1. 難病情報誌 アンビシャス 204号

難病情報誌 アンビシャス 204号

最終更新日:2019年05月05日

表紙は語る

自分らしく生きる!~病気と共に~

本村 楓(もとむら かえで)さん
無脾症候群(むひしょうこうぐん)

 今から25年前の1994年(平成6年)11月6日に私はこの世に生まれてきました。私の誕生に両親は大変喜んだそうです。
 しかし私が生まれて1か月後の検診で、ある病気であることが発覚しました。その病気とは「無脾症候群」という病気です。無脾症候群とは、内臓錯位症候群のうち、右側相同を呈する場合には、脾臓が無いことが多いらしく、肺は左右とも3葉で、肝臓は左右対称に位置するらしく、このような状態を無脾症あるいは無脾症候群と呼び、50~90%の割合で先天性心疾患、いわゆる心臓病を合併するそうです。
 私も右心系単心室や、単心房、共通房室弁逆流、両大血管右室起始症、大動脈下心室中隔欠損、肺動脈弁狭窄症、大動脈弁逆流症、内臓逆位(右大動脈弓)などの心疾患を患っています。手術をしたのは2歳の頃と8歳の頃でした。手術以降は現在も病院に通院しています。
 激しい運動は出来ず小学校、中学校、高校の頃の体育の授業は見学をしていて、学校行事のマラソン大会も見学をしていました。でもそのことで、周りの同級生達からは、「いいよな。マラソン見学でさ」「自分だけ楽していいよね」などと、心無い言葉を投げつけられた事もあります。
 その様な学生時代も終わり高校卒業後、私は念願の保育園に就職できましたが、体調不良が続き残念ながらその保育園を退職してしまいました。その後は色々な仕事を転々としていましたが、体調不良が原因で辞めた職場が多くありました。ある職場では、急に体調が悪くなり休んだり、早退したりすると、「社会人として情けない」「社会人なら仕事はちゃんとやるべきなのに、きちんとできていない」「病気に甘えているのでは」「仕事をやりたくないから、仮病を使って休んでいるだけ」「社会人としての自覚がない」などと言われ、悔しい思いを何度もしました。そして次第に「こんな身体じゃなければ良かったのに」とか「私は世の中の役に立たない人間なんだ」などとネガティブな事を思うようになり、気持ちのやり場が無く、だんだん両親に対して憎しみを持つようになってきました。また健常者である妹や弟、そして周りの人達に対しても憎しみの感情を持つようになってしまいました。
 この様に荒んでいた時期、そんな私を救ってくれたのは、大切な友達や今の職場の人達です。
 そのきっかけは、今から2年前の2017年に体調を悪化させてしまい、緊急搬送で沖縄本島にある沖縄県立南部医療センター・こども医療センターに運ばれました。それからというもの仕事には就いていませんでしたが退院後、石垣に戻り体調も落ち着いた頃から仕事を探し始めました。しかし酸素ボンベを持ちながらの私を受け入れてくれる一般の企業は見つかりませんでした。
 それでもどうしても仕事をやりたくて、ハローワークに通い、ハローワークの職員の方と、自分に合った仕事を探していました。それから暫くしてハローワークの方が「こちらのお仕事はいかがですか?」とある求人を紹介してくれました。それが今現在、私が働いているA型事業所です。見学や体験実習も楽しく過ごせ、「この職場でみんなと楽しく働けたらいいなぁ」という気持ちがだんだんと強くなっていったのを今でもよく覚えています。
 今の職場で働き始め、今年の4月で丸一年が経ちました。今でも、実習の時と同じように職場は楽しいです。でも時々体調を崩したりすると、お休みを貰ったり、早退をしたりしています。そのたびに、スタッフの方や職場の皆さんに「大変申し訳ないな」という気持ちで一杯になり、泣きそうになります。
 でもそんな私に対しスタッフの皆さんや、一緒に働いている職場の皆さんは、「大丈夫だよ」「気にしなくてもいいよ」「無理はしないようにね」と優しい言葉をかけてくれます。その言葉に私は沢山の勇気と、希望と、やる気が持てるようになりました。
 また気持ちが荒んでいた頃、両親や家族に対して持っていたマイナスな感情は今は無く、これまでずっと見守っていてくれたことに感謝の気持ちで一杯です。
 これからの私の目標はというと、今の職場で体調を整えながら長く続ける事と、いずれは一般の職場へ就職することです。
また私には小説家になりたいという夢もあります。いくつか書いた原稿もあり、これからいろんなところに応募してみようと思っています。
 それから石垣以外のいろんな場所に行って自分の世界を広くしたい。まずは東京に行ってみたいな!
 そんな目標や夢に向かってこれからも私は、自分らしく病気と向き合いながら頑張っていきたいなぁと思っています。

