1. 難病情報誌 アンビシャス 224号

難病情報誌 アンビシャス 224号

最終更新日:2021年01月01日

表紙は語る

難病ギラン・バレー症候群になって初めて見えた世界!

佐藤 智子(さとう ともこ)さん
ギラン・バレー症候群

 2018年5月、37歳の時に難病ギラン・バレー症候群を発症しました。
 ギラン・バレー症候群とは複数の末梢神経障害が急速に進行してピークを過ぎれば自然治癒すると言われている疾患です。末梢神経障害とはざっくり四肢麻痺と考えていただければと思います。軽症の場合は手足に違和感があるくらいですが、重症の場合、完全に麻痺して全く動けなくなりますし、更に手足だけでなく呼吸筋も麻痺すると会話も出来なくなり、体内酸素濃度が低下すると人工呼吸器で延命措置が必要になります。
 私の場合、発症の前日まで元気に当時2歳と3歳の子供たちと一緒にママ友と遊んでいました。ところが翌朝、目を覚ますと全身に強い痺れを感じ、これは只事ではないと、すぐに近所のクリニックで診てもらったのですが、過呼吸症候群の疑いで「寝れば治りますよ」と言われました。しかし翌朝には歩行が困難になり、夕方には全く歩けず、更に夜には立ち上がれなくなりました。全身の痺れを自覚してから僅か2日間の出来事に呆然としました。腕に力が入らず、話すのもささやき声が精一杯でした。夜中、子供たちが寝静まるのを待ち、夫に人生初の救急車を呼んでもらい救急搬送されました。
 搬送先の病院で血液検査、髄液検査、CTの結果「ギラン・バレー症候群の疑い」と診断され、人工呼吸器の対応が可能な大病院へと再搬送されMRI、神経伝導検査の後、即入院となりました。
 入院後、HCU(高度治療室)へ運ばれ、治療を開始しましたが、発症から4日後には、四肢麻痺が更に進行し寝返りも打てず、食事や水分も全く摂れなくなり、常に息苦しく、翌日には酸素マクスをしていました。また痰の吸引が必要になり、酸素を送り込んでも体内の酸素濃度が70%を下回り始め、6日目ついにICU(集中治療室)へ移動し、人工呼吸器を使用することになりました。
 人工呼吸器の使用直後は「息が出来る!」と驚きましたが、呼吸筋が弱っていて咳が出来ずに自分の唾液に溺れるようになります。唾液や痰の吸引がとにかく辛く、喉に痰が絡まると人工呼吸器を付けていても息苦しく、死と隣り合わせの日々が始まりました。挿管中は肺炎も起こしやすく肺炎を2回経験しました。呼吸もままならず四肢麻痺と肺炎の高熱との戦いが症状のピーク時だったと記憶しています。
 人工呼吸器の使用から1週間程経ち、自発呼吸が戻ってきたので人工呼吸器を外すことを試みますが失敗し、更に1週間後にようやく人工呼吸器から解放されました。人工呼吸器が外れて呼吸が安定すると、ICUの医師団に「生還おめでとう!」と声を掛けてもらいました。同時に四肢麻痺も快方に向かいます。
 自分の意思で手足が動かせるようになると、無重力空間から重力空間へ転移したような感覚になりました。自分の手足を支える筋力がなく、歯ブラシすら重くて、全く持ち上がりません。握力は0kgです。ベッドから起き上がろうとしても、身体は重く、補助してもらい半身起きたところで疲れ果て、すぐに水平状態に戻してもらっていました。発症から20日近くが経過しても、この状態では発症前のような日常生活は無理だと、未来に絶望しました。
 リハビリではベッドの角度を45度に上げるだけで音を上げていましたが、それでも発症から3週間後には、汗だくになりながらも歯ブラシを持って動かせるようになりました。「神経が通ってなさそうでも筋肉は使わなければ落ちてしまう」と聞いていたので最大限、体を動かし続けて既存の筋肉保持に努めました。すぐにも倒れそうな歩みでも20m程歩けるようになり、救急病棟から一般病棟へ移動しました。
 ギラン・バレー症候群の治療法として発症直後に重症な場合の療法はありますが、回復期の治療方法はまだ見つかっておらず自然治癒を待つのみ。一般病棟ではリハビリのみで治療もなく、入院の必要もないし自宅に戻りたいと思い、発症から1ヶ月後に退院しました。自宅に戻り、子供たちと再会できて嬉しかったです。
 病院内は完全にバリアフリーですが、自宅では1cm以下の些細な段差に躓きそうになったり、食器を持つ筋力もなく苦労しました。また、リビングに30分座るだけで、強い疲労感に襲われ、3時間寝込むような事を繰り返していました。食事とトイレとシャワー以外の事をする体力もなく、自律神経が弱まり、寝起き、食後、入浴後など、1日に何回も体調が悪くなる事の繰り返しでした。夏の暑さや冬の寒さ、建物と屋外の温度差でも具合が悪くなります。
 発症から2ヶ月後、ようやく自宅の外を歩けるようになりました。握力は6kgで重い物は持てません。道路は真っ平らではなく、特に歩道は雨が流れるように僅かな傾斜が設計されていたりしますが、発症前は気付かなかった僅かな傾斜や段差に注意して歩かないと転びやすく、100mくらい歩くだけでヘトヘトでした。
 子共たちの保育園のお迎えは、ベビーシッターに毎回付き添ってもらいながら通い始め、発症から5ヶ月後、ようやく自力で保育園へ子供たちを迎えに行けるようになりました。子供たちが保育園から戻って、主人が帰宅するまでの間に、おやつ・夕食・子供たちの入浴介助をバタバタとこなします。週に1~2回はベビーシッターを手配して、私が家事をしている間、子供たちの保育園送迎や絵本の読み聞かせなどしてもらい助かりました。
 その頃ギラン・バレー症候群の患者交流会に初めて参加しました。突然の麻痺や痺れ、絶望感など、同じ経験をした人との会話に癒され「仲間がここにいた!」と感じて、とても嬉しかったです。「発症から何年くらい経つと、こんな風に回復していくのだな」と今後の道筋も見えたので非常に有意義でした。
 発症から1年後、ようやく自分の身体との付き合い方に納得できるようになりました。1日のうち夕方以降は疲れやすくて寝込んだり、1kgを超える重い物を持つと、数時間後に脱力し、力が出なくなります。握力は15kgまで戻り、ペットボトルの蓋が自力で開けられました。体力作りのために近所を散歩していると、いろんなハンディキャップを背負いながらも生活している人の多さに気付き、発症前と違う世界を見ているように感じました。
 2020年2月、※GBS/CIDP国際財団主催のシドニーミーティングにメンバーの一人として参加(表紙の写真は参加時のもの)、同年の11月に復職して、現在はワーキングマザーとして過ごしています。発症後しばらくは子育てにも苦労してベビーシッターを手配していましたが、今では子供達の運動会に一緒に参加できる程に回復して楽しい日々を過ごしています。
 そしてこれからは、女性、かつ子育て、かつ難病を経験した者として、誰もがより働きやすい社会作りに貢献したいと思っています。

