1. 難病情報誌 アンビシャス 266号

難病情報誌 アンビシャス 266号

最終更新日:2024年07月01日

表紙は語る

難病も多病の中ではご縁の一つ~多病者が語る難病~

金城 秋男(きんじょう あきお)さん
潰瘍性大腸炎 他

 皆さん「多病」ってご存じですか?
 私見ですが「様々な病を同時に抱え通院に勤しむ」こんな感じかなと思っています。しかし、多病の全てを語るスペースが無いので今回は「難病」を中心に語ります。
 私の持病を羅列してみます。
(令和6年5月時点)
●潰瘍性大腸炎(消化器内科)
●双極性障害II型(精神科)
●緑内障(眼科)
●脳梗塞(脳外科)
●根尖性歯周炎(歯科口腔外科)
●咽頭ポリープ(耳鼻咽喉科)
 これが多病です!
 それでは、気の向くまま難病をキーワードに一人語りです。
 私が発症した難病は【潰瘍性大腸炎・UC】読んで字の如く肛門~大腸に炎症等を起こす病で完治未確認の難病です。症状としては、下痢・血便・貧血・腹痛・体重減少等を主とします。私が発症したのは何時だっただろう?
 あれは、平成5年出向先の慣れない環境、人員、全ての環境に私は心身限界状態でした。(当時の記念写真では涼しい顔をしていますが心身ボロボロ)課業中、便意をもよおしトイレに駆けこんだところ、腹痛を伴うので下痢か?と思い便器の様子を見ると、便器内は鮮血!!真っ赤!!真っ赤な便器を見た時、私は驚嘆しつつ涙しました。最初の発作の記憶はこんな感じです。鮮血・血便が交互に出現しますが「職場のストレスが原因。環境が変われば落ち着くはず。何時もの過敏性大腸炎だろう」と、元々お腹が弱い私はそんなもんだと思い込んでいました。
 しかし、人事異動で慣れた職場環境への変化が起こっても血便・腹痛・体重減少(4~5キロ減)が継続します。ある晩、便意で起きると今までに無い「腹痛」「油汗」を流し、時には「歩行困難」になり便器を抱え、朝を待つ日々が続きました。衰弱した私を両親は総合病院に連れて行き、初見で即入院、治療に入ったのです。24時間点滴・絶食と即治療がスタート。初の大腸カメラに向けて寝台で準備していると「カメラが通らない!」T医師のボヤキ声が私を不安にしたのです。T医師曰く「大便が固くなり排出されず、大腸の何処かで岩の塊のようになる便塊かも知れない。便塊を破壊しないとファイバーカメラが通らない。大腸壁に便塊が刺激を与え出血、腹痛の原因になっているかも知れない。とにかく便塊の破壊です。」と。
 何やら土木工事を施工するようなスタッフの処置が続き何とか便塊を破壊。いよいよ、自身の大腸内部と初対面です。初見の緊張もどこへやら。野次馬気分でカメラ検査が進む。素人の私が見ても明らかに私の大腸は普通じゃない。腸壁は白くただれ、薄皮を剥ぐように血液の塊、血管が浮き上がりカメラの侵入を阻む。カメラケーブルが腸壁に触れると即出血してしまう。「これは危ない」と即座に思い、そして「素人の出る幕じゃない。医師にお任せするしかない。」と思ったのです。
 夕方病室にT医師が来られると「難病の疑いが大きい。潰瘍性大腸炎・ベーチェット病・感染性の疾患の可能性もある」とのこと。当時私は職場環境への不適応等から来る心身喪失状態(うつ病疑い)として精神科での通院治療を開始したばかりでした。
「精神疾患に罹患したばかりのこんな時に、今度は臓器(大腸)の病で難病!何それ??」
と激しく動揺してしまいました。

