1. 難病情報誌 アンビシャス 268号

難病情報誌 アンビシャス 268号

最終更新日:2024年08月30日

表紙は語る

たくさんのご縁に感謝、そして共に価値のある人生へ前進

津覇 直也(つは なおや)さん
全身性ジストニア・ミトコンドリア病

 私の疾病は全身性ジストニアです。あまり聞かない名前ですが、ジストニアとは、筋肉が自分の意思とは無関係に収縮を起こし、異常な姿勢や異常な運動を生じる病気です。症状としては、手足を動かそうとすると余計な力が入って思い通りに動かせず普通の人より時間がかかる。急に転んだりする。すぐに声が出てこない吃音などです。
 それでは私の誕生から見て行きましょう。生まれたときの体重は4400グラムもありました。今は痩せていますが(笑)。
 3歳の頃、片足跳びができなかったそうですが今でもできないです。小学生、中学生の頃は走るのが普通の人の2倍時間がかかり、リレーでは半分だけ走っていました。走るとよく転んでいたのを覚えています。その頃から話すとき吃音が多かったので、私の推測では発症した時期は幼少期の頃か先天性ではないかと思います。
 仕事をし始めた2001年頃、足をするような小刻み歩行になったり、転ぶのも多くなり、変だなと思い当初は整形外科や整骨院を受診していました。内科を受診したほうがいいと言われ、当時は知識が無く「なぜ内科に?」と思いましたが、当時、神経内科を受診すると「若年性パーキンソニズム」と診断されました。病名を聞いたときは何がなんだか分からなかったのですが、後々、パーキンソン病の症候群だと分かりました。薬を投与して歩行も手の震えも少しずつ良くなりました。現在の通院している総合病院にかかるまでは病院を転々としていました。
 2009年頃「全身性ジストニア」と診断されました。全身に症状があるから全身性と言われました。ネットや本で調べたら、症状は私とほぼ同じような症状が書かれていたので「その通りだな」と思いました。薬はジストニアには特効薬がないので、パーキンソン病の薬もいろいろ組み合わせて試したのですが、特に効いたと思う薬はありませんでした。今の薬を飲んでも飲む前と症状が変わった感じはしませんが、薬代が安いので医療費には困ってはいません。
 2012年、一人暮らしを始めました。周りの同級生が次々と結婚していくのを見て取り残された感じがしたのがきっかけです。仕事をして家事を毎日やらないといけないのは大変ですが、自由に自分の時間や行動を決められるところ、1日1日を乗り越えて行く達成感が楽しいから続けられていると思います。
 私は自己啓発の本を読むことや、YouTubeの人生のアドバイザーやカウンセラーの話を聞くことが好きです。心に刺さる言葉や名言、苦難を乗り越えている人の話を聞いて刺激を受けたり「こういう考え方や、捉え方あるんだ」と新しいことに気付かせてくれるので勉強になり、オススメです。
 2014年、私はパーキンソン病ではありませんが「パーキンソン病友の会」に入会しました。当初は役員として、講演会や交流会の打ち合わせ、企画や準備などに携わらせていただきました。今後も会合に参加していきたいと思っています。 1日で転ばない日もあれば、多いときは1日に4回転ぶ日もあり、平均すると1日に1回転んでいます。転ぶのが多い分ケガも多いです。1日~1週間で治る軽症が大半ですが、危なかったケガは次の通りです。
 テレビボードに頭をぶつけて出血が止まらず、怖かったのですが、座って安静にして止まるのを待ちました。2時間後に出血が止まったので良かったです。他には、食事の準備中にお湯の入った鍋に倒れて、右腕を火傷しました。完治するのに通院して3ヶ月かかりました。火傷の部位が顔じゃなくて良かったと思います。また、左手の甲を骨折したときは、完治するのに時間がかかりました。包帯を左手にしていたときの生活は大変でしたが、工夫して乗り越えられました。「倒れてもすぐに立ち上がって前に進む精神」は「病気に負けないぞ」という想いが強いです。プロレスが好きで「カウント3取られてたまるか」という想いもありますね。
 歩くスピードは10年前と比べると、場所や地形が悪かったり、人が多いと立ち止まるため、遅くなりました。外を歩くときは速く歩けるのに、建物の中に入ったら極端に遅くなり、また外へ出ると急に速くなるという変わった症状があります。感覚トリックのような。40代になってから視力も低下して、立ち上がるのに時間がかかるようになりましたが、生活は10年前と同じで、踏ん張って楽しくやっています。年齢的なものもありますが、40代になってから症状が少し悪くなった感じはありますが、1日のうちで良くなったり悪くなったりで、病気の進行は遅い方だと思います。症状の程度は軽度ですが、病気を治す特効薬がない、治療法がないのが現状です。
 そんな中、2023年、主治医の先生に「リハビリで1ヶ月入院してみないか?」と言われました。症状が改善されないからです。リハビリはHAL(ロボットのような器具を装着して脳に刺激を与え歩き方のクセを矯正する)をやりました。初日はキツかったのですが、慣れたら楽しかったです。入院生活は、行動範囲や飲み物に制限はありましたが、自由な時間は多かったです。これからも、出会えた患者の方、医療スタッフの方とのご縁を大切にしていきたいと思います。
 現在の心境は、病気になって良かったとは思いませんが、病気になった本人にしか分からない個性だと思います。「神様は、その人が乗り越えられる試練しか与えない」という名言があるように、人生には選択肢があり、どう乗り越えていくか、何を学ぶかだと思います。
 2024年、指定難病の医療費助成の申請をしましたが、不承認となりました。定期的に入院して治療することはなく、薬代も安いので「まあいいか」と思いました。普通とあんまり変わらないということで(笑)。