※GBS(ギラン・バレー症候群) CIDP(慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー)

語者プロフィール

佐藤 智子(さとう ともこ)さん
1981年愛知県生まれ、神奈川県在住。
【趣味】読書、運動、海外旅行
【挑戦したいこと】バイオリンの演奏(子供たちと一緒に始めようかな)
【好きな食べ物】ウィーンにあるホテルザッハーのザッハトルテ(日本にいてもお取り寄せが可能です!)

  • 元気いっぱいの2児と公園にて(2020年4月)

  • ICUからCCUへ車椅子に乗って移動中(2018年5月)

2020年11月の報告あれこれ

プレ・オンライン患者会

 今年5月より、いろいろな難病をお持ちの有志の皆様方の交流会として、「難病ゆんたく会」が立ち上がる予定でしたが、コロナ禍の影響で延期していました。その間、メンバー以外の難病の方からも「交流の機会が欲しい」との要望が多く寄せられていました。
 そこで11月13日、試験的にZoomを使用した「オンライン難病ゆんたく会」を開催しました。Zoom経験者の方もいれば、パソコンやスマートフォンを使ってのオンラインでの交流が全く初めてという方もいらっしゃいました。交流会開始直後は緊張されている方も、時間が経つにつれて徐々に雰囲気にも慣れ、まるで直接会って話しているかの様に会話が弾んでいました。
 会終了後には、「はじめは緊張していたが、雰囲気も良く徐々に自分からも話せるようになった」「コロナ禍ということで対面での交流が減ってしまっているため、オンラインで難病の方と繋がることが出来ることは嬉しい」との感想がありました。12月、1月以降も開催を予定しております。これまでオンラインでの交流がない方やパソコン・スマホの操作に自信がないという方でも、アンビシャスでサポート致しますので、お気軽にお問い合わせください。皆さんのご参加をお待ちしております。

