1. 難病情報誌 アンビシャス 240号

難病情報誌 アンビシャス 240号

最終更新日:2022年05月01日

表紙は語る

辛い経験は己を強くする

安部 弘祐(あべ こうすけ)さん
微小変化型ネフローゼ症候群

 僕には、お守りがある。それは、『辛い経験は己を強くする』という言葉だ。
 初めまして、安部弘祐こと「あべこう」と申します。今は大学4年生22歳です。
 高校を卒業し琉球大学に合格した後の3月23日、腎臓の難病であるネフローゼ症候群と診断を受け、宮崎の地元の病院に入院した。初発の状況としては、浮腫みにより右肺が3分の2程潰れ左肺も3分の1潰れての呼吸困難、異様な倦怠感などがあった。
 幸いにも初発からの治療は良い方向に進み、少し遅れてではあったけど、4月13日に琉球大学に通うために宮崎から沖縄に転院した。当時、沖縄には友達も親戚も家族もいない状況だった。でも、ただただ大学に行きたい、その思いで沖縄の病院に転院したことを覚えている。
 そこからはとても辛かった。5月2日に退院したものの、すぐ再発をしてしまい1ヶ月後の6月中旬には再入院。病院が我が家のようになり、朝バイタル測定をして外出許可書を貰い、大学の講義に向かう。プレドニンや免疫抑制剤などの副作用で、頭もフラフラ。身体もだるい中、講義を受講。講義が終わったらすぐ病院に戻り、検査や治療の説明。夜は机を廊下に出して、欠席した分や気分が悪くて聞けなかったところを、教科書を見て勉強していた。
 しかし、7月中頃に入院中に再発してしまった。
「この身体で生きていけるのか」「何度も入院して再発を繰り返し。医療費どうしよう」「仕事につけたとしても、再発したら無理じゃん。生きていけない。」
 深夜の病室で、これからどう生きていくか将来が不安になり、1人泣いていた。泣いていたというより“絶望していた”のほうが正解だろう。自殺も考えた。今自殺したら、どれだけの保険金が下りて、今までかかった医療費をどれだけ返せるか、本気で考えた。その時は、高校で仲が良かった友達に救われ、自殺することはなかった。
 それから、今までの記録を残そうと思い、1年生の8月に日記のようなブログを開設し、今までのことや今のことを書いていくようになった。(※ブログ名:あべこう@ネフローゼ症候群 1人難病と闘う大学生)
 ブログを書いていくにつれて、ネフローゼ症候群を患いながら看護師を目指している同い年の方や、別の難病だけど同じ世代の人。数年前に、僕が入院していた病院で同じ治療をしていた同じ難病の人など、沢山の人たちからコメントやメッセージを貰うようになった。
 この繋がりが、それ以降の僕を救ってくれた。8・9月の夏休みが終わり10月からの大学生活の中でも、何度も何度も再発し入院をした。そのたびにブログに心境や状況を書き残していた。そしたら「今は休む時期だからね!」などの励ましの言葉を貰い、どんなに辛くても、なんとか前を向いて闘病生活を送ることができた。
 そして去年(2021年)の1月。難病と診断された直後の、不安や孤独を解決するために「どん底1日目~難病当事者が綴る37通の手紙~」という本を企画し、3月にはクラウドファンディングを実施し120万円を集め、同年11月に出版を果たした。大学に入学する前に発症した自分に届けるつもりで駆け抜けた。本当に沢山の難病当事者の方々にご協力頂いて、何とか作り上げることができた。
 しかし、出版を果たす少し前から気分の浮き沈みが激しくなり、大学の講義も受けることが厳しく、家から一歩も出ることができなくなった。東京に行ってみたり、京都に行ったりして気分転換を試みたものの結果は変わらず、今年(2022年)の1月にうつ病の診断をうけた。不眠と抑うつ状態が主な症状だった。
 診断を受けてからは、なるべくやることを減らし、ストレスなく生きることを心掛け、自分と対話する日々を続けている。2月には、過去一番の落ち込みを経験し、本当に自死を選ぶ寸前までいった。「もう生きたくない」「早く楽になりたい」「生きてても楽しくない」こみあげてくる想いがあふれ出していた。これまでで一番泣き、一番落ち込み、一番死にたかった。
 そして今、3月にこの記事を書いている。今はもう精神的にも楽になり、少しずつではあるが忙しい日々を送ることができている。もちろん、自分一人の力でここまで回復したのではない。周りの人たち。特に手を差し伸べてくれる社会人の方や友達がいたから、ここまで復活している。
 これまでの私の経験を踏まえて、何か言えることがあるとするならば、『辛い経験は己を強くする』ということ。僕は、何度も何度も死にたいと考えた。辛すぎて泣きながら無意識に笑ったこともある。それでも、僕の心の中の片隅には、「この辛さは、いつか自分の糧になる。だから、今辛い時は色んな人に頼ってもいいし、甘えてもいい。いつか必ず強くなった自分が、誰かに恩を回すことができるのだから」と、信じている自分がいる。いや、信じていたからこそ、「今は頼る時」と割り切り、「いつか成長して恩返しする」と心のどこかで考えていたのだろう。
 だから僕は伝えたい。
 苦しい時、辛い時、逃げたいとき。そういう時は逃げてもいい。色んな人に頼ってもいい。その苦しさは。その辛さは。絶対に誰かのためになる。なにより自分を強くしてくれるのだから。