 以上で私の一人芝居は終わりです。前々からアンビシャス会報誌に出たいと思っていたのですが「エピソードがあんまり無いな」と感じていたので、今回出れて嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。

語者プロフィール

津覇 直也(つは なおや)さん
昭和54年生まれ(那覇育ち)
【目標】資格取得、福祉医療関連の相談員アドバイザー志望
【趣味】YouTubeを見る(歌を聞く、プロレス)
【好きなこと】グルメ、お酒
【好きな食べ物】カレーライス、ラーメン
【特技】路線バスマニア
【好きな音楽】90年代邦楽

  • 表紙

  • モアイの仲間達と屋外撮影

2024年7月の報告あれこれ

那覇看護専門学生実習

 毎年、那覇市医師会那覇看護学校で学ぶ学生が、2名組で5組が実習に来られます。難病制度の概要などは学校での授業で説明しています。来所での実習では、その一つにノンバーバル・コミュニケーションについてのロールプレイ、意思伝達装置の概要と透明文字盤の使い方を説明しています。発語やジェスチャーはせずに目の動きだけを使用して、母親の名前を相手に伝えることが出来るかを演習してもらいます。実際に体験してもらうことで将来医療の現場で役立つことを期待しています。

災害時の電源確保講演会


 「災害時の電源確保講演会」が7月12日に南風原町主催、同19日に南部保健所主催で開催されました。最近の多発する傾向にある災害への不安もあり、多くの地域支援者が参加されました。地震の揺れに対する家具や医療機器の固定、安否確認の方法、電源の確保について説明させていただきました。
 在宅で療養される患者家族はもちろんですが、それを支える支援者も被災する可能性があります。支援者自身とその家族の身の安全について、災害時に備えた対策をしていないと療養者を支えることもできなくなります。電気の仕組みと正しい知識を身に着けてもらい、より多くの方々の命を守れることを期待しています。

7月のご寄付

 アンビシャスに対し7月3日ピュアペットクリニックの野中哲様より、今年も10万円のご寄付をいただきました。また、7月29日には株式会社サンシャイン様より「サンシャインゆいま~る」事業より5万6000円のご寄付をいただきました。
 野中様、株式会社サンシャイン様からは、永年にわたって寄付を続けていただいています。他にも個人で継続してご寄付いただいています多くの方々など、会社、個人を問わず多くの皆様からのご支援をいただいております。難病に対するご理解と活動の支援に寄り添っていただいている、尊いご意志に心より感謝申し上げます。ご寄付に託して頂いた難病支援に対する思いを受け止め、しっかりと活動して参りますので、今後ともご支援を賜りますようお願いいたします。