北部圏域在宅難病患者支援者連絡会議

 11月19日、北部保健所主催で北部圏域在宅難病患者支援者連絡会議が開催され「人工呼吸器等医療的ケアが必要な長期療養者(児)と、その家族ができる具体的な非常時対策~自助のパワーアップに向けて~」と題して情報提供をさせて頂きました。今回の会議は感染防止策を講じた少人数での開催でした。
 会議は市町村における避難行動要支援者名簿の作成と難病患者情報をどうやって連携させるのか等具体的な課題に沿って進められました。沖縄は離島県で、大小様々な離島があり、また本島においても山林の多い北部地区は、土砂崩れなどがあると孤立してしまいます。
 公助での限界が大きいので、近所・家族などの共助と自助の備えが必須だと感じました。

難病医療相談会(肝臓系)

 11月27日(金)に琉球大学病院の前城達次先生のご協力のもと医療相談会(肝臓系)を開催しました。コロナ禍ということもあり、治療を続けていくうえでの感染症対策に関する質問や日常生活の中で気を付けることなどの質問もありました。お一人30分という限られた時間ではありますが、一つ一つの質問に丁寧にお答えいただきました。参加した方からは、「今までもやもやしていたことを聞くことが出来たので良かったです。今後の治療に勇気が湧きました」「日常生活でのアドバイスも聞くことが出来て良かったです。今日から取り入れたいと思います。」といった感想をいただきました。前城先生、ありがとうございました。
 今後の予定として希望者が多く、お申込みをいただいたにも関わらず、キャンセル待ちとなった方向けに2月12日に膠原病系疾患、3月12日に神経系疾患の開催を予定しております。ご希望の方は日程を確認の上、お早めにお申し込みください。

こころの現場から

相手への思いやりの醸成

鎌田依里

臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)

 2019年11月から始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって大きく変化した日常と非常事態により影響を受けられた方々にこころよりお見舞い申し上げると共に、医療従事者の方々に深い敬意と感謝を申し上げます。
 COVID-19の影響もあり、例年とは大きく異なった新年になっています。
 大きく変化を遂げた生活の中で、改めて相手への思いやりの醸成の方法について考えてみたいと思います。私たちは普段何気なく生活をする中で、相手からの思いやりを受けることが当たり前のように感じてしまっていることを意識してみてください。自分が相手に問いかけた時に真摯に応じてくれること、一緒に何かをしたいと思って誘おうとした時に素直にその誘いを受け入れてくれること、自分が相談をした時に真剣に傾聴して意見を述べてくれること、衣食住の満足にとどまらず心理的に支えになってくれること、笑いかけると笑顔が返ってくること等、普段何気なく受けている温かい言動は、実はとても貴重なものです。そして、これらの思いやりの言動は、方法がわからない人が実施するには実はとても難しいようです。
 「どのような言葉がけをしてくれると嬉しい」「どのような対応をしてくれると、こころが温まる」等は、病いを抱えて生きる人が支援者への羨望を抜きにして教えたり、確かな経験の豊富な支援者が、具体的に教えたり伝えたりしていくことが必要になります。「どのようなタイミングで」「どのような口調で」「どのような表情で」「どのような力加減で」等を具体的に教えていくことが必要です。「思いやり」とは具体的にはどのような言動なのかをもう一度確認し、本年が思いやり溢れる年になりますよう祈念しております。

