最終更新日:2018年10月30日
渡久地 優子(とぐち ゆうこ)さん
進行性骨化性線維異形成症(FOP)
iPS細胞からの研究で、FOPの研究も少しずつ進み、今年、治験まで進んだ事は夢のよう。
要介護・介助となり、30年弱。これまで、母を中心に家族に頼る生活をしてきました。
2年ほど前、右肘が更に悪くなり、杖も使えなくなり、一人では動けなくなりました。
ショッピングはネットが主になりましたが、服選びも限られてきて、着やすそうな服を買ったり、不便な箇所は、母がボタンやゴムを付けてくれたりと、助けてくれていて、本当に有難いです。
履物は、当たり外れがあるものの、履き心地抜群のサンダルを見つけ、室内用は、3~4年そのメーカーのサンダルを購入しています。外出用は、ちょっとオシャレを中心に。
以前、外国の同病FOP患者がテレビで紹介されていて、同じように爪先立ちになる彼女は、ハイヒールを楽しんでいました。病気でも、オシャレを楽しみたいなぁと思います。
病気の進行は慣れた感もあるものの、生活スタイルを変えなきゃと思うようにもなりました。転機は、心筋梗塞になり入院した時かもしれません。看護師の、下の世話や食事介助を受け、「他人でも大丈夫かもしれない」と初めて思いました。
以前、署名活動をしていた時は、福祉制度の事なんて分からなかった。ヘルパーを利用するまでは、利用するまでの流れや、相談員さんが付く事も分からなかった。
気分転換も兼ね、ショートステイを利用してみようかなと思うようになり、施設の見学に出向きました。そこで出会ったのが、今の相談員さん。そこから、ショートステイを2泊3日で利用する事になりました。
しかし、想像と現実の違いなのか、2泊3日は呆気なく逃げ出し、1泊2日になり、その後、最終的には半年で終了となりました。
同時に利用を開始していたのが訪問ヘルパー。お風呂の介助を頼み、初めは1人での介助をして貰っていましたが、今夏から、リクライニング式シャワーチェアを利用したいと思い、二人体制にしようと、浴室も改装し、ヘルパーも、二人体制の可能な事業所に変更しました。また、月イチで、口腔ケアの先生も来てくれるので、安心です。
40歳すぎるまで、ヘルパーを利用する事もなく、地域との関わりも持たずに来ましたがヘルパー利用という一つの扉を開けてからは、心もラクになりました。
自分の人生を、どう快適に過ごすかが課題となった気がします。同時に、母の不安も和らいだのかなと思います。
ヘルパー事業所は、いくつか有るものの、自分の生活スタイルに合う事業所は、やはり少ないかもしれません。
いつまでも元気、健康だと思いながら、知らず知らずに人は年を取る。気付いた頃には、心配事が増えていたりもする。テレビでは「終活」や「断捨離」の話題をよく目にします。それは、安心して生きて行く為の事だと思います。
誰もが誰かの世話になるかもしれない、その時が来る前に、誰かと関わって安心して暮らしたい。
私は、障害、難病でも不幸だと思った事がありません。進行が壁だとしても、乗り越える楽しさがある。楽しさという表現は良いのか分からないけれど、小さい頃から「出来ない」事や、「出来ないと言う事」が嫌いでした。やれば出来る、工夫すれば出来る。
色んな知恵を出す事が好きでした。
今は、出来ない事を頼る、お願いする。そして、シンプルな生活にするためには断捨離をしていく。なくても良いもの、必要最小限のものへ。
昨年末から今年の春先まで、原因不明の体調不良を起こしました。寒い、食欲が無い、食べても下す、の悪循環。私にも更年期が来たのかなと思いつつ、元々の下痢体質も改善したくて、右往左往しては、ネット検索。そこで低フォドマップというワードに辿り着き、目からウロコ状態。アレルギーとは異なり、自分に合う・合わない食材がある事でした。また、体調不良の時に漢方を処方して貰ってからは、漢方にも興味を持ち、調べては、自分に合いそうなものを調べ、処方して貰い、今は落ち着いている。
体調不良の一つに、元々の冷え性に加え、低体温の様にも成っていました。最大の要因は、なんと昨年10月から使用している「機能性エアマット」。去年末から今年初めの冬は、とても寒く、そんな寒い時に、どんどん体は冷え、カイロや湯たんぽを使用しても寒い。何となく検索していると、エアマットで冷え、体調を崩したり風邪になるお年寄りがいるとのブログの記事。
そこにあったのは、エアマット上の温度。使用している側からすると、常に25~26度で、扇風機に当たっている感じ。だから、ずっとスースーと、体中が冷えていたのかと。
その記事も、目からウロコ状態でした。幸いにも、冷え防止・蒸れ防止機能付きだったお陰で、冷え防止のスイッチを押すと温かくなり、35度程に設定されるとの事で、冷房の効いた部屋でも、冷えずに快適になりました。また、冷えの大敵でもある自律神経を良くする為にも、ベッド上で日向ぼっこをする様に成り、何よりも冷え対策として温活をする様にもなり、夏でも白湯や温かい飲み物を摂る様にもなりました。