どん底1日目~難病当事者が綴る37通の手紙~紹介コメント

 この本は、難病と診断された直後の方の、将来に対する不安や孤独感を和らげるために作った本です。
 内容は、難病当事者の方々37名にご協力頂き、難病と診断された直後の自分に届けたいメッセージが37通綴られています。企画のゴールは、このどん底1日目シリーズを、全国の指定医療機関に寄贈することで、難病と診断された直後の方々に本を届けることです。amazonで販売しているので、良かったら手に取ってみてください。

語者プロフィール

安部 弘祐(あべ こうすけ)さん
1999年宮崎県延岡市生まれ。県立延岡星雲高校卒。琉球大学工学部。どん底1日目~難病当事者が綴る手紙~出版委員会代表。
大学合格と同時に発症。家族も知人もいない沖縄での入院中、孤独感や誰にも相談できず自殺まで考えた経験から、どん底1日目ー難病当事者が綴る手紙ーシリーズを企画し、出版活動を行っている。

  • 学外でのイベント運営時

  • 完成した本の発送準備

2022年3月の報告あれこれ

今年度最後の難病医療相談会(下垂体系/神経系医療相談会)

 3月5日、池間 朋巳 先生(浦添総合病院)による下垂体の病気に関する医療相談会を、同月11日には渡嘉敷 崇 先生(沖縄病院)による神経難病関連疾患の医療相談会を実施しました。
 2021年度は6疾患系の医療相談会を計画実施しましたが、新型コロナ蔓延等の影響もあり相談者がなく中止となった相談会もありました。
 その中で神経系は相談希望者が多く渡嘉敷先生のご厚意により追加で合計3回行いました。渡嘉敷先生のご協力に頭が下がるばかりです。ありがとうございました。
 通常の診療時には自身の疾患について、悩みや質問があってもなかなか時間が取れず、充分な説明が受けられないケースが多くあります。アンビシャスでの医療相談会ではその様な悩みや質問に応えられる様に1組30分の時間を設けています。2022年度も実施を計画していますので、ご希望の方は当誌かアンビシャスのホームページまたは公式LINE等の案内をお見逃しの無いようお願いします。

2021年度のセルフコントロール研修会

 沖縄国際大学の上田幸彦教授のご協力を頂き、今回で6回目となる「こころとからだのセルフコントロール」セミナーを実施、3ヵ月に渡るセミナーも3月19日(土)を持って終了しました。
 今年度は新型コロナ感染拡大を受け初のオンライン開催となました。初めてのZoom使用に戸惑う方もいましたが、感染が不安で外出できずにいた参加者からは、オンラインセミナーだったから参加が出来たとの声も聴かれました。
 本セミナーは定員を4名に絞っているため、気になることや分からない事があった場合などは、先生に気軽に質問できる雰囲気となっております。また、先生の講義やディスカッションを通して「ストレスによる心と身体の影響」や「マインドフルネス瞑想を用いたストレス対処法の実践」などを学んでいきます。
 参加者からは「まだマインドフルネス瞑想をうまく出来ないが続けていきたい」「他の参加者の意見が聞けて良かった」といった感想が聞かれ、例年と同様とても満足度の高いセミナーとなりました。上田先生、ありがとうございました。

