1. 難病情報誌 アンビシャス 267号

難病情報誌 アンビシャス 267号

最終更新日:2024年07月31日

表紙は語る

見え辛い壁を乗り越えて~希望の光~

松田 博幸(まつだ ひろゆき)さん
網膜色素変性症

Q:発症はいつですか?どんな経緯で知りましたか?

A:40歳過ぎてから目がおかしいなと感じたり、夜になったら見え辛いなと思うようになった。周りから目がおかしいのではないか?と言われたが、初めのころはごまかしていた。その後、48歳のとき確定診断がついた。50歳から事故をすることが多くなり、運転を辞めて、もう車には一切乗っていない。それから3年間、家に引きこもっていた。うつ病もあった。「目が見えなくなる」ということを受け入れられなくて、とてもショックだった。他に言うところがないから親に「何でこんな風にしたの」と、あたってしまっていた。悪いと思っている。お袋も泣いたと思う。お袋が亡くなってから、自分も泣いたよ。
 病院から制度を教えてもらい、手帳を取得したり、難病の手続きをしたところ、患者会を紹介してもらって譜久島さん(沖縄県網膜色素変性症協会副会長)と出会った。譜久島さんに引っ張り出されて、前会長の長嶺さんと、譜久島さんと「会おうか」となった。2人とも泣きながら話を聞いてくれた。そこで「自分は間違っていなかったんだね」と思えて、考え直すことができた。それから、自分から進んで外に出るようになった。その後「これじゃいけない!挑戦してみるか!」と思って、福岡の訓練校に行くことにした。

Q:発症まではどんな生活を送っていましたか?

A:17歳の時に重機の免許を取るため、青年開発隊に入った。免許は18歳からで、大型特殊、ガス免許、ユンボの免許を取った。その後、重機の仕事をした。内地にはユンボの仕事をしに行ったりもした。建売住宅などの整地の仕事だった。平成5年ごろ関西空港の重機関係の仕事もした。ゴルフ場をたくさん作っていた時代で、48歳までやっていた。50歳から目がダメになってきた。今は65歳。

Q:アンビシャスとのつながりについて教えてください。

A:アンビシャスとのつながりは、沖縄指笛の時からで4年半になる。指笛の制作者募集というのを見て、「自分もできるかな」と思い連絡した。コロナが流行るちょっと前のことだった。

Q:コロナ禍、松田さんはいかがお過ごしでしたか?

A:福岡視力障害センター(自立訓練)に行っていた。指笛に応募したのも自立をしたい思いがあった。父親と同居していたが「父親が元気なうちに自立したい。父親がいなくなってから一人暮らしをするのでは遅く、その前に練習しておきたい」という気持ちがあった。自分でアパートを借りて生活したいと思っていた。

Q:福岡の訓練校はいかがでしたか?

A:自立訓練から始まって、針灸まで取ろうとしたけど難しかった。寮は一人部屋で、学内も一人行動で、ヘルパーの同行はない。授業の教室までも一人で移動していた。1日4時間、月~金曜日まで変わりばんこで、いろいろな授業が入っていた。パソコンも覚えて帰ってきたけど1年くらい触ってないから、もう忘れてしまった。

Q:まずは自立訓練ということですが、どんな内容ですか?

A:8カ月の中で80時間はロービジョン(弱視)の訓練で、歩行訓練は120時間あった。アパートで一人で自立して生活できるように、バスや電車の練習も訓練する。アイロンがけも教えてもらって、トイレや風呂場の掃除の仕方も教えてもらった。洗濯物の畳み方や料理も他の人はよんなぁ(のんびり)だけど、自分のときは「あわてぃーはーてぃ」(慌てて)で、ほとんど先生がやってくれた。洗い物が上手になって帰ってきた。体育の授業もあってバレーボールやボッチャもした。夜は夜中まで篭を作ったりしていた。友達にあげないといけないからね。(インタビューの日もアンビシャスへ手作りの篭をプレゼントしようと持参された。)寮では21時30分に見回りに先生が来ることになっていた。パソコンの課題も出されていたから、先生から「篭はもうやめなさい。パソコンに集中しなさい。」と言われたほどで、指や手首が腱鞘炎になりそうなくらいまで篭を作っていた。沖縄に帰ってからも、ロービジョンの人が通う事業所でも教えたり、沖縄県視覚障害者福祉協会(以下、沖視協)でも教えに行ったりしている。