 難病というキーワードが頭から離れず、恐れ動揺している日々を過ごし10日程経過。薄っすらと「もう闘病は疲れた。心身疲労困憊。死。」をぼんやりと考えていました。そんな時T医師が回診で「ほぼ潰瘍性大腸炎。全大腸型であろう。難病という範疇に入り完治確認が難しい。症状安定(寛解)を目指す病なんだ。最近では薬物・治療術もほぼ確立されている。」私はT先生からのお話をあっけに取られ呆然と聞いていました。
 ですが意外に立ち直りは早い私です。精神疾患に比べれば受容出来る!精神科での診断・治療に比べれば難儀な事は無い。なんとなく難病とお付き合いできるかも…。
 多病のスタートになったのですが、「内科疾患の一つだ」と前向きに受け入れる事ができました。退院後のUC対応を思索しながら、特定疾患申請の為、役場や保健所を駆け回り、保健所職員から難病(UC)の情報提供を受けました。一番の収穫は同病(IBD・炎症性腸疾患)の方が集う患者会の存在を知った事です。「患者会」との関りはUCだけでなく「うつ病」を受容するにも大きな分岐点となりました。初回発作から20数年4~6回余り再燃入院を経験していますが、メンタル面が強化されている事を非常に感じます。さらに他の病との関りも、難病を受け止めたからこそ少ないダメージで受容できました。多病を経験する中、メンタル面の強化を非常に感じています。

 私は「ご縁」を大切にしています。「縁」と言う運命的な結びつきや関係でしょうか。生きていく上で「ご縁」は非常に大切です。誰と出会うか、何と出会うか、何と結ばれるか、何を知るかetc。多病を経験する中「いよいよ私も終わりかも」と切迫した瞬間が何度もありました。その時を乗り越えられたのは妻、両親、兄弟、多病の主治医、医療スタッフ、患者会で出会った方々、SNSの友人、リアル、リアル外問わず私にかかわってくれた多くの方々から頂いた「ご縁」のおかげなんです。
 とある日、担当医師からこんな言葉をかけてもらいました。
 「秋男君は、知性と感受性を大切にして闘病している。才子多病だな!」(才能あるものは才がある代わりに、得てして病気がちであることを言う。)
 まさかぁ誉めすぎです!知性はともかく感受性は大事にしています。特に、痛い、苦しい、辛い、不安だ、怖い等、あらゆる泣き言(感性)喜怒哀楽を訴えますが、その不安要因にも私なりの回答(自己分析)を持って受診するスタイルです。多病受診ノートも大学ノート19冊目に入りました。私の歴史書です!
 さて、最後まで私の拙文「一人語り」にお付き合いくださりありがとうございました。最後になりますが「難病、多病持ちでも変わった人がいるな?」と思って頂ければ幸いです。

語者プロフィール

金城 秋男(きんじょう あきお)さん
昭和40年 那覇市生まれ
【目標】減量・禁煙継続
【趣味】妻と一緒にTV視聴
【夢】北海道旅行・ふく料理を食する
【好きなこと】食べ歩き・お昼寝
【最近の楽しみ】NHK朝ドラ視聴
【特技】速読
【好きな音楽】ラジオ大好き

  • 平成5年度 難病・メンタル疾患発生時

  • 妻とのデートは何時も食べています。笑

2024年5月の報告あれこれ

イオン・幸せの黄色いレシートキャンペーン贈呈式

 5月11日イオン南風原店において、イオン・幸せの黄色いレシートキャンペーン贈呈式が行われました。この贈呈式において、皆様からの善意の黄色いレシートが形を変えて、イオン琉球株式会社様からの寄付として16万7000円受け取ることが出来ました。皆様の心温まるご支援に誌面をお借りして御礼申し上げます。いただいたご浄財は、難病情報誌「アンビシャス」送付の封筒購入(約1年分)に充てさせていただきます。

第23期 通常総会

 5月15日アンビシャスにおいて、第23期通常総会が開催されました。第23期事業報告、決算報告並びに予算等を中心とした審議・報告がおこなわれ、旧年度の活動報告と新年度の計画発表がおこなわれました。決定した内容については、12頁以降に資料を添付して開示してありますのでご覧ください。

