1. まとめ|今月のおくすり箱

まとめ|今月のおくすり箱

NO.018(228号):睡眠薬は長く飲んでも大丈夫ですか。

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 日本では、ベンゾジアゼピン系薬に分類される睡眠薬が多く処方され、効果的で比較的安全性の高いお薬とされてきました。しかしながら、長期服用によりなかなか薬がやめられないといった症状や認知機能や記憶力の低下も指摘されています。特に睡眠薬を処方されることの多い高齢の方では副作用が出やすく、ふらつきや転倒、骨折、せん妄等の症状が報告されています。2017年3月厚生労働省の外郭団体独立行政法人医薬品医療機器総合機構は、ベンゾジアゼピン系睡眠薬について、認められた用量であっても長期服用で依存性が生じる可能性がある(常用量依存)と注意を促しています。
 また、数年前より1回に処方してもらえる薬剤の日数にも制限が加えられました。最近は非ベンゾジアゼピン系で依存性の少ない新しいタイプの睡眠薬も発売されています。依存症を心配して急に中断すると脱力感や震え等が出る事もありますので、主治医とよく相談しましょう。加えて、自分自身の生活習慣(運動不足、長過ぎる昼寝、カフェインやタバコの過剰摂取、寝酒)を見直してみることも大切です。


NO.017(227号):錠剤を割ったり、カプセル剤をはずして飲んでもいいの?

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 大きい錠剤やカプセル剤はコップ一杯の水でもなかなか服用できないことがありますね。小さい方が飲みやすいからと、半分に割って服用していたりする方もいらっしゃるようですが、実はお薬にはそれぞれ工夫が施されています。お薬自体に苦みや特有の臭いがあるものや光や湿気に弱いもの、胃への刺激が強いもの、胃酸に弱い等性質も様々です。そのようなお薬は、飲みやすくするために錠剤の表面をコーティングしたり、胃で溶けずに腸で溶ける等の工夫がなされているものもあります。最近では、1日1回服用するだけで1日中効果が続く徐放性の製剤なども多く開発されています。また、カプセル剤の中には液剤が入っていたり、中の小さな粒に特殊な加工が施こされているものもあります。
 このような理由から、自分の判断で錠剤を割ったり、カプセル剤をはずして服用するのはよくありません。うまく飲み込めないという場合にはぜひ薬剤師にご相談ください。お薬の特性を考慮した上で飲みやすい薬・剤形を紹介してくれるでしょう。


NO.016(226号):お薬の飲み方~ お茶で飲んでもいいですか?

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 お薬は基本的に水か白湯で飲むこととされています。外出先等でどうしても水が手に入らない場合には、水なしで服用せずにタンニンやカフェインを含まない飲み物で服用しましょう。お茶で問題とされるのは、お茶に含まれている渋み成分のタンニンとカフェインです。お薬によっては、お茶で飲むことでタンニンとお薬が結びついてしまいお薬の効果が弱まることがあります。
 また、カフェインは眠気を除去し疲労感を回復させる効果がありますが、多量にとるといらいらや不眠、頭痛などの原因にもなります。カフェインは一般用医薬品の総合感冒薬やドリンク剤などにも含まれているため、カフェインの多い飲料との服用は注意が必要です。お茶には煎茶や玉露、玄米茶、ウーロン茶など色々な種類があり、タンニンやカフェインの含量も様々です。中でも玉露コーヒー、紅茶には多くのカフェインが含まれています。最近ではノンカフェインのお茶も販売されていますので、それらを利用するのもいいでしょう。


NO.015(225号):災害時の備え「1週間分のお薬」と「お薬手帳」

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 災害が起こった時のお薬の備えは出来ていますか?災害時には、医療機関の機能が麻痺し、必要なお薬の入手が難しいことがあります。過去の災害時には、避難所や救護所で「薬が手元にない」、「薬の名前がわからない」等といった状況がありました。 服用中の薬が特定できないと、病状によっては命にかかわることがあります。災害発生時でもスムーズに治療が受けられるよう患者さん自身も備えなければなりません。
 そこで、自身を守るための重要なツールとして「お薬手帳」があります。薬局で発行される「お薬手帳」には薬の名前や使用方法、アレルギーや副作用の情報が記載されています。災害などの緊急時には、医師が治療薬を決めるのに大変役立ちます。常用しているお薬は1週間分程度用意しておきましょう。外出先で被災した際、お薬手帳や薬を持ち出せなかった事例も報告されています。スマートフォンで写真を撮って保存したり、スマートフォンで管理できる電子お薬手帳を活用し、ご家族でお薬の情報を共有しておくとより安心です。


NO.014(224号):お薬を飲み忘れた時はどうしていますか?