Q:沖縄に戻って、今はどのような生活をしていますか?最後に、今後の目標についても教えてください。

A:福岡から帰ってきて半年してから「自立しよう」と思って一人暮らしを始めた。今年の8月で3年になる。外出するときは同行援護にお願いしている。今は、10月に行われる陸上の大会で「砲丸投げ」に出るため、近所の運動公園で2時間のトレーニングをしている。自転車をこいだり、バーベルなど色んな器具を使用している。父親が陸上の選手だった。その父親は今91歳で、とても元気で、歌を歌ったり三線をひいたりしている。自分は沖視協で三線はやったけど3日でダメだと思った。場を盛り上げるのが好きで、今年は鉦子(ショーグ)を買ってくれたから師匠である父と練習している。今年は地域行事である大綱引きと旗頭に出たいと思っている。

語者プロフィール

松田 博幸(まつだ ひろゆき)さん
昭和34年生まれ(大里育ち)
【趣味】音楽を聴くこと。民謡、歌謡曲。
【特技】余興が即興で出来る指笛(どんな曲でも合わせわれる)
【目標】砲丸投げで国体に出る
【夢】父親の夢「孫の顔を見せて欲しい」を叶えること
【合言葉】 65歳でゴーゴー

  • 91歳の師匠(父)と共に

  • みんなに喜んでもらえる自信作の手作りの篭

2024年6月の報告あれこれ

ポータブル電源引渡式

 6月3日アンビシャス事務所において、AWWAから寄付を受け購入したポータブル電源を、台風等の非常時に貸し出す窓口となる一般社団法人Kukuruと特定非営利活動法人ToiToiに対する引渡式を執り行いました。当日、琉球新報、沖縄タイムス、沖縄テレビ放送の取材が入り各紙面、夕方の地域ニュースのコーナーで報道されました。今後、宮古、八重山において窓口となる団体が決まり次第、ポータブル電源を提供する予定となっています。
 梅雨も明けこれから台風の多くなる時期、これら貸出し用のポータブル電源が有効に活用され、人工呼吸器など電気を必要とされる皆さま方の安心につながる事を願っています。

難病ピア・サポーター研修(フォローアップ編)開始!

 6月15日、難病ピア・サポーター養成研修(フォローアップ編)3回コースの1回目を実施しました。第1回は、アンビシャスが講師を務め「ファシリテーターの役割」について講義しました。講座終了後、参加者の皆様から「自分自身も発言や他の参加者意見を聴いて考える事で一杯であるが、ファシリテーターは全体の進行を制限時間内にまとめる役割、今回の模擬体験を通して少し学べた。」と感想を頂きました。ファシリテーターとは、患者会等の大勢が集まる会において、時間管理や参加者全員が発言できるよう配慮する役割等があります。難病ピア・サポーターは、患者会や難病サロンで参加者の話を聴いたり、自分の体験を話したりする機会を持ちます。難病ピア・サポーターがより活躍できるよう、基礎編、応用編、フォローアップ編をご用意して、難病に関する基礎知識から、実際の相談の受け方、交流会等でのファシリテーターの務め方等スキルアップに努めております。
 今年度も難病ピア・サポーター研修は9月より基礎編を予定しております。今年は、2日間の対面開催とオンライン開催の2通りで研修を予定しております。詳細は8ページをご覧ください。 ※応用編およびフォローアップ編は、基礎編を受けられた方を対象としております。

6月のご寄付


大央ハウジング様よりご寄付をいただきました。

 6月26日株式会社大央ハウジング様から、会社を代表して総務部 松尾俊明様、同前盛清美様がアンビシャス事務所を訪問され、難病支援に役立てていただきたいと10万円のご寄付をいただきました。
 同日、全保連株式会社様より600万円ものご寄付をいただきました。
 創立34年を迎えられた株式会社大央ハウジング様、全保連株式会社様両社は、多年にわたって寄付を続けていただいています。通常の業務以外に社会貢献に向けられている尊いご意志に心より感謝申し上げます。

アンビシャスメモ

保健所スケジュール

各保健所、8月の予定はございません。

【北部保健所】  Tel:0980-52-2704
【中部保健所】  Tel:098-938-9883
【南部保健所】  Tel:098-889-6945
【那覇市保健所】 Tel:098-853-7962
【宮古保健所】  Tel:0980-72-8447
【八重山保健所】 Tel:0980-82-3241

令和6年【10月開講】障害者委託訓練生募集

【募集期間:令和6年8月1日(木)~23日(金)】
【訓練期間:令和6年10月1日(火)~12月27日(金)】(3ヵ月間)

