1. 難病情報誌 アンビシャス 238号

難病情報誌 アンビシャス 238号

最終更新日:2022年03月01日

表紙は語る

この無限の 宇宙の中で あなたに会えてよかった

松井 玉恵(まつい たまえ)さん
混合性結合組織病/全身性エリテマトーデス

 遠い記憶の中で、そこはクレゾールの匂いのする、朝日が差し込む明るい部屋だ。目の前に白衣のお医者様がいる。処置台の上には、ガラスの注射器が置いてある。
「お母さん、この子は強いですね。大人でも顔を背けるのに、注射を恐れずに見ている」お医者様に注射をされているのは、幼い頃の私の姿だ。小学校の低学年の頃だと思う。
「どうしてこの子だけが、何度も肺炎になったり、じんましんが出たりするのじゃろう」と、母は訴える様な目を看護婦さんに向ける。
 私は、学校近くの医院で、度々注射をしてもらってから登校していた。これも後に複数の膠原病を発症する、前兆だったのだろうか。
 病弱だったのに、なぜか幼い頃から将来の夢は「看護婦さん」だった。保育園の砂場の淵に腰かけて、保母さんに看護婦になる夢を、熱心に語っている、自分の姿を覚えている。
 岡山県立短大看護科を卒業後、3年余りを大阪市内の総合病院に勤務し、厚遇を得た。家庭の事情で故郷に戻ってからは、自宅近くの市民病院に就職。ローカル色豊で大勢の患者さんは、みんな家族のようだった。
 翌年の夏のこと、小学2年生の女の子が入院して来た。母親のいない彼女に懐かれてしまった。父親が仕事を終え、6歳の弟を連れて面会に来るまで私の周囲を離れない。それが縁で、その年の12月、私の26歳の誕生日に彼女の父親(30歳)と結婚した。
 私の発病は、1984年3月に第2子出産、3ヶ月後のことだ。子供たちを保育園に預け、職場復帰した直後に、全身の怠さと、手のこわばりや手足の激しい痛みに襲われた。
 整形外科医の勧めでリウマチ検査を受けると、データと症状から関節リウマチと診断。その3ヶ月後、深夜の勤務中に、高熱と全身痛に襲われ、緊急入院となった。MCTD(混合性結合組織病)を疑われ、翌年の春には確定診断された。
 当時はさして悲壮感はなかった。職場では明日の命さえ不明な人が大勢いた。「死」と結びつく病名ではなかったので、案外に呑気だったと思う。ただ、主治医が夫に「この薬が効かなければ、他に治療法は無い」と、説明するのを聞いた時には、さすがに不安を覚えた。それがいわゆるパルス療法だった。当時は「膠原病」に関する文献も少なく、専門医も多くはなかった。主治医が岡山大学病院に繋いでくれたのは、幸運なことだった。
 入退院を繰り返す中で、義理の子供たちは、幼い妹や弟の面倒をよく見てくれた。反抗期になり、私の言う事は聞かなくても、兄弟姉妹はとても仲が良かった。
 上の子供達は、20歳を過ぎるとそれぞれに家庭を持った。下の子ども達は進学・就職と青春を謳歌していた。その間も症状が酷くなる度に入院した。公立病院なので療養休暇制度が充実していたこと、今でも感謝している。
 50歳になった春の事だ。発病した年に生まれた息子が、大学に進学した。その準備で疲れたのか、夜勤明けの日はグッタリしていた。
 2002年5月15日、岡山大学病院受診の朝、突然に血痰が出た。主治医はレントゲン写真を見ると、即入院を指示され、その夜には、点滴に繋がれ、たくさんの検査を受けた。翌日の腎生検の後に「肺炎は治りますが、腎臓が酷いダメージを受けています。様子によっては透析治療を必要とするかもしれません」
 その時SLE(全身性エリテマトーデス)と言う、3番目の膠原病を宣告された。
 7月には、再度肺炎が重症化、人工呼吸器を装着され、血液透析が始まった。その後8ヶ月もの入院生活の中で出会った、医師・看護師・他の医療従事者の方々、大勢の患者友達には、言葉に尽くせない程お世話になった。今もご縁が続いている方もいる。
 退院後も恵まれていた。透析病院が近くにあった。しばらく後には以前お世話になった岡山大学病院のN先生が、自宅から車で10分くらいの場所に、透析クリニックを開院された。透析治療はもちろんのこと、空き時間には、外来看護師として働く場まで与えてくださった。
 そのお給料で、旅行好きの私は、透析旅行に出掛けた。沖縄・軽井沢・ハワイと、最初の海外透析はニューカレドニア、娘と息子が付き添ってくれた。
 5年位過ぎたある日、同年齢の知人が、ご主人の腎臓を移植した話を聞いた。夫に話すとドナー適合検査を受けてくれたが、不適合との診断が出た。「頑張って透析を続けよう」と、覚悟した。ところが、子ども達二人がドナーを申し出て来た。嬉しいがさすがに子供からは貰えない。
「母さん、僕があげるよ。親不孝して、したいことをした。僕の腎臓で、病気の会や、他のボランティア活動を、自由にしたらいいよ」
 家族や医師と何度も何度も話し合い、2008年5月13日、県内で最も腎移植の症例が多い、国立医療センターで手術を受けた。
 大切な腎臓を守るために、極力食事療法に気をつけて、免疫抑制剤を忘れず、旅行に行く時には、友人が驚くほどの薬を持参する。
 発病から38年、この間に「倉敷市難病連絡会」や「全国膠原病友の会」を知ることができた。最初の内は何も知らず、会長と共に講演を聞きに行き、勉強会やレクリエーションに参加していたが、いつの間にか私自身が会長の役を引き継いでいた。
 2019年4月の広島大会を最後に、コロナ禍にあって、膠原病友の会の全国フォーラムは中止となっている。しかし、そこで出会った人々からは、生きる勇気や病に負けない大きな力を頂いた。
 もし、私が病を背負うことがなかったら、膠原病友の会・沖縄県支部の阿波連のり子さんに出会うこともなく、難病情報誌「アンビシャス」に掲載された、彼女の手記を読む機会もなかった。まして同事務局長の仲村明様と繋がるはずもない。人と人、心と心が出会い、響き合うことは、奇跡なのだと思う。
 病やコロナになんて負けないで、出会えた全ての人に、全ての事柄に感謝したい。