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 お薬の服用方法は「1日1回朝食後」「1日3回毎食直前」「週に1回起床時」「就寝前」など様です。飲み忘れに気付いた時には、「次いつ飲んだらいいのか?」といった疑問が出てきます。一般的に、飲み忘れた場合の対処法は1日の服用回数によって異なってきます。1日3回の場合、服用時間からそれほど時間が経っていない場合には、気付いた時に1回分を服用してください。次の服用は4時間程あけるといいでしょう。次の服用時間が近ければ飲み忘れた分の1回は抜いて、次の用法通りに服用してください。また、1日2回の場合には、次の服用まで5~6時間程度あけてください。1日1回(朝や昼)の場合は就寝前までの気付いた時に服用し、翌日からは通常通りの時間に服用してください。
 ただし、お薬によっては飲み忘れた場合の対処法が通常とは異なる場合があります。糖尿病治療薬などは飲むタイミングを間違えると、効果が現れず症状が悪化してしまう事もあります。ご自身のお薬については、薬剤師に飲み忘れた場合の対処法を確認しておくと安心です。


NO.013(223号):お薬と食べ物の飲み合わせ(1) 「グレープフルーツジュース」

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 2種類以上のお薬を一緒に飲んだ場合、薬の効き方が変わることがあります。これを「飲み合わせ」、「相互作用」といいます。また、お薬と同様に食べ物や飲み物がお薬に影響することがありますが、その代表的なものとしてグレープフルーツジュースがあげられます。一般に、お薬は体内の薬物代謝酵素により分解されていきますが、グレープフルーツジュースやその果皮・果肉には、その代謝酵素の働きを妨げる物質(フラノクマリン類)が含まれています。特に果肉の白いタイプは赤いタイプに比べこの物質が多い事がわかっています。影響を受けやすい免疫抑制剤(シクロスポリン等)、高血圧治療薬(アゼルニジピン等)、高脂血症治療薬(アトルバスタチン等)などでは、薬の作用が強くなり、重篤な副作用が起こりやすくなります。さらにその影響は2~3日続くこともあります。
 グレープフルーツの近縁種であるザボンや甘夏なども同様に注意が必要ですが、温州みかんやバレンシアオレンジ、レモン、シークヮーサーなどは殆ど影響がないとされています。


NO.012(222号):温湿布と冷湿布はどう違うの?

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 温湿布と冷湿布、消炎鎮痛効果の程度は同じですが、どちらを選んだ方がいいのか悩みますね。温湿布は、温かさを感じさせる(局所温感刺激作用)カプサイシン(トウガラシ成分)等が含まれています。これらは患部の血管を広げ、血行を良くすることにより、慢性的な痛みや腫れを和らげます。肩こり、腰痛、筋肉のこわばり、冷えによる症状がある場合も、温湿布の方が気持ちよく使用できます。
 一方、冷湿布は、清涼感やひんやり感を感じさせる(局所冷感刺激作用)l-メントール(ハッカ油)等が含まれています。これらは、神経に作用して痛みを麻痺させ、急な痛みや腫れを和らげます。打ち身、ねん挫、ぎっくり腰や熱をもった痛みなどには、冷湿布を使うと気持ちよく痛みも楽になります。
 気を付ける点として、湿布を貼った後に日光に当たると赤くなることがあります。これは「ケトプロフェン」という消炎・鎮痛成分を含む湿布で多く見られる「光線過敏症」という副作用です。はがした後も少なくとも4週間は同様に注意してください。予防するには、貼付部分に直接日光が当たらないようにすることが大切です。


NO.011(221号):『ジェネリック医薬品』とは?