語者プロフィール

本村 楓(もとむら かえで)さん
1994年 石垣市生まれ
【趣味】読書、物語を書くこと。私が書いた物語を読んでくれると嬉しい。
【挑戦したいこと】
・平成から令和に移るので、これからたくさんの文学賞に応募してみたい。
・東京に行ってみたい。
【最近はまっていること】動画を見ること

  • 8歳の頃、手術のため入院時

  • 2歳の手術前の頃、イトコと(写真右が私)

  • 中学の修学旅行で九州のスキー場にて(写真右が私)

3月の報告あれこれ

患者団体「顔の見える関係づくり」

 アンビシャスでは毎年、各患者会の皆様が一堂に会し「顔の見える関係づくり」と題して連携を深めています。今年は3月16日(土)那覇市保健所を会場に、7団体12名、保健師4名、アンビシャススタッフ4名、計20名の参加で第4回目の会を実施しました。
各団体の案内や活動状況の報告、各団体が抱える課題を共有しながら、活発な意見交換が行われました。見た目には分からない疾患のため理解が得られない、活用できる制度が少ないなどの意見も聞かれ、疾患が異なっても各団体が協力しあい、活動していくことの意義を確認する場となりました。
 年に一度の開催ということもあり、他団体との交流・情報交換の貴重な場となっています。「もっと交流の機会が欲しい」との意見も聞かれ、会の終了後も帰りがたく、あちらこちらで話に花を咲かせていました。今回都合がつかず参加できなかった皆様も来年の参加をお待ちしております。

こころとからだのセルフコントロール

 難病を抱えていても、病気によるストレス、病気以外のストレスにうまく対処することで心を安定させることが出来るようになります。さらには、必要な治療に積極的に取り組めるようになり、生活の質を向上させることにもつながります。
 ストレスとは何か、ストレス対処法の実践を学ぶ場として、沖縄国際大学の臨床心理士・公認心理師である上田幸彦教授を講師にお招きし「難病とのつきあい方~こころとからだのセルフコントロール~」を1月~3月にかけ3回に分け開催、3月23日に3回目を実施しました。
 ストレス反応を起こした心と体の状態や、問題解決法、マインドフルネス瞑想を用いたストレス対処法の実践などを3回に分けてしっかりと学び、継続して実践できる方法を紹介していただきました。参加者(3名)にストレス対処法を自宅でも実践してもらい、セミナー参加前と後の比較も行っていただきました。自分なりにストレス対処法を行うことで、前向きな気持ちになれたとの感想が聞かれました。講師の上田教授からは、うまくやろうとするのではなく継続することが大切との言葉をいただき、ストレスに対処するためのノウハウを学ぶ貴重な機会となりました。

医療相談会(膠原病系疾患)

 首里城下町クリニックの比嘉 啓先生のご協力を頂き、膠原病系疾患の医療相談会を3月25日に実施しました。
「主治医に聞いてみたいと思っていたが、いつも外来は混んでいるので長く話すことが難しい」「他の医師の話も聞いてみたいと思うが、主治医から紹介状をもらうのは気が引ける」といった声をよく聞きます。
アンビシャスの医療相談会は主治医からの紹介状などは必要なく、無料で、お一人30分じっくりとご相談出来ます。ご相談の際は日々の検査結果やお薬手帳、臨床調査個人票を持参して頂いております。
 医療相談会に参加された方からは「いま飲んでいる薬をなぜ飲まなければいけないのか、詳しく聞くことが出来て良かった」との感想が聞かれました。比嘉先生、ありがとうございました。

こころの現場から

「真心で繋がりたい」

鎌田依里

臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)