語者プロフィール

松井 玉恵(まつい たまえ)さん
1951年 岡山県出身
【趣味】旅行・読書・文章を書くこと
【最近の楽しみ】小学2年生の孫娘の成長
全国膠原病友の会岡山県支部「ふれ愛の会」会長
※表紙写真は腎臓移植のドナーになってくれた息子とのツーショット

  • バックのアクリル画は障害のある方の展示会で感動し即注文したたものです。

  • 初めてのニューカレドニアでの海外透析。

2022年1月の報告あれこれ

ピア・サポーター養成講座

 今年度1月より全5回の課程で始まりました、難病ピア・サポーター養成講座(オンライン開催)も3回を終え、2月12日、19日の講座をもって9名の方が無事終了の予定です。
 1回目では「ピア・サポーターの役割」について学び、時間制限のある中で相手に伝わるように話をすることの難しさを実感しました。
 2回目は「ピアならではの支援」との内容で、グループワークや事例検討を通して苦しみに寄り添うことについて、それぞれご自身の事を振り返りながら心に寄り添う支援について学びました。
 3回目はグループワークの中でも、相談者と相談を受ける人、観察者に分かれてロールプレイを行い、「難病の相談支援」について体験しました。
 Zoomでの開催に、初めは不慣れな操作で苦戦したメンバーも今では落ち着いて参加される姿が見られています。また、数人のグループに分かれたセッション(ブレイクアウトルーム活用)も回を重ねるごとに慣れ、10課題において少人数で議論したり、2グループに分かれて自分の意見を述べ合った後、全体で発表する等の経験ができました。ポジティブな個々の学びの声も多く聞かれ、これからのピアサポさんの活躍が期待されます!!