3月のご寄付

 3月は下記2つの法人様を含め12件の個人や法人様より24万円近くのご寄付を頂戴しました。
益社団法人 全日本不動産協会沖縄県本部 様からは、10万円のご寄付。沖縄県本部長の土田 英明 様によると、コロナ禍の中病気等で苦しんでいる方々へ支援をしたいとお気持ちから、理事会で寄付先を検討。協会員の会費より充てたとの事です。また鹿児島銀行様より有限会社 麦飯石の水 様が発行する「かぎんSDGs推進私募債(愛称:しぼどん)」からも10万円のご寄付を頂戴しました。「しぼどん」とはお客様が発行する私募債を通してお客さまとともに地域課題の解決を図り、地域発展および持続可能な地域の社会づくりに貢献する仕組みだそうです。
 長引くコロナ禍の中の厳しい経済状況の中、アンビシャスではこのように多くの皆様に支えられ2021年度も無事活動を維持することができました。この誌面を借り改めて深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

こころの現場から

コロナ禍のせい?

鎌田依里

臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)

 「コロナ禍になって、直接会う機会が急速に減少した」と言われることが多くなりました。しかし実は、コロナ禍で対人関係の希薄さが取り沙汰されているだけで、この20年程の間に、人は直接対面でのかかわりは確実に減少にしてきていたのです。例えば、地元の商店街で店主と様々な話をしながらの買い物よりも、大型スーパーでの買い物の方が、人同士の直接的なかかわりが少ないので、深いかかわりを望まない人たちは大型スーパーに行くようになりました。そしてそれ以上に人同士の直接的なかかわりを望まない人たちは、パソコンや携帯電話の画面のクリック一つで買い物ができるネットスーパーを利用するようになりました。そして、新型コロナウイルス感染症の流行により、三密を避ける必要が生じ、このように元々あった「直接的な対人関係を回避する傾向」に拍車がかかったと心理臨床家は考えています。
 実際の相談の場面でも、対面ではなくZoom等のオンライン会議ツールを使用した面接がおこなわれています。また、メールやSNSでのチャット相談もこれまで以上に増えています。自宅から簡単に相談をすることができる、そして自分の気分が乗ったときに文字にして送ってしまう等。相談をするということに対しての敷居は低くなりましたが、簡単につながって、また簡単に関係が切れてしまう、という傾向も顕著になりました。
 人生には簡単に解決する問題などはないと思っています。そんなに簡単に解決したら、わたしたちは苦労していないはずだし、悩みなんて存在しないと思うからです。生きるということは様々なしがらみがあり、それらに絡めとられながらも、自分らしく生きていこうと努力することだと思います。

つぶやきチャンプルー

難病とは考える医療である。

照喜名通

著:照喜名通

 難病は現代の医学では治癒がかなわない疾患とされています。人は解決できないことがあると何かを頼りたくなりますが、科学でも宗教、政治でも解決は見出せません。
 ではどう付き合えばよいのか、どうすれば幸せになれるかを考えることになります。その答えは簡単ではありません。関係者を交えよく話し合い、解決策を考えることだと思います。
 難病の方のご相談を受けるなかで、そのような事例としては、進行性の難病でやがては自発呼吸が出来なくなり、人工呼吸器を装着するか、天命とうけとめ積極的な医療を望まない判断をするか、といったことに直面している方と接するときです。最終的にはその判断はご本人が下すべきものです。ご本人のこれまで生きてきた価値観、宗教観、年齢、家族への配慮、経済的余裕などが判断の基準になると思います。話し合いや考えることが少ないと正しい判断、納得がいき後悔のない判断は難しい思われます。また、タイミングも重要になります。怒りや悲しみ、怒りなどの感情的になっている時期の判断は後に変わる可能性は高いです。
 今の常識、価値観は本当に正しいのか、間違いはないか、矛盾はないか、周りに流されていないかを考え、周りの人と話し合うことが、ご本人の判断材料になると思われます。その考えるプロセスや結論は周りの判断の参考になるので記録することも大切だと思います。