コース名:リネン類クリーニング科
定員:1名
管轄校:浦添校
募集対象:知的障害、精神障害、発達障害、その他(高次脳機能障害、難病)
訓練場所:石垣市
委託先:沖縄綿久寝具株式会社(八重山工場)
※受講料無料(但し教科書代、検定料、保険料は自己負担)
【申込方法】住所地のハローワーク
【お問合せ】浦添職業能力開発校 TEL:098-879-2560

8月3日開催予定「難病と診断されたときに役立つしおり作り」参加者募集

 この度アンビシャスは、5月23日「難病の日」に行いました「難病と診断されたときに役立つしおり作り」の第二弾を週末に再度開催いたします。前回は平日で参加できなかった方、患者会の多くの方々と一緒に、難病と診断されたときに役立つしおり作りができたらと考えています。

【日時】8月3日(土)15時~16時30分
【場所】沖縄県総合福祉センター第二会議室 または オンライン(ZOOM)
【対象者】難病患者、家族、支援者
【問い合せ先】
 沖縄県難病相談支援センター(認定NPO法人アンビシャス)
 Tel:098-951-0567(平日10時から16時)
【申込みURL】https://forms.gle/9n9ey61Mif7Kon3X7

難病医療相談会 2024年度(9月の計画 及び 日程変更があった疾患)

 専門医による個別相談(お一人30分間)を無料で受けることが出来ます。定員は4組となっております。先着順となりますので、ご希望の方はお早目にお申込みください。

【疾患】下垂体系疾患/下垂体性ADH分泌異常症・下垂体性TSH分泌亢進症など
【担当医】池間 朋己先生(浦添総合病院)
【日程】9月6日(金)14時~16時

【疾患】腎臓系疾患/IgA腎症・多発性嚢胞腎などなど
【担当医】上間 貴仁先生(那覇市立病院)
【日程】9月14日(土)14時~16時

【疾患】肝臓系疾患/自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎など
【担当医】前城 達次先生(琉球大学病院)
【日程】8月28日開催予定から変更 8月14日(水)16時~18時

【疾患】消化器系疾患/クローン病、潰瘍性大腸炎など
【担当医】金城 福則先生(浦添総合病院)
【日程】9月7日開催予定から変更 12月14日(土)14時~16時

【主催・開催場所】
 沖縄県難病相談支援センター(認定NPO法人アンビシャス)
 那覇市牧志3-24-29
【お申込み・お問い合わせ】
Tel:098-951-0567(平日10時~17時)

こころの現場から

新薬の創生

鎌田依里

臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)

  難病をもって生きている、または難病をもった家族がいると、医学や医療従事者に対して、様々な想いを抱きます。その想いは必ずしもポジティブなものではない場合もあり、複雑に絡み合った想いを抱きながら医療従事者らと関わります。
 人のこころはゆっくりと変化をするがゆえに、周囲の状況が急激な変化を遂げると歪みがでます。(こころが急激な変化をするのは双極症〈引用文献1〉の場合があります。)一方で医学の進歩は目覚ましく、それが難病をもった人やその家族の希望となる場合も多いです。もしも病気の進行を止めたり完治させたりすることができれば、難病は難病ではなくなるのですから影響力はすさまじいです。
 新薬の創生は、難病療養者やその家族に「すごく嬉しい!」「待ち望んでいた」という幸福な心理状態ももたらします。自分の気持ちが明るいと、主治医をはじめとする医療従事者への態度も明るく丁寧なものになるでしょう。自分の身体の現状を知り、主治医に自分の意見を伝えることが多くなるかもしれません。ただ、人によっては、気持ちのどこかに「難病じゃなくなったら、これまでもらっていた保障がもらえなくなるかもしれない」という気持ちも出てくるかもしれません。また人によっては、新薬が自分の身体に合わず、新薬を期待していた分、余計に心理的に落ち込む可能性も否めません。そうすると主治医に対しての不信感も芽生えてしまうかもしれません。
 身体の状況が変わると、人のこころは容易に変化するものです。新薬の創生は、その対象となる難病療養者の生活を変えるがゆえに、生活に関わる全ての事項にポジティブな影響もネガティブな影響も与えるのです。

〈引用文献1〉日本精神神経学会(2023)DSM-5-TR(TM)精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院
〈参考文献〉筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さんを対象としたボスチニブ第2相試験
主要評価項目達成(速報)~iPS創薬からALS進行停止を目指すiDReAM Study~ 2024年6月15日取得
https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/240612-120000.html