「難病の日」イベントのご報告

 一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会(JPA)は2014年5月23日に「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)が成立したことを記念して毎年5月23日を「難病の日」に登録しました。患者や家族の思いを多くの人に知ってもらう機会とするのが目的です。
 アンビシャスでは、今年3月に「芽吹く出会い」の場のイベントを開催し、次は、この芽吹いた出会いを大切に、成長させていくことが次の課題と捉え、今回、「難病の日」に合わせて、一緒に“まだ出会えていない方が困らないために役立つ難病のしおり”を作成できたらと、イベントを計画しました。
 5月23日は14時から沖縄県総合福祉センターの会場と、オンラインの2会場をつなぎ、患者本人、家族、支援者の33名が集まって、2時間意見交換の場を持ちました。グループワークで個人が話せる時間を多くとるようにして、「どんな内容をしおりに入れると良いと考えるか」の意見を9グループより提案していただきました。
 今後、引き続き「しおり作成プロジェクト」に参加希望していただける方と一緒に、まだ出会えていない方が困らないために「難病と診断されたときに役立つしおり」を作り上げていけたらと考えております。次回は平日お仕事の方もご参加いただけるよう、同じ内容で土曜日の開催を予定しています。
 途中参加の方も含め、希望者と共に「しおり作成」に向けて取り掛かっていけたらと考えておりますので、ご興味のある方はお気軽にお問合せください。

アンビシャスメモ

保健所スケジュール

各保健所、7月の予定はございません。

【北部保健所】  Tel:0980-52-2704
【中部保健所】  Tel:098-938-9883
【南部保健所】  Tel:098-889-6945
【那覇市保健所】 Tel:098-853-7962
【宮古保健所】  Tel:0980-72-8447
【八重山保健所】 Tel:0980-82-3241

令和6年【9月開講】障害者委託訓練生募集

【募集期間:令和6年7月1日(月)~25日(木)】
【訓練期間:令和6年9月2日(月)~11月29日(金)】(3ヵ月間)

コース名:リネン類クリーニング科
定員:2名
管轄校:浦添校
募集対象:知的障害、精神障害、発達障害、その他(高次脳機能障害、難病)
訓練場所:宮古島市
委託先:沖縄綿久寝具株式会社(宮古工場)
※受講料無料(但し教科書代、検定料、保険料は自己負担)
【申込方法】住所地のハローワーク
【お問合せ】浦添職業能力開発校 TEL:098-879-2560

沖縄県保健医療介護部地域保健課からのお知らせ
「指定難病要支援者証明事業(登録者証)」について

 指定難病に罹患している方が福祉・就労等の各種支援を円滑に利用できるようにするための「登録者証」の発行が沖縄県においても2024年6月よりはじまりました。この「登録者証」は国の定める指定難病(341疾病)に罹患されている方が対象となります。

【対象者】
登録者証の発行対象者は(1)~(3)のいずれかに該当する方々のみです。
1.特定医療費(指定難病)医療費助成の受給者
2.特定医療費(指定難病)医療費助成を申請した方の中で、診断基準を満たすが重症度基準を満たさず不承認となった方
3.特定医療費(指定難病)医療費助成を申請していない軽症の指定難病患者

申請方法等につきましては、沖縄県保健医療介護部地域保健課のホームページをご参照ください。
【お問い合わせ窓口】
お住まいの管轄保健所または、沖縄県保健医療介護部地域保健課

難病医療相談会 2024年度(8月までの予定)

 専門医による個別相談(お一人30分間)を無料で受けることが出来ます。定員は4組となっております。先着順となりますので、ご希望の方はお早目にお申込みください。

【疾患】神経難病関連疾患/パーキンソン病、重症筋無力症、多系統萎縮症、多発性硬化症など
【担当医】渡嘉敷 崇先生(沖縄病院)
【日程】8月9日(金)14時~16時