 皆さん、ひとと仲良くしたいと思うとき、どのようにしますか?
 一緒に食事に行きますか?映画を観に行きますか?相手を誉めますか?自分がもっている知識を伝えますか?相手にお金を払いますか?
 あるひとがわたしに寂しそうに言いました。「自分はひとと仲良くしようと思うとき、お金で解決しようとしちゃうんだよね。どうやったら、お金以外でひとの信頼を得ることができるかなぁ」「手をかけないで一番効果の上がることはないかな?」と。
 わたしはもちろんそのひとの多忙な状況を理解しているつもりでしたので、具体的な方法を提案したのですが、わたしの中にふつふつと疑問が湧いてきました。〈よいものを造り出すためには、手をかけることが必須なのではないか?〉〈ひととの信頼を得ることは、どの程度こころを遣っているかにかかっているのではないか?〉と。
 カウンセリングでは、そのひとのためだけに使う時間と遣うこころがあります。ひとの信頼を得るためには、相手や物事に対して誠実で居ることがたいせつです。尽力しないで成果を求めようとしても、よいものを得ることはできません。
 もちろん相手の話を傾聴していると、相手の論理に巻き込まれて足をすくわれることがあるので正しい知識も必要です。しかし相手に対してこころを遣わないと、真心で繋がることができません。技術が進歩しAI(人工知能)でできることが増えています。だからこそ大事なひとの温もり発する言葉やトーンの温かさ、醸し出す暖かな雰囲気、タイミングがたいせつであることが再確認されるのです。不器用でもいいので、あなたなりの方法で周りに居るひとへ真心を伝えてみてはいかがでしょうか。

つぶやきチャンプルー

「ドリームキラー退治のアンビシャス」

照喜名通

著:照喜名通

 私達が夢や希望を持つ事は自由です。いや、夢を持つ事は人間の性であり、定めかもしれないです。希望があるから生きていられるともいえるでしょう。子供の頃に希望を持っていても、親や進路指導の先生などから「そんな事は無理でしょう。もっと現実的になりなさい」と言われます。その子の将来を想っての助言でしょうが、夢もしぼんでしまいます。
 そんな助言者を「ドリームキラー」と呼ぶそうです。善意からの場合もあれば、やっかみからの場合もあるでしょう。目立つ事をすると嫉妬する人達の声は大きくなります。そういう人には近づかず、無視するのが一番です。しかし、一番の敵は、自分自身でしょう。自分の失敗経験や周りの失敗を見ているうちに自信を無くし、達成できる根拠もないので、自然と諦めていくのでしょう。
 ある日、難病と診断され入院などで日常の事も出来なくなり、普通に戻る事を優先することが多いです。そのため難病を発症する前に持っていた夢や希望を追いかける事を断念するのでしょう。
 ここで、アンビシャスの出番です。夢の方向転換も必要かもしれませんが、まずは、自己評価を低く考えてしまっている自動思考に気づいてもらうことから始めます。最終的には、夢、希望、大志を諦めずに達成してもらうように、私達アンビシャスは患者さんのアンビシャス(大志)を支えていきます。

シリーズ 「患者学」第49回

自己肯定感 (再考) 下

慶応義塾大学看護医療学部 教授 加藤 眞三著

 わが国では自己肯定感を否定するような同調圧の高い教育がおこなわれてきました。そして、個性的であることは悪いこと、自己を主張する人はうっとうしい人という社会がつくられてきました。このことが日本の若者の自己肯定感を低くしているように思われます。
 最近報道された入社式を伝える写真をみても、新入社員は黒一色のリクルート服を着ています。今まで以上に同調圧が強く働いていることがうかがわれます。個性の時代とか多様性の時代といわれながらも、どうも時代は逆行しているようです。
 各自の自己肯定感を高めて多様性を受けいれる社会をつくることは、わが国の未来を創るための課題ということができるでしょう。とりわけ医療の分野で、自己肯定感を育むことは大切です。それは、病気を抱えた患者さんの療養生活に大きな影響を与えるからです。

健康創生論

 アーロン・アントノフスキーは、人生の中でも最も過酷で悲惨な経験として強制収容所で過ごしたユダヤ人を対象に、どのような健康状態であったかを研究し、健康創生論(サルトジェネシス)という新しい考え方を提唱しました。
 健康と病気とは一線を画した別のものではなく、健康と病気は一連の連続性のものであるという考え方です。そして健康を保つために、病気の原因をつぶすということではなく、元気を育てるという考え方もあることを示しています。