つぶやきチャンプルー

沖縄の真夏のつぶやき

照喜名通

著:照喜名通

 8月は暦上では秋ですが、沖縄ではまだまだ盛夏。最近では全国も同様の傾向ではないでしょうか?まだ暑い日が続きます。皆さんお体には気をつけてください。
 職場から帰宅する際、ふと空を見上げるとなんだか落ち着きます。そういえばストレスでいっぱいで辛い時も空を見上げていると、なんだか楽になる。そんな空が大好きなのはなぜでしょう。
 沖縄の夏といえば台風の季節でもあります。幸い今年は台風の発生も今のところ少なく助かっていますが、反面、海水温の上昇でサンゴが白化するという問題はあります。台風による停電は、現代社会では非常に困ります。最近では災害が頻発していて、在宅療養者にとって台風接近等の災害発生時の電源確保の問題は命に関わる重大な課題です。
 今月は特に在宅で医療的ケア者(児)の電源確保に関して、本人や家族そして支援者や市町村役場からの問い合わせが多く寄せられています。皆さんの関心が高まっていることは良い傾向だと思います。一人でも多くの在宅で療養されている方の安全が確保され、安心して過ごせるようになればありがたいです。発電機など電源確保にはお金もかかるので、行政の制度などを活用し、研修会などで正しい知識を習得し安全に賢く使い安心して過ごせることを願います。
 災害はいつ、どんな状態でどれだけの被害をおよぼすか判りません。これで安心ということはなかなか言えないのですが、共に学び向上していきたいです。

シリーズ 「患者学」第112回

フィンランド症候群について

慶應義塾大学 名誉教授 加藤 眞三著

 脂質異常や糖尿病などの傾向がある人は、食事や運動など生活習慣の指導、そして薬物療法が行われます。しかし、それらを行うことが反って死亡率を増やすと報告する研究報告があり、医師の頭を悩ませています。フィンランドで行われた研究であったので、一般にはフィンランド症候群と呼ばれています。
 比較的裕福な教養の高い実業家男性を対象に行われこの研究の正式名称はヘルシンキ実業家研究介入試験であり、1991年のアメリカ医師会雑誌JAMAに報告されました。1974年から1980年にかけて、心血管疾患の危険因子(肥満度、血圧、血清脂質、グルコース)をもつ健常な男性を対象とし5年間個別指導と標準的薬物治療を行い、リスクを減らす治療が行われたのです。結果として、心血管のリスク因子は減っているのですが、15年間の追跡期間中に治療群の死亡率が対照群よりも高いという、期待とは逆の結果だったのです。
 その後にも、この研究は詳細に再検討され、さらに長期間の経過観察も行われました。そして、介入群では危険因子が有意に改善していることが確かめられましたが、総死亡率は介入群の方が対照群よりも試験後25年まで一貫して高く、その後収束していったのです。この論文は、次の様に結論しています。
 危険因子のある個人への予防対策に対して、このような不利な反応がでたのは、対象とした人がまだ心血管病を発病していない社会的地位の高い男性に特徴的なものかもしれませんが、さらなる調査が必要です。
 このような結果になった原因はまだ解明されていません。そして、この結果だけみると、検診など受けない方がよいし、治療も受けない方がよいということになってしまいます。しかし、他の臨床試験では、降圧薬や抗糖尿病薬、脂質異常症の薬の効果は、その効果が確認されているのです。一体どういうことなのでしょうか?
 科学論文は、このように研究者にとって明らかに不利となる結果が出ても発表されること、しかも、それをさらに継続して評価し続けていることが素晴らしいと思います。このように結果がオープンにされることで、科学を信用することができるのです。
 科学scienceの語頭にあるsciは、ハサミがscissorであり、分裂病(現在は統合失調症)がschizophreniaであるように、切るとか分断するという意味を含みます。科学は一つの断面を切りとり観察した結果に過ぎないのです。2018年の論文は、この切りとった対象が偏っていたから、こんな結果が出たのかも知れないと推論しているのです。
 逆にいえば、科学論文の結果はあくまでも一断面に過ぎないため、その解釈を拡大解釈してはならないのです。Aを対象に行った研究が、Bのグループでも正しいとは必ずしも言えず、さらにそれを人類全体に一般化しすぎると間違いなのです。
 この研究に関するわたしの解釈は、検診後に行われた介入(栄養・運動指導や投薬)が「おどしの医療」や「管理する医療」であり、そのことが健康に悪い影響を与えたのではないかということです。また、対象が、北欧の実業家で普段社員を管理する立場の人であり、管理されることにより強いストレスを感じていたのではないでしょうかと、想像します。
 もし、介入の方法が異なっていれば結果が違ったのかもしれません。糖尿病の糖尿病のエンパワメント(人が本来備えている能力を開化させ、活用できるように支援すること。)や高血圧のコンコーダンス(薬物療法について医師と薬剤師が、患者の生活スタイルや内面を重視する考え方。)などの新しい患者教育は2000年を過ぎてから普及し始めました。患者の動機付けをする面接技法です。これらの介入方法であれば、介入により死者が増えなかったのではないかと、推測します。
 いづれにしても、検査のデーターで一喜一憂することには問題があるのかも知れませんし、その後の介入方法によってストレスはさらに増えるのです。