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 「ジェネリック医薬品に変更しますか?」と聞かれたことはありませんか?
 「ジェネリック医薬品」(後発医薬品)とは、新薬(先発医薬品)の特許が切れた後に販売される、新薬と同じ有効成分・効能・効果をもつ医薬品の事です。一般的に先発医薬品(新薬)の開発には、9~17年程度の長い期間と数百億円もの投資が必要といわれていますが、ジェネリック医薬品の開発には、期間が新薬ほどかからず、費用も少なくすむため、価格も安くなっています。そのため、患者さんの負担も少なくなります。また、ジェネリック医薬品の使用は昨今増加傾向にある国の医療費を抑える事ができるため、国も推奨しています。最近では、飲みやすさや味、使用感等の改善された製剤も流通しています。なお、お薬によってはジェネリック医薬品がない場合もありますので、薬局等でご相談ください。
 「安いけど、効き目や安全性は大丈夫なの?」と心配される方もいらっしゃいますが、ジェネリック医薬品は厳しい審査を経て、厚生労働省により認められたお薬なので安心してご使用いただける医薬品です。


No.010(220号):「禁忌(きんき)」ってなに?

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 「禁忌」とは、一般的には「してはいけないこと」の意味ですが、医療現場では、ある医薬品を使用することにより、病状が悪化したり、副作用が起こりやすくなったり、薬の効果が減弱又は増強するなどの可能性が高いため、使用しないこととされています。
 病院から処方されるお薬は、医師や薬剤師によって禁忌事項などのチェックが行われます。しかしながら、市販薬は、自分で選ぶことができるため、お薬についての正しい知識をもって上手に使用したいものです。市販薬は用法・用量と同様に「禁忌」の確認も重要です。説明書の使用上の注意の「してはいけないこと」がそれにあたります。これらを守らないと、服用する薬の効き目が十分に現れなかったり、逆に効果が強く出すぎてかえって症状が悪化したり、副作用が起こることもあります。「服用後、乗り物の運転操作はしないでください」と注意のあった風邪薬を飲んで正常な運転ができず、交通事故に至った例も報告されています。
 お薬を正しく使用するために、市販薬の服用時は『説明書をしっかり読む』という習慣を身につけましょう。


NO.009(219号):いざという時のための「救急箱」の中身は?

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 皆さんのご家庭では、救急箱を備えていますか?救急箱は、急なけがや病気の時、災害時などにいつでも持ち運べるように準備しておくと大変便利です。救急箱の中には体温計、絆創膏(傷テープ)、ガーゼ、包帯、ハサミ、テープなどの医療材料、医薬品としてはやけどなどに使用する軟膏、かゆみ止め、痛み止め、風邪薬や解熱剤、整腸剤などを揃えておくと、いざという時の助けになります。
 擦り傷などに使用されていた消毒剤は、最近ではあまり使わず、傷口を流水できれいに洗い流してから湿潤療法を目的とした絆創膏を使用すると、傷跡が残りにくいとされています。また、救急箱に入れるものとして注意しておきたいのが開封後の湿布薬です。湿布薬中の芳香成分などが点眼薬などのプラスチック容器を透過し、薬液中に入って点眼時に刺激を感じることがあります。開封後の湿布薬と目薬は一緒に保管しないようにしましょう。
 救急箱は必要時にすぐに使用できるよう家族がわかるところに保管し、期限切れや不足薬の補充など定期的にチェックしておきましょう。


NO.008(218号):薬がうまく飲み込めないんです。

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 粉薬は苦いし、むせたり、喉に引っかかるから苦手、漢方薬の匂いが嫌だという方は多いと思います。よくコップ一杯のお水で服薬を勧めますが、水と薬では喉を通る速さが違う為、一緒にうまく飲み込めずに薬だけが喉に取り残されてしまい、それが原因で炎症や潰瘍を引き起こす事もあります。
 そこで薬を飲みやすくする方法としてよく知られている「嚥下補助ゼリー」という商品があります。ドラッグストア等で購入できる「嚥下補助ゼリー」は薬をうまく服薬できるように開発されたゼリー状のオブラートです。「嚥下補助ゼリー」と一緒に服用することでカプセル剤や錠剤なども上手く飲み込むことができます。また、最近は飲みやすくするためにフルーツやココアの味がついている商品もあります。スプーンを利用して、ゼリーで薬を包み込んで一緒に飲み込みます。飲みづらい場合には前後に少量の水を飲むといいでしょう。「嚥下補助ゼリー」を利用すると薬を簡単に服用できるため、小さいお子様から高齢者まで多くの方に利用されています。