SOC(首尾一貫性感)

 アントノフスキーは健康生成論の中で、SOC(首尾一貫性感)が過酷な状況を体験した後にも健康を維持するうえで大切であったことを報告しています。SOCは、Comprehensibility (把握可能感)、Manageability (処理可能感) Meaningfulness(有意味感)の3つの項目からで評価されます。
 自分が状況を把握できているだろうか、その状況に対処できるだろうか、自分のやっていることに意味を感じられるか、というSOCの3つの項目は、自己肯定感そのものであるということができないでしょうか。SOCは生まれつきのものなのか、幼少時につくられたものなのか、成人になってからも成長させることができるものなのかは議論のあるところですが、成人になっても成長させられるという考えが支持されているようです。
 SOCが健康であることにとって大切なのであれば、医療の中で自己肯定感を大切にすることの意味が改めて認識されます。慢性病、とくに難病では、SOCや自己肯定感を大切にする医療、育むことがわが国のこれからの医療の重要なテーマになるのではないかと思います。

病気をもつ人が生きやすい社会造り

「がん患者など働かなければよい」と発言した政治家もいましたが、むしろ、病気をもっている人を受けいれる社会、病気の人が活躍できる社会、病気をもった人が生きている意味を感じられる社会を、目指さなくてはいけないのだと思います。
 そのためにも、病者のもつ自己肯定感を大切にしようではありませんか。


東洋経済オンラインに加藤先生による「市民のための患者学」2週間ごとの連載スタート!
http://toyokeizai.net/articles/-/143366

慶応義塾大学看護医療学部
教授 加藤 眞三
1980年、慶應義塾大学医学部卒業。1985年、同大学大学院医学研究科修了、医学博士。
1985~88年、米国ニューヨーク市立大学マウントサイナイ医学部研究員。
その後、都立広尾病院内科医長、慶應義塾大学医学部内科専任講師(消化器内科)を経て、現在、慶應義塾大学看護医療学部教授(慢性病態学、終末期病態学担当)。

患者の力: 患者学で見つけた医療の新しい姿
出版社: 春秋社

「患者には力がある!」 毎日を健康に生きるために、そのためにも、真の患者中心の医療を実現するために、いま必要なこととは。

アンビシャス広場

~エッセイ~ 「飲み込み」 西兼盛 鉄さん(ALS)

 毎日朝、昼、晩、飲み込みの練習をやっています。
 指2本にティッシュペーパーを巻いて、歯ミガキを10秒ほっぺの内側で回す。
 同じやり方で歯ぐきの廻りをやる。次にべろを前に出して指2本ではさんで10秒間、手前に軽く引く。あと4か所上、下、右、左、同じ要領で軽く引っぱる。
 次は、10秒唇の外左廻り、10秒唇の外右回り。後は顔の外回り10秒、コメカミ5秒、顎5秒、ほっぺた5秒、唇5秒。口を10秒間おおきく開けたり、べろを10秒間外へ長くのばしたり、縮めたりこれを5回。
 マッサージをお願いしている訪問リハビリさん、訪問看護のスタッフさん、そして内の家内と、みんな有り難うございます。
 お陰で飲み込みが前よりずいぶん良くなっている。

難病川柳・難病短歌

難病がある方や家族の方、サポートする方々で日常感じている悲しみ、辛さ、笑い、皮肉や優しさなどを短歌・川柳にしてご応募ください。
採用の方には寄稿料として千円相当のクオカードを進呈します。詳細は事務局までお気軽にお問い合せください。

難病川柳
医者はダメ ユタが一番 取り引き期
作:患者王さん(クローン病)

難病は治す事が出来ないと医師に言われ、受容出来ずユタ頼み。「キューブラ・ロス」の取引期にあたる沖縄あるある。
※ユタ・・・東北地方でいうイタコ(霊能者)

難病短歌
久し振り 互いの顔見て 吹き出した 副作用だよ 隠せないさぁ~
作:上里栄子さん(天疱瘡)