つぶやきチャンプルー

オオカミが来ると言い過ぎて信用されない

照喜名通

著:照喜名通

 生きていると色々な出来事がおきますし、それが生きている証でもあります。平穏無事に過ごせると良いのですが、それは叶わないし、あまりにも平穏すぎると想定外のことに対応出来なくなります。まもなく、東日本大震災から10年を迎えます。備えには物品の準備や家具の固定も必要ですが、知識や心理面でも知っておきたいことがあります。
 災害時に起きやすい心理として、いくつかの傾向があるようです。まず、正常性バイアスと呼ばれ、「きっと誤報だろう」となるべく悪い方向に考えたくない心理です。
 次に「自分は大丈夫」「ここまではこないだろう」と、なるべく軽い方向に考える心理を楽観性バイアスといいます。似ていますが若干違いますね。
 今度は「周りも逃げてないし」「皆も走るから自分も走ろう」と、周りに合わせる集団性バイアスまたは同調性バイアスといわれる心理です。
 最後にオオカミ少年効果とか体験の逆機能といって、「前回も大丈夫だった」と過去の体験をもとにおきる心理です。あまりにも過敏になりすぎると神経症になってしまいますが、いざといった時に自分の心の動きを冷静に客観的に観察できると生き延びられると思います。また、自動車の運転中でも同じようなことに注意すれば、事故にも遭いにくいと思います。

シリーズ 「患者学」第69回

患者中心の医療って何だろう?(第2話)

慶応義塾大学看護医療学部 教授 加藤 眞三著

 医療は患者を中心とする行為であるべきはずであるのに、その中心が科学であったり、病気であったり、医師であったり、病院の経営であったり、製薬会社であったり、保険制度であったりと治療の中心が本来のあるべきところからずれていたことを前回述べました。
 絶望的な気持ちになってしまったかも知れませんので、今回は医療の中心が患者へと戻る動きについて眺めてみたいと思います。第二次世界大戦後より、医療の中心を患者にもどそうとする運動は、徐々にではありますが、確実に成功をおさめてきているのです。
 一つは、インフォームド・コンセントという考え方の拡がりです。インフォームド・コンセントは、ドイツ軍によって行われた人体実験による医学研究が軍事裁判で裁かれ、ニュルンベルグ綱領において医学研究を進めるには、実験の対象となる人への充分な説明と自発的な合意を得ることが不可欠であるとされたことに始まります。日本では、説明と同意と訳されています。1964年には、世界医師会はこの綱領に応答する内容で、人を対象とする研究にたずさわる全ての医師への勧告としてヘルシンキ宣言を採用しました。1972年のアメリカ病院協会の「患者の権利章典」では、さらに日常の臨床上の診療行為において患者が必要な情報を医師から受け取る権利として表明されたのです。
 1981年には世界医師会より「患者の権利に関するリスボン宣言」が出されました。リスボン宣言では、弱者へ配慮するべきことが記され、医学研究や医学教育に参加することを拒絶する権利があることが明記されました。さらに、日常の医療の中における情報提供だけではなく、市民への健康情報の提供まで医師が責任を負うことまで範囲が拡げられました。
 インフォームド・コンセントの考え方は、医学研究の遂行にあたり、被験者が充分な情報を得た上での同意を必要とする、という人間の基本的な権利の問題として始まり、その後、臨床研究、日常の臨床医療行為へと範囲が拡がり、さらに、一般市民に対する健康情報の提供へと拡がりをみせることになってきたのです。
 ヘルシンキ宣言も、リスボン宣言も、世界医師会から医の倫理の原則としてだされたのですが、その背景には市民の側の基本的な人権を守るという市民運動の拡がりがありました。公害反対運動や消費者運動などの高まりとともに、市民や末端消費者(エンドユーザー)の権利を守るという意識が高まり、医療においてもその意識が高まり、それに呼応するように医療の分野で生まれたのがヘルシンキ宣言やリスボン宣言であるということができます。
 患者や市民の権利と専門家(医師)の裁量権という両者の権利の闘争であったとみることもできますが、わたしはむしろ患者や市民と医療者の協働作業として、本来医療の目指すものを模索してきた運動の結果であったのだろうと考えます。医師の側にも患者の権利を守りたいと考える人達がいたからこそ、世界医師会のなかでそのような宣言が採択されたわけです。逆の見方をすれば、市民運動の盛り上がりがなければ、良識のある医師の声は医師会の中で届かなかったのではないかと考えられるのです。
 医師は誰もがおかしい敵だとか、官僚は全員自分の保身や自分の部署の利益の拡大をはかっている、政治家は利権ばかりを追っている、製薬会社の人は全員が経済的利益だけで追究していると考えることは、不毛な争いを生みだします。共通の目標を持てる人をそれぞれの分野の中に見つけ出すことから、社会を変えることができるのです。