衣食住は大事だと言われるけれど、ヘルパーを利用するようになり3年余り。自分に合った衣食住は、身も心も安心出来るように思う。穏やかな安住の地が、我が家である事になるよう、周りの支援を受けながら、楽しく出来たら良いなぁと思っています。
来年は、天皇も元号も変わりますが、今や人生100年時代だともいう。
そんな時代に、より良い生活を目指す意味で、タイトルを終活ならぬ「秀活」としました。
家族や相談員さん、ヘルパーさん達や、主治医達に支えられながら、ワクワクしていきたいですね。
毎月7ページの『おすすめ映画情報』と占いコーナーを担当していただいている渡久地さんは、これまでに2度『表紙は語る』にもご寄稿いただいています。
掲載記事
アンビシャス会報誌54号、会報誌148号
アンビシャスホームページより閲覧可です。
渡久地 優子(とぐち ゆうこ)さん昭和46年沖縄市生まれ、うるま市在住。
FOP患者会の発起人&患者会元代表。
2007年3月全国より130万人もの署名を集め、「進行性骨化性線維異形成症」を国の研究事業対象とすることを勝ち取る。(現在は指定難病331の対象疾患)
沖縄タイムスにて闘病記を2007年2/8より5回連載。
【趣味】ネット、映画&音楽鑑賞、心理学、探究
【日課】ネット交流、メール、電話
【現在活動】精神疾患や障害関係の不定期「女子会」
9月13日(木)三和金属株式会社様より10万円の寄付を頂戴しました。同社は、常に地域に貢献するという企業理念のもと、創立記念日に毎年のように県内の50近くの福祉団体へ収益の中から継続的に寄付されています。三和金属の社員の皆さま本当にありがとうございます。
また9月は有限会社セイアン様、異業種横断親睦模合で毎月寄付を継続されている驥尾の会、個人で毎月継続的に寄付されている皆様や匿名の寄付の方など、多くの寄付をお寄せ頂きました。 アンビシャスの難病支援活動はこの様に多くの皆様に支えられています。ここに改めて深く感謝申し上げます。
アンビシャスではハローワーク那覇と連携し、毎月一回「難病患者就職サポーター」による出張就労相談を行っています。
9月のご相談の方や、他の方のご相談の事例を詳しくお話しすることはできませんが、職場のちょっとした配慮さえあれば、難病をお持ちの方でも充分にその能力を活かし、働ける方がたくさんいらっしゃいます。中には病気のことを伝えておらず、無理がたたり体調を崩して退職される方も見受けられます。
難病をお持ちの方にとり現状の就労環境はけっして充分とは言えませんが、それでも長い療養生活を支えるうえで就労は大切なことだと思います。
現在、就労中だが難病であることを職場に伝えた方がいいか、難病患者の就労を支援する制度にはどのようなものがあるか、どのような仕事が自分には適しているか等を、求職活動中、就労中を問わずハローワークの「難病患者就職サポーター」へ相談してみませんか。
ハローワーク窓口での相談だと、多くの求人希望者がいることもあり、自分の希望をちゃんと伝えることが難しいのですが、この出張相談ではお一人1時間と充分時間をかけ、相談者のご希望などをお聞きすることが出来ます。
ご相談は原則、毎月第3火曜日14時から16時、お一人1時間となります。就労を希望する方のお申込み、お問合せをお待ちしています。
(予約制となりますのでご希望の際はお電話ください。)
お問合せ 098-951-0567(担当)森または照喜名まで。
臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)
現代は、ひとの目を見なくても、つまり、実際にひとに会わずにコミュニケーションをとることができる時代です。会わなくても相手がどのような生活を送っているのか、どのような状況に居るのか等が、SNSで簡単に知ることができるようになりました。これは文明の利器による人類の進歩ですが、置き去りにされてしまった大事なものがたくさんあるといえます。
会えない相手が今何をしているのかと想いを馳せ、会える時間を大事にするという、ひととしての相手を尊重することが軽んじられ、共に時間をすごす努力が少なくなっているようです。実際に会うことを約束したひとが、目の前にいても、そのひとの目をほとんど見ずにお互いに携帯の画面を見て、他の空間にいるひととの文字だけの関係にいそしんでいる状況は、これはある意味でこころの大事な部分がどこかに置き去りにされて忘却の彼方にあるような、人間存在における危機をも感じるのです。
ひとの表情や声のトーン、醸し出される雰囲気、瞬間で現れるこころの機微、それらがひととしての大事な部分を表現しています。