シリーズ 「患者学」第85回

声を出すことの大切さ
その3 声に出して感情を伝える

慶應義塾大学 名誉教授 加藤 眞三著

自分の感覚や感情を分かち合うために言葉に表す

 「感情は抑制しなければならない」「感情を他の人の前で表してはいけない」と考えていませんでしょうか。喜怒哀楽のなかで、喜びや楽しいは表に出してもよいけれど、怒りや悲しみは他人に見せてはいけないと考えていませんでしょうか。でも、「分かち合えば、喜びは二倍になり、悲しみは半減する」という言葉の中にも、人間にとっての真実があります。そして、感情を分かち合うためには、言葉にして声に出すことが必要なのです。
 しかし、「感情を表に出してはいけない」とずっと思い込まされてきたために、自分の感情を言葉に表すことが難しい人も多いのです。

感情を表す言葉

 感情を表現する言葉をいくつ持っているでしょう。例えば、 「感情表現辞典」 (東京堂出版)には、感情を表す感じとして、喜・怒・哀・怖・恥・好・厭・昂・安・驚などの漢字があげられ、喜にはめでたい、うれしい・満足・楽しい・快・微笑、怒には、立腹・憤る・癪・不機嫌・どなる、哀には、悲しい・泣く・哀れ・淋しい・むなしいなどがあげられています(※1)。このような単語による感情の表現だけではなく、文学作品では、さらに複雑な感情が作品の中に表現されています。
 ところが、最近の若者は、良いときも悪いときでも、「やばい」、「かわいい」というばかりで、なんでもすませてしまい、語彙の乏しさを感じます。中年以降の男性は自分の感情を表現すること自体を苦手とします。医療者も自分の感情を出さないように躾けられ感情の表現が苦手です。元気な女性が多いのは女子会が盛んなせいかもしれません。

感覚を敏感にするために言葉に表現する

 ワインのソムリエは、その香りを果物や植物、動物、スパイスの香りなど100種類以上言葉で表現するのだそうです。そして、ワインの香りをいくつかの言葉の組み合わせで表現することにより、複雑な香りを嗅ぎ分けられるようになるのです。つまり、感じたことを言葉に表現することにより、微妙な感じ方の違いを嗅ぎ分けられるようになり、嗅覚がより敏感に、そして豊かになるのです。
 味覚でも、日本には昔から旨味(うまみ)という味覚がありました。ところが、海外では超一流のシェフでさえ旨味という味覚は解らずに否定していたようです。旨味という味覚が世界的にも認められることになったのは、2002年舌に旨味の知覚に反応する受容体があるという科学的な発見があったからなのです。旨味という受容体が発見されて、旨味という味覚に対して意識的になり、敏感になり、それが解るようになったのです。
 日本には昆布から出汁をとる調理法があり、その味はほとんど旨味だけに特化した味覚なのです。それにより、旨味という味覚が日本人の間で広く認知され、料理にひろく取り入れられてきました。今では、ワールドクラスのシェフが日本料理に旨味を学び、それを利用した料理を研究しているそうです。

日本独特の感情を表す言葉 「甘え」

 感覚を言葉の組み合わせで表すのと同じように、感情も言葉の組み合わせで表すことによって、より上手な表現ができるようになり、そのことが人生をより豊かにするのかも知れません。
 ディラン エヴァンズは、自分がバンド活動をしていて、友人からかけられた言葉に強烈な喜びの感情について、最初その感情についての表現法がわからなかっと述べています。そして、それを英語として表現することに難しさを感じていました。しかし、その後、その表現を日本語の中に発見したのです。「甘え」という言葉は、「他者から完全に受容されているということに対して覚える安楽さ」を表し………おそらく日本で「甘え」という言葉が必要なのは、それが示す情動が日本文化の基本的価値観と一致するからであろう」と述べています(※2)。
 このように、ある感情は、それを表現する言葉をもつ人々にとって普通ではあっても、他の言語の人には理解しがたく、表現が難しいのです。同時に、その感情は表現法をもっていない人の中にも、存在していることが理解できます。