難病医療相談会(下垂体系)

 今年度の下垂体系の医療相談会は、浦添総合病院 糖尿病内分泌科主任部長の池間朋己先生にお願いして令和4年1月22日の土曜日10時~12時で予定しておりましたが、ご相談者の体調不良等もあり、令和4年3月5日(土)10時~12時に日程に変更しました。(詳細は会報誌5頁の案内にて)
 ご相談枠にまだ空きがありますので、ご参加を検討されている方はお早めにアンビシャスまでお問い合わせください。

難病との付き合い方研修が始まりました。

 沖縄国際大学総合文化学部人間福祉学科の上田幸彦教授(公認心理士・臨床心理士)のご協力で2016年から「難病との付き合い方・こころとからだのセルフコントロール」として開催してきました。
 これまで合計46名の難病を持つ当事者が参加されました。ストレスの仕組みと対処方法などを学び、参加者の意見や悩みを聴くことで、悩んでいるのは自分だけではないことを知り、いろいろな解決方法があることに気付くことが出来るようになる様子を見ていると、この研修をやっている意義を感じることができます。
 今年度はコロナのオミクロン株もあり、初のオンライン開催ではありますが1月~3月まで全3回のコースでスタートしました。ストレスへの対処方法を受講された方とともに学べることを楽しみにしています。

こころの現場から

広い視野を意識しよう

鎌田依里

臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)

 新型コロナウイルス感染症が流行している中で、在宅療養や入院加療となり、限られた空間で長期間過ごす機会が誰にでも生じうる状況となっています。狭い空間に居続けることになり、その狭い空間には三度の食事も運ばれてきて、衛生環境は整っているという状況におかれると、とりあえず生命は維持されるので、その狭い空間が自分という人間の生きる場となります。しばらく経つと、その狭い空間の中でいかに快適に生きることができるかを考え始め、不思議なことに、外の世界にはあまり目がいかない状況になります。
 人間という存在は不思議なもので、目の前に見えないもの、自分の目で見る頻度が少ないものに対しては、自分に都合のよい想像をする場合が多いです。人間はそもそも、イメージしたり空想をしたりして楽しむ存在ですが、空想を広げて楽しむことこの事とは少し違います。
 例えば、新型コロナウイルス感染症の患者として隔離された場合に、外の世界も見えないし、ケアをしてくれる医療従事者が防護服に身を包んでいることに対して、大変な苦労と覚悟をしてケアをしてくれているという感謝の気持ちだけではなく、自分があたかも汚いものであるかのように、拒絶されているかのような気持ちも抱くことがあります。それは人間が身体的なつながりを大事にする存在だからという理由もありますが、人間の気持ちは180度正反対の気持ちも同時に存在するからという理由もあります。
 直接に会う機会が激減し、防護服やオンラインといった壁を隔てて会うことになっている現在において、自分以外の相手や実際には触れることのできない外の世界に意識を向けることで、思いやりのある生活ができるのかもしれません。

つぶやきチャンプルー

難病相談をする仲間が増えます

照喜名通

著:照喜名通

 本来はこの世から難病の患者が居なくなることが理想であり難病患者が増えることは好ましくないことです。今回のお話で増えるのは難病を抱える本人または、家族の相談にのる人のことです。
 アンビシャスでは今年の1月から2月まで5回に渡るピア・サポーター養成講座を実施しました。ピア・サポーターの「ピア」とは英語で「Peer」で「仲間」という意味です。ピア・カウンセリングを活用し、障がい者同士、癌などの疾患同士の相談を受ける人をピア・カウンセラーやピア・サポーターといいます。
 自分も障がいや病を抱えながら、他人の悩みなどの相談を受けることは利他の精神がある方々です。私もまだ修行中ではありますが、人のためにしていているつもりです。しかし学ぶことは多く、のちに巡り巡って自分が救われるようになります。とはいっても、相手は弱っていたり、悩んでいる人間です。こうすればこうなるという、誰がやっても同じ結果になる自然科学的な方法はありません。相手の話をよくお聴きし、鏡に映すように共感することで相手は自分の考えや悩みを整理していくのをお手伝いしていきます。
 今年度は初級コースですが次年度からは応用コースも計画しています。