【疾患】肝臓系疾患/自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎など
【担当医】前城 達次先生(琉球大学病院)
【日程】8月28日(水)16時~18時

【疾患】膠原病系疾患/全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、皮膚筋炎/多発性筋炎、シェーグレン症候群、ベーチェット病など
【担当医】喜瀬 高庸先生(那覇市立病院)
【日程】8月31日(土)14時~16時

【主催・開催場所】
沖縄県難病相談支援センター(認定NPO法人アンビシャス)那覇市牧志3-24-29
【お申込み・お問い合わせ】
Tel:098-951-0567(平日10時~17時)

こころの現場から

自己中心的な心性の程度

鎌田依里

臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)

 周囲を見渡すと、平和で穏やかに生活している人もいれば、ギスギスして嘘をつき騙し騙されながら生活をしている人もいます。これは人間が基本的にもっている自己中心的な心性の程度に影響されることが多いです。平和で穏やかな生活をしている人は自己中心的な心性が適切に機能していると言えますし、騙し騙されながら生活している人は自己中心的な心性が強すぎると言えます。
 ある程度、自己中心的な心性をもっていることは自分のことを大事にしながら生きるために必要ですが、強くなりすぎると「自分の都合に周囲が合わせることが当然である」という心理になります。周囲の人を自分の都合のよいように管理し操作しようとする心理は、子育てにも介護にも見られます。大人の無意識の想いに管理され操作されて育てられた子は、大人になると自分が幼少期にされてきたように周囲を管理し操作しようとします。それが「当たり前」で「普通」であると確信しているからです。介護の場面であれば、患者を管理し操作することが「支援者のバーンアウトを防ぐため」という文言に覆い隠されて堂々とおこなわれます。
 自己中心的な心性の程度は、お互いの関係性によっても変化します。一方が強すぎる自己中心的な心性を有しており、他方がそれを甘んじて受け入れていると依存関係と支配-被支配の関係が構築されてしまいます。生まれもった特徴や性質や能力差はあるとはいえ、人が自己中心的な心性を適切に作用させるためには、自分が丁寧に扱われた経験や自分が大切に扱われた経験が必須です。一人前になる迄は、適切に教育され、愛情のもと適切に庇護され、自らがかけがえのない存在であると実感することが必須なのです。

つぶやきチャンプルー

闘わなくっちゃ

照喜名通

著:照喜名通

 アンビシャスでは、毎月の会報誌で難病を持つ方の体験談を紹介しています。こういった体験談の中に「闘病記」という病と闘うタイトルがあります。この闘うは、病という困難に対して挑むことが大切であると考えます。
 過去の相談で「私はいつも病気に負けないように闘っている」という方がいらしゃいました。その内容も今の辛い現状を誰も理解してくれないというものでした。
 そこで私の頭に浮かんできたのが映画「ロレンツォのオイル」でした。イントロでアフリカの踊りとともに「闘わなくては」との意味から物語が始まったと記憶しています。主人公のロレンツォという名の男の子が難病のひとつ「副腎白質ジストロフィー」を発症してからの流れです。その両親は苦しみながらも疾患のプロセスなどの情報を集めなんとか死なないようにしたいとの思いから民間療法ではある「オイル」を開発し延命することが出来た。という実話をもとにした映画でした。借金し仕事も辞め、なかなか上手くいかず苦悩する映画です。
 私は病と闘うということはここまですることなのかと感じた内容でした。振り返ってみるとクローン病を罹患した私は患者会の活動をすることで闘ってきたと思えます。闘うことも受容への一歩なのかもしれません。