アンビシャスメモ

保健所スケジュール

各保健所、8月の予定はございません。

【北部保健所】  Tel:0980-52-2704
【中部保健所】  Tel:098-938-9883
【南部保健所】  Tel:098-889-6945
【那覇市保健所】 Tel:098-853-7962
【宮古保健所】  Tel:0980-72-8447
【八重山保健所】 Tel:0980-82-3241

令和6年【11月開講】障害者委託訓練生募集

【募集期間:令和6年9月2日(月)~25日(水)】
【訓練期間:令和6年11月1日(金)~令和7年1月31日(金)】(3ヵ月間)

コース名:リネン類クリーニング科
定員:2名
管轄校:具志川校
募集対象:知的障害、精神障害、発達障害、その他(高次脳機能障害、難病)
訓練場所:中城村
委託先:沖縄綿久寝具株式会社(中城工場)
※受講料無料(但し保険料等は自己負担)
※詳しくは、具志川職業能力開発校へお問合せください。
【お問合せ先】TEL:098-973-6680

視神経脊髄炎(NMOSD)の皆様へ「みんなに会いに行く」のご案内

 アンビシャス会報誌第222号の「表紙は語る」に寄稿いただきましたソプラノ歌手坂井田真実子さんから患者会のイベントで来沖されるとの連絡を7月中旬にいただきました。
 今回、来沖されるイベントというのは、NPO法人日本視神経脊髄炎患者会が主催する「みんなに会いに行く」と題するイベントです。同じ系統の疾患を持つ「仲間」がそこに一人でもいるならば「あなたに会いに行く」というスローガンのもと、10月6日(日)に那覇市において開催されることが予定されています。
 離れた場所から沖縄にいらっしゃる「仲間」に会ってみませんか。

※NPO法人日本視神経脊髄炎患者会のホームページの更新等の都合から、沖縄開催のページの掲載は間もなくの予定です。参加費は無料ですが、事前に予約が必要ですのでご注意ください。

こころの現場から

①身体的な問題の確認→②精神的な問題の確認、という順を遵守しよう

鎌田依里

臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)

 病気の歴史を紐解くと、様々な病気が最初は「祟り」「呪い」「バチが当たったから」等と信じられていた時代がありました。近代医学が進歩してもなお、医学的な数値をもってその疾患を証明できない際には診断までに時間を要する場合があります。また、精神疾患が多くの人に認知されている現代では「精神的な問題だから」と一括りにされ、精神病者として扱われることも少なくありません。たしかに、難病療養者はその病いの辛さから精神疾患を併発している場合もありますが、精神病者と難病療養者とは基本的に大きく異なります。
 こころが可視化される時代になり精神疾患についても開示しやすい社会になったために、何か身体状態に異常をきたすと「精神的な問題から派生している」という見方が必ずつきまといます。人が「こころ」や「無意識の存在」を重要視するようになったからという臨床心理学的な観点から見ると大事な変化もありますが、この見方には注意を要します。
 最初から精神的な問題に焦点を当てて対応すると、身体の病気を見逃してしまい、身体症状は悪化し、治療するには手遅れの状態になることがあるのです。だからこそ私たちは、自分やその周囲の人が何か具合が悪い状態になった場合に、①身体的な問題について把握し、身体的な異常がないか医師による確認を済ませて身体的な問題が完全に除外されてから、②その具合の悪い状態は精神的な問題から派生しているのだと結論付ける手順を遵守するのです。支援者は、生じている問題が自分の知り得ない状態の場合に、何でも精神的な問題という目で片づける傾向があります。だからこそ、この①→②という順は違えずに対応をすることが大切なのです。