慶応義塾大学看護医療学部
名誉教授 加藤 眞三
慶應義塾大学名誉教授。上智大学グリーフケア研究所研究員。
患者と医療者の協働関係を作り上げることをテーマに公開講座「患者学」や著作 等を通じ、患者も自ら積極的に医療に参加する啓発活動に取り組む。

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アンビシャスからのお知らせ

難病ピアサポーター(基礎研修)参加者募集のお知らせ

 同じ病気を抱える患者同士が互いに支え合うことはとても大切です。ピアサポーターのピアは「仲間」、サポートは「支援」という意味です。ピアならではの支援ができるところに大きな意味があります。身近な相談相手の担い手となる「ピアサポーター」にあなたもなりませんか?

宮古(対面)研修:2日間コース

【対象者】沖縄県内在住の難病患者本人あるいはそのご家族で、2日間受講可能な方
【参加方法】対面開催(2日間コース(宮古開催))
【定員】先着10名
【申込締切】8月16日(定員に達し次第、締め切らせていただきます)
【開催日程】9月3日(火)、9月4日(水)
【申込フォーム】https://forms.gle/1LL3HiAjAmUdAjUB6

オンライン研修:5日間コース

【対象者】沖縄県内在住の難病患者本人あるいはそのご家族で、全5回受講可能な方
【参加方法】オンライン開催(5日間コース)
【定員】先着10名
【申込締切】8月16日(定員に達し次第、締め切らせていただきます)
【開催日程】9月7日(土)、14日(土)、21日(土)、10月5日(土)、12日(土)
【申込フォーム】https://forms.gle/bZ5TnjtcpEMT37Mi9

※Zoomが初めての方にはスタッフが接続の仕方をお手伝い致します。
※パソコン、タブレットやネット環境は各自のご負担となります。

【問合せ先】
沖縄県難病相談支援センター(認定NPO法人アンビシャス)
TEL:098-951-0567(平日10時から17時)

今月のおくすり箱

「カフェイン」の摂取について

吉田典子

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 カフェインは、コーヒー、紅茶、緑茶等私達が日頃飲んでいる飲料にも含まれています。カフェインを多く含む清涼飲料水(エナジードリンク)では、コーヒー等より多くのカフェインを含むものもあります。仕事や試験勉強時の眠気防止として多用されている方も多いのではないでしょうか。
 カフェインは、適量であれば頭が冴え眠気を覚ます効果があります。しかし、過剰に摂取した場合、めまい、動悸、興奮、不安、ふるえ、不眠、下痢、吐き気等をもたらすこともあります。カフェインは市販の風邪薬や頭痛薬等にも含まれていることがあるため、カフェインを含む飲料と一緒に飲むことは避けましょう。
 日本では、明確な基準や摂取量の目安は示していないものの、米国では健康な大人の場合、1日当たり400mg(コーヒー4~5杯程度)までであれば、カフェインによる健康への悪影響はないとしています。カフェインが含まれる医薬品の説明書や製品情報ページ(web)には、成分に「カフェイン」と記載されています。医薬品を使用の際は、説明書をよく読み、記載の用法・用量を守って服用してください。

アンビシャス広場

~エッセイ~ 「今、それ言う?」 渡口 正さん(ALS)