加藤先生の YouTube配信中です!
「Dr.シンゾウの市民のための患者学」

加藤先生の最新書籍がこの冬発売!(2019年12月4日発売予定)
肝臓専門医が教える病気になる飲み方、ならない飲み方
出版社: ビジネス社

慶応義塾大学看護医療学部
教授 加藤 眞三
1980年、慶應義塾大学医学部卒業。1985年、同大学大学院医学研究科修了、医学博士。
1985~88年、米国ニューヨーク市立大学マウントサイナイ医学部研究員。
その後、都立広尾病院内科医長、慶應義塾大学医学部内科専任講師(消化器内科)を経て、現在、慶應義塾大学看護医療学部教授(慢性病態学、終末期病態学担当)。

各患者団体からのおたより

【予告】アンビシャスからのおたより
RDD2021 in OKINAWAのご案内

 Rare Disease Day (世界希少・難治性疾患の日、以下RDD)はより良い診断や治療による希少・難治性疾患の患者さんの生活の質の向上を目指して、スウェーデンで2008年から始まった活動です。
 広く一般の方に難病について理解してもらう事と、難病患者同士の連帯を築く目的で世界同日に開催されるイベントで、日本でも2010年から毎年2月最終日にイベントを開催しており、沖縄でも毎年開催してきましたが、昨年は新型コロナの感染リスクを避けるため止む無く中止させていただきました。
 2021年におきましては、ZOOMとYouTubeを併用し、左記内容でオンライン開催します。

Zoom開催!

ご自宅に居ながら、気軽に参加できます。
Zoom操作に不安のある方もどうぞお気軽にご相談ください。(YouTube視聴も出来ます。)

【日時】2021年2月28日(日)13時~16時
【開催場所】アンビシャス事務局より配信
【定員】ZOOM参加者100名 (難病について広く関心のある方でZOOMが出来る方に限定)
【申込締切】2月19日(金)(先着※100名迄)
※参加無料 ※YouTube閲覧者は申込不要

内容
(1)加藤眞三先生による特別講演 「患者学」
(2)難病をお持ちの方の災害時対応策 「防災備人になろう」

お申込・お問合せはアンビシャス事務局まで
メール:info@ambitious.or.jp
TEL:098-951-0567
※内容が一部変更になる場合があります。詳しい内容は翌月会報誌225号にてお知らせいたします。

アンビシャス広場

今月のおくすり箱

お薬を飲み忘れた時はどうしていますか?

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 お薬の服用方法は「1日1回朝食後」「1日3回毎食直前」「週に1回起床時」「就寝前」など様です。飲み忘れに気付いた時には、「次いつ飲んだらいいのか?」といった疑問が出てきます。一般的に、飲み忘れた場合の対処法は1日の服用回数によって異なってきます。1日3回の場合、服用時間からそれほど時間が経っていない場合には、気付いた時に1回分を服用してください。次の服用は4時間程あけるといいでしょう。次の服用時間が近ければ飲み忘れた分の1回は抜いて、次の用法通りに服用してください。また、1日2回の場合には、次の服用まで5~6時間程度あけてください。1日1回(朝や昼)の場合は就寝前までの気付いた時に服用し、翌日からは通常通りの時間に服用してください。
 ただし、お薬によっては飲み忘れた場合の対処法が通常とは異なる場合があります。糖尿病治療薬などは飲むタイミングを間違えると、効果が現れず症状が悪化してしまう事もあります。ご自身のお薬については、薬剤師に飲み忘れた場合の対処法を確認しておくと安心です。

~エッセイ~ 「ママっていいなぁ…」 浦崎 綾乃さん(ALS)