つぶやきチャンプルー

難病と防災は似ているのでは

照喜名通

著:照喜名通

 9月1日は防災の日です。台風、高潮、地震、津波などの災害に対する備えの意識を高めようと制定された日です。この時期は台風襲来が多いことや、101年前に起きた関東大震災の日が制定のきっかけとなっています。先月8日に宮崎県で最大震度6弱の地震があり、その地震がマグニチュード7.1だったことから、こうした大きな地震と連動することが想定される南海トラフの地震の発生確率が高まったようです。
 人は様々な原因によって必ず死を迎えますが、いつどういった原因でその時を迎えるのかは誰も判りません。病気になったとしても重症度や個体差によっても平均寿命を生きる人もいれば、そうでない人もいるでしょう。多くの患者さんを診てきた医師でさえ、おおよその時期や状態は判ると思いますが、個別具体的には誰も判断できないと思います。
 難病と診断され「もう終わりだ」と考えても、すぐにその日が訪れる訳ではありません。より人らしく長く生きるため、正しい情報を知り、より改善する治療をし、悪化させないような行動をするようになります。これまで出来ていたことが出来なくなり、行動や価値観も変わります。どう死にたいのか、どう生きたいのかを考えるようになるでしょう。
 災害はいつやってくるか判りません。生き延び、より安全に、より快適に過ごすために正しい情報を得て、家具の固定、備蓄など減災に向けた行動をとり、備えておきたいです。

シリーズ 「患者学」第113回

動機付け面接について

慶應義塾大学 名誉教授 加藤 眞三著

フィンランド症候群をどう理解するのか?

 前回、検診を受けて生活指導や薬物治療を受け、心血管病の危険因子は確かに改善したにもかかわらず、治療群の死亡率がむしろ高くなってしまったというフィンランド症候群について説明しました。このことから検診など受けない方がよい、治療など受けない方がよいと結論することは早計です。なぜなら、降圧薬による薬物療法に関しては死亡率だけでなく心筋梗塞や、脳卒中などの発症を低減するという論文が沢山出されているからです。
 わたしは栄養指導や運動指導などの医学的指導・管理方法に問題があったのではないかと推測しています。栄養や運動に関する情報を提供し、生活習慣をかえ特にこの研究はフィンランドの一流企業の重役(executive)を対象に行われたために、その人達が医療者に管理されることに強いストレスを感じたのではないかと考えたのです。

新しい医療面接技法・患者教育の手法

 この研究は1974年から80年にかけて行われたものであり、医療者が患者さんに指導し管理するというスタイルで診療を受けていたものと考えられます。しかし、ちょうどこの頃より新しいスタイルの患者指導が開発されてきました
 飲酒問題に対して開発された解決指向アプローチ、糖尿病患者に対して開発され普及しつつあるエンパワメント、それらをより普遍性のある生活指導とする医療コーチングや動機付け面接などです。
 これらは、患者さんが個人として大切にしているものを土台として、患者さん内部からでてくる動機付けを行うことにより行動変容へつなごうとする面接技法です。患者さんのもつ希望や夢を大切にし、その人の持つ周囲の人との関係性を重視するところに特徴があります。
 血圧を下げたい、糖尿病を良くしたいなどの患者さんの動機を確認できれば、その上で生き方や生活スタイルに対する各個人のイメージの明確化することを支援し、生活様式を変えるための患者の意思をいかそうとするものです。

管理のための情報提供から動機付けのための面接へ

 医療において、疾患の予防や身体的に治療の同意を得るにあたって、医療者が患者や市民に情報提供をすべきことは、もう常識的なこととなっています。情報の提供は、知識・認知のレベルのケアにあたりますが、それだけで生活習慣がよくなるわけではありません。
 生活習慣病においては、そこから、さらに患者が行動を起こすための動機付けのケアが必要となるのです。また、心身医学や終末期の医療では、感情レベルのケア、魂のレベルのケアへとケアをより深化することが求められます。
 このような新しい医療面接の技法は1980年代から徐々に始まり、2000年を過ぎてから注目されるようになってきました。
 心血管病の危険因子を軽減し死亡率を減らすことを、従来の患者管理と新しい患者教育の手法の2群で比較すれば、どのような結果になるのか、わたしにとっては興味深い研究ですが、そんな研究が実際に可能かどうか疑問であり、フィンランド症候群の決着は中々つかないのかも知れません。