シリーズ 「患者学」第83回

声を出すことの大切さ
その1 ありがとう寺での体験

慶應義塾大学 名誉教授 加藤 眞三著

コロナ禍の影響

 この2年間余り、新型コロナ感染症のパンデミックのために、集会の制限や行動制限を余儀なくされて、人と会ったり、食事をしながら話をしたり、あるいはカラオケを楽しんだりとする機会が減り、声をだす機会が少なくなったと感じている人は多いのではないでしょうか?
 リモートワークで家庭にいる時間が長くなり、家族と話をする機会や時間が増えたという方もいるのかも知れませんが、それでも意識的に話をする時間をとろうとしていないと、発声する機会が減っている人が多いことと思います。

ありがとう断食への参加

 わたしが、声を出すことの大切さを意識し始めたのは、2015年2月に静岡県御殿場市で行われている町田宗鳳氏の「ありがとう断食道場」に参加したときからでした。ここでの断食は2泊3日間と期間の短いプチ断食ですが、それにしても、わたしが得たものは大きかったのです。
 1つは、空腹を恐れなくなりました。空腹にしていると、夜眠れないのではないか、お腹が痛くなるのではないか、イライラして怒りっぽくなるのではないかなどと考えていたので、空腹になる前に、なにかを胃に入れるということが習慣となっていました。ところが、空腹が、睡眠をよくしたり、頭をさえさせたり、身体のだるさをとってくれるということを体験し、空腹になることをむしろ楽しむこともできるようになったのです。
 当時、BMIが26の肥満と降圧薬を2種類飲むという高血圧で、メタボ気味になっていたのですが、その断食以来、降圧薬は飲まなくてすむようになり、苦痛なくBMIが25を切るまでになりました。
 この断食道場での、もう一つの特徴はありがとう禅やありがとう念仏を指導してもらえることでした。40~50人程集まった会場で、各自が「あ~、り~、が~、と~、う~」や「ありがとう、ありがとう、ありがとう…」と何十回も大きな声をだして30分間ほど瞑想するのです。このときに、沢山の人の声が重なると、和楽器の笙(しょう)やパイプ・オルガンのような音が聞こえてくるのです。町田氏は倍音効果によるものと解説していましたが、それは天上から降ってくるような音色で不思議な体験でした。
 この道場への参加から、「ありがとう」という言葉を自然に出せるようになったのも、わたしにとっての大きな収穫でした。それまでは、「どうも」とか「すみません」とか言ったり、会釈するだけで済ませていたのに、「ありがとう」といえるようになったことは、自分自身の気持ちを良くさせる効果をもっていました。
 もう一つの収穫は、大きな声を出すことの心地よさを知ったことです。大きな声を出しているだけで、気持ちが晴れてくる感じがし、声を出すっていうことは大切だなと帰り道で考えていたのです。

ボイストレーニングを受けてみる

 断食から自宅に帰った翌日、ヨガを教えている知人が、ブログの中で「今日はボイス・トレーニングにいってきた」と書かれているのが目に留まりました。以前から、その人の声は女性としては低めで落ち着いており、温かみのある素敵な声だなと感じていたので、すぐにボイス・トレーニングってどんなことをするのかとの問い合わせのメールを送りました。
 わたしは、普段大学で講義をしているので、聞き取りやすくわかりやすい声を出すことは職業的にも大切だし、今後は色んなところで講演をしたいと考えていたので、将来のためにもちゃんと発声の基本を習っておこうと考えたのです。