感情の表現の意味

 感情を表現しようとすることで、言葉は生まれ、言葉によってその感情はより自覚されます。自分の感情に気付き、それを声に出して表現することにより他人と感情を分かち合うことが可能となるのです。

※1)中村明 「感情表現辞典」 東京堂出版 1993
※2)ディラン エヴァンズ 「感情」 岩波書店 2005

参考図書
山口周 『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」』、 光文社新書
『名門大学の医学部が「絵画鑑賞」や「ダンス」を必修科目にする理由』 Courrier Japon

慶応義塾大学看護医療学部
教授 加藤 眞三
慶應義塾大学名誉教授。上智大学グリーフケア研究所研究員。
患者と医療者の協働関係を作り上げることをテーマに公開講座「患者学」や著作 等を通じ、患者も自ら積極的に医療に参加する啓発活動に取り組む。

東洋経済オンラインに加藤先生による「市民のための患者学」連載配信中!
http://toyokeizai.net/articles/-/143366
加藤先生の最新書籍:肝臓専門医が教える病気になる飲み方、ならない飲み方
出版社:ビジネス社

アンビシャスからのおたより

「表紙は語る」体験談募集!

 アンビシャスでは難病の方ご自身の病状や小児慢性疾患のご家族からの体験談を募集しています。
 ご体験を難病情報誌「アンビシャス」に掲載してみませんか。
 文章を書くのが苦手な方で沖縄県本島内であれば、インタビュー形式の取材も行っています。
 またzoomを使用しての取材も可能です。県外を含めた遠方の方のご応募をお待ちしています。

体験談掲載の内容
*2頁構成。400字詰め原稿用紙5枚程度(2,000~2,200文字)にまとめお願いします。
*基本的に表現は自由です。但し特定の宗教や政党、健康食品などの紹介はご遠慮願います。
*ご執筆者には心ばかりですが、ご執筆料として1万円をご進呈します。
*実名、お写真掲載可能の方に限らせていただきます。

(参考までに過去の体験談の閲覧はこちらより!)
詳細については 下記事務局:仲村までお問合せください。
Tel:098-951-0567
メール:info@ambitious.or.jp

アンビシャス公式LINE開設のお知らせ

 当誌3月号でもご案内しましたが、アンビシャスでは当団体が実施する事業やイベントなど、難病に関する様々な情報を発信することにより、患者、家族や支援者の皆さまがアンビシャスを身近に感じていただくことを目的にLINE公式アカウントの運用を開始しました。
 当月の「難病情報誌アンビシャス」PDF版もLINEでお読みいただけます。
 またプッシュ機能がついていますので、医療相談会や各種勉強会等のイベントもタイムリーにお知らせします。
ご希望の方は記載のQRコードよりご登録の上、ご利用ください。

アンビシャス広場

今月のおくすり箱

服薬支援グッズのご紹介

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 今回は便利な服薬支援グッズをご紹介します。お薬カレンダーや携帯ピルケース、ゼリータイプの嚥下補助剤は知られているところです。赤ちゃん等の服薬に、シロップ剤では目盛線が斜めにつけられている目盛りキャップ、目盛り付きスポイトが便利です。口の中を傷つけないようスポイトの先が丸くなった形状のものもあります。幼児や嚥下困難な方等首を曲げづらい方へは、飲むときに鼻が当たらないよう上部をU字にカットしたデザインの目盛り付きコップなどもあります。
 また、点眼薬の容器を固定し、正確に点眼できる点眼自助具、肩や背中など手が届かない部分に軟膏を塗ったり湿布を貼る補助具、PTP包装シートから錠剤やカプセル剤を取り出す器具、ドリンク剤のキャップを開けやすくする器具なども販売されています。錠剤を半分にカットしたり、つぶす器具もありますが、お薬によっては苦みや湿気を含んで薬の効果に影響が出る場合もあります。これらの服薬支援グッズをご購入、使用する場合には是非薬剤師にご相談ください。