NO.007(217号):保湿剤を効果的に使おう

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 皮膚は皮脂が不足して乾燥状態になると、水分の蒸発や刺激を防ぐ皮膚表面のバリア機能が低下し肌荒れやかゆみを伴います。ひどくなると、あまりのかゆさについ掻きむしったりして炎症を起こし出血することもあります。
 乾燥した皮膚に使用される保湿剤は白色ワセリンやビタミン剤配合などの軟膏タイプ、尿素やヘパリン類似物質などを含有するクリームやローションタイプ等があります。保湿作用のほか、血行を良くする作用、炎症を抑える作用をもつ薬剤もあります。保湿剤の使用により良好な皮膚のバリア機能の維持、改善が期待できます。保湿剤は皮膚から水分が逃げないようにする役割があるため、保湿剤の使用はできるだけ入浴後5分以内の皮膚が水分を多く含んでいるときに塗るのが最も効果的です。
 1日2~3回などの指示の場合、入浴後でない場合には保湿剤を塗る前に水や化粧水などで皮膚を湿らせておくとよいでしょう。
 ドラッグストア等で保湿剤を購入する際は、薬剤師と相談して皮膚の状態や部位に合ったものを購入しましょう。


NO.006(216号):お薬の使用期限について

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 お薬にも、食品と同じように使用期限があります。
 処方箋がなくても薬局やドラッグストアなどで購入可能なお薬(一般用医薬品、OTC薬、市販薬等と呼ばれています)には、外箱や瓶などに使用期限の記載があります。これはあくまで未開封で、適切に保管していた場合の使用期限を意味しています。いったん開封されたお薬は、時間とともに温度・湿度(湿気)や光などの影響を受けて変色したり、粉薬などは湿気により固まってしてしまうこともあります。そのように変質したお薬や使用期限の過ぎてしまったお薬は十分な効果が得られないばかりか、服用すると体調不良となることもあります。開封後の薬は、変質があれば使用期限の表示内であっても服用は避け、破棄した方が安全です。
 また、調剤薬局や病院から処方されるお薬(医療用医薬品)は、医師が診察した時に、患者さんの症状に合わせて処方したお薬です。処方された期間が使用期限となります。
 ご家庭にある薬の使用期限が切れてないか、変質してないか等定期的なチェックを心がけましょう。


NO.005(215号):とんぷく薬って何ですか?

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 病院から処方されたお薬の袋(薬袋)に「とんぷく薬(頓服薬)」と記載のあるお薬をもらったことはありませんか。お薬は服用の仕方で大きく「定期薬」と「とんぷく薬」の2つに分けられます。「定期薬」は1日1回朝食後、1日3回毎食後など決まった時間に服用するお薬で、「とんぷく薬」は発作時や症状のひどい時等の必要時にのみ使用するお薬です。「熱がある時に」「発作が起こった時に」と書かれている薬の袋には「とんぷく薬」と記載されています。とんぷく薬には、痛み止め、便秘薬、睡眠薬、喘息の発作を抑える薬などがありますが、飲み薬だけではなく、坐薬や吸入薬なども含まれます。
 その他、お薬の種類や患者さんの症状等によって1日2~3回まで、4~6時間は間隔を空けてください等の指示があります。指示を守らずに服用すると思わぬ症状が出る事にもなりかねません。例として、頭痛薬を連用している人の中に、かえって頭痛を悪化させている患者さんがいらっしゃいます。服用方法に不安がありましたら、処方医か、かかりつけの薬剤師に相談することをお勧めします。


NO.004(214号):水なしで薬を飲んでもいいですか?