 次号へと続く

参考図書
山口周 『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」』、 光文社新書
『名門大学の医学部が「絵画鑑賞」や「ダンス」を必修科目にする理由』 Courrier Japon

慶応義塾大学看護医療学部
教授 加藤 眞三
慶應義塾大学名誉教授。上智大学グリーフケア研究所研究員。
患者と医療者の協働関係を作り上げることをテーマに公開講座「患者学」や著作 等を通じ、患者も自ら積極的に医療に参加する啓発活動に取り組む。

東洋経済オンラインに加藤先生による「市民のための患者学」連載配信中!
http://toyokeizai.net/articles/-/143366
加藤先生の最新書籍:肝臓専門医が教える病気になる飲み方、ならない飲み方
出版社:ビジネス社

患者団体からのおたより

全国膠原病友の会沖縄県支部からのお便り
「オンライン(Zoom)交流会」を始めました!


クリスマス&忘年会の様子
ゲーム風自己紹介、ビンゴゲームで盛り上がりました!!

 全国膠原病友の会沖縄県支部では、オンライン(Zoom)交流会を定例化することになりました。コロナ禍にて2年も対面での交流会が行えない中、新型コロナウイルス感染拡大に、不安は増幅するばかりです。
 そんな時だからこそ、繋がり、安心を得る事がとても大切であると、改めてオンライン交流会を開催し感じております。オンライン交流会にはメリットもデメリットもあります。まず、メリットはこれまで会場へ出向くことができなかった方が、参加できるようになりました。また、小さな規模での交流会が開催しやすくなりました。例えば「男子会」「子育てママの会」などです。これからは疾患別や年代別の企画も考えております。
 デメリットはインターネットの環境がなければ、参加ができないという事です。「誰一人取り残さない!」をモットーにコロナ禍での活動を行っています。ネット環境が整わない方に関してはこれまで通りお電話・お手紙など、いずれかの方法で繋がっていてもらいたいと思っております。どうぞお気軽にお問合せください。

全国膠原病友の会沖縄県支部 オンライン交流会
定例日:毎月第3金曜日
時間:19時~20時

アンビシャス広場

今月のおくすり箱

帯状疱疹について

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 帯状疱疹は幼少期に水ぼうそうにかかったことのある人に発症します。神経節内に潜伏していたウイルスが何らかの原因で再活性化し、水泡を伴う赤い発疹が帯状に現れます。ピリピリ、チクチクした強い痛みを伴う事もあり、発疹が治っても痛みが続いたり麻痺が残る場合もあります。ウイルスが再活性化する要因として過労や免疫機能の低下、ストレスなどがあげられます。
 現在、3回目の新型コロナワクチン接種が行われていますが、接種後の帯状疱疹も国内外で報告されています。これは、一時的なリンパ球減少やコロナ禍でのストレスによる免疫低下も原因と考えられています。湿疹や水疱に気付いたらすぐに皮膚科を受診してください。蕁麻疹や虫刺されと自己判断し治療が遅れると重症化することがあります。できるだけ早い時期にアシクロビルやバラシクロビルなどの抗ウイルス薬で治療を行う事が重要です。
 また、免疫抑制剤や抗がん剤で治療を行っている方は帯状疱疹を発症しやすいため、注意が必要です。50歳以上の方は、帯状疱疹を予防するワクチンも接種可能ですので詳しいことについては医療機関へご相談ください。

~エッセイ~ 「ALSの不動な身体 ~四肢編~」 浦崎 綾乃さん(ALS)

私の場合は、左腕から力が入りづらくなり、それから右腕に、そして1年経たない内に自力で歩くことも出来なくなりました。
その時々で感じた事を書きたいと思います。

左腕が完全に挙上できなくなり、
右腕にも力が入りづらくなった頃
はたから見た私は、健康体に見えるので周囲からの理解が得られにくく、自分でも努力が足りないのかもしれないと毎日動悸を感じ冷汗かきながら必死に仕事をしていました。毎日少しずつ確実に動かなくなっていく体の異変を感じながらも頑張るしかありませんでした。