近年「空気が読めない」とか「発達障害である」等が注目されスポットライトが当たっていますが、その背景には、ひとが目の前にいるひとのことを大事にできなくなっている真実が隠されているように感じられます。
まずは直接会うことができるひととは目を見て、相手の表情やしぐさを見て、その場に流れる雰囲気を感じ取り、話をしてみるのも良いと思います。日々の生活で潤いを感じ、ひとと直接かかわることによって、自分をたいせつにしてくれるひと、たいせつなものを改めて見つける作業をしてみるのはいかがでしょうか。
著:照喜名通
とうとう沖縄本島でも大規模な停電が発生しました。今回の台風24号は各地に甚大な被害を及ぼしました。この様に長時間に及ぶ停電がいつ頃あったのかも思い出せないくらい久しぶりの出来事でした。
本島地方では近年、台風が接近してもせいぜいイベントの中止や、会社や学校が休みになるくらいで済みましたが、長時間の広域停電による影響の大きさは、私たちが普段いかに電気に依存した生活を送っているかと思い知らされました。テレビが映らない、スマホが使えない、断水した、などと生活の質の低下を県民全体で認識を改めた出来事ではあります。
北海道でブラックアウトした事が、我が身には起こらないだろうという思い込みも今回の反省点だと思います。更にいえば、人工呼吸器や、酸素濃縮器など電気を使う医療機器を使用している方は、停電が直接、命に関わることを知っていて欲しいのです。何か手伝えることがあれば、相談してください。電気は貯める事や家庭で作る事も可能です。電気をより安全に、より安く確保出来る方法を共に考えて情報交換しましょう。沖縄にも活断層はあります。いつ地震がくるのかは判りません。東京都は11月19日を「1年に1回は、備蓄(19)を」と推奨しています。電気以外の食料などの備蓄も用意しましょう。
慶応義塾大学看護医療学部 教授 加藤 眞三著
前号では、パワハラがまかり通る上下の関係の時代が終わりを告げようとしていることを述べました。では、その後には、どのような時代がやってくるのでしょうか。それは、水平の関係で対話をする時代です。
対話とは、討論のようにどちらが正しいとか、どちらが勝つというものではありません。あるいは、片方が一方的に指示をして、他方はそれに従うだけという関係でもありません。
対話とは、お互いが対等の立場であることを認め合い、話し合い、相手を尊重しあうことによって、新しい視点による妥協点を見いだすという行為です。しかし、このような対話に日本人は余り親しんでこなかったのかも知れません。
恐らく上下の関係は特に明治維新の近代化以降に厳しさを増したものと思われます。古くの日本には「和をもって貴しとなす」という文化もあったのですから。
医療においても、パワハラとは言われなくても、患者さんをおどすことにより医師に従わせるという「おどし医療」は存在してきました。
「○○の治療を受けなければ、病気が進んで半年以内に死んでしまうぞ!!」「患者はそんなことは知らなくてよい」などと激しい言葉を主治医から浴びせられたという話を患者さんから聞くことも稀ではありませんでした。
特に、主治医の側が標準治療を受けさせたいと思い、患者が医師の思うとおりには受けいれない場合には、なおさらです。それなら医療を受けるなと脅されることもあったのです。
そもそもガイドラインは医師が患者に従わせるためにあるのではありません。それを対話する土台にして、医師と患者が医療の方針を話し合うために作られたという歴史的な背景があります。事実、米国のガイドラインにはそのようなことが明記されているのです。
標準治療は、ある程度の科学的な根拠に裏付けられて推奨される治療ではありますが、それは多くの人で調査をしたときに統計的に有意な差があったというだけであり、必ずしも全ての患者さんに適している、あるいは患者さんがそれを選ばなければならないという治療ではありません。
患者と医療者がお互いに情報を提供し、持ち寄ることにより、その人にとって最も適したものを選べばよいのです。しかし、医療者の側も患者の側もこの様な関係性で話し合うことには不慣れです。
慶應大学の公開講座「患者学」は、医療において対話をすることを練習する場として開催しています。患者と医療者が対話をするためには、両者が水平の関係にあることを前提としなければ始まりませんが、対話をするとそのことによって水平の関係性がより強化されるという側面があります。したがって、とりあえずそういう関係を創るための練習の場が必要になるのです。
このような練習の場が日本全国に広がれば、そこに新しい医療の文化が誕生すると信じています。
次号に続く
東洋経済オンラインに加藤先生による「市民のための患者学」2週間ごとの連載スタート!
