分のことをわかってくれていると素直に伝わります。お互い人間だから、なかなか難しいのは当然です。それでも、ただその人の在り方・生き様を尊重しながら関わると、自然と相手の気持ちにフィットした言葉が口をついて出てくるものです。
著:照喜名通
孤独感が強い場合、過去の同じことが頭から離れないと、精神面、身体面でも健康リスクが高くなると前号で話しましたが、その解消方法はというと、「今に集中して、他のことを何も考えないこと」なんです。なんとも単純なことで「ふん」と鼻で笑うかもしれませんが、この単純なことが出来ないのが実際なところなんです。
私もイライラする人がいて、この人のことを考えると頭の中でループしてしまうのです。そこで、今に集中してみようと試みますが、ふと気が付くとまたその人の事や明日の予定を考えたりと、なかなか今に集中することが出来ないでいます。こころ(マインド)という器の中に、まったく要らない物を入れてしまうのです。
こころの器に今という何を入れるのかというと、例えば、呼吸している動作を考えるのです。「息を吐いている」「息を吸っている」だけを考えるのです。目は閉じていると集中しやすいです。卓越した人はまったくなにも考えないことが出来るのかもしれません。息をしていることだけで、こころの器をいっぱいにすると、他のことが器には無くなるのです。
インターネットのグーグルなどの大企業でも「マインドフルネス瞑想法」を取り入れて、ストレスを軽減し業績アップを狙っているとのことです。
みなさんも一度試してみませんか。
慶応義塾大学看護医療学部 教授 加藤 眞三著
インターネット上の情報は玉石混淆です。前回に引き続き、安全に医療情報を集めるための注意項目を述べます。
医師は専門の情報を得るときに、どのレベルの雑誌に報告されているのかを重視します。
一流学会誌に掲載されていれば、それだけ厳しく専門家同士の査読による審査を受けているからです。
それと同じように、新聞や一般雑誌の医療情報も、それぞれの発行会社や発信者のレベルをみることが必要です。新聞社や出版社の歴史を知ることも参考になります。同じような過ちをおかしてしまう会社は案外多いものです。
全ての情報は参考にするものであると考え、100%は信用しないことが大切です。
よい情報源を日頃から吟味し確保することが大事です。例えば、SNSなどでも、根拠のない噂話をすぐに他人に回してしてしまう人は、わたしはフォローするリストからはずします。
逆に、ある分野の良質な情報を流してくれる人は、良い情報源です。
慶應大学病院では健康医療情報をKOMPASという名前でインターネット上に公開しています。
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/ 医学百科事典代わりにご利用ください。
民間療法などや新しい治療法などの情報は、まずは疑いながら接します。時間をおいてから行動に移す方が安全です。時間が経てば、色々な問題が明らかになってくることがあります。
急ぐものでなければ、半年ぐらいは待った方がより安全です。
新しい情報をえて、実際に行動する前には、信頼できる人に相談してみましょう。健康情報であれば、かかりつけ医や医師になった友人などに聞いてみることを奨めます。患者会の先輩も良いかもしれません。普段から相談できる人を確保する努力をしましょう。自分と価値観の似かよった人からは、より適切なアドバイスが得られるでしょう。
いざ行動にうつしたならば、その後には、その効果や副作用に関して、自分の感覚を大切にして下さい。
決して、事前の情報だけを信じ込まないことです。
上記7項目の注意を全部実行できなくても、最低限1、6、7を実行できれば、あなたは危ない情報から身を守ることができます。今後ますますインターネットからの情報はとても貴重な情報源になります。過剰に恐れることなく上手く利用できれば、豊かな人生をおくることができるでしょう。そのためにも、普段からの準備が必要なのです。
東洋経済オンラインに加藤先生による「市民のための患者学」2週間ごとの連載スタート!