難病仲間に出合い、ムーンフェイスになった顔見て笑う。食べ過ぎじゃないョ〜薬の量は正直だ。

お勧め映画情報

大人も子供も楽しめるアニメ映画2本

「タッドの大冒険 ~失われたミダス王の秘宝~」
スペインのアカデミー賞にあたるゴヤ賞で長編アニメーション賞を受賞したスペイン版インディ・ジョーンズのようなアドベンチャーアニメ。
キャラクターも様々で、コミカルな描写も多く気軽に観られる。

「ボス・ベイビー」
見た目は赤ちゃん、知能は大人。
そんな赤ちゃんが巻き起こす騒動を描き、全米大ヒットを記録。赤ちゃんは、なぜ、その家族の元に?

★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。

今月の占い

  • 牡羊座 3/21-4/19
    一期一会の出会いを大切に
    ☆リフレッシュ法:美術鑑賞
  • 牡牛座 4/20-5/20
    背筋を伸ばして自信を
    ☆リフレッシュ法:読書
  • 双子座 5/21-6/21
    笑顔でいれば自然と元気に
    ☆リフレッシュ法:睡眠
  • 蟹座 6/22-7/22
    心配事は行動を起こし解決
    ☆リフレッシュ法:談笑
  • 獅子座 7/23-8/22
    色んな人を見て成長の糧に
    ☆リフレッシュ法:瞑想
  • 乙女座 8/23-9/22
    挨拶は、もっと大事に
    ☆リフレッシュ法:食事
  • 天秤座 9/23-10/23
    人を支え自分も支えられる
    ☆リフレッシュ法:買物
  • 蠍座 10/24-11/21
    助けを求める事も必要
    ☆リフレッシュ法:音楽鑑賞
  • 射手座 11/22-12/21
    嘘と隠し事はストレスの元
    ☆リフレッシュ法:ストレッチ
  • 山羊座 12/22-1/19
    知らぬは恥にもなる
    ☆リフレッシュ法:映画鑑賞
  • 水瓶座 1/20-2/18
    目先の事に捕われないで
    ☆リフレッシュ法:ドライブ
  • 魚座 2/19-3/20
    信念を持って行動に
    ☆リフレッシュ法:散歩

各患者団体からのおたより

OPLL友の会(後縦・黄色靱帯骨化症)より
難病に一人挑んでる方へ

 追突事故で念のため受診した整形外科で見つかったOPLL。難病といわれても理解できないまま十数年が経ち、発病。
 苦しい日が3ヵ月も続き、悶々とした日々を送っていた時、新聞で偶然この会(OPLL友の会)の事を知り、早速入会。
 参加した交流会で手術された方、未だの方などの経験談を会員のみなさまより直接お聞きし、この病の間違った認識が是正され、全然別のように見える症状や禁忌事項など、多くの事を知ることが出来ました。今は手術の時期を正しく判断できるように心がけています。
 多くの同病の患者と接して得られる安心や不安は、一人ではない、仲間がいることにより、大きな支えになっています。

記事提供:板倉 繁紀

※禁忌(きんき)事項:人体に悪影響を及ぼす危険がある薬剤の配合や治療法など、避けるべき事項。

編集後記

 天皇陛下の御代替わりに伴う改元、今月より令和の時代が始まりました。
 マスコミをはじめ商売人がこぞって新時代の幕開け、とばかりに変化を強調し浮かれ気味ですが、生活環境が大きく変わるわけでもなし、ここは周囲に惑わされず着実に一歩、一歩踏みしめて進みたいものですね。
 さて今月の「表紙は語る」は石垣市の本村さんに体験談をお寄せ頂きました。生後1か月で無脾症候群と診断されいろんな心疾患を抱えながら、紆余曲折を経て、夢に向かって進んでいる様子を語って頂きました。先月の岩崎もそうですが、幼少のころから成長するまでの過程をご本人の視点から綴って頂きました。現在ご闘病中のお子様のご家族には、我が子がどのような気持ちで闘病しているのか、その一端が伺えます。また現在闘病中のお子様には、同じ立場の仲間からのエールになると思います。本村さん貴重なお話しありがとうございました。
 沖縄地方では今月中旬よりそろそろ梅雨入り、湿気で体調を崩しがちになります。エアコン等を上手に使い快適に過ごしたいものです。

文 仲村明