http://toyokeizai.net/articles/-/143366
患者の力: 患者学で見つけた医療の新しい姿
出版社: 春秋社
「患者には力がある!」 毎日を健康に生きるために、そのためにも、真の患者中心の医療を実現するために、いま必要なこととは。
今年の浜降りは
終ってしまいましたが、
来年、旧暦3月3日の浜降りは
チービシの神山島、ナガンヌ島へ
いって見ませんか。
神山島の桟橋を下りて、
右に行くと石がいっぱい、
そこには、シャコガイがいます。
更に砂浜を
まっすぐ1kmくらい行くと、
そこではコマガイ(ティラジャー)
10キロは取れる。
神山島船乗り場は、
安謝防波堤渡の、
丸沖渡し船と、
太陽渡し船があります。
船賃は二千五百円だと思います。
僕も行きたいな。
難病がある方や家族の方、サポートする方々で日常感じている悲しみ、辛さ、笑い、皮肉や優しさなどを短歌・川柳にしてご応募ください。
採用の方には寄稿料として千円相当のクオカードを進呈します。詳細は事務局までお気軽にお問い合せください。
難病川柳
得意げに 答え張り合い ドクターG
作:てぃーださん(膠原病)
趣味は「今日の健康、医療番組」を見ること。中途半端な知識がいっぱいでNHKのドクターGでは研修医になりきり勘違いです!
難病短歌
凍てついた 心を溶かす 春のような 暖かい言葉 「共(友)に生きよう」
作:こはるさん(ネフローゼ)
12歳で発症したネフローゼ、病室で過ごした辛い青春時代。
でも家族や友達、主治医と周りの人みんなが暖かく励ましてくれたから、今の自分がいる。友と共に生きていこうと思います。
「ロスト・イン・マンハッタン 人生をもう一度」
リチャード・ギア主演で、ホームレス役を好演。 ハンサムな彼が、ホームレスの役をする事にファンの間でも賛否があった作品。
「アクロス・ザ・ユニバース」
ビートルズの楽曲33曲を使用した作品。 ベトナム戦争の影響が残る60年代を舞台にした、若者の恋愛や友情の、青春ストーリー作品。
ホームレスになった理由、そして抜け出せるか?
撮影中、街ゆく人が本物のホームレスと間違えたそうです。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。
とぅんがらの会では毎月第2、第4金曜日にポールウォーキングの練習会を行っています。始めてから4年くらい経ちます。最初の頃は7人くらいの参加者がいましたが、現在は2~3人か私ひとりの時もあります。参加者が少ない事を理由に来なくなる方もいます。
ポールウォーキングの良さを知りながら来ないのは、もったいないです。
参加者が少ないと企画を立てても企画倒れになる場合もあり、何とか会員を増やしたいと思っていたところ、地域包括支援センターから協力したいとの話がありました。
「最近パーキンソン病の患者さんとの関わりが多くなってきたが、分からない点が多いので、もっと知識を得て理解したい。」とのことで、とぅんがらの会にとっても願ったり叶ったりの話で、お互い協力することにしました。
9月29日勉強会と称して最初の集まりを持ちました。支援センターの職員ふたりと会員5人の計7人で始まりました。自己紹介をして、各自の症状などを説明したり質問したり、中には新しい会員もいて病名が分かった時毎日泣いてくらしていた。とぅんがらの会が在って良かった。涙を浮かべながら語ってくれました。仲間がいると安心するし心強く感じるものです。楽しく有意義な2時間でした。
宮古島在住の神経難病のみなさん、一人で悩まず仲間と気軽に情報交換をしませんか。
連絡先 080ー1536ー9287(砂川)
うだるような猛暑もようやく終わり、ここ沖縄も秋めいてまいりました。一ヶ月ほど前の2つの大型台風襲来で長時間の停電や街路樹の倒壊等、各地で被害が大きく、後片付けに追われる毎日でしたが、そろそろ落ち着いた頃かと思います。
ここのところ毎月、当誌で照喜名が述べている様に災害はいつやってくるか分かりません、常に備える心構えを忘れないようにしたいものです。
さて今月の「表紙は語る」は進行性骨化性線維異形成症の渡久地さんです。病状の進行で最近は杖を使うこともままならない状況のようですが、それでも周りの支援を受けながら、持ち前の好奇心と向上心で、分からないことはネットで調べたりしながら生活をエンジョイしている様子がうかがえます。
渡久地さんの難病情報誌「アンビシャス」へのご寄稿は今回で3回目、過去2回の記事は、アンビシャスのホームページでもご覧いただけますので、併せてお読みいただければ幸いです。
その難病情報誌「アンビシャス」も年明け1月で通巻200号を迎えます。今月もお読みくださりありがとうございます。そして200号もお楽しみに。
文 仲村明
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