 月曜日の朝、小学4年生の娘に言われたことです。
「ママはいつでも眠いときに、寝られるからいいなぁ」んんん? お嬢さん。何か勘違いしていませんか。確かにママは自分では身体を動かす事も、呼吸器がないと呼吸も出来ない重度身体障害者だけど、病人だと思ったことはないよ。
 確かに、ベッドの上に一日中ずっといたら、いつでも寝られると勘違いもされるかもね。
 でもね、ママはね意外と忙しいのよ、平日の午前中に一時間のリハビリを受け、家族の体の事を考えた食事メニューを作り、趣味の焼き菓子のレシピ作り、家の片づけなどをヘルパーと確認しながら、細かい指示をLINEして考えているイメージを伝えて、ヘルパーとの意識をすり合わせがなかなか大変な作業なの。と、娘に意思伝達装置を使い伝えると、「ふぅーん、じゃあ行ってくるね、行ってきます」…何とも言えない気持ちですが、すかさず夫のフォローが、「ママの考えてくれるレシピのおかげで、風邪もひかないし学校も休んだこともないね」娘「うん、そうだよね」
 何だか軽く流されましたが、夫が分かってくれてれば、まあいいっか。

お勧め映画情報

1)きっと、星のせいじゃない。
 様々な病気のある患者が集う「会」で、3人は出会う。友情、恋、そして家族。みんなの思いがそれぞれに良く出来ている。批評家から高く評価されている作品。
 主演のシャイリーン・ウッドリーとアンセル・エルゴートは「ダイバージェント」三部作で、兄妹を演じている。

2)僕のいた時間 フジテレビ系ドラマ、2014年 全11話
 三浦春馬が自ら「命に関わるドラマをやりたい」と提言したドラマでもある作品。ALSをテーマに作られていて、演技力は流石で、重い内容だけにはならず、良い出来でした。兄弟役の野村周平が良かったです。(今回見て、イメージが変わりました)
 同作で共演した三浦春馬と多部未華子が映画「アイネクライネナハトムジーク」でも共演。

★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。

今月の占い

  • 牡羊座 3/21-4/19
    助言には耳を傾けて
    ☆リフレッシュ法:読書
  • 牡牛座 4/20-5/20
    早寝早起きを心掛け
    ☆リフレッシュ法:食事
  • 双子座 5/21-6/21
    いい人にならず心根を
    ☆リフレッシュ法:断捨離
  • 蟹座 6/22-7/22
    身近な人に心遣いを
    ☆リフレッシュ法:散歩
  • 獅子座 7/23-8/22
    身も心も整理整頓
    ☆リフレッシュ法:掃除
  • 乙女座 8/23-9/22
    良い習慣を真似して
    ☆リフレッシュ法:ストレッチ
  • 天秤座 9/23-10/23
    笑顔を作って元気に
    ☆リフレッシュ法:仮眠
  • 蠍座 10/24-11/21
    休む事も大事な時
    ☆リフレッシュ法:音楽鑑賞
  • 射手座 11/22-12/21
    自信を持って前向きに
    ☆リフレッシュ法:深呼吸
  • 山羊座 12/22-1/19
    他人は自分を写す鏡
    ☆リフレッシュ法:ネット観覧
  • 水瓶座 1/20-2/18
    相手の立場になって
    ☆リフレッシュ法:日光浴
  • 魚座 2/19-3/20
    思い込みは悪い癖
    ☆リフレッシュ法:映画鑑賞

編集後記

 明けましておめでとうございます。昨年は新型コロナに振り回された一年間でしたが、今年こそコロナを克服し通常の生活に戻る年になるといいですね。
 コロナ禍で生活様式も大きく変わり、学校や仕事でオンライン授業、テレワークが普及し、必ずしも学校や会社に出ることなく、自宅で学習・仕事が出来る環境が整いつつあります。「禍を転じて福となす」ということわざもありますが、このことが難病を持つ方々の学習やお仕事をするうえで大きなプラスになる事に期待します。
 さて今年最初の表紙はギランバレー症候群の佐藤さんに発症から現在の様子までのご体験をお寄せいただきました。ご体験を淡々と記載していますが、かなり辛い入院生活だったようです。それでも可愛いお子様やご主人との日常生活に早く戻りたい一心でリハビリに取り組み、現在は復職を果たして楽しく生活を送られている様子が伝わりました。ギランバレー症候群の方だけでなく、他の疾患を抱えてご闘病の皆様に、多少なりとも参考になれば幸いです。

文 仲村明