http://toyokeizai.net/articles/-/143366
患者の力: 患者学で見つけた医療の新しい姿
出版社: 春秋社
「患者には力がある!」 毎日を健康に生きるために、そのためにも、真の患者中心の医療を実現するために、いま必要なこととは。
30年続いている摸合いの幹事さんが、平成24年12月の第3土曜日に25人の同級生を集めて盛大な忘年会を開催してくれました。長い事、会っていない友達も何名かいました。
その内の1人が翌年には亡くなってしまったと、友達から聞いてびっくり、人ってわからないね。
平成25年56才の5月より車椅子利用となり、訪問看護のお世話になっています。その時までは少しは歩く事が出来ました。
ヘルパーさんが自宅に昼食介助に来てくれます。僕は猫舌なのに湯気が出るぐらい熱いし、魚は温めすぎて美味しくなく。お風呂に入れる時は「僕の両わきを掴んで3歩あるいて左に回ってね」とお願いした。だけどヘルパーさんは2歩あるいて左へ回ってしまい、バランスを崩し僕は手の力が無い為、とっさに口でヘルパーさんの手をかんだら「痛い、この人かむよ」言われてしまいました。今まで普通に出来た事が出来ずとても悔しいです。
お風呂が終わり電動車いすに移り、慣れないため自宅の壁はあちら、こちら傷だらけです。
他の空き時間は、弟が机を改造したパソコン台でアパートの施工図の作図と従業員が6人居る為、指示書の作成をしていました。
難病がある方や家族の方、サポートする方々で日常感じている悲しみ、辛さ、笑い、皮肉や優しさなどを短歌・川柳にしてご応募ください。
採用の方には寄稿料として千円相当のクオカードを進呈します。詳しい応募要項は10頁をご覧ください。
難病短歌
晴天の 霹靂(へきれき)に降る 通り雨 雲は動いて ココロ虹色
作:渡久地 優子さん(進行性骨化性線維異形形成(FOP))
突然、病となり、涙したり、葛藤があり、少しずつ前へ進んで変わっていく心情を表してみました。
シェーグレン 抗ヒスタミンは 飲めないよ ドライマウスが ドエライマウス
作:ジュリーさん(シェーグレン症候群)
「アントマン」 2015年
言わずと知れたヒーローもの。
アントとは蟻のこと。
蟻のように小さくなり活躍する。
アレコレ書いてしまうと、ネタバレに成りかねないので、あらすじを知らないまま、楽しんでほしい作品です。
主役のポール・ラッドは、お馬鹿コメディに多数出演している俳優。
マイケル・ダグラスが脇を固めている。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。
2月19日(日曜日)我が友の会のバスツアー、今年は南城市のユインチホテルにお出かけしました。多くの方より今回のツアーの感想を頂きましたが紙面の都合上、代表して2名の方の声をご紹介します。
最初に、比嘉嘉和子さんの声を。
「移り変わりの早い今の天候の中、日帰り温泉プラン。折角のチャンスだからと温泉に入りました。女性五人程でしたがさすが天然温泉、心身共に大満足でした。 すべての機能が活性化されたようでした。後の昼食も心配りが深く感じられ大満足。
皆様との雑談も楽しく、又カラオケにも興じ、何時間でも楽しめます。次の機会を楽しみにと思っています。」
次に宮城幸徳さんの声を。
「待ちに待った友の会のバスツアーの一日、本当に楽しい[ヌチグスイ」(命の薬)の時間でした。友の会は私にとって、今は生きがいの一つになっています。これも会員の皆さんの優しさ、役員の心からの気遣いのたまものであると思います。時間と共に年を重ね、病気は進行しているけど、この時だけは何もかも忘れて「幸せ」な時間です。」
こんなに多くの病人(パーキンソン病)を無事に引き連れてツアーする「スタッフ」に心から感謝、感謝です。
人生はこのような楽しい思い出を多く積み重ねていくのが良き老後を送った事になると思います。有難うございました。
事務局長 又吉 朝子
4月、新年度を迎え新入学、新社会人と学校、職場がフレッシュな雰囲気に包まれる時期です。
アンビシャスでも今月よりホームページを大幅にリニューアル。
ご覧になる方が必要な情報にアクセスしやすいよう変更しました。またスマートフォン等最新の端末機からのアクセスにも配慮しましたので、是非お試しください。
また今年2月にアンビシャスは創立15周年を迎え、今月号はこの15年の変遷を特集した記念号を発行しました。
かなりのボリュームですがアンビシャスの歴史をご確認頂けましたら幸いです。設立時の志を忘れず、難病の方のQOL(生活の質)向上へ、取り組みを更に強化して参りますので、今後とも叱咤激励の程よろしくお願い致します。
さて今月の「表紙は語る」はベーチェット病の岩山さんに体験談をお寄せ頂きました。
県内でも100名程と少なく、同病の方にとっては貴重な体験談になると思います。
最後に本誌10頁でご案内の旧特定疾患(56)の「経過措置」の件ですが、現在経過措置を受けている方にとり非常に重要な事なので、本誌で何度も繰り返しお知らせしています。
よくお読み頂き対応して頂きたいと思います。
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