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 一般的に、お薬は水無しで飲むと喉や食道にくっ付き、そこで溶けだした薬の成分が粘膜を傷つけ、炎症や潰瘍が現れることがあります。特にカプセル剤は、外側がゼラチンでできており粘膜にくっつきやすいため、服用前に水で口内を潤してから水とともに服用することをお勧めします。お薬をしっかり胃に送り込むためには 、最低でもコップ1杯(180cc程度)の水で飲むようにしましょう。
 最近では水なしで飲める薬が多く販売されています。このタイプのお薬は、医薬品名の後ろに「△△OD錠」や「〇〇D錠」等と記載されています。「OD」とは『Oral Disintegration』の略で、日本語では『口腔内崩壊錠』、つまり口の中で溶ける薬という意味です。高齢や合併症などで飲みこむ力が弱くなったり、水分摂取を制限されている患者さんにも、飲みやすい薬の剤型です。口腔内崩壊錠は味が苦手、水で飲まないと心配だという方は、水(または白湯)で服用することも可能です。薬の効果に差はありません。


NO.003(213号):冬に多い胃腸炎

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 冬の季節には、感染性胃腸炎の患者さんが多くみられます。特に乳幼児に多いロタウイルス、幅広い年齢層でみられるノロウイルス等のウイルス性胃腸炎が多いのが特徴です。ウイルス性胃腸炎は感染者の便や嘔吐物、それらを触った手、汚染された床やドアノブ等からも感染し、数日の潜伏期間(感染から発病までの期間)の後、下痢、嘔吐、腹痛、発熱などの症状が現れます。
 ウイルスに有効なお薬はないため、治療は下痢や嘔吐による脱水症状の改善が基本となります。薬局で購入できる下痢止めの使用は、腸内で増殖したウイルスを排出できないため、かえって病気の回復を長引かせる事もあり注意が必要です。乳幼児や高齢者では重症化しやすいため、早めに医療機関を受診しましょう。また、症状がおさまってからもノロウイルス感染症では数週間、ロタウイルス感染症では約1週間、排泄物等にウイルスが排出し続けています。感染を広げないためにも、オムツやシーツは適切な処理{塩素系漂白剤(ハイター等)を希釈した消毒薬で消毒}を行い、普段から外出後や食事の前などの手洗いを心がけましょう。


NO.002(212号)

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 沖縄では、季節を問わずインフルエンザが流行し注目されています。インフルエンザを予防するために私達が日頃からできることは、かからないための「手洗い」とうつさないための「咳エチケット」です。
 また、「インフルエンザワクチンの接種」も重要です。接種後、約2週間後にウイルスとたたかう「抗体」が作られ、1か月~2か月後に効果がピークとなり、約5カ月でワクチンの効果は減少していきます。
 接種したのにかかったという声をよく聞きますが、絶対にインフルエンザにかからないという事ではありません。接種することで、発病や「重症化」を予防します。発病後、多くの方は一週間程度で回復しますが、中には肺炎や脳症等の重い合併症が現れ、入院治療を必要とする方や死亡される方もいます。これをインフルエンザの「重症化」といいます。
高齢(65歳以上)、小児(5歳未満)、妊娠中、肥満、基礎疾患(糖尿病、喘息等)をお持ちの方は重症化のリスクが高いためインフルエンザワクチンの接種をお勧めしています。


NO.001(211号)

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 皆さんは、お薬を正しく飲んでいますか?お薬は、病気の症状を和らげたり、自然治癒力を高めたりすることで体を健康な状態に戻すという大切な働きがあります。このコーナーでは、お薬を上手に使うためのポイントをご紹介します。

◎『食間』とは、食事中に飲む事?
お薬を飲む時間は効果や安全性を考えて決められています。
 『食前』は食事の20~30分前、『食後』は食事の後30分以内を指します。例えば、朝食と昼食の間の10時頃にお薬を飲む事を「食間に飲む」と言います。「食事の後の約2~3時間後にお薬を飲む」というのが『食間』のタイミングです。その頃は、食べた物が消化され、胃の中の食べ物がほぼなくなります。『食間』に飲むよう指示されたお薬は、空腹の時に吸収されやすいか、食事の影響を受けやすいお薬になります。漢方薬はその代表的なお薬です。安定した効果を得るためにも指示通りにお薬を飲むように心がけてください。
 お薬について心配なことがあれば、ぜひ身近な薬剤師に聞いてくださいね。