~エッセイ~ 「ケアラーってなんだ」 浦崎 綾乃さん(ALS)

 「ケアラー」という言葉を耳にしたことはありますか?
 ケアラーとは介護や看病、療育が必要な家族や近親者を無償でサポートする人のこと。
 「ヤングケアラー」とは、介護や看病、療育が必要な家族や近親者を無償でサポートする人のこと。18歳未満の学生のことです。
 家族だけで介護を継続するには限界があります。
 私のように、人工呼吸器を使って生活をする人にとって医療ケアの出来るヘルパーが必要不可欠なのですが、なかなかいないのと、重度訪問介護をやっている事務所が少ないという事で、家族を頼らないといけない事があります。
 私は、出来たら家族を頼らないで生活をしたいです。
 私のような、医療ケアの必要な人には、まだまだ生活がしづらいです。
 自分の存在が、現存が、愛する人を苦しめているということが、病みの苦しみを大きく上回る苦痛になっている。

お勧め映画情報

1)お先にどうぞ
2012年にWOWOWで放送された新感覚グルメドラマ。おいしい料理の食べ方とは?
主演は濱田岳、毎回ゲストが出る。料理は「カツカレー」「冷やし中華」「崎陽軒シウマイ弁当」「回転寿司」等で見ながらツッコミたくなったりもする。

2)山田太郎ものがたり 10話
2007年にTBS系で放送されたドラマ。主演は二宮和也と櫻井翔。容姿端麗、学力優秀、学園の人気者だが実は貧乏という山田太郎の、人生。
ハートフルコメディ。原作は漫画で、台湾でもドラマ化されている。

★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。

今月の占い

  • 牡羊座 3/21-4/19
    柔軟性を持って
    ☆リフレッシュ法:音楽鑑賞
  • 牡牛座 4/20-5/20
    充分な睡眠を
    ☆リフレッシュ法:睡眠
  • 双子座 5/21-6/21
    スキルアップを
    ☆リフレッシュ法:ネット観覧
  • 蟹座 6/22-7/22
    ゆったりな時間を
    ☆リフレッシュ法:仮眠
  • 獅子座 7/23-8/22
    視野を広げて
    ☆リフレッシュ法:読書
  • 乙女座 8/23-9/22
    栄養に気をつけて
    ☆リフレッシュ法:食事
  • 天秤座 9/23-10/23
    優柔不断はやめて
    ☆リフレッシュ法:ゲーム類
  • 蠍座 10/24-11/21
    心も周辺も断捨離
    ☆リフレッシュ法:掃除
  • 射手座 11/22-12/21
    ゆとりある時間を
    ☆リフレッシュ法:お風呂
  • 山羊座 12/22-1/19
    挨拶を忘れずに
    ☆リフレッシュ法:ドライブ
  • 水瓶座 1/20-2/18
    言葉遣いに気をつけて
    ☆リフレッシュ法:スキンケア
  • 魚座 2/19-3/20
    美味しい物を摂取
    ☆リフレッシュ法:映画鑑賞

編集後記

 そろそろ落ち着くかと思えた新型コロナですが、また全国で感染者が増え始めてきました。もう暫く人混みは避けた方が無難といえますが、あまりに長い巣ごもり生活では精神的にも健康にも悪いので、適度に空間が保てる外出は必要かもしれませんね。
 さて今月の「表紙は語る」は宮崎から琉球大学に合格した直後にネフローゼ症候群を発症。友人・知人はおろか、見舞客もいない沖縄の病院に転院。病室から大学に通う生活を送る中での辛い体験から、他の難病と診断された直後の方の不安を少しでも和らげたいとの思いで「どん底1日目ー難病当事者が綴る手紙ー」シリーズを企画し、出版活動を行っている安部 弘祐さんにお願いしました。
 難病と診断され不安な日々を送っている多くの方の目にこの本が届くといいですね。
 話は変わりますが、新年度が始り2022年度の賛助会員の募集を始めます。2021年度に引き続き賛助会員をご継続して頂ける読者の皆様、新たに会員を希望する方へ6月号を目処にご案内を致しますので、ご賛同が頂ける様でしたらご支援の程よろしくお願いします。

文 仲村明