自力で立ち上がることが出来なくなった頃
この時に看護師からトイレでの排泄は諦めて、床上排泄にしたら?
と言われたときはショックをうけ、私は泣きながら『私から出来ている事を奪わないで』と訴えました。

その時々で、自分の機能とさようならを告げながら今日までやって来ました。

お勧め映画情報

1)フリーター、家を買う 10話/2010年
2)フリーター、家を買うスペシャル/2011年
出演は、二宮和也、竹中直人、浅野温子、大友康平、香里奈、丸山隆平、坂口良子などタイトル通り、フリーターが家を買う話。
だが、意外に良作で驚いた。甲斐性なしのフリーターが家を購入に至るまでを描いた、ホームドラマ&サクセスストーリー。

3)るろうに剣心 5作シリーズ
佐藤健、武井咲、蒼井優、江口洋介など
・るろうに剣心・るろうに剣心京都大火編・るろうに剣心伝説の最期編・るろうに剣心最終章The Final
・るろうに剣心The Beginning「人斬り抜刀斎」の剣心が、なぜ、人の命を奪う事をやめたのか。
各作に対立ゲスト(?)が出演しているが彼等の役もすばらしい。

★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。

今月の占い

  • 牡羊座 3/21-4/19
    楽しい事を見つけて
    ☆リフレッシュ法:ドライブ
  • 牡牛座 4/20-5/20
    小さな幸せを探して
    ☆リフレッシュ法:散歩
  • 双子座 5/21-6/21
    整理整頓で心身綺麗に
    ☆リフレッシュ法:断捨離
  • 蟹座 6/22-7/22
    人の良い所を見て
    ☆リフレッシュ法:読書
  • 獅子座 7/23-8/22
    体調管理に気をつけて
    ☆リフレッシュ法:飲食
  • 乙女座 8/23-9/22
    夜ふかしに気をつけて
    ☆リフレッシュ法:睡眠
  • 天秤座 9/23-10/23
    助言を聞いてみて
    ☆リフレッシュ法:電話
  • 蠍座 10/24-11/21
    プラス思考で前向きに
    ☆リフレッシュ法:仮眠
  • 射手座 11/22-12/21
    自然と触れ合って
    ☆リフレッシュ法:音楽鑑賞
  • 山羊座 12/22-1/19
    礼に始まり礼に終わる
    ☆リフレッシュ法:お風呂
  • 水瓶座 1/20-2/18
    散らかりは心の乱れ
    ☆リフレッシュ法:ネット観覧
  • 魚座 2/19-3/20
    有難うの気持ちを大事に
    ☆リフレッシュ法:映画鑑賞

編集後記

 オミクロン株の感染拡大で更に混迷を深めるコロナ禍の中、社会全体も停滞感が漂い、個人的にも気が滅入りがちですが、こんな時だからこそ気持ちを明るく保ち、趣味や自分だけの楽しみを見つけ、心穏やかに過ごしたいものですね。
 さて今月の「表紙は語る」は複数の膠原病系疾患を患いながらも、看護師として働きながら4人のお子様を育て上げ、患者会活動にも積極的に関わってこられた松井さんに、発症から今に至る長い闘病の様子を綴って頂きました。お話の端々から、これまで出逢った方々との絆、何よりも心と心の響き合いを大切にされている様子が強く伝わってきました。私達もそうありたいですね。
 話は変わりますが、ある読者の方から「自分の疾患名は読めるけど他はどう読んでいいか分からない、フリガナがあると助かります」というご意見を頂戴しました。
 自分が読めると、つい他のひとも読めていると勘違いする、独りよがりな考え方の一例だと改めて気づかされました。他にもお気づきの点があれば遠慮なくご指摘ください。今後難しいと思える疾患名にはフリガナを振ろうと思います。

文 仲村明