難病患者さんも自分の動機を見つける工夫を

 ここまでは、いわゆる生活習慣病に対しての話ですが、難病の患者さんにおいても、自分の動機を見つけることは大切であると思います。自分が何を大切にし生きていきたいのか、どんなことを大切にするのか、どんなことなら捨ててもよいのか、そんなことを家族や医療者とも話し合って、生活を組み立てていくことが必要なのではないでしょうか。

慶応義塾大学看護医療学部
名誉教授 加藤 眞三
慶應義塾大学名誉教授。上智大学グリーフケア研究所研究員。
患者と医療者の協働関係を作り上げることをテーマに公開講座「患者学」や著作 等を通じ、患者も自ら積極的に医療に参加する啓発活動に取り組む。

加藤先生の YouTube配信中です!
「Dr.シンゾウの市民のための健幸教室」
加藤先生の最新書籍:肝臓専門医が教える病気になる飲み方、ならない飲み方
出版社:ビジネス社

患者団体からのおたより

膠原病友の会 沖縄県支部より 令和6年度全国膠原病友の会沖縄県支部医療講演会

 6月16日沖縄県立博物館・美術館(講座室)において「膠原病最近のトピックス」というテーマで、新健幸クリニック副院長小禄雅人先生がご講演くださいました。
 6年ぶりの医療講演会でドキドキでしたが、遠くは名護から会員さんもいらしてくださり、約30名ほどの参加がありました。
 膠原病は30種類近くもの疾患の総称であることから、今回のテーマには先生も発表内容に悩まれたそうです。膠原病、その中でも患者数のダントツ多いSLEを中心に膠原病治療の動向をお話なさりながらも、その他の膠原病(リウマチ疾患、血管炎、シェーグレン症候群)も同じく全身に影響を及ぼす疾患であることも加えてお話してくださいました。リウマチ疾患においては、生物学製剤が出てからその予後にパラダイムシフト(劇的に変化すること)が起きたと称し、しかし残念ながら膠原病治療においてはまだ、そこまでの治療方法は見つかっていないとのこと。ですが、膠原病治療にも治療承認・認可された免疫抑制剤の併用治療、生物学的製剤の併用など、副作用の多いとされるステロイドの大量投与療法から、様々な薬の使い方がわかってきており、膠原病患者さんの予後が良くなっているとのことでした。いつの日か膠原病の患者さんにもその治療方法にパラダイムシフト(劇的な変化)が起こることを夢みています♪

今月のおくすり箱

漢方薬にも副作用ってあるの?

吉田典子

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 漢方薬は西洋薬と比べ副作用が少なく安全な薬と思われがちですが、使い方を誤ったり、漢方薬同士の併用で思わぬ副作用を起こすことがあります。小柴胡湯の副作用で知られる「間質性肺炎」は肺の壁が厚くなり酸素が取り込みにくくなる病気です。
 自覚症状として、乾いた咳、息切れ、呼吸困難、発熱などが現れ、発疹を伴う事もあります。また、多くの漢方薬に含まれるカンゾウ(甘草)の過量服用による「偽アルドステロン症」も代表的な副作用の一つです。症状として手足の脱力感、筋肉痛、だるさ、むくみ、動悸が現れます。重症化すると歩行困難、意識を失うこともあります。
 甘草は、芍薬甘草湯等多くの漢方薬に含まれており、一部の風邪薬や胃腸薬、ビタミン剤等の市販薬、ドリンク剤にも含まれています。成分のグリチルリチン酸と記載されている製品もあるため、重複に気づかないことがあります。併用する場合には、同じ生薬成分が過量とならないよう注意が必要です。
 漢方薬を服用する際は、添付文書やパッケージの注意事項をよく読み、適正かつ安全に使用していただきたいと思います。

アンビシャス広場

~エッセイ~ 「何ということでしょう!」 渡口 正さん(ALS)