シリーズ 「患者学」第111回

薬ののみ方についての基本知識

慶應義塾大学 名誉教授 加藤 眞三著

薬をのむタイミングは

 薬の服用時間は、朝食後とか毎食後、食間、毎食前、就寝前などの指示が書かれています。食間とは、食事中ではなくて食後2時間を目安にというのみ方です。
 なるべく薬をきちんとのんでもらうために、近年は1日1回の服用にしようとする流れがあります。そんな時、朝食後の服用とする場合が多いのですが、本当は朝に服用しなくて良い薬もあります。
 例えば、コレステロールを下げる薬、胃酸を抑える薬、胆石を溶かす薬などは、理論的には就寝前にのんだ方が効果が高いにもかかわらず、朝食後にと指示されていることがあります。それはのみ忘れないように、1日1回にまとめるための配慮からなのです。しかし、もし、他に夕食後や就寝前にのむべき薬があれば、上記のような薬を就寝前にのんでも良いわけです。

のむことを中止してよい薬といけない薬

 処方した薬は医師の指示通りにのんでもらうことを前提に出されています。ですから、勝手にやめないことが原則です。
 特に、抗菌薬などは、症状がおさまった後も服用期間を守ってもらいたい薬です。中途半端なのみ方をすると耐性菌を増やしてしまうことになり、他の人に迷惑をかけることになります。抗がん剤なども途中で中止すると、薬が効かなくなるおそれがあるため、続けるべき薬です。このように、原因を除去する薬では、一般にきちっとのんでもらうことが大切です。副腎皮質ステロイド薬なども突然中止すると思わぬ副作用が出ることがあり、主治医とよく相談の上で、徐々に減らしていくことが大切です。
 一方で、症状を抑えるだけの薬、例えば解熱薬や頭痛薬などは症状が治まっていれば、自分で中止してよい薬です。そのような薬は、一般に頓服といって、症状があるときにのむよう指示されている場合が多いのです。
 糖尿病では血糖を自分で測定し、その数字に応じてインシュリンの量を調節するという投与法があります。同様に考えれば、血圧の薬も自宅で血圧をモニターし、その測定値に応じて減量することが可能となります。測定した血圧が低く、しかも、フラフラするとか、身体の調子が悪いと感じるときなどに薬を減量するのです。しかし、そのような場合も、主治医と相談した上でおこなってください。そうではなく、主治医が知らない間に患者さんが減量していると、減薬のために血圧が高めであっても、医師は効果が足りないと判断し薬を追加することになるかも知れません。

多剤併用をさける

 高齢になると、多くの疾患を合併し、診てもらう診療科や医師の数も増えます。そうなれば、服用する薬も増えます。複数の薬を服用する場合、薬物相互作用で薬同士が影響し合い、薬の効き目が強くなったり弱くなったり、予想をしない副作用が出ることがあります。
 急性期病院の入院症例では、高齢者の6~15%に薬の副作用があり、60歳未満に比べて70歳以上では副作用が1.5~2倍の出現率であったと報告されています。都内の診療所での患者さんでは、服薬数が3~4剤に比べて、5~6剤では転倒の頻度が約2倍だったのです。
 これらのことから、日本老年医学会では高齢者では五種類以上の薬をのむことに注意が必要と警鐘を鳴らしています。薬を処方するのは医師側の問題ではありますが、医師は外来で患者さんから新たな症状を言われると、そのコントロールのためにと薬を追加する場合が多くなりがちです。一方で薬を減らす判断は意外に難しく、処方薬が増えてしまうのです。ですから、患者さんの側からも、のむ薬の種類を減らしたいと意思表示しておくことは大切なのです。

慶応義塾大学看護医療学部
名誉教授 加藤 眞三
慶應義塾大学名誉教授。上智大学グリーフケア研究所研究員。
患者と医療者の協働関係を作り上げることをテーマに公開講座「患者学」や著作 等を通じ、患者も自ら積極的に医療に参加する啓発活動に取り組む。

東洋経済オンラインに加藤先生による「市民のための患者学」連載配信中!
http://toyokeizai.net/articles/-/143366
加藤先生の最新書籍:肝臓専門医が教える病気になる飲み方、ならない飲み方
出版社:ビジネス社