 令和4年8月、私が沖縄病院に入院する直前、病棟内でコロナウイルスのクラスターが発生し入浴中止となったため、入院中で12日間入浴出来ませんでした。
 このクラスターには、5、6人の病棟スタッフも巻き込まれ、病棟内を動き回るスタッフのピリピリ感と疲労感の影が日増しに濃く、長くなっているように見えました。
 入院7日目の午後4時を回った頃、「ナースコール対応に行ったら、鼻毛抜いてって言われて、マジ「今、それ言う?」って言いそうになった俺って、ヤバいっすよねー。」と吐露する看護師さんに、私が「ヤバいっす」って言ったら、看護師さん目を丸くして口に手を当てていました。
 看護師さんも人の子。時に、我々患者も空気を読みながら病棟スタッフへ協力し、良好な関係を築く姿勢も必要だよなぁと思いました。
 それに当時の私は、ウクライナ東部の製鉄所の地下で苛烈な空爆に耐えている人たちに思いをはせたら、入院生活、全然フツーでした。

お勧め映画/DVD情報

1)名もなき毒 2013年
 宮部みゆき原作のミステリー。 TBS系列・全11回シリーズで前半と後半に分けられるミステリー作品。主人公は編集者の職に就いていたが、結婚を機に義父の大会社へと就職する。その頃から周囲で、色々な事が起こりはじめる。
 出演、小泉孝太郎、国仲涼子、ムロツヨシ、室井滋、深田恭子、真矢みき、杉咲花、江口のりこなど

2)流星の絆 2008年
 東野圭吾の原作、脚本は宮藤官九郎。
 TBS系ドラマで全10回。子供の頃に、両親を殺された3兄妹、犯人を見つけると固く誓う。重い暗い話だけではなく、3兄妹が詐欺を企む箇所は笑いを誘うものとなっている。出演、宮和也、錦戸亮、戸田恵梨香、尾美としのり、りょう、寺島進、三浦友和、バナナマン設楽、柄本明、桐谷健太、要潤、中島美嘉など。作品は、第59回「ドラマアカデミー賞」で、作品賞、主演男優賞、助演女優賞、脚本賞、監督賞、主題歌賞を受賞する。

★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
……カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。

今月の占い

  • 牡羊座 3/21-4/19
    未来図を思慮してみて
    ☆リフレッシュ法:仮眠
  • 牡牛座 4/20-5/20
    疲れる前に休息を
    ☆リフレッシュ法:散歩
  • 双子座 5/21-6/21
    小まめに整理整頓を
    ☆リフレッシュ法:掃除
  • 蟹座 6/22-7/22
    注意する事も大事
    ☆リフレッシュ法:お風呂
  • 獅子座 7/23-8/22
    寝不足に気を付けて
    ☆リフレッシュ法:スキンケア
  • 乙女座 8/23-9/22
    新たな趣味を見つけて
    ☆リフレッシュ法:読書
  • 天秤座 9/23-10/23
    リラックスの時間を
    ☆リフレッシュ法:睡眠
  • 蠍座 10/24-11/21
    振り回されない心を
    ☆リフレッシュ法:テレビ視聴
  • 射手座 11/22-12/21
    挨拶を大事にしよう
    ☆リフレッシュ法:ネット観覧
  • 山羊座 12/22-1/19
    体調管理に気を付けて
    ☆リフレッシュ法:歌唱
  • 水瓶座 1/20-2/18
    家も心も風通し良く
    ☆リフレッシュ法:断捨離
  • 魚座 2/19-3/20
    美味しい物で元気に
    ☆リフレッシュ法:飲食

編集後記

 今月の「表紙は語る」をご寄稿されたのは、網膜色素変性症を罹患された松田博幸さんです。網膜色素変性症は沖縄県の指定難病の中では5番目に多い疾患です。松田さんは明るくいつも周りを楽しませてくれる方ですが、発症・診断当時は家に引きこもるほどショックをうけていたようです。患者会を紹介され参加したことがターニングポイントで、松田さんの持つ明るさを取り戻したことでしょう。一人暮らしをしたい!との希望をひとつひとつクリアしていく姿は勇気をもらえますね。
 ところで、8月は沖縄の指定難病の更新最終月です。毎年、締め切り前の月末は、申請者が殺到し、混雑が予想されますので、早目に済ませたいですね。準備する資料も漏れが無いようにチェックしましょう。
 個人的にはパリ五輪が楽しみで、一生懸命練習を重ね勝ちに行こうと精神的なプレッシャーと向き合いながら競技に挑む姿は元気をもらえます。私は生きている毎日が競技かもしれませんが、松田さんのように楽しみながら夢に向かっていきたいです。

文 照喜名 通