 右手の握力低下から始まったALSとのお付き合いも1年半が経ち、卓球の方はラケットの種類を変え、戦型を変えながら何とか令和3年4月まで続けたが、その頃には左手の人差し指を浮かせることができなくなってたから、いつも仕事で使ってたパソコンのキーボード入力がとてもしづらくなってました。
 そこで、沖縄病院へ入院した際、リハビリセンターの作業療法士中川さんに相談したところ、私が「ちゃりマシン」をこいでる間自席に戻っていた中川さんが、どや顔しながら見た目にも貧弱そうな手づくりの補助装具を渡してくれました。
 あまりに簡単な作りだったんで、微妙な気持ちになった私でしたが、実際120分の仕事が15分に驚きの超時短。何ということでしょう!劇的ビフォーアフターである。
 このオトー、ただ者じゃないぞーッ。まるで、冷蔵庫の材料でチャチャっと激ウマチャーハンを作っちゃう神アンマーみたいに、私の仕事に命を吹き込んでくれる神オトーなんです。

お勧め映画/DVD情報

1)ブラフマーストラ 2022年
インド映画のファンタジーアクションアドベンチャー映画。科学者が何者かに襲われる不思議な幻視を見た青年。そこから彼の人生が一転する。
視覚効果・音楽・アクションが、批評家に高く評価されている。

2)フェンス 2023年
WOWOWによる沖縄を舞台にした5回ドラマ。
脚本は、『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』『MIU404』などを手がけた野木亜紀子。
米兵による性的暴行事件と、地位協定問題。
主演は、松岡茉優、新垣結衣は特別出演。
中でも、沖縄県民役の、宮本エリアナ、青木崇高二人の言葉遣い・訛りが上手いと思えた。

★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
……カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。

今月の占い

  • 牡羊座 3/21-4/19
    親しき仲にも礼儀を
    ☆リフレッシュ法:飲食
  • 牡牛座 4/20-5/20
    言葉遣いに気を付けて
    ☆リフレッシュ法:歌唱
  • 双子座 5/21-6/21
    休息出来る時間を
    ☆リフレッシュ法:スイーツ
  • 蟹座 6/22-7/22
    楽しい事を見つけて
    ☆リフレッシュ法:読書
  • 獅子座 7/23-8/22
    笑う門には福きたる
    ☆リフレッシュ法:掃除
  • 乙女座 8/23-9/22
    睡眠時間の確保を
    ☆リフレッシュ法:お風呂
  • 天秤座 9/23-10/23
    美味しい物で栄養を
    ☆リフレッシュ法:ネット観覧
  • 蠍座 10/24-11/21
    人のふり見て我がふり直せ
    ☆リフレッシュ法:スキンケア
  • 射手座 11/22-12/21
    人も自分も笑顔で
    ☆リフレッシュ法:音楽鑑賞
  • 山羊座 12/22-1/19
    無理せずマイペースに
    ☆リフレッシュ法:仮眠
  • 水瓶座 1/20-2/18
    挨拶や御礼を大事に
    ☆リフレッシュ法:テレビ鑑賞
  • 魚座 2/19-3/20
    ゆとりある時間を
    ☆リフレッシュ法:断捨離

編集後記

 今月の「表紙は語る」をご寄稿されたのは、全身性ジストニアとミトコンドリア病を罹患された津覇直也さんです。平均して1日1回は転倒するとのことで怪我をすることもあるようですが、それを乗り越える際に「カウント3取られてたまるか」とプロレス好きの津覇さんらしさと、何かあってもすぐに立ち上がって前を向く姿は周りにも影響していくんだろうなと思います。アンビシャスの会報誌で紹介させてもらえたことは嬉しいです。
 ところで、9月は防災の日、お月見、敬老の日と秋を思わせる時期ですね。沖縄では暑い日が10月頃までは続くとは思いますし、なんといっても台風のシーズンです。幼い頃は学校が休みになると喜んだものですが、今は台風が接近しないように祈るばかりです。
 防災について、津覇さんのように前向きに考えるとするれば、台風は予測できる災害にはなるので、普段からその対策として照明器具や飲料水・食料の備蓄などを準備しておきたいです。台風が接近する頃には在庫切れになりますのでお早めに。

文 照喜名 通