アンビシャスからのお知らせ

中高大生のおしゃべり会(難病10代しゃべり場の新企画)参加者募集

 当センターでは、2021年度より沖縄県及び那覇市から「小児慢性特定疾病児童等自立支援事業」を承り、15歳~19歳の対象となる方へ自立に向けたお手伝いをさせていただいています。
 その支援活動の一環として2022年より難病を抱える同世代の方々の交流イベントを開催し普段話すことも聞くこともできずにいた、治療や日常生活、学校での様子等について自由に語り合い、何かしらのヒントが得られ今後の励みとなる場を目指しています。
 2022年は「しゃべり場」として当事者同士の交流会を企画。翌年2023年は難病を抱える先輩に、自身の進学や就職活動について話してもらい、先輩にあれこれ聞いてみることができる「先輩に聞いてみよ!」へと名称を変更し開催して参りました。
 今年度は「しゃべり場」「先輩に聞いてみよ!」に参加された方と共に考案した新たな企画として「おしゃべり会」を毎月、最終金曜日にオンラインでの開催を予定しています。「しゃべり場」と「先輩に聞いてみよ!」が毎月開催される形です。過去に参加された先輩も交え、難病を抱える同世代の方同士でおしゃべりできると共に、先輩に色々聞いてみる事も可能です。
 普段病気に関わる不安や悩みを話せずにいた方には、是非参加していただけたらと提案いたします。

【開催日時】毎月、最終金曜日の18時30分~19時30分(※今月は7月26日開催)
【対象者】15時~19歳の難病/小児慢性特定疾病をお持ちの方
【開催方法】Zoomオンライン 右記QRコードよりお申込み後、入室案内します。
【問合せ先】沖縄県難病相談支援センター(認定NPO法人アンビシャス)
TEL:098-951-0567 (平日10時~17時)

※お気軽にご相談ください。相談は無料です。
※対象の年代の方のご父兄や関係の方がいましたらご案内をお願いします。また個別ご相談も承っています。
お気軽にお問い合わせください。

今月のおくすり箱

認知症の薬の効果はいつ現れるの?

吉田典子

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 現在使われている認知症治療薬はそれぞれ認知症のタイプにより使い分けされています。しかしながら、いずれの薬も認知症を完全に治す、元の状態に戻すものではなく、あくまでも認知症の症状が進むのを遅らせる薬です。
 新しい事が覚えられない、思い出せない、同じ事を繰返す等認知症の症状は様々ですが、薬の効果としては症状が変わらない、悪化していないという事が効いているということになります。「治療薬を飲み始めたが効果が感じられない」と言われる方もおられますが、実は効果が出るまでに数週間~3ヶ月程度かかるため、気付きにくいかもしれません。効果が出ないからといって服用を中断すると、かえって症状が悪化する事もあるため、不安な時には処方して頂いた病院(神経内科、精神科、心療内科等)を受診し、医師・薬剤師に相談しましょう。
 超高齢化社会を迎える2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると言われています。認知症は食習慣、運動習慣、休養等の生活習慣が深く関わっているとされています。まずはできる事から始め、自分らしくこれからの人生を送りたいものです。

アンビシャス広場

~エッセイ~ 「この女性に学ぶ」 渡口 正さん(ALS)

 主治医の藤崎先生から「これからの人生、細く長く生きましょう」と諭された私は、令和4年6月から仕事を退き療養生活を送ってます。
 ある日、我が家に来たヘルパーさんがさりげなくつぶやいた「正さんのふぐいを守らなきゃ」のひと言が私には堪えきれず、吹き出した。というのも、彼女はピチピチの30代。しかも、私はその言葉を久しく耳にしておらず、女性の口から聞くのも初めてだった。「ふぐい」って、ちょっと言いづらいが、ズバリ、きんたまを意味する方言やいび~ん(でございます)。
 彼女が20代前半に経験した出産は、看護学校の生徒さんたちの見学の下行われ、「そこに男子学生がいても平気だった」との彼女の話しを聞いて、私は沖縄病院で看護師から入浴介助を勧められたものの、他人に自分の体を見られることへの羞恥心から入浴介助に踏み出せなかったことを思い出し、彼女をマジ凄いと思いました。
 彼女は、エグい家族愛と介助作業の手際良さが際立つ美人さんヘルパーです。

お勧め映画/DVD情報

1)未来へのかたち 2021年
「砥部焼でオリンピックの聖火台を作ろう」と町をあげて実施される事になったデザインコンペ。しかし、町の陶芸家や家族内でも、揉め事が起こり…
家族再生ストーリーでもあるが、はたして聖火台は、どうなるのか?出演、伊藤淳史、内山理名、橋爪功、吉岡秀隆、大塚寧々。2020年7月3日に公開予定が、コロナ感染拡大の影響を受け延期された。作品は、妄想から生まれたフィクションである。

2)逃亡医F
2022年 日本テレビ系ドラマ 10回
大学附属病院の脳外科医師が、恋人である研究医の殺人容疑で逮捕される。真犯人を見つけるため逃亡しながら、潜伏先々でも事件等に巻き込まれる。サスペンスにコメディのスパイスもあり面白い。
出演、成田凌、森七菜、松岡昌宏、前田敦子、安田顕など

★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
……カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。

今月の占い

  • 牡羊座 3/21-4/19
    整理整頓でスッキリと
    ☆リフレッシュ法:断捨離
  • 牡牛座 4/20-5/20
    深呼吸で切り替えを
    ☆リフレッシュ法:ストレッチ
  • 双子座 5/21-6/21
    食餌は健康的な物に
    ☆リフレッシュ法:飲食
  • 蟹座 6/22-7/22
    体内リズムを整えて
    ☆リフレッシュ法:散歩
  • 獅子座 7/23-8/22
    楽しい時間を作って
    ☆リフレッシュ法:ネット観覧
  • 乙女座 8/23-9/22
    リラックスして過ごして
    ☆リフレッシュ法:歌唱
  • 天秤座 9/23-10/23
    睡眠時間を十分に
    ☆リフレッシュ法:スキンケア
  • 蠍座 10/24-11/21
    スキルアップで向上心
    ☆リフレッシュ法:音楽鑑賞
  • 射手座 11/22-12/21
    言葉遣いに注意して
    ☆リフレッシュ法:読書
  • 山羊座 12/22-1/19
    情報収集で気付きが
    ☆リフレッシュ法:テレビ視聴
  • 水瓶座 1/20-2/18
    優しく接する心掛け
    ☆リフレッシュ法:掃除
  • 魚座 2/19-3/20
    頑固になりすぎずに
    ☆リフレッシュ法:睡眠

編集後記

 今月の「表紙は語る」をご寄稿されたのは、潰瘍性大腸炎を罹患された金城秋男さんです。潰瘍性大腸炎は炎症性腸疾患(IBD)のひとつです。金城さんは他にも5つの病に罹患されていて、これを多病と表現されています。「多病」のなかにあってこれに苦悩しつつも出会った方々との「ご縁」で多病を乗り切り、この「ご縁」に感謝されています。ご縁として人との出会いを大切にされる金城さんのお姿は見習わないといけないと感じます。
 7月は、沖縄県の指定難病においては毎年の更新が始まる時期です。毎回、締め切りギリギリになり慌ててしまいます。今年こそは早めに済ませて、安心したいものです。また、指定難病の審査会で「軽症者」として受給出来なかった方向けの指定難病要支援者証明事業(登録者証)が始まりましたので、申請の際には登録希望とした方がよさそうです。
 間もなく梅雨もあけ、夏本番に突入します。電気代も高騰しておりますが熱中症にならないように、冷房を使いながら水分補給も心がけ、夏を健やかに楽しみましょう。